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※2020年10月14日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年10月14日 日刊ゲンダイ2面
【ここまで酷いともう絶句だ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 15, 2020
官邸も自民党も反知性の野蛮なチンピラ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/tLD248zIbh
※文字起こし
問うに落ちず語るに落ちる――。日本学術会議が推薦した新会員候補6人が任命拒否された問題をめぐる菅政権の対応は、まさにこれ。菅首相は任命拒否の理由をゴマカし続けるが、何か言うたびに新たな疑問が生じ、ほころびが露呈。モリカケ桜問題で大揺れした安倍政権のやり方をしっかり踏襲する一方、言いがかりにしか見えない論点ズラシを大展開している。任命拒否問題を「学術会議のあり方」という組織論にすり替え、行政改革の対象だとつるし上げ。政府と自民党が一体となってモーレツな圧力をかける。そして、批判には猛反撃。ここまでヒドイともう絶句だ。官邸も自民党も反知性の野蛮なチンピラ丸出しである。
6人排除をめぐり、ここにきて取り沙汰されているのが警察出身の杉田和博官房副長官の関与だ。
第2次安倍政権発足以降、8年近く官邸に仕える事務方トップ。内閣府の提案に基づき、6人の経歴を調べ上げた上で任命できない人が複数いると菅に口頭で報告したという。これについて、加藤官房長官は13日の会見で「一般論として、事務の副長官は総合調整の役割を果たすことだ」と釈明。肝心要の人選プロセスについては「人事に関してなので、誰がどこで何を言ったかは差し控える」と十八番の「人事の秘密」でお茶を濁したが、学術会議の人事に関しては遅くとも2016年以降は口を挟んできたことが分かっている。そればかりでなく、官邸の人事介入は明らかな意図をもって幅広く、常習的に行われてきた疑いがますます濃厚になってきた。
「政権批判する人物は入れるな」
きのう立憲民主党などの野党合同ヒアリングに出席した前川喜平元文科次官は、「杉田氏から〈こういう政権を批判するような人物を入れては困る〉とお叱りを受けた」と証言。事務次官を務めていた16年の文化功労者選考分科会委員の選任にあたり、杉田に人事案の差し替えを指示されたという。
拒否された2人は「学術分野1人、文化分野1人」で、「安全保障関連法に反対する学者の会」に参加したり、安倍政権を批判していた人物だった。前川氏は「文科相が了解した人事案を副長官が覆すことはあり得ない。(当時の)菅官房長官に上げたうえでダメ出ししたと思う」とも言い、政権中枢の関与も示唆。安倍前首相の“腹心の友”が運営する加計学園の獣医学部新設をめぐり、「加計ありきだった」と告発した前川氏は杉田から出会い系バー通いを厳重注意されるなど、露骨な圧力をかけられていた。官邸の「目と耳」といわれる内閣情報調査室や公安警察から吸い上げた極めて個人的な情報を使った杉田に脅されたのだ。任命拒否に至る過程で何が行われたか。想像するに難くない。
文教族の党三役が率先してデマまき散らし |
特務機関の親玉のような副長官の介入、陰湿人事で、学術会議を服従させようという企みが露呈すると、居直り、かさにかかって組織潰しである。
自民党は14日、学術会議のあり方を検討するプロジェクトチーム(PT)の初会合を開催。20年度に約10億円を計上した予算の使い方や、およそ50人の常勤職員を抱える事務局体制に問題がないかなどを中心に議論する見通し。年内に政府への提言をまとめるというが、PT新設を旗振りした下村博文政調会長は「政府に対する『答申』は07年以降出されていない」「活動が見えていない。いろいろな課題があるのではないかとわれわれは思っている」などとデマをまき散らしていた。確信犯なのか無知無教養によるものなのかは不明だが、文教族の党三役がこれではシャレにならない。「答申」がゼロなのは政府が諮問しなかったから。学術会議は07年以降もしっかり活動しており、「提言」「報告」は300件を優に超えている。
任命拒否問題をめぐり、静岡県の川勝知事が「菅義偉という人物の教養のレベルが図らずも露見したということではないか」と喝破したが、これは自民党にも当てはまる。真正面からの批判に、県議会最大勢力の自民党会派は「学歴差別につながる発言だ」と大騒ぎ。教養と学歴はイコールなのか。これこそ右へならえの論点ズラシで、自民党出身の県議会議長も「公の場で個人の資質に言及するのは遺憾だ」と同調し、知事への申し入れを決定するナンセンス。もっとも、川勝も「訂正する必要は全くないと思っている」と一歩も引かず、「大切なのは学歴ではなく学問。菅首相が学問を本当に大切にしている人かどうかについて疑問を持った」と反論。「6人を入れないのは学問的な理由でなければならない。もし政治的、イデオロギー的な理由なら言語道断だ」と任命拒否の理由を明らかにするよう改めて求めた。
批判の言論も許さない自民党の傍若無人ぶりは、「劣化」どころかただの「ゴロツキ」である。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
「菅政権のやり方、党内から次々に上がる発言。どれを取っても、自民党はマトモな政党ではありません。時代にそぐわないどころか、逆行している。学問の自由を阻害する危うさもわからない政治家がこれほどいるとは。菅政権の暴走を許せば、日本の学術的発展は望めず、この国の学問は死んでしまいますよ」
「中国協力」の次は「国益」で嘘百八
輪をかけて悪辣なのが、甘利明元経済再生相だ。
ブログに〈日本学術会議は防衛省予算を使った研究開発には参加を禁じていますが、中国の「外国人研究者ヘッドハンティングプラン」である「千人計画」には積極的に協力しています〉と嘘八百を書き込んでいたのが問題になる中、日経新聞(13日付朝刊)にシレッと登場。自民党ルール形成戦略議員連盟会長の肩書でインタビューを受け、「首相は任命権者で、国会と国民に任命責任を負う。責任を負うのだから裁量があっていい。極めて論理的で、問題にすることは間違っている」「国益に沿った存在でいてもらいたいから国が予算を拠出している。期待に十分応えているかを自問してほしい」などとブッていた。
カネを出すなら口も出す。口を出せないならカネも出さない。それどころか、「カネを返せ」と言わんばかりにスゴむ。大臣室での現ナマ受領を認めながら、病院に逃げ込んでウヤムヤにした人間が一体どの口でエラソーに言うのか。そうでなくても、言っていることはデタラメだ。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「学術会議法で定められている通り、学術会議は政府から独立した組織。国益のために設立された機関ではありません。科学者が先の戦争に加担したとの反省に立ち、憲法9条に基づいて学問の自由を守り、真理を追究して学術の進歩に寄与し、人類社会の福祉に貢献することを使命としている。国益という言葉を弄し、国民の利益と政府の利益をごちゃ混ぜにするだましのテクニックは、さすがとしか言いようがない。この問題の発端は、15年に始まった防衛装備庁の委託研究制度に対する学術会議の批判。米国と一緒に戦争ができる国を目指す政府に協力しないのであれば、人事を通じて支配する。菅政権は本気になっています。学問だけではなく、民主主義も脅かし始めている。一連の動きは反政府的人物を排除するレッドパージの前兆ととらえるべきです」
首相就任から1カ月。選挙の洗礼はおろか、いまだ所信表明演説すらしていない政権がやりたい放題。「スガーリン」なんて揶揄している間に、取り返しのつかない事態になるんじゃないか。
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