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28都道府県を調査 迫るコロナ「重症者用病床」ひっ迫危機
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/281270
2020/11/13 日刊ゲンダイ
最多の256人感染、ワーストは大阪(吉村府知事)/(C)共同通信社
12日の新型コロナウイルス新規感染者は1661人となり、8月7日の1605人を上回り、過去最多となった。強烈な第3波は衰えそうにない。これから、重症者がジワジワ増えていくのは間違いない。重症者用の病床は大丈夫なのか――。実態を調査した。
連日、各地で過去最多の感染者数を更新する第3波は強烈だ。感染抑制の優等生の岩手や鳥取でも感染がみられるようになった。地域や世代を超えて、満遍なく感染が拡大している。
大阪府の吉村知事は11日、「『第2波』のように特定の若い世代に固まっているわけでもなく、特定のエリアに固まっているわけでもなく、広い世代に散発的に広がっている」と第3波を分析した。
東京でも同じ傾向だ。大規模クラスターが感染者数を押し上げているわけではない。世代でみても、第2波が襲った7月は20、30代の感染が3分の2を占めていたが、今月は、11日までで20、30代が45%、40代以上が47%と拮抗している。
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。
「第2波は、重症化リスクの高い高齢者ではなく、夜の街や若者の感染が中心だったので、死者が少なかった面があります。中高年にも感染が広がっている第3波では、重症者が増える恐れがあります」
さらに、重症者が増えそうな要因がいくつもある。菅政権は病床の逼迫を恐れて、入院できる感染者を原則65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人らに絞る政令を施行している。重症化回避に有効な早期入院が難しくなり、重症者が急増する恐れがある。「Go To トラベル」が続行され、免疫力が低下する冬を迎えるのも重症化要因になる。
菅政権は、入院できる感染者を絞る政令を施行(C)日刊ゲンダイ
病床占有率ワーストは大阪 30%に迫る
日刊ゲンダイは、都道府県が確保している重症病床と最新の重症患者を調べた。
現在、重症者がいるのは28都道府県。病床占有率のトップは30%に迫る大阪だ。重症者は今月1日の26人から、12日は60人に膨れ上がっている。
東京も26%と高水準。北海道の重症者は12人だが、重症病床はわずか93床と心もとない。
吉村知事は12日、「これからも、重症病床の使用率は増えてくると思うのでそれぞれの医療機関にお願いをしている最中だ」と語ったが、上昌広氏は首をかしげる。
「重症病床はお金をかけて、ベッドを用意し、重症者治療に必要な設備を揃えれば増やせるでしょう。しかし、重症者の対応は難易度が高く、スタッフも含めて命を救える態勢を整えるのは簡単ではない。現在の第3波の勢いからして、ケタ違いの感染拡大が予想されます。重症者対応が追いつかない自治体が相次いでもおかしくありません」
第1波や第2波では、感染者数のピークから2〜3週間後に重症者数のピークが来ている。
12日の感染者数が第3波のピークだとは思えないが、重症者数がジワジワ増えるのは間違いない。パンクしてからでは手遅れだ。菅政権はすぐ手を打つべきだ。
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