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今も権力に迎合する日本国民に民主主義は定着しているか 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278537
2020/09/11 日刊ゲンダイ
安倍首相は岸田政調会長への禅譲をにおわせていたが…(C)JMPA
安倍首相が退陣を表明したのを受け、自民党は菅官房長官を後継者に確定したようだ。この流れの中で驚くべき現象が起きている。
8月7〜9日に実施された読売新聞の世論調査によると、自民党の政治家のうち、次期首相は誰がふさわしいかとの問いの回答は次の通りだった。
石破茂氏24%、小泉進次郎氏16%、河野太郎氏13%、安倍晋三氏12%、岸田文雄氏4%、菅義偉氏4%。
小泉氏は「今回は立候補しない。河野氏が立候補すれば応援する」と言い、河野氏については、所属する麻生派が菅氏の支持を決めたため出馬を見送った。
私が驚いたのは、9月4日に朝日新聞が報じた世論調査の結果だ。
「次の首相にふさわしいのは」との問いで、菅氏が38%、石破氏25%、岸田氏5%となっていたからだ。
安倍首相は長い間、岸田政調会長への禅譲をにおわせていた。それを勘案すれば安倍支持派が全て菅氏を支持するとは考えにくいものの、それでも8月上旬の読売新聞の調査結果を見れば、安倍、菅の両氏の支持を合わせても16%である。読売、朝日の違いはあれども、なぜ、こうした変化が起きたのか。
かつて、ある大学総長が米国のトルーマン大統領に対してこう報告していたのを思い出す。
「日本人は事実上、軍人をボスとする封建組織の中の奴隷国だった。一般の日本人は、一方のボスから他のボス、すなわち現在のわが占領軍のもとに切り替わった。多くの者にはこの切り替えは、生計が保たれていければ、別に大したことではない」
カナダの外交官ハーバート・ノーマンも「日本、自力で民主主義獲得せず」として、こう記していた。
「1945年の降伏にもとづく諸事情も徳川幕府打倒以後の時期と比べてみることは適切である。すなわち、いずれの場合にも人民は改革運動を自ら開始することはせず、かえって、根源的な力は上から来たこと、初めはそれが軍事官僚であり、現在では最高司令官及び占領軍である」
日本は戦後に民主主義となった。だが、それは人々が自らつくり上げたものではない。強制された贈り物である。
日本の社会に「民主主義を守らなければならない」という考えがどれだけ定着しているのだろうか。実態は今も、「生計が保たれれば、別に大したことではない」ではないか。そのためには権力に迎合するのが一番適切な手段なのだ。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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