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※週刊ポスト 2020年11月6・13日号 各紙面、クリック拡大
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— NEWSポストセブン (@news_postseven) October 26, 2020
◆定年崩壊ならばいつまで働くべきか
◆「団塊総理」はなぜ今までいなかったのか
◆「桜を見る会」だけで255枚! 首相官邸「テレビ監視」記録文書を公開する
◆CAたちの“あぶない副業生活”#週刊ポスト #定年 #総理 #副業
官邸テレビ監視文書 玉川徹氏は記録も、良純&一茂はスルー
https://www.news-postseven.com/archives/20201026_1607068.html?DETAIL
2020.10.26 07:00 NEWSポストセブン 週刊ポスト2020年11月6・13日号
注目の番組タイトルは目立つようマーキングされている
菅義偉・首相が野党時代の2012年に刊行した単行本『政治家の覚悟』を改訂した新書が刊行され、「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」と公文書管理の重要性を訴える記述が削除されたことが物議を醸している。
森友・加計問題など、安倍政権の末期には公文書をめぐる疑惑が噴出した。なかでも、昨年5月に発覚した「桜を見る会」に安倍首相(当時)の後援者らが多数招待されていた問題では、招待者名簿が破棄されていたことに批判が起きた。
官房長官の立場で問題に関わり、後継となった菅氏には、「桜を見る会」はいつ爆発するか分からない“地雷”だ。本から公文書に関する記述を削除したのも、菅氏が桜を見る会の追及を恐れているからではないか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は語る。
「安倍政権を継承するという方針を示した菅氏は、“負の遺産”も継承することになった。その象徴が、桜を見る会です。菅氏は9月16日の就任会見で『来年以降中止にする』と表明し幕引きを図りましたが、著書で公文書の記述を削除したことが明らかになったことから、今後の臨時国会では野党から桜を見る会と絡めて追及されるでしょう」
そんななか本誌・週刊ポストは、菅氏がいかにこの問題を恐れてきたかの証拠となる“公文書”を入手した。
文書には〈〇月〇日の報道番組の概要〉〈内閣広報室 担当〇〇〉と記名があり、その日のテレビ番組が列挙され、一部のコメンテーターの発言が抽出されている。東京都内の男性が情報公開請求したもので、桜を見る会問題が追及された今年1月までの10か月間に、菅氏をトップとする内閣官房がテレビの放送内容をチェックした記録である。
文書は255枚にも及ぶ。毎日番組を観続けて文字に起こした職員たちの労力は相当だろう。
取り上げられた番組は、朝の『スッキリ』(日本テレビ系)、『モーニングショー』(テレビ朝日系)、『とくダネ!』(フジテレビ系)、昼の『ひるおび!』(TBS系)、夜は『報道ステーション』(テレビ朝日系)、『NEWS23』(TBS系)、週末は『日曜討論』(NHK)、『サンデーモーニング』(TBS系)など。コメンテーターがいないストレートニュースの番組は除外され、情報番組でも『バイキング』(フジ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などバラエティ色が強い番組、『news every.』(日テレ系)、『Live News it!』(フジ系)など夕方の番組も見当たらない。
該当のテレビ番組と対象の識者がどのようなコメントをしたか事細かに記載されている(TBS系『NEWS23』における記録)
批判派と擁護派のやり取り
発言をピックアップされたコメンテーターの顔ぶれも興味深い。
数が多いのが、『NEWS23』に出演する元朝日新聞の星浩氏と、『報ステ』に出演する元共同通信の後藤謙次氏である。記録されているのは次のような発言だ。
星「お酒とか料理は税金で出されているわけですから、公私混同の疑いが極めて濃厚だと思う」(2019年11月8日『NEWS23』)
後藤「30年以上、『桜を見る会』を取材しているが、一言で言うと今年の会は非常に不愉快であった。税金を使っている会だという意識が極めて低い」(2019年11月12日『報ステ』)
文書には、発言の詳細まで細かく書き残されている。一方、番組のメインMCは小川彩佳、徳永有美の両アナのはずだが、厳しい意見を言うことも多い小川アナの言葉は一部星氏とのやり取りがあるだけで、徳永アナにいたっては一切記録なし。
その傾向は他の番組でも同様で、『モーニングショー』の羽鳥慎一、『スッキリ』の加藤浩次といったMCたちの発言は取り上げられていない。
コメンテーターの中でも取捨選択がある。『モーニングショー』の場合、テレ朝社員の玉川徹氏やジャーナリストの青木理氏の発言は取り上げられているのに対し、同じレギュラーコメンテーターでも、石原良純氏や長嶋一茂氏らのコメントは載っていない。
TBS系『NEWS23』における記録_2
TBS系『ひるおび!』における記録
TBS系『ひるおび!』における記録
TBS系『ひるおび!』における記録
『ひるおび!』でも、国際弁護士の八代英輝氏、毎日新聞論説委員の福本容子氏らの発言はあるが、落語家の立川志らくや作家の室井佑月氏ら、“毒舌コメンテーター”らの発言はない。
官邸が過敏になっているのは、タレントの意見よりも、評論家やジャーナリストの論評のようだ。批判派ばかりではなく、元時事通信の田崎史郎氏や読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏ら、政権擁護派とされるコメンテーターも多く登場する。
2019年11月12日の『モーニングショー』で抽出されたやり取りが分かりやすい。この日は田崎氏が出演しており、「『桜を見る会』はずっと続いており、自民党ではない政権の時にも開かれている。いろんな見方はあると思うが、許容範囲」という発言で口火を切る。その後、青木氏、玉川氏の発言が続く。
青木「『税金を使って、公選法違反のことをしている』という深刻な問題」
玉川「今の安倍政権を支えるための装置になっている」
番組で批判派と擁護派がどのようにやり合っているかを、官邸はチェックしていたのだ。
■協力/https://note.com/kaijiwada
官邸のテレビ監視記録 文書の存在自体がメディアへの牽制
https://www.news-postseven.com/archives/20201027_1607248.html?DETAIL
2020.10.27 11:00 NEWSポストセブン 週刊ポスト2020年11月6・13日号
桜を見る会問題が追及されて以降、10か月にも及びテレビの放送内容が記録されていたという(時事通信フォト)
総理になってからの菅義偉氏は、記者会見では笑顔を絶やさず、マスコミ懐柔にも努めている。だが、菅氏には別の面がある。長く官邸を牛耳ってきた彼は、官僚たちを使って報道を監視してきたのだ。その証拠となる記録文書を本誌・週刊ポストが入手した。
文書には〈〇月〇日の報道番組の概要〉〈内閣広報室 担当〇〇〉と記名があり、その日のテレビ番組が列挙され、一部のコメンテーターの発言が抽出されている。東京都内の男性が情報公開請求したもので、桜を見る会問題が追及された今年1月までの10か月間に、菅氏をトップとする内閣官房がテレビの放送内容をチェックした記録である。
文書は255枚にも及ぶ。毎日番組を観続けて文字に起こした職員たちの労力は相当だろう。
取り上げられた番組は、朝の『スッキリ』(日本テレビ系)、『モーニングショー』(テレビ朝日系)、『とくダネ!』(フジテレビ系)、昼の『ひるおび!』(TBS系)、夜は『報道ステーション』(テレビ朝日系)、『NEWS23』(TBS系)、週末は『日曜討論』(NHK)、『サンデーモーニング』(TBS系)など。
発言をピックアップされたコメンテーターの顔ぶれも興味深い。数が多いのが、『NEWS23』に出演する元朝日新聞の星浩氏と、『報ステ』に出演する元共同通信の後藤謙次氏だった。
監視対象が官邸入り
本誌・週刊ポスト2020年6月5日号では、同様の手法により内閣官房がテレビ番組をチェックした記録の一部を入手し報じた。その際、「政府がどのように報じられているかチェックするのは当然」という声が寄せられたが、桜を見る会に限った今回の文書を見ると、意図的に官邸が意識している一部ジャーナリストらの発言だけを収集しているのが分かる。
この膨大なる監視記録の目的は何なのか。文書に何度も名前が登場する政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう見る。
「メディアへの牽制のために作られているのではないか。発言を収集し、評論家やジャーナリストの足をすくう材料を探している。私自身、新型コロナに関するテレビでの発言内容について、内閣官房から反論されたことがありました(*注1)。
また、公文書の公開に消極的な官邸が、この記録文書については情報公開請求に応じ、あえて『ある』ことを示したことにも何らかの意図を感じてしまいます。文書の存在を示すこと自体が、メディアに対する牽制になっているのではないか」
【*注1/今年3月5日放送の『モーニングショー』で、伊藤氏がコロナ特措法について「総理が法律改正にこだわる理由は、『後手後手』批判を払拭するため」とコメント。それに対し、内閣官房が公式ツイッターで番組を名指しし、異例の反論を行なった」
注目の番組タイトルは目立つようマーキングされている
文書には時間の経過を感じさせる名前もある。共同通信論説副委員長だった柿崎明二氏である。当時、柿崎氏はさまざまな番組に出演し、安倍政権への批判を行なっていた。
「安倍政権と国は別物。国は無人格で未来永劫続き、その運転手が政権。国家そのものの信頼を損なうような行為、姿勢は改めるべきである」(2019年11月12日『ひるおび!』)
柿崎氏は菅政権発足に伴い、首相補佐官としてジャーナリストからは異例の官邸入りをした。
記者会見での執拗な追及で菅氏の“天敵”とされる望月衣塑子・東京新聞社会部記者は言う。
「菅さんは、記者はいざとなったら取り込めるもの、権力になびくものだと思っているのではないでしょうか。パンケーキ懇談会(*注2)で番記者を懐柔したのもそれです。反対に、コントロールが利かない一部の記者には強い苦手意識を持ち、排除したがる。それが彼のメディア対策なのだと思います」
【*注2/10月3日朝、菅氏は内閣記者会に所属する記者を集めて懇談会を開いた。会場は菅氏の好物であるパンケーキで有名な店だった】
内閣広報室に聞くと、「新聞やテレビなどで、世論が政権、政策に対してどういう指摘をしているのかを把握する目的で行なっています」。抽出したコメントについては「担当者の判断で必要と思われるものを取り出しています」とのこと。
権力を監視するはずのメディアが、権力によって監視されるという異様な時代がやってきた。
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記録文書 ※前掲と同文なので割愛
https://www.news-postseven.com/archives/20201027_1607248.html/3
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