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東京493人よりもっと深刻! 大阪のコロナおざなり対策が酷すぎる…重症病床使用率ごまかし、都構想にかまけてやってる感アピールだけ
https://lite-ra.com/2020/11/post-5700.html
2020.11.18 大阪のコロナおざなり対策が酷すぎる!重症病床使用率もごまかし リテラ
大阪府HPより
本日19日、東京都の新規感染者が493人で過去最多を更新し、不安が広がっている。都の警戒レベルも最高段階に引き上げられる。しかし、じつは東京都以上に重大な事態となっているのが大阪府だ。
たとえば、大阪府の本日の新規感染者数は273人で過去2番目の多さだった。昨日18日も東京都は298人で、大阪府は昨日時点で過去2番目に多い269人だった。東京都の人口が約1400万人で大阪府の人口が約880万人であることを考えれば、東京都を上回る深刻さなのだ。
しかもより重大なのは、重症患者の病床使用率だ。大阪府の重症病床の使用率は17日時点で33.5%だと公表されているが、実際には60%を超えているのだ。
そのカラクリはこうだ。大阪府は10月14日に重症病床の確保数を188床から206床まで増やしたが、対して11月16日時点で大阪府の重症患者は73人で、病床使用率は35.0%に達した。だが、NHKニュース(16日付)によると、重症患者用に確保された病床は患者が少ない時期には一般患者用としており、15日時点で大阪府が重症患者用として運用できる状態になった病床数は107床でしかない。つまり、実質的には重症病床の使用率は60%を超えているのである。
吉村洋文・大阪府知事は昨日17日、16日に重症患者の病床使用率が35%に達したことについて「今のままで増え続ければ(府民に対する非常事態の基準となる)70%に到達する可能性は十分ある」などと述べたが、実質的には70%超えはもう目の前まで迫っているのだ。
しかも、大阪府の場合は「今のままで増え続ければ」などと悠長なことを言っているような状況にはもはやない。たとえば、「ECMOnet」のデータによれば、17日時点で「重症者における人工呼吸器装着数(ECMO含む)」は東京都で36件だが、大阪府は58件にものぼっているからだ。
実際、こんな証言もある。前出のNHKニュース記事では、府立中河内救命救急センターの山村仁所長が、今回、搬送されてくる重症患者の特徴について、こう語っているのだ。
「これまではもともと治療を受けていた新型コロナの患者が重症化して搬送されてくるパターンが多かったが、今回は、救急で運ばれてきて、センターでPCR検査をした結果、陽性が分かるケースがみられ、市中感染が広がっているように感じている」
新型コロナ患者として治療されている最中に重症化するのではなく、すでに症状が悪化した状態で救急搬送されて陽性であることが判明するということは、これはつまり検査数が足りていないことの証左ではないか。
現に、11月に入ってからの検査実施件数は東京都の最多が8175人(16日)であるのに対し、大阪府の最多は3982人(17日)と半分以下にとどまっている。
徹底した検査を怠ったために市中感染が広がり、重症患者も急増──。ようするに、大阪府では「第1波」の教訓が何ら活かされていない、最悪の状態にあると言っていいだろう。
そして、この最悪の状況を生み出した要因は、言わずもがな、吉村知事がコロナ対策そっちのけで、いわゆる「都構想」に邁進してきたことだ。
事実、感染が再拡大していた8月の大阪府の新型コロナ死亡者数は62人(NHKまとめから算出。以下同)にもおよび、東京都の31人の2倍もの数に膨れ上がっていた。9月も同様に東京都45人に対して大阪府は54人と上回っていた。
にもかかわらず、吉村知事はコロナ対応がうまくいっていると騙すようなことをやってきた。8月中旬には大阪府の重症者数が東京都の3倍以上にものぼったが、このとき吉村知事は「大阪の場合は死者をできるだけ減らしたいということで、できるだけ早めに気管切開をして人工呼吸器をつけて、命を救う治療を優先している」と発言。その後、大阪府医師会・茂松茂人会長が「治療はどこで受けても同じ治療をする」「大阪だけ、できるだけ早く人工呼吸器をつけるということはまずないと思う」と否定し、またも吉村知事のデタラメ発言だったことが露呈した。
■都構想にかまけてコロナ対策おざなり イソジン、大阪ワクチン…やってる感アピールだけ
無論、こうした吉村知事のデタラメはいまにはじまった話ではない。吉村知事は5月に再び休業を要請する際の独自基準として「大阪モデル」をぶち上げ、「頼れるリーダー」「実行力がある」などとメディアに持て囃されたが、実際にはその後、基準を超えそうになると基準を変更。7月には「赤色」になる基準を「重症者の病床使用率が70%以上」のみとする修正をおこなった。その高すぎる基準にさえいまや到達しそうになっているわけだが、当初の基準(1週間の平均値で@「感染経路不明者の前週増加比」が1以上、A「感染経路不明者数」が5〜10人以上、B「確定診断検査における陽性率」が7%以上)に照らし合わせれば、17日時点で@は1.49、Aが180人、B8.9%となっており、すでに「赤色」になっているのだ。
この「大阪モデル」の恣意的な運用変更はもちろんのこと、「うがい薬」騒動や「大阪ワクチン」ぶち上げをはじめ、大阪府民を騙すようなことを繰り返してきた吉村知事。これらがすべて「都構想」への影響を睨んでのものだったことは明々白々だ。
そして、夏の「第2波」対策を疎かにしたままで秋に突入し、10月下旬から新規感染者数は右肩上がりとなった。そんな最中に、吉村知事と松井一郎・大阪市長は、わずか5年前に否決されたばかりの「都構想」の2度目の住民投票の運動にかまけていたのである。
いや、再び「都構想」が否決されたあとも、吉村知事は6日には「約半数の賛成派の声を尊重することも大事だ」などと言い出し、「広域行政の一元化」条例の制定を目指すことを宣言。これは市の権限と財源を府に差し出すという「都構想」で否決されたものを条例で実現させようとする住民投票の結果を蔑ろにしたシロモノにほかならないが、その一方、新規感染者数が過去最多を更新した11日に吉村知事がフリップまで用意して打ち出した感染拡大防止策は、なんと「静かに飲食」「マスクの徹底」だった。それらが重要なのは誰でもわかっているが、それ以上に検査医療体制の整備にしろ休業補償にしろ行政による対策が喫緊で求められているというのに、それでも「自助でどうにかしろ」ということだ。
コロナ対策そっちのけで「都構想」に邁進し、その結果、人口比でいえば東京を上回る感染拡大を招きながら今度は条例制定などと言い出し、肝心の感染対策は住民に押し付ける……。大阪府の深刻な状況とともに、これまでさんざん持ち上げてきた「頼れるリーダー」のこうした実態を、メディアは責任をもってしっかり報道すべきだろう。
(編集部)
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