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※2020年9月18日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年9月18日 日刊ゲンダイ2面
https://twitter.com/Trapelus/status/1306846585536405505
※文字起こし
本格始動した菅政権がご祝儀相場に沸いている。
共同通信の世論調査(16〜17日実施)によると、内閣支持率は66・4%。調査方法が異なるため、単純比較はできないというものの、2000年以降では小泉政権の86・3%、鳩山政権の72・0%に次ぐ高スコアだという。第2次安倍政権発足時は62・0%。安倍前首相は初会見で「危機突破内閣」「強い経済を取り戻す」「日本経済、国民の生命、領土、美しい海を守り抜いていく」などのキャッチーなフレーズを並べ立て、ロケットスタートに並々ならぬ意欲を見せていたが、それをも上回る滑り出しだ。
毎日新聞の調査(17日実施)では支持率64%で、第2次安倍政権発足時の52%を大きく上回った。さらに驚くのが、支持する理由だ。「政策に期待が持てそうだから」が最多の35%で、「首相の人柄に好感が持てるから」が27%もいた。
長官会見3213回で見せた本性
菅は自民党総裁選に名乗りを上げて以来、「雪深い秋田の農家の長男」「地方議員出身の叩き上げ」などと苦労人エピソードを繰り返してきた。大マスコミはそれを垂れ流し、菅が官邸の敷地内で日課の朝の散歩をする様子を伝え、お膝元の横浜橋通商店街(横浜市南区)が第99代首相就任にちなんで始めた「99セール」をどこもかしこも取り上げている。アーケードにドーンと掲げられた横断幕には「菅義偉先生、首相総裁ご就任おめでとうございます」の祝賀メッセージ。めったに見ることのない菅の破顔ショット付きだ。地域に密着して庶民の暮らしに目配り、地元から愛される新首相――。メディアを通じて刷り込まれつつある菅のイメージが好スタートを着実に後押ししている。
大マスコミは「令和おじさん」の庶民的人気などを取り上げているが、取ってつけたような笑顔を振りまいても菅の過去は消せない。異論に耳を傾けず、数の力で押し切るアベ政治を支える大番頭だったのだ。
つい4日前まで、官房長官として臨んでいた会見はどうだったか。3213回を数えたが、都合の悪い質問には、木で鼻をくくったような対応の一辺倒。「ご指摘は当たらない」「問題ない」とはねつけ、「いずれにせよ」でけむに巻く。国民を代表する記者たちの問いに真正面から向き合うことはなかったではないか。
批判を許さず、次々にテレビから消し去る |
忘れてならないのは、NHKの「クローズアップ現代」をめぐる14年7月の騒動だ。世論の反発を無視し、安倍政権が集団的自衛権行使容認の閣議決定後、官房長官だった菅が生出演。「法の番人」である内閣法制局長官のクビをすげ替え、「違憲」から「合憲」にひっくり返したプロセスをめぐり、キャスターの国谷裕子氏が質問を重ね、「しかし、そもそも解釈を変更したということに対する原則の部分での違和感や不安はどうやって払拭していくのか」と問うたところで番組は終了してしまった。発言が放送されなかった菅は激怒し、秘書官がNHKに抗議。国谷氏は楽屋で涙を流したと報じられた。
「番組改編」を理由に16年3月、降板に追い込まれた国谷氏はその直後、月刊誌「世界」(同5月号)に寄稿。一連の出来事をこう振り返っていた。
〈同調圧力が強くなってきている気がする。流れに逆らうことなく多数に同調しなさい、同調するのが当たり前だ、といった圧力。そのなかで、メディアまでが、その圧力に加担するようになってはいないか〉
〈聞くべきことはきちんと角度を変えて繰り返し聞く、とりわけ批判的な側面からインタビューをし、そのことによって事実を浮かび上がらせる、それがフェアなインタビューではないだろうか〉
毎日新聞特別編集委員だった岸井成格氏もアンカーを務めていたTBS系「NEWS23」を16年3月に降板。安保法制成立に邁進する安倍政権の姿勢を問題視してたびたび番組で取り上げ、「メディアとしても廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と発言。安倍政権は放送法4条が定める「政治的公平」に違反すると騒ぎ立て、本人やTBSに公開質問状を送付するなど執拗に攻撃して追い込んだのだ。選挙報道をめぐる圧力は常態化。こうやってメディアに「物言えば唇寒し」の風潮を浸透させたのは、ほかならぬ菅だ。にもかかわらず、事実上の第3次安倍政権をテレビが持ち上げる奇々怪々である。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は言う。
「政権発足後100日間は批判を避ける『ハネムーン期間』などの慣習があるとはいえ、菅首相が総裁選から一貫して掲げるアベ路線の継承について大手メディアは総括しようとしない。7年8カ月に及ぶアベ政治を検証することなく、その継承だけを取り上げるのは、それこそ公平さに欠けるのではないでしょうか。意図的に新しいものに飛びつくのがマスコミの特性ではあるものの、そんな体たらくでいいのか。これでは政権による圧力に屈し、アメとムチで飼い慣らされたと揶揄されても仕方ありません」
菅首相、あなたの“実績”は「ふるさと納税」だけではないだろう。
完成させたマスコミ支配を継承 |
元経産官僚の古賀茂明氏も「I am not ABE」騒動で、コメンテーターを務めていたテレビ朝日系「報道ステーション」を15年3月に降板。ネットメディア「デモクラシータイムス」の番組(4日配信)で、菅政権の正体をこう喝破していた。
「安倍政権はレガシーがないと言われていますが、僕はものすごく大きなレガシーを2つ残していると思っています。1つは官僚支配ですね。もう1つがマスコミ支配。この2つのシステムをほぼ完成させた。実際にこのシステムをつくり上げて、かつ動かしていたかなりの部分が今井君(今井尚哉首相補佐官兼首相秘書官=当時)でもあるんだけど、菅さんの力が大きかったと思うんですよ。特に、政権ができてしばらくの間、菅さんは本当にマスコミ対策、すごく力を入れていたと僕は聞いてるんですけどね。1日3回、メディアと食事すると」
「僕もコメンテーターをやっていた時は菅さん、官邸から報道ステーションが狙い撃ちにされて、いろんな形で圧力がかかっていた。そうやってつくってきた人ですよ。だから、動かし方もよーく知っているんですね。安倍政権はそれを築いていったわけですけど、菅さんは完成したレガシーをそのまま引き継ぐ。彼は半分つくるのに貢献したわけだから、継承者としての正統性は非常に高いと思います」
官邸が霞が関の幹部人事を掌握し、官僚の“忖度文化”の元凶とされる内閣人事局についても菅は「見直すべき点はない」と明言。「私どもは選挙で選ばれている。何をやるという方向を決定したのに、反対するのであれば異動してもらう」と言い切っていた。メディアをドーカツし、批判官僚を潰し、政権が代わっても誰にも責任を取らせず、あろうことか、「逆らったら左遷」を宣言する権力志向である。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は言う。
「菅政権の誕生によって、この国の社会は安倍政権下よりも残酷になっていく懸念がぬぐえません。弱肉強食の新自由主義に傾倒する菅首相の国家観は『自助、共助、公助』。コロナ禍で自助には限界があり、国家は国民の健康と命を守らなければならない。これがポストコロナ社会に向けた世界の共通認識なのに、それをひっくり返すようなことを言う。そんな人物がこの国のトップであるという現実にゾッとします。選挙で勝てば全権委任を受けたかのような考え方は20世紀のファシズムの理論で、独裁政治そのものです。そこには国民主権も民主主義もない。国民の代表機関である国会も平気で軽んじる。この国はディストピアと化してしまうのではないか」
民主主義の敵。それがテレビが封印する菅の「ドス黒い素顔」なのだ。
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