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※2020年9月16日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年9月16日 日刊ゲンダイ2面
https://twitter.com/Trapelus/status/1306122515673096194
ほとんど中身がない心に響かない会見であった。
— kokihikari (@omoroiyarou) September 16, 2020
※文字起こし
「論功行賞だとは、つゆほども思っていない。偏見だ」――15日午後、自民党新4役の共同会見で、不機嫌そうにこう言い放ったのは二階幹事長だ。これほど国民の意識とかけ離れた発言も珍しい。
16日誕生する菅新首相は、党4役に国対委員長を加えた枢要5ポストを、総裁選で支持を受けた細田、麻生、竹下、二階、石原の5派にキレイに割り振った。
その上、野上浩太郎・前官房副長官(細田派)、平沢勝栄・広報本部長(二階派)、坂本哲志・元総務副大臣(石原派)ら派閥推薦の入閣待望組を初入閣させ、きっちり各派の恩義に報いる。
これだけ絵に描いたような論功行賞の派閥均衡人事を見せつけておいて、偏見もクソもないものだ。
つくづく、二階の鉄面皮にギョッとする。
新政権の組閣名簿も新味なし。女性議員の積極登用や若手議員の抜擢など目玉もなし。実に8年近くも同じポストに居座る麻生副総理兼財務相を筆頭に再任、再登板のオンパレード。代わり映えがしない面々には何ひとつ期待が持てない。
初入閣組もサプライズ感ゼロ。逆に驚いたのは万博担当相(井上信治・元環境副大臣)の新設だ。
万博担当相は補完勢力の維新対策だろうが、そもそも必要なポストなのか。
いくら安倍政権の継承を訴えているとはいえ、安倍前首相の実弟である岸信夫・元外務副大臣を初入閣させたのには呆れた。安倍の意向に忖度し、党内事情だけに気を配る。典型的な内向き人事は政権発足直後から国民の失望を招くだけだ。
はやくもおごり高ぶる偽りの庶民派宰相
総裁選中に菅は、人事について「派閥からの要望は受け付けない。聞かない。事前に打ち合わせなどはしない」と豪語していた。その舌の根も乾かぬうちに、見事なまでに派閥の論理に従った人事。党内に66人いる無派閥議員にほぼ声をかけず、持論の「脱派閥」はしょせん、口先だけ。
いきなり自分の発言がわが身に返るブーメラン現象は、ロクなもんじゃない口先首相の本質をよく表している。
せっかく、大マスコミが「党内初の『無派閥・非世襲』総裁」と持ち上げ、「庶民の暮らしが分かる人」といった地方の声まで紹介。“ご祝儀”記事で「たたき上げ宰相」への期待を膨らませているのに、早々に人事で裏切るとはマヌケな話だ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「『安倍継承』の公言通り、安倍亜流内閣を地で行く人事です。菅首相は自身が総理になることについて、ずっと『全く考えたことはない』と答えていました。総裁選を見る限り、この発言はホンネでしょう。総理として成し遂げたい理念や国家ビジョンなど何ひとつ語れません。だから総理になっても派閥の力学に頼るしかない。この組閣を見れば早くも菅首相の限界は分かる。それを承知で平気で担ぐ、自民党は恐ろしい。安倍前首相が病気を理由に辞意を表明した途端、内閣支持率が『ご苦労さま』とばかりに跳ね上がったことにタカをくくり、こんな人事でも国民は納得すると思い上がっているのだと思う。とことん、国民を愚弄しています」
菅は秋田県出身者として初の総理となる。東北地方出身者でも鈴木善幸氏以来、戦後2人目だ。鈴木氏は「暗愚の宰相」と言われたが、そんな不名誉なアダ名まで、みちのくの大先輩から菅は引き継ぐのか。東北生まれの人々に恥をかかせないで欲しい。
隠し切れない「たたき上げ」のうぬぼれ |
菅は「(政策に)反対するのであれば異動してもらう」と官僚を盛んに恫喝。官邸が中央省庁の幹部人事を掌握し、官僚の“忖度文化”の元凶とされる内閣人事局についても、「見直すべき点はない」と明言した。霞が関を牽制し、しきりに「改革」を標榜している。15日も自民党本部で開いた臨時総務会で、こう息巻いていた。
「役所の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打破する。規制改革を進めて国民のために働く内閣を作っていきたい」
「あしき前例主義」そのものの人事を実行しておきながら、よくぞ言えたものだ。特に菅政権誕生の黒幕として幹事長にとどまらせた二階は“運輸族のドン”として利権にまみれ、数々の疑惑が指摘されてきた「既得権益」の権化だ。
同じく黒幕として居残った麻生だって、この8年近くに発した暴言を数え上げればキリがない。「もう、顔を見るのもウンザリ」と思っている人だって多い中、総裁選出後の会見で「極めて政権運営で重要な人」とヨイショした菅は、とても「国民のために働く内閣」をつくるとは思えない。どう考えたって「自民党のためだけに働く内閣」の間違いだろう。とことん口先だけで、中身スカスカの新首相である。
「内閣のスポークスマン役の官房長官に加藤氏を就ける人事にも、驚きました。彼はコロナ禍の厚労相として、その発言によって国民を散々混乱させてきた人物ですよ。相談・受診の目安だった『37・5度以上の発熱が4日以上続く』について、『基準として受け取られたのは国民の誤解』と国会で言い放ったのは忘れません。大臣としての資質が疑われるような政治家を平気で国民に情報を発信する重職に横滑りさせるのは、やはり国民をナメている証拠です」(五十嵐仁氏=前出)
破滅に導く「自分さえ良ければ」主義
菅が掲げる「改革」だって怪しいものだ。金看板に位置付けた「デジタル化推進」の中心となる「マイナンバーカードの普及」や、秋田育ちの苦労人として期待の高まる「地方創生」など、どれもこれも動き出しているものばかり。つまり「菅カラー」は皆無だ。
むしろ、マイナンバーカードの普及に伴う「キャッシュレス決済の推進」に加え、「携帯電話料金の引き下げ」などは、クレジットカード会社や携帯の新規参入会社に新たな利益をもたらす側面もある。
「菅首相の言う『改革』とは、新たな利権にあずかろうとする人々に向けた『改革』であり、『自分さえ良ければいい』という競争至上の新自由主義を強めるための『改革』としか思えません」
そう語るのは政治評論家の森田実氏だ。こう続けた。
「菅首相自身、“自分さえ総理になれればいい”の国民無視の発想で、かつての自民党と違って形骸化した派閥政治の利益追求に支えられています。この『自分さえ良ければ』の発想からの転換が今の政治に求められているのに、自民党は反省の色なし。歪んだ『改革』だけを唱える政治姿勢を根本から見直すべきです」
「自助」を強調する菅には「自分はたたき上げで努力して、総理の座まで上り詰めた」との自負心がつきまとう。そのうぬぼれは「社会的弱者は『公助』に甘えている」という切り捨ての発想に昇華しやすいだけに、危ういのだ。前出の森田実氏はこう言った。
「コロナ禍に加え、立て続けに災害を招来させる異常気象や米中対立の混乱など、今、世界は人類規模の大きな危機に直面しています。オイルショック以来の『自分さえ良ければ』の競争至上主義の蔓延が、分断と不信の渦を生み、世界はガタガタです。日本にしても90年代以降、自助努力に任せた人減らしの『小さな政府』を目指した結果、保健所の数が4割以上も減ってしまった。競争至上主義が招いた社会の弱体化が、コロナ禍で可視化されても、菅政権はお構いなし。なおいっそう『自助』と『競争』を加速させようとしています。この発想のままでは、これから本番を迎えるコロナ不況の経済危機は乗り切れません」
暗愚の首相と黒幕居残り内閣は、この国をむざむざと自滅の道へ導きかねないのだ。
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