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※2020年12月2日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年12月2日 日刊ゲンダイ2面
【民主主義も自由市場も今や風前】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 3, 2020
政治が恫喝で携帯値下げ
とてつもない代償
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※文字お越し
半官半民が色濃く残るNTTドコモが、菅政権の恫喝にまず屈した形だ。
ドコモは携帯電話の料金引き下げを、週内にも発表する。肝は、メインブランドのデータ大容量プランを軸に、価格体系を見直して実質的な値下げに踏み切ること。新たに廉価なサブブランドも創設し、データ通信容量20ギガバイトで月額3000円前後のプランの導入も検討している。先にサブブランドでの値下げを発表したKDDIやソフトバンクより1000円程度割安な設定だ。
これなら武田総務大臣も満足か?
携帯料金の値下げは、デジタル庁、不妊治療の保険適用に並ぶ「3大スガ案件」。竹中平蔵“師匠”仕込みの「アーリー・スモール・サクセス」狙いで目に見える結果を急ぐ菅首相の意を受け、イエスマン大臣が携帯各社に圧力をかけた結果、10月28日、KDDIとソフトバンクが新料金プランを発表。しかし、サブブランドでの値下げにとどまったことから、「これでは値下げの実感は乏しい」などと消費者の反応は冷ややかだった。
すると11月20日、武田は「メインブランドでは全く新プランが発表されていない」「サブブランドのみの値下げは羊頭狗肉だ」と激怒し、メインからサブへの移行には同じグループ内でも最大1万5000円前後の手数料がかかることを問題視。同27日には、「(メインからサブへ)利用者が移行しないよう制度が設計されている」とまくし立て、問題解消に向け、消費者庁と連携して事業者を指導するとか、今後の電波割り当て審査において、改善状況を考慮するなどと、強い権限を振りかざしたのだった。
こうして、メディアを使って記者会見で幾度も吠えまくり、ついにドコモを陥落させた、というわけだ。
大臣がちゃぶ台返し
もっともNTTには、かつて加計学園問題で「首相案件」と発言した文書の存在が物議を醸した安倍前首相の元秘書官が天下りしている。ドコモが“菅総理のご意向”に従って値下げするのも出来レースか。慌てるKDDIとソフトバンクが追随して、メインブランドの値下げにも踏み込むのかどうか。菅・武田コンビは舌なめずりだろう。
経済ジャーナリストの井上学氏はこう話す。
「電波を利用する携帯電話は許認可事業ですから、企業側は従前から国の顔色をうかがってきましたが、今回の値下げに関してはこれまでの電波行政とは異なります。企業側が値下げを発表し、行政と話がついたのかと思いきや、大臣がダメ出しして、ちゃぶ台をひっくり返している状態。通常はこんなモタモタすることはありません。そもそも、通話料金を値下げさせたいなら、新規参入やMVNO(格安スマホ事業者)を拡大して競争を激しくするべきなのに、政府による直接の値下げ命令なんて、資本主義国家のやることじゃありませんよ」
1日の会見で、武田はドコモの値下げについて聞かれると「政治や行政の力で上げ下げするのは適当ではない」と発言。ドコモの対応を“自発的”だと言い張るのだから恐れ入る。
攻撃しやすい相手を血祭りにして人気取り |
「携帯値下げは家計の負担減につながります。大臣自らやってください」
政権発足直後、菅はこう言って、武田にミッションを与えた。
確かに、このコロナ禍で携帯料金が下がるのは、消費者にとって歓迎すべきことだ。1世帯あたりの携帯料金は、2010年の7万9918円が、19年は10万3466円。サラリーマンの給料はちっとも上がらないのに、携帯料金だけは右肩上がりで、家計にとって重い負担なのは間違いない。
だが、ちょっと待って欲しい。大不況下なのに5%→8%→10%と、短期間に2度も平然と消費税を上げ、庶民生活を苦しめたのは、菅が官房長官をしていた安倍政権ではなかったか。そんな悪辣首相が、一方で携帯料金を下げて、庶民生活を楽にすると喧伝するデタラメ。これが「国民のために働く内閣」だとしたら、ちゃんちゃらおかしい。
<世の中に値段が高いものなんていくらでもある。政府が税金は下げたくないからと、民間で攻撃しやすい相手を見つけ血祭りにし、えいやで価格を下げさせるなら、自由主義経済ではない。大臣が企業を恫喝して言うことを聞かせるのは政治ではない。内容以前にやり方に問題がある。>
立憲民主党の小沢一郎衆院議員(事務所)のツイートだが、これには「ほんとに下げるべきなのは携帯料金ではなく税金です」「消費税を3%に戻すだけで、どれだけ国民が助かるか」といったコメントが寄せられていた。
究極のポピュリズム政策のために、消費税増税の尻ぬぐいを民間企業に負わせる。こんな横暴を許していいのか。
ジャーナリストの斎藤貴男氏は言う。
「携帯電話料金を通じて、政府が民間企業や個人の判断に介入しようとしている。これは危ないことで、大衆が『携帯電話がなくては生きていけない』となればなるほど、携帯が監視社会において政府の重要なツールになる。政府にすれば料金をタダにして、全国民に携帯を持ってもらいたいぐらいでしょう。一方で、政府は消費税を下げることはない。消費税を転嫁できない中小・零細企業を、『生産性が低い』として潰す有力な手段だからです。結局、全国民を大企業の支配下に置くことで、自民党の支配下に置けると考えているのでしょう」
手柄欲しさのスタンドプレー
政府の号令一下で一律値下げなんて、「官製カルテル」みたいなものだし、北朝鮮もびっくりの共産主義国家の暴力的手法だ。
それに、一時の人気取りでたとえ携帯料金が下がっても、中長期で見たら、国民にとって望ましいことなのかどうか。日本の消費者は多少高くとも通信品質が安定していることへの志向が強い。日本は5Gで世界の後塵を拝し、既に米中は6G開発戦争に乗り出している。現状の4Gの値下げを官が必死で旗振りすることに、どれだけの意味があるのか。
この国は、民主主義も自由市場も今や風前の灯火だ。
「安倍政権は経済界に直接『賃上げ要求』してきましたが、あれも資本主義にもとるやり方で、本来、政府は、最低賃金の引き上げによって賃金上昇を促すべきなのです。今回の菅政権の携帯電話料金引き下げを直接要求するやり方は、そうした安倍政権の手法の延長線上にあります。資本主義のルールを無視するようなスタンドプレーは、政治家が自分の手柄にしたいという魂胆が透けて見える。本来なら、経団連などが『これでは自由主義経済ではない』と真っ向から反発しなければおかしいのですがね」(井上学氏=前出)
歪な政治パフォーマンスに庶民が拍手喝采したら、独裁者はますますツケ上がるだけだ。
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同じ質問に真逆の回答…武田総務相が携帯会社へ値下げ“恫喝”、ドコモも値下げ不可避(Business Journal)
http://www.asyura2.com/20/hasan134/msg/815.html
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- ドコモ新プラン「ahamo」発表 狙いは20代 20ギガバイトのデータ容量で月2980円 :経済板リンク 赤かぶ 2020/12/03 22:00:30
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