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※2020年8月24日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
https://twitter.com/Trapelus/status/1297790073727983616
※文字起こし
8月24日、安倍首相の連続在職日数が2799日となり、大叔父・佐藤栄作の記録を塗り替え、歴代最長となった。この先もそう簡単に超えられることのない金字塔を打ち立てたわけだが、政権内に高揚感は乏しい。
27日に予定されていた自民党幹部による「お祝い会」は既に延期が決まっている。さらに、24日午前に安倍は慶応大病院を再び訪れた。あれだけの騒動になったのに、1週間後に「再び」というのは驚きだ。
17日に慶応大病院で「検診」して以来、安倍の健康不安は広がるばかりで、むしろ、この8・24を過ぎれば「いつ退陣してもおかしくない」という臆測で、ポスト安倍政局も激化している。歴代最悪のペテン政権は、レガシー(政治的遺産)ゼロのまま終わりを迎えることになるのだろう。
19日に夏季休暇から復帰したはずの安倍は、3日連続で午後出勤の「半日公務」だった。週末も私邸にこもり、唯一の外出は、今月2度目の散髪。耳まわりと襟足をきれいに切り揃えていた。歴史的なきょうの日を前に気持ちも新たに、ということなのかどうか。
安倍が公務をセーブしているのは明らかなため、永田町は浮足立ち、先週から“ブン投げ秒読み”を思わせるさまざまな情報が飛び交っている。
<亡父・晋太郎と同じ膵臓がんだった。これで秋は政局。9月の自民党人事の前に退陣。10月に新総裁で解散総選挙>
<大腸がんだった。米大統領選の行方を見定めて、12月退陣>
麻生副総理兼財務相が臨時代理に就くという情報もまことしやかに流れた。<内閣改造せずに総辞職。麻生臨時代理でつなぎ、総裁選は菅官房長官で危機管理内閣>なんて話まで語られている。
このタイミングで20日に菅と二階幹事長が会食したことも思惑含みだ。親密度を増す両者は、最近も「(菅は)立派な指導者」「(二階)幹事長が党をしっかり主導」など互いを称え合う。二階は9月に予定される自民党役員人事で幹事長続投を画策中。二階外しに動こうとしている安倍とは違って、“菅首相”なら二階も安泰……ということらしい。
ただ長いだけで何もない
「体調悪化で退陣」を前提にした自民党内の権力闘争の一方、野党からは「首相は予算委員会に出席して、自らの健康状態を説明すべき」という声が上がる。これに対し、「病気をあげつらうようで、おかしい」という批判と安倍への同情論があるが、同情されるべきは、そんな首相をいただく国民だろう。
安倍の盟友の甘利税調会長らは、しきりに「休養」を勧める。しかし、この未曽有の新型コロナ禍において、トップが“疲れて”マトモな判断が下せないのは、国民にとって悲劇でしかない。そして、そういう首相が歴代最長を樹立なのである。歴史に残る大宰相のはずが、第1次政権に続き、2度も政権を放り投げる。そんなことになれば、もはや喜劇だ。コロナ禍で失業や倒産の憂き目に遭っている国民は、やり場のない怒りをどこにぶつければいいのか。
政治評論家の森田実氏がこう言う。
「佐藤栄作は沖縄返還を成し遂げました。吉田茂は、私は反対運動をしていたので評価しませんが、サンフランシスコ講和条約や日米安保条約を締結しました。首相を長くやれば、何か歴史に残る偉業があるものです。ところが安倍首相は、ただただ長いだけで何もない。それどころか、やったのは、国を悪い方向に導きかねない、集団的自衛権の行使を認めた安保法制ぐらいです。国民のために何かを残すのではなく、うわべだけの口先パフォーマンス政権という実態が、コロナ禍であらわになったのが現状。病気だからゆっくり休んで、というのは違う。この危機において指揮が執れないなら、国民にわびて退陣すべき。それが安倍首相の選ぶべき道です」
政権運営に行き詰まり、レガシーゼロに焦り |
2度目の政権ブン投げ観測が出るのは、持病の「潰瘍性大腸炎」という健康問題だけが原因ではなさそうだ。
月刊誌「月刊日本」9月号で、毎日新聞編集委員兼論説委員の伊藤智永氏が、第1次政権時のことを、次のように話しているのが興味深い。
<第一次安倍政権が退陣した日のことをよく覚えていますが、安倍総理は2007年9月10日の臨時国会召集日に「職責を果たし全力を尽くす」と所信表明演説を行い、9月12日午後1時に代表質問を行う予定でした。しかし当日の正午過ぎにテロ対策特別措置法の延長が難しくなった途端、その場で辞任の意向を伝えて午後2時から辞任会見を開きました。政権を放り出した本質的な理由は体調が悪かったからではなく、政権運営に行き詰まって心が折れたからだということです>
今回も同じだ。おそらく、体だけでなく心もズタズタなのだろう。
コロナ対策は後手後手で、アベノマスクの失策もあり、支持率低下を招いた。数々の疑惑も周辺に迫る。
「桜を見る会」を巡る疑惑は、重要人物2人が別件捜査のターゲットになるなど再燃。森友問題では自死した近畿財務局職員の遺族が国と佐川元理財局長を提訴し、裁判が始まっている。参院選での公選法違反(買収)の罪に問われた河井克行・案里夫妻の事件はあす初公判だ。党本部からの1億5000万円の資金にメスが入る可能性もある。
一寸先は闇
頼みの綱だった経済と外交も八方塞がり。2020年4〜6月期の実質GDPは前期比7・8%減、年率換算27・8%減という戦後最悪のマイナス成長で、日本経済は瀕死、アベノミクスの崩壊はクッキリだ。9月以降は倒産や廃業の激増も予想されている。キャッチフレーズが躍った「地方創生」「1億総活躍」「全世代型社会保障」なども、看板倒れで棚ざらし状態である。
「戦後外交の総決算」と意気込んだ拉致問題解決も北方領土返還も、北朝鮮の金正恩委員長やロシアのプーチン大統領に手玉に取られただけで、1ミリも進んでいない。
悲願の憲法改正に執念を燃やすものの、来年の総裁任期満了まで続けたとしても絶望的だ。歴代最長でもレガシーなし。その結果、来夏に延期されたオリ・パラ開催にすがる情けない宰相が、いまの安倍なのである。
政治評論家の野上忠興氏が言う。
「安倍首相は『このままただ長くやっただけの首相で終わりたくない』という気持ちが強いようです。アベノミクスはボロボロで、改憲も見通しが立たない。内政、経済、外交とあらゆることがうまくいかず、この8年弱は何だったんだと落胆し、精神的にも参っている。それがストレスとなり、心身を痛める最大の要因になっています」
加えて、一寸先は闇の政界で、寝首をかかれる恐怖。菅は先週金曜(21日)、テレビ朝日系「報道ステーション」に出演したが、ここにきてやたらとメディア露出を高めている。それが何を意味するのか。
「溺れる者を叩くのが政界。終わりが見えた権力者に対しては、非情なものです。生き残り競争ですから、“お友だち”だって、次を考えて動く。誰もが勝ち馬に乗ろうとする」(野上忠興氏=前出)
無残の中での記録更新、である。だが、それが実力だったということ。前出の森田実氏は、「長期政権になったのは、民主党が自滅し、その後も野党が迷走したのが最大の要因で、大政翼賛会に堕落したマスコミが政権に不都合なことを報じなかったから」と分析する。国会を開かず、記者会見で説明もできない。体調悪化だろうが、何だろうが、国民のために働けない政権は、一日も早く退場するべきなのだ。
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