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※2020年9月4日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
https://twitter.com/Trapelus/status/1301815474850684929
※文字起こし
中身スカスカ。これほど大局観のない人物に、トップリーダーが務まるのだろうか。
2日の菅官房長官の出馬表明会見では、毎日新聞の記者が「まるで安倍総理の発言を聞いているよう。菅総理として目指す政治は安倍政権の単なる延長なのか」と、ズバリ斬り込んだ。確かにその通りで、「戦後外交の総決算」「金正恩委員長と条件をつけずに会って活路を切り開きたい」「アベノミクスをさらに前に進める」と、どれも聞いたことのあるフレーズばかりで、安倍首相の決まり文句をオウム返しだったのだ。
菅は、自民党総裁、つまり首相にこれから就こうというのに、独自色や新たな政策を口にすることはない。それは一夜明けても変わらずで、3日は、テレビ各局をハシゴ出演していたが、どれも曖昧で抽象的な話に終始した。
フジテレビ系の番組で、菅は「まずはコロナ対策」と主張するものの、「総論ではなく、各論で言ってください」と質問されても、「感染を拡大させないようにする。国民のみなさんの命と健康を守って、経済も回復させる」と、当たり前のことしか言わない。
「アベノミクスを前に進める。具体的には?」と聞かれると、「雇用を確保して、企業が営業を続けられるような対策をいまやっている。メドがついたらその先をどうするか」と言うだけ。“ミニ安倍”は、ア然とするほど具体性ゼロなのである。
「国家観を示せない人が首相になるのは問題です。自民党内には、安倍首相の突然の退陣に伴う緊急登板で、残り総裁任期の1年限りの『暫定総理』だからいいじゃないか、という空気があります。しかし、国民にとって総理は総理で、『暫定』なんてない。いかに自民党が国民に寄り添えない政党かということです」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
負の遺産にフタが目的
菅は安倍政権の継承以外、何一つビジョンを語れない。資質のなさをさらけ出すばかりなのだが、総裁選出馬について「一切考えていない」を繰り返していたのに、一転、出馬を決めたのは、疑惑つぶしが主眼なのではないのか。
「モリ・カケ」に「桜を見る会」と、政治を私物化する安倍を、常に前面で守ってきたのが官房長官の菅だ。加計問題では、「総理のご意向」と記された文科省の内部文書について、真っ先に「怪文書みたいな文書」と切り捨て、後でブツが出てきて、泡を食った。だから、これら「負の遺産」の再調査を求められても、「検察庁が捜査した」「法令にのっとり、検討が進められてきた」と繰り返し、終わった話にしようとする。
それだけじゃない。カジノを含む統合型リゾート(IR)事業参入をめぐる収賄で秋元司衆院議員が起訴された一件では「IRの旗振り役は菅長官」と噂されたし、選挙買収の罪に問われている河井克行前法相は、菅グループの中心メンバーだった。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「菅氏の総裁選出馬には、疑惑の負の遺産にフタをする目的があるのでしょう。モリカケ隠しであり、桜散らしですよ。党本部から河井夫妻へ渡った1億5000万円をめぐる疑惑もある。他の人が首相になって、これらが調べられでもしたら危ないので、二階幹事長と談合しながら、自ら手を挙げたわけです」
農家出身で高校卒業後に上京、段ボール工場で働きながら大学に進学した……。苦労人エピソードをしきりにアピールするのは、悪相と悪事を隠す手段。それなのに、メディアがもり立て、手を貸しているのだからどうしようもない。
白昼堂々、権力亡者が傍若無人に跋扈 |
そんな空っぽ首相に、5派閥(二階派、石原派、麻生派、細田派、竹下派)が雪崩を打って支援を決めたのには頭がクラクラする。それも出馬表明前から「菅で決まり」という滑稽。国民に近い党員の声に耳を傾けることもなく、国会議員だけの派閥の論理を当然のごとく優先する。これほど異様な総裁選がかつてあっただろうか。
そのうえ、醜悪な権力闘争と主導権争いを表舞台で見せつける。2日、麻生、細田、竹下の派閥領袖3人が揃って異例の記者会見を開いたのには驚いた。目的が、「菅擁立」で二階派が先行したことに対する牽制なのは間違いない。3派の独自行動に、二階派は「一つになってやるべきだ」と反発。一方、3派の側は、二階派が菅に直接、立候補を要請する署名を手渡したことを「聞いていない」とヤリ玉に挙げる。いやはや、まるで子供のケンカである。
5派閥では既に、菅政権でのポスト争いが水面下で始まっている。二階派の幹部は「二階幹事長の続投は当然だ」と主張。3派の幹部は「二階氏を幹事長から外し、副総裁に」と狙っているという。官房長官ポストの奪い合いも激しく、二階に近い森山国対委員長(石原派)、河野防衛相(麻生派)、萩生田文科相(細田派)、西村コロナ担当相(細田派)などの名前が挙がっている。総裁選はまだ告示もされていないのに浅ましい。
「政策もハッキリしていないのに、勝ち馬に殺到する。これほど腐敗した総裁選は見たことありません。かつて派閥は、総裁選で政策やビジョンの違いを競い合ってきた。派閥が振り子の論理を働かせる装置となり、自民党は疑似政権交代を行ってきたのです。しかし、安倍1強が長く続き、忖度官僚と忖度議員ばかりになった。自民党から政策的な競争がなくなり、緊張感もなくなった。今度の総裁選では、白昼堂々、権力亡者が傍若無人に跋扈している。世紀末の姿を見せられているようです」(五十嵐仁氏=前出)
昭和の政治へ先祖返り
首相候補をそれぞれが抱えて競い合う派閥政治は、政策を活性化させた側面の一方、金権腐敗の温床となり、密室談合の舞台になった。
そうした古い体質が嫌気され、2009年には民意が離れて下野したのに、7年8カ月のペテン政権で、自民党はすっかり先祖返りしてしまった。
「『令和おじさん』なのに、昭和の政治を見せつけられているようです。小渕首相が病床に倒れた後に、『5人組』が密室で森首相を決めた時より酷い。談合を隠すことなく表でオープンにやっているのですからね。菅氏は会見で、『脱派閥』を訴えてきた自身の立場について、『全く変わっていない』と言いましたが、現実には5派閥に支えられて首相になるわけです。派閥にとって都合のいい人がみこしに担がれる。昭和の時代と変わらないじゃないですか。石破氏が党主催の討論会開催の必要性を主張していますが、執行部は『台風があるからダメだ』などと理由をつけて拒否しているそうです。そうした派閥の論理に、内部から一切、異論が出てこないのも酷すぎます」(角谷浩一氏=前出)
総裁選で菅と戦う2人。岸田政調会長は3日、政策集「岸田ビジョン」を発表。「格差是正に取り組み、国民の一体感を取り戻す」と訴えた。石破元幹事長は派閥会合で、「党員、国民に日本の政治がどうあるべきか示したい」と決意を新たにしていた。だが、結末が見えている国民愚弄の茶番劇では、まともな政策論争など期待できない。勝利を前に、菅は、ただただ「安倍政治の継承」を唱えるだけで、この国をどうするのか、どうあるべきか、語る気もないし、語る力もない。
石破はこんなバカげた総裁選に付き合うより、もはや自民党を離党した方がいいんじゃないか。飼い殺しのままくすぶっていても、同じ穴のムジナと言われるだけだ。
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