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※週刊プレ 2020年10月19日号 42号 紙面クリック拡大
「枝野一強」で沈む合流野党に提案がある!
https://news.yahoo.co.jp/articles/ec8084933a0d9bc247442db3676155fd57bd5ee3
10/9(金) 6:00配信 週プレNews
「合流新党のこうした体たらくを見れば、さすがの菅首相も『今なら勝利確実』と早期解散の誘惑に駆られてしまうのでは?」と語る古賀茂明氏(週プレNews)
『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、新党・立憲民主党の活性化のために提案する。
(この記事は、10月5日発売の『週刊プレイボーイ42号』に掲載されたものです)
* * *
先日、立憲民主党と国民民主党などが合流してできた新党・立憲民主党のベテラン国会議員から電話があった。新党内が「安倍一強」ならぬ「枝野一強」状態で風通しが悪く、さっぱり活気が出ないという。確かに合流新党は衆参149人の大所帯になった割に国民の関心はいま一歩。支持率も合流前とさして変わりない低空飛行が続いている。
このベテラン議員がこぼす「枝野一強」状態の象徴が9月10日にあった代表選だ。多くの候補がそれぞれの政権構想を競い合うかと思いきや、出馬したのは枝野幸男新代表と泉健太衆議院議員のふたりだけで、まるで旧立憲対旧国民の図式だ。
しかも、党員投票もなし。結果は149人の国会議員中107票を集めた枝野氏の圧勝で、なんとも盛り上がりのない代表選だった。
旧立憲時代に3年間も代表を務めた枝野氏だが、旧立憲設立当初20%近くあった支持率はじりじり下落し、政権交代など夢のまた夢という状態のままだ。
さらに、新代表の任期は2年間で、旧立憲時代でも枝野代表は党員投票なしの選出だったから、野党支持者にしてみれば、通算で5年間も代表選びに関与できない。これでは合流新党への関心が高まらないのは当然だ。
本来なら、枝野氏は多くの候補による自由闊達(かったつ)な論議、全国規模の党員投票など、オープンな代表選実現のために汗をかくべきだった。そうしてこそ、合流新党は活性化できるはずだ。
しかし、このベテラン議員によれば、枝野氏はこれとはまったく逆に若手議員の代表選出馬潰しの動きすら見せていたという。
例えば、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』の公開で注目を集める小川淳也衆議院議員を若手グループが代表選に擁立する動きがあったのに、枝野氏は小川議員に自分の推薦人になるよう迫った。
結局、執行部への忖度(そんたく)が広がり必要な20人は集まらなかったが、枝野氏と若手グループの間で板挟み状態だった小川議員は、その結果にむしろ安堵(あんど)したという。このほかにも動きがあったが、それも枝野怖さで頓挫してしまった。
「このままでは合流新党はジリ貧。何か、党活性化のいいアイデアはないだろうか?」
そう尋ねるベテラン議員に、私は「民間大臣を半数近く登用する大胆なネクストキャビネット(次の内閣)構想を示してみては?」と提案してみた。
野党への期待が高まらないのは、有権者が持つ「政権担当能力の欠如」というイメージだ。だったら、野党が政権を獲得したときの内閣構想を示し、その不安を払拭(ふっしょく)すればよい。
ただ、普通に人選すれば、その顔ぶれは旧民主党時代からの見飽きた面子による「メリーゴーラウンド内閣」になるのは必至。そこで文科相に元文科省事務次官の前川喜平さん、地方創生相に日本総研主席研究員の藻谷浩介さんら、誰もがその能力と実績を認める民間の逸材を半数くらい登用してはどうかと進言したのだ。
しかし、この提案にもベテラン議員は「いいアイデアだけど、枝野さんは自分より目立つ人は受け入れないんですよね」とため息をつくだけ。「枝野一強」の弊害は予想以上に深刻らしい。
「ひと仕事したい」という菅首相の意向もあり、早期解散説はやや沈静化している。しかし、合流新党のこうした体たらくを見れば、さすがの菅首相も「今なら勝利確実」と早期解散の誘惑に駆られてしまうのでは?
●古賀茂明(こが・しげあき)1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。『日本中枢の狂謀』(講談社)など著書多数。ウェブサイト『DMMオンラインサロン』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中
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