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参加国は約30ヵ国だけ…!? 東京五輪実施の「仰天シナリオ」 IOCバッハ会長の書簡に記された「開催できる」の本当の意味
https://friday.kodansha.co.jp/article/139114
2020年10月14日 FRIDAYデジタル 『FRIDAY』2020年10月16日号より
バッハ会長は9月22日、IOCのHPで書簡を公開。「ワクチンなしでも五輪は安全に開催できる」と自信を見せた(写真:GREG MARTIN/IOC/AFP/時事通信社)
中止か開催か――代表選出や準備期間から逆算して、判断のデッドラインは「今秋」、さらには「10月」とされていた。
新型コロナウイルスはいまだ猛威を振るい続け、世界の死者数は100万人を突破。米政府とつながりのあるホテルチェーンや航空会社内で「中止に備えよ」との内部通達がなされていたことは本誌既報の通りだ。
しかし――デッドラインを前に、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長とコーツ副会長が相次いで「ワクチンの有無に関係なく、東京五輪は開催できる」と公式に発信した。
延期を決断した安倍晋三前首相が最重要視していたのがワクチン開発だった。なぜ前提≠ヘ突如、崩れたのか。
「IOCと東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会で協議し、『開催』で話がついたようです。漏れ伝わってきた話を総合すると、日本とアメリカ、中国の3国を中心に無観客での開催。7月に冬を迎えている中南米やアフリカは不参加を想定。ドーピング禍にあるロシアは排除し、EU諸国は各国の判断に任せる。参加国は総勢30ヵ国前後を想定。
開催競技も絞るというシナリオのようです。組織委員会の武藤敏郎事務総長はモスクワ五輪の参加国『81』を目安としていたようですが、さらに小規模になる見通しです」(自民党関係者)
小池百合子都知事、橋本聖子五輪担当大臣、そしてIOCのバッハ会長との会談を経て、菅義偉(すがよしひで)首相が国連総会で「疫病に打ち勝った証(あかし)として東京五輪は開催する」とのメッセージを発したところを見れば、政府も「開催」に踏み切ったと考えて間違いないだろう。
「官房長官時代から菅さんはコロナ禍での経済活動の活性化に注力していました。すでに損切りのタイミングを逸しており、中止するほうが経済的ダメージは大きくなる」(全国紙政治部記者)
ただ、無観客となれば900億円のチケット収入が失われることになる。在米ジャーナリストの伊吹太歩氏は「日本の損失はさらに膨らむ」と憤る。
「五輪の独占放映権を持つ米NBCは、リオ五輪で16億ドル(1686億円)もの収益をあげました。その8割近くが広告収入。開催されれば無観客だろうが、競技を絞ろうが莫大なカネが入るのです。中止になっても損失は保険でカバーされるはずですが、違約金が発生するとの指摘もある。ならば無理筋でもやってしまえ、ということでしょう。
総収入の半分近くをNBCからの放映権料に頼っているIOCはNBCに逆らえないし、延期で発生した8億ドル(約845億円)の経費さえ東京が負担すればIOCも潤う。追加の設備費や人件費ですでに3000億円ものコスト増となり、後戻りできない日本は足元を見られ、IOCの経費も持つことになったのではないか。
だからこそ、開催に懐疑的だったコーツ副会長もGOサインを出した。私はそう見ています」
開催国の日本に配慮した競技が残り、東京はメダルラッシュに沸(わ)く――としても、カネまみれの五輪に価値はあるのか。
7月23日、新国立競技場で行われた東京五輪の開幕1年前イベントで聖火を掲げる競泳女子の池江璃花子
9月25日、組織委員会の森喜朗会長とIOCのコーツ副会長ら幹部が合同記者会見に臨み、「簡素化して開催したい」と述べた
写真:GREG MARTIN/IOC/AFP/時事通信社(1枚目)、時事通信社(3枚目)
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