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追加負担は3000億円 延期五輪は“金欠”東京都の独り負けに
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/282051
2020/12/02 日刊ゲンダイ
税金はコロナ対策に使って(小池百合子都知事)/(C)日刊ゲンダイ
来夏に延期された東京五輪の追加費用が、総額3000億円規模になると大会組織委員会が試算している。会場の再確保や設備のレンタルなどの経費が2000億円。これに加え、コロナ対策費として1000億円を見込む。今月上旬にも、政府、組織委、東京都の3者で負担割合を決めるというが、またモメそうだ。
「スポンサー企業からの追加拠出は難しく、組織委はあてにならない。政府と東京都がほとんどを出すしかありませんが、都も基金を取り崩してしまってお金がない。ただ、『Go To トラベル』で東京を除外するかどうかを巡って、菅政権と小池都知事がさや当てをしていますから、政府がやすやすと多めに負担するとは思えません」(自民党関係者)
余計にカネがかかるのにショボイ大会 |
このままでは延期五輪は東京都の“独り負け”だ。約1兆円あった財政調整基金はコロナ対策に充てられスッカラカン。600億円の「コロナ債」発行に踏み切ったほどカネがないのに、五輪の追加費用は別途、出さざるを得ない。
そのうえ、たとえ五輪が開催できたとしてもショボイ大会になりそうなのだ。組織委の森会長が「簡素化で300億円を削減した」とアピールしていたが、その大部分は「ルック」と呼ばれる装飾。「大会エンブレムが主なものですが、テレビに映らない場所から徹底的に外すことになりました。全体の85%の装飾をなくします」(大会関係者)というから、“祝祭感”は大幅に減退する。
一方で、政府とIOC(国際オリンピック委員会)は「無観客を避け、とにかく開催」で思惑が一致している。多少の不参加国があろうが、祝祭感がなくなろうが関係ないのだ。「人類がウイルスに打ち勝った証し」と繰り返す菅首相は、来夏の五輪開催後の衆院解散戦略を描いているだけに「五輪開催が絶対」(官邸関係者)だし、IOCにとって大事なのは、米テレビ局の放映権料と東京五輪の半年後(2022年2月)に予定される北京冬季五輪の確実な開催。そのためにも東京五輪は開かれなければならない。
「米英独など重要な国が不参加でも大会をやれるのかどうか。来年3月のIOC会長再選に響くとなれば、バッハ会長は日本側のはしごを外す可能性もありますよ」(スポーツジャーナリスト・谷口源太郎氏)
その時は勝ち組のつもりの菅も「負け」の道連れ。最大の被害者は無駄に税金を使われた日本国民だ。
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