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平成の妖怪<本澤二郎の「日本の風景」(3878)
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2020年10月18日 jlj0011のblog
<先輩・早坂茂三に土下座した「大勲位 中曽根康弘」>
東京タイムズ政治部の早坂茂三さんは、弁も立つ頭も切れる逸材だった。田中角栄秘書を男にして、存分に楽しんで生涯を終えた。もしも、はないのだろうが、息子の医療事故がなければ、筆者にも多少は、似たような人生が待っていたかもしれない。その早坂に土下座したのが、大勲位である。
田中の支持がなければ、中曽根内閣はなかった。仲を取り持った人物が、読売のナベツネである。そのナベツネが、昨日10月17日の内閣自民党の合同葬儀での弔辞代読で「中曽根さんは私の師」と笑ってしまいそうな言葉を使った。
「女なうそをつく」と言って、女性を冒涜した政治家失格女議員が話題になっているが、実際は「悪党人間は嘘つきである」。「昭和の妖怪・岸信介」は誰が命名したものか。宇都宮さんか?「平成の妖怪・中曾根康弘」は筆者がつけた。
間違いなく正しい。証拠を並べることが出来る日本人は、沢山いるだろう。ロ事件で中曽根救済に全力投球した、当時の法相・稲葉修の晩年の中曽根評は、厳しかった。河野太郎の実父・洋平も同じであろう。
倅が勲章や認証官制度を廃止して、国民皆平等の社会にすれば、評価が上がると予告したい。
<戦後右翼のドン・児玉誉士夫の靴磨きも>
以前清和会OBが、元海軍主計中尉?の鹿児島出身の福田赳夫側近・中馬辰猪の思い出話の中に、中曽根が土下座に似た行動を、右翼のドン・児玉に対してもあった、と証言していた。
「児玉の靴磨きをしていた」というのである。事実に相違ないだろう。木下藤吉郎の草履取りを彷彿とさせる行為である。同じようなことを、小泉純一郎は福田邸の下足番をしてバッジをつけたというが、これも事実に近い。
野心猛々しい人物ほど土下座をいとわない。千葉県のやくざは、選挙中田植えをしている農民に向かって土下座、票の取りまとめを依頼した。これをまねた北海道の中川一郎秘書は、安倍のプーチン外交に成果のない手口を教え込んでいた。
右翼・やくざ・土下座は、一連のもので、連携しているらしい。
<恥知らずの内閣自民党の合同葬儀に血税2億円>
いいたいことは、政府の金は血税であること、自民党のそれは、政党助成金だから、こちらも血税である。血税総計2億円の中曽根葬儀に参列した菅首相以下衆院議長らの政治屋は、到底まともとは言えない。
昨日午後2時半過ぎに、パソコンでこの葬儀を延々と実況中継していたテレビ局があることにビックリして、すぐ止めた。公共の電波の悪用である。
そこでの菅弔辞は「国際社会の平和と繁栄に貢献した」と語った。どうかしている?菅は中曽根を全く知らない。知らないから安直に嘘をつく。弔辞を書いた役人も、事実を知らないのである。
嘘が歴史的事実に格上げされる日本に、反吐が出てしまいそうだ。日本を改憲軍拡まみれ、原発まみれにした政治屋を、大勲位に格上げする天皇制が、21世紀に存在することも、不思議なことである。
<恩師・宇都宮徳馬さんはナベツネを「忘恩の徒」と断罪>
ナベツネの恩師は、平和軍縮派・戦闘的リベラリストだった宇都宮さんのはずである。ナベツネがケダモノにでもなれば別だが、彼の師は中曽根ではなく、宇都宮さんである。
なぜか?東大で左翼運動をして就職もできないナベツネを拾い上げて、読売新聞の保証人になって入社させた人物が、戦前の読売で、時の軍部を批判していた宇都宮さんなのだ。
読売新聞記者となって児玉と格別な関係を築き、右翼に転向するや、政界では大野伴睦の広報官、次いで児玉と共に、中曽根のためにあらゆる支援をし、読売を改憲軍拡原発推進新聞に衣替えしたナベツネに対して、師の宇都宮さんは、信頼できる弟子だと信じ込んだことを、真っ向から裏切られて衝撃を受けた。筆者に何度も「忘恩の徒である」ナベツネを容赦なく断罪した。
筆者は、恩師の無念を「平成の妖怪 大勲位・中曽根康弘」(健友館)で対抗、恩師の墓前に捧げた。
彼らは、我が大学の講座を奪い、テレビ出演を封じ込め、糧道を絶たれた。幸いなことに、わずかな年金が防御してくれ、今日がある。年金が救ってくれたのである。
<右翼・不正に屈しなかった正義の士・恩師・宇都宮徳馬>
首相や大臣などの肩書などを蹴散らして生き抜いた宇都宮さんは、中曽根と違って、そばで見ていて実に痛快だった。不正腐敗を追及することで、国民の側に立つことに徹した。彼こそが本物の政治家・国際的な政治家だった。
肝臓の特効薬で知られるミノファーゲン製薬を武器にした、文字通りの浄財を駆使して、自立外交どころか、常に正論を言論界でぶちあげた。中国の国交正常化にいち早く取り組んだ。実父・太郎陸軍大将からは「朝鮮の文化は日本よりも高い。お前は大人になったら、朝鮮の女性と結婚しなさい」と言われた徳馬少年は、政界に入ると、中国と共に、金日正の北朝鮮との国交正常化に取り組んだ。
金日正が信頼した日本人は、宇都宮さんだった。彼は田中内閣の木村俊夫外相の活躍に期待していたが、文春と清和会右翼の金脈問題追及で挫折してしまった。冷静に見て清和会の森・小泉・安倍外交は、隣国との対立に狂奔するばかりで、評価するに値しない。
右翼から「赤」と中傷されても平気だった。国会前では、右翼の街宣車に向かって怒りの言葉を発し、一歩も屈することはなかった。
中曽根にも期待した一時期があったが、彼が首相としてワシントンを訪問すると、なんと「日本列島不沈空母」と発言し、それまでの中曽根評を一変させた。反岸は、反中曽根となった。中曽根新聞となった読売にも激怒した。
中曽根は明治天皇を尊敬して止まなかった国家主義者であることを、首相となって開花させた。それは岸路線であり、安倍路線の基軸ともなった。
日本国憲法の平和主義を破壊しようとした為政者は、岸と中曽根と安倍である。菅も安倍を踏襲する。昨日は靖国神社に、安倍同様の真榊の奉納をして、日本会議に屈して見せた。
中曽根葬儀に反旗を掲げた北海道大学が報道されていたが、恥を知れと断罪したい。
2020年10月18日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論・日本記者クラブ会員)
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