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11月 03, 2020 日々雑感(Daily miscellaneous feelings)
<2日の衆院予算委員会で、日本学術会議に関する政府・自民党と野党の議論は堂々巡りの展開となった。菅義偉首相は会員候補6人の任命を拒否した理由の説明で核心を避け続け、学術会議のあり方を問題視する自民党と歩調を合わせた。野党は「論点のすり替え」と反発を強め、首相への追及を続ける方針だ。
「いやいや、それはもう表になっている人ですから。それと今回の任命権とは全く違うんじゃないでしょうか」。首相は自著「政治家の覚悟」の中にかつて総務省課長を更迭した理由を述べた章があると立憲民主党の今井雅人氏から指摘され、6人の任命拒否理由を明らかにするよう迫られると、色をなして反論した。
今井氏は6人が安全保障関連法など政府の政策に反対したことと任命拒否理由の関連を追及。首相が「政府の法案に反対したからではない」とする一方、直接的な理由の説明を拒むと、「片方が話せて片方が話せないでは納得できない。狙い撃ちではないか」と食い下がった。それでも、首相は「課長の人事は表になっている」と繰り返すばかり。6人が任命拒否された事実も明らかにされなかった>(以上「毎日新聞」より引用)
人事と予算を握れば何でも出来る、との思い込みが菅氏にあるのではないか。だから人事を恣に六人の任命拒否をして、予算に関する「日本学術会議」そのもののあり方を論議しようとする。
かつて「解釈改憲」で政権が触れてはならない「憲法解釈」まで自由に改変を行った安倍自公政権の番頭・官房長官を勤めていて、「批判は当たらない」「そうではない」との答弁だけで記者会見を乗り切った官房長官当時の実績から、日本学術会議の委員の任命拒否も「その批判は当たらない」との決まり文句だけを繰り返せば乗り切れると思っていたのだろう。
しかし調べ上げさせた資料を基に、内調が決めた任命拒否をそのまま読み上げただけのスカスカ菅氏の判断で乗り切れるわけがない。学術会議は法に抵触した人物ならまだしも、純粋に学術で業績のある人物を推薦しているわけだから、その独立性を侵す判断をしたからには「侵すに足りる」理由が菅氏の口から述べられなければならない。
菅氏の口から述べられない限り、菅氏は内調との「二人羽織の顔役」でしかない。実際に菅内閣を操っているのは内調だということになる。つまり警察・公安権力が官邸の上に君臨する、という身の毛もよだつ菅自公政権の実態が証明されることになる。
似非・評論家たちが「日本学術会議のメンバーには中国の大学と共同研究している人物がいる」と批判しているが、それがどうした。今後は別として、米国でも中国人研究者を受け容れていたではないか。経済界は中国へ工場などを移転させて、巨額の投資を行っていたではないか。その投資されたカネが「新・シルクロード」や「一帯一路」の侵略投資に使われていたではないか。
中共政府の実態が明らかになったからには、今後は中国との共同研究は変わらざるを得ないし、変わらなければ「売国奴」の誹りは免れない。ただ米国は世界随一の軍事大国で、軍事関係技術研究を共同で行っている日本人学者も多数いることを忘れてはならない。日本に原爆を投下したのは中国やソ連ではなく、米国だったではないか。
日本学術会議は純粋に独立して機関でなければならない。似非・評論家たちは学術会議の委員は学問・研究のプロかも知れないが、政治の素人だから政治向きのことは政治家の判断に従えば良い、との評論を行う輩までいるが、人は時代の空気を吸って生きている。同じ時代の空気を吸って、一人一人の抱く思いが異なるのは当たり前だ。凡人の判断と学者なら、さらに大きく乖離しても当たり前ではないだろうか。
全員が同じ判断をするのなら、選挙も不要になる。一人一人の判断が異なるから間違いもあれば進歩もある。日本学術会議に諮問し答申を得るのは、政治家としては素人の考えを拝聴するのも政権を預かる政治家として必要ではないだろうか。その独立性に指一本も触れてはならない。
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