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※2020年10月20日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年10月20日 日刊ゲンダイ2面
【安倍外交継承が裏目】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 21, 2020
菅政権は真っ青 錯乱トランプは自滅へ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/uIshYZOn0l
※文字起こし
世界が固唾をのむ11月3日の米大統領選まで、20日で2週間。なりふり構わない共和党のトランプ大統領が首の皮一枚でつながるのか、下馬評通りに民主党候補のバイデン前副大統領が勝利を手にするのか。新型コロナウイルス感染で劣勢に拍車がかかったトランプの言動はますます狂気じみてきた。
世界の新型コロナ感染者は累計で4000万人を突破。米国では800万人を超え、死者は21万人余り。新規感染者は1日当たり5万人を上回るハイペースで、世界最大の感染国から脱せない状況が続く。コロナ禍を軽視する言動を続けるトランプに対し、風当たりは強まる一方だ。
医学専門の米誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(8日付)が論説で「危険なほど無能」「危機を招き悲劇をもたらした。これ以上同じ職にとどまらせるべきではない」と酷評するなど、複数の有力科学誌が「反トランプ」を表明する異例の事態に発展している。米CNNの全米世論調査(16日発表)ではトランプの支持率が42%に対し、バイデン53%。差は一向に縮まらず、各種調査でもおおむね10ポイントのリードを許している。ワクチンの実用化について「おそらく投票日前後までにできると楽観している」と大風呂敷を広げていたが、開発で最も先行している米ファイザーがFDA(米食品医薬品局)に緊急使用許可を申請するのは大統領選後の11月下旬になる見通し。自業自得とはいえ、どん詰まりだ。
勝つまで続けられる延長戦
上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)は言う。
「野球に例えれば、八回裏3点差。攻撃中のトランプ大統領は挽回できず、バイデン副大統領が逃げ切る公算が高まっています。新型コロナに感染して選挙集会などが中止に追い込まれ、トランプ大統領は逆転の機会をみすみす失ってしまった。それでもなお、フロリダ州をはじめとする激戦州に入り、州内の郡を回ってバイデン支持をひっくり返そうと必死です。九回でゲームセットではなく、ルール度外視で十回、十一回、十二回と引っ張り、勝つまで延長戦を続ける戦略もチラつく。選挙人総数538人のうち、過半数の270人をどちらかの陣営が取るまで勝者は確定しません。コロナ禍で郵便投票が大幅に増え、開票作業に時間がかかるのは避けられない。そこで、郵便投票の公正さに難癖をつけ、連邦最高裁に持ち込んで判断を仰ぐ。トランプ大統領が指名した保守派判事が就任していれば、多数決で勝利できるとの計算です」
4年前の大どんでん返しで大統領職の味をしめ、ロシアゲートから所得税10年間未納問題まで数々の疑惑を抱えるトランプはしぶとい。郵便投票を「不正の温床」と攻撃するかたわら、これを逆手にとって一方的に「勝利宣言」するシナリオだ。共和党を象徴する赤色から「レッドミラージュ」(赤い蜃気楼)と呼ばれ、米メディアが警戒を強めている。郵便投票を利用するのは民主党支持者が多く、当日投票は共和党支持者の割合が高いことから、開票当初はトランプ優勢に見える可能性が高い。ここに付け入り、トランプが郵便投票分の無効を訴えるというもので、元側近のバノン首席戦略官は「トランプ氏は3日夜に〈ゲームは終わった〉と宣言する」と予測。調査会社ホークフィッシュのモデルでは、開票日に57対43でトランプ有利に出ても、最終的にバイデンが全国得票で8ポイント上回るとし、「トランプ氏のリードは数日後には蜃気楼だったことがわかる」と指摘している。12月8日の選挙人による投票までに解決しなかった場合、米国社会はかつてない大混乱に陥り、分断は一層深まりかねない。
錯乱のトランプはもがけばもがくほど、自滅へまっしぐらなんじゃないか。そうなれば菅政権は真っ青だ。「トランペット」と揶揄された安倍前首相の外交継承が裏目に出るのは想像に難くない。
テルテル外交で日米蜜月継続の空手形 |
〈ドナルド&シンゾー 日米同盟をより偉大に〉
大統領就任後、初来日したトランプは安倍からこんな歯の浮くようなメッセージを刺繍したおそろいの特注キャップ帽を贈られた。「個人的な信頼関係」で結ばれているという安倍の存在は格別だったようで、14日のアイオワ州の選挙集会でこう振り返っていた。
「私が〈とにかくやって下さい〉と言うと、彼(安倍前首相)は〈検討してみます〉と言った。すると次の日、日本は5つの工場を米国に移転すると発表したんだ。素晴らしい首相で、素晴らしい男で、われわれの友人だ」
トランプのデマカセは数え上げたらキリがないが、持病を理由に2度目のブン投げ辞任をやらかしただけに、安倍がどんな置き土産を残していったか分かったものではない。
「首相から求められれば、さまざまなお手伝いもしたい」などと、外交特使に意欲を見せていたのは不始末をごまかすためなのか。
改めてこんな大統領に媚びへつらい、散々むしり取られてきたアベ外交の罪作り。そんな路線の継承を明言し、兵器をはじめとする米国製品の爆買い継続を確認している菅政権は最終盤の情勢に慌てふためいているのではないか。先月20日、トランプとの初の電話会談を終えた菅は、「大統領からは24時間いつでも何かあったら電話をして欲しいと。『テル』『テル』と、そういうことで一致した」「非常に手ごたえを感じている」と胸を張っていたが、逆に24時間365日の隷従を約束したようなもの。それでいて、政権が交代したら安倍にならって米国までスッ飛んでいき、もみ手でスリ寄るのか。一筋縄でいかなくなった日米関係の迷走は必至だ。
環境、人権問題シフトに立ち往生
「シンゾーとドナルドの間で何が約束されるか分からない不透明さは横に置くとして、自民党政権にしてみれば共和党政権の方が民主党政権よりもウマは合う。バイデン大統領が誕生すれば、米国は安倍前首相が苦手としていたオバマ前大統領のモード、リベラル路線に回帰して政策の優先順位は変わります。米国第一のトランプ大統領のように安全保障と経済をセットにして迫ってくることはなくなる代わりに、環境問題や人権問題が浮上する。民主党にとって環境問題と安全保障はイコール。菅首相にとってもやりづらくなるのではないでしょうか」(前嶋和弘氏=前出)
首相就任から1カ月が過ぎた菅は、所信表明演説すらしないまま初外遊。訪問先は第2次安倍政権の滑り出しと同じベトナムとインドネシアだ。19日はベトナムのフック首相と会談後、ASEAN(東南アジア諸国連合)に対する外交方針について演説。中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題をめぐり、「法の支配や開放性とは逆行する動きが起きている」と批判し、コロナ禍で中国から医療物資の輸入が滞った経緯を踏まえ「サプライチェーンの強靱化を進め、ASEANとさらに協力を深めていく」と連携を訴えた。トランプ政権が強める「中国包囲網」にならったわけである。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「中国との火種を抱える国々を初外遊先に選んだのは、対米追従路線そのもの。その一方で、日本にとってベトナムは、財界の強い要望で実現した現代の奴隷制度である技能実習生の最大の送り出し国。インドネシアも上位国で、そうした関係も踏まえての訪問といえます。バイデン政権後の米国は世界の人権問題に手を緩めないでしょうし、英国は『現代奴隷法』を施行して人身取引や強制労働などの根絶に動いている。菅首相は日本学術会議の任命拒否問題で早々に評判を落とし、国際社会では学問の自由を侵害する差別的な政治家との見方が広がる中、アベ外交を単に継続するようでは日本の置かれる状況はますますひどくなる」
どっちに転んでも、軽蔑侮蔑の対象か。自民党の派閥総乗りで担がれただけの菅に激動の国際情勢を乗り切る術はない。
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