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菅首相の初外遊の目的は武器輸出を成長戦略の柱にすること 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280289
2020/10/22 日刊ゲンダイ
南シナ海で中国との領有権争いを続けるベトナムに着目(左から、共同会見で握手する菅首相とベトナムのフック首相)/(代表撮影・共同)
菅義偉首相が初外遊先をベトナムとインドネシアとしたのは、かつて第1次安倍政権の時に安倍が初外遊先をあえて米国ではなく中国にしたひそみに倣って、低空飛行から入ってアジア諸国との信頼を積み上げていくなかなかの深慮なのかなと思ったが、な〜んだぁ、主要目的は「防衛装備品・技術移転協定」を締結して日本からの武器輸出を可能にすることにあった。
日本は長く「武器輸出三原則」を掲げ、基本的に武器輸出を禁止する政策をとってきたが、安倍首相は2014年に閣議決定をもってこれを廃止、代わりに「防衛装備移転三原則」を策定した。同じ「三原則」とはいえ、内容は真逆で、紛争当事国を除いて、「平和に貢献し日本の安全保障に資する」のであればどの国へも輸出し、あるいは共同開発を進めることができるようになった。
翌年には防衛省の下に「防衛装備庁」が新設され、その5つの任務の1つに「諸外国との防衛整備・技術協力の強化」が位置付けられた。これは直接には、すでに豪州との間で交渉が始まっていた三菱重工業の最新鋭「そうりゅう型」潜水艦をベースに12隻を共同開発する4兆4000億円の巨大プロジェクトの受注を目指したもの。この交渉は不成立に終わったが、ともかくもこれで日本は国際兵器市場に堂々と参入を果たしたのだった。
とはいえ、その後は潜水艦のような大きな話はなく、実績としてはフィリピンに三菱電機製の警戒管制レーダーシステムを輸出した1件のみ。そこで、南シナ海で中国との領有権争いを続けるベトナムに着目、レーダーばかりでなくP1哨戒機やC2輸送機なども売り込もうという魂胆のようだ。何のことはない、菅政権の「成長戦略」の柱は兵器産業だということである。
言うまでもなくこれは、安倍政権の“遺産”のひとつ「自由で開かれたインド太平洋」安保構想の一環。米国を後ろ盾に日本が音頭をとって豪州、ASEAN諸国、インドを糾合して安保協力を強化しようというのだから、これは「中国包囲網」づくりが狙いである。中国から見れば、日本とベトナムが手を組んで東シナ海と南シナ海で中国を押し戻そうとしていると映る。
新政権として中国との対話を始める前に、このような無言の軍事圧力をかけるようなやり方は果たして得策なのかどうか。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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