http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/606.html
Tweet |
自民党の自己矛盾 新会員任命拒否と学術会議改革は別問題 ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280087
2020/10/17 日刊ゲンダイ
日本学術会議の新会員の任命拒否問題がクローズアップされたら、それと並行して、学術会議の在り方が批判的に問題にされ、政府・自民党において学術会議が行革(リストラ?)の対象にされるに至っている。
しかし、この2つは全く別の問題である。前者は、政治権力が学者を政治的に評価してはならない……という問題であり、後者は、学者の団体の、組織としての在り方に政治権力は介入してはならない……という問題である。
「学問の自由」に対する無理解が問題
かつて、ガリレオ・ガリレイの地動説を政治権力が断罪した事件、大日本帝国が美濃部東大教授の天皇機関説を不敬と断じて辞職させた事件等に反省して、人類は、人権としての「学問の自由」を確立し、それは日本国憲法23条にも明記されている。
その効果として、第1に、政治権力は学者の学説を政治的に評価してレッテルを貼ってはいけないのである。そして第2に、学者の組織の在り方は、その構成員の自治・自律事項で、学者の組織の在り方に政治権力が介入してはならないのである。
今、菅政権と自民党は、これらの2つの憲法上の禁止を破ろうとしている。
これは一見、冗談か皮肉のような話になってしまうが、「自由」で「民主」的な社会は「多数の『異論』が共存できること」を前提にしている。それは、人間が皆、本来的に個性的な存在だからである。
自然に存在する多数の異論が討論を重ねながら、節目ごとに多数決で当面の方針(法律と予算)を決め、さらに、状況の変化に応じて議論を重ねてまた決を採り前進して行くのが自由で民主的な社会であったはずである。
にもかかわらず、安倍政権以降の自民党政権は、「異論の存在は許さない」と言わんばかりに、メディアの統制を進めてきた。政府に批判的な発言をする者をその理由を問わずに、露骨に論壇から排除してきた。
そして、今回は、ついに学界にまで介入の手を伸ばしてきた。これでは「自由民主党」の自己矛盾であろう。
かつての自民党は異論ともおおらかに渡り合う自信があった。あの時代の姿が正しいことを思い出してほしい。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。