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8月 10, 2020 日々雑感(My impressions daily)
<Q:尖閣諸島周辺での中国船の活動についてですが、4月以降活動していた中国公船が、今月2日に接続水域から出ました。過去最長の111日間にわたって領海侵入を含む、航行を続けていたわけですけれども、改めて、この間の活動の狙いについてどう分析されているのかということと、今月中旬に休漁期間が終わるということで、活動が活発化するという見方もあります。どういった対応が必要になるとお考えでしょうか。
A:中国公船の活動が拡大・活発化していたというのは事実でございます。海上保安庁がしっかりこの問題、対処してくれておりますが、自衛隊としても海上保安庁と連携し、必要な場合は、しっかり行動してまいりたいと思っております。
Q:今朝方、政調審議会の方で、ミサイル防衛に対する提言がまとまりまして、相手国領域内でのミサイルを阻止する能力の保有の検討を求めている内容なのですが、午後政府に提出されるということですが、防衛省として、どのように提言を受け止めて、検討を進めていくか、改めて、お考えを教えていただけますでしょうか。
A:3時過ぎに政府の方に提言を持ってこられるというふうに伺っております。与党のこうした提言を受け止めながら、イージス・アショアの代替策について、そして、新たなミサイルの脅威に対応できるようにどうするか、政府としてもしっかり検討してまいります。
Q:以前の会見でですね、こうした検討について、まず、アショアの断念の経緯の検証と、それから代替案の検討、更に、新たなミサイル防衛の在り方の検討と3つの段階があるということをおっしゃったと思うんですけれども、その後、政府の検討の状況は今、現時点でどういうふうになっていますでしょうか。
A:イージス・アショアの代替の検討について、今しっかり進めているところであります。また、新たな脅威についても検討を始めているところであります。
Q:関連でお伺いします。安全保障政策の見直しに関して、自民党提言にあったような相手国の領域でのミサイル阻止能力を検討する場合はですね、周辺国からの理解というのは重要になってくると思われますが、現状では特に中国や韓国といった国からは、防衛政策の見直しについて、十分に理解を得る状況ではないようではないかと思いますが、防衛政策の責任者として、現状の認識と、今後もし理解を得る際に、必要だと思われることがあればお願いします。
A:すみません。周辺国ってどこのことですか。
Q:主に中国や韓国になります。
A:主に中国がミサイルを増強しているときに、何でその了解がいるんですか。
Q:すみません、韓国に関してはいかがですか。
A:何で韓国の了解が必要なんですか。我が国の領土を防衛するのに。
Q:2つの質問をさせていただきたいのですが、1つ目、今年は広島、長崎が被爆されてから75周年になります。世界で唯一原爆された国として、日本の国民は世界の核なき活動を積極的に採用されていますが、防衛大臣として、核なき世界に近づいていると思われるのでしょうか。2番目ですが、最近アメリカとロシアの間で、中距離核戦力INF全廃条約を失効したと報道されましたが、特に、中国国営メディアでは、中国は短期間で核ミサイルを1,000発に引き上げる必要があると呼びかけていますが、核兵器廃絶の行方は厳しいと思いますが、これに対して、大臣のお考えを聞かせてください。
A:NPT条約は核保有国5カ国にしっかりとした義務を課しているはずでございます。日本としてこの5カ国が前向きに核軍縮、そして、核廃絶に向けて取り組んでいくことが必要だというふうに考えております。中国の国営メディアがそのようなことを言ったとしたら、それは全く現実を認識していないということだろうと思います。
Q:2点お伺いさせてください。先ほど東京新聞さんの周辺各国の理解をという質問だと思うのですけど、大臣は了解はいらないということでしたが、理解の重要性についてはどういうふうにお考えでしょうか。
A:わが国の防衛については防衛白書、その他でしっかりと説明をしてきていると思っております。
Q:2点目の尖閣の周辺のことですけれども、先ほど、必要であれば防衛省自衛隊としても、というふうにおっしゃっていましたけれども、基本的に禁漁期開けたら漁船が来るだろうといわれていますが、防衛省・自衛隊としては、どういうときに防衛省・自衛隊として対応しなければならないというふうにお考えでしょうか。
A:必要なときに対応しなければならないと思います。
Q:尖閣の関連で、先日、在日米軍司令官が、情報収集のISRの面で日本側を支援したいという趣旨のことをおっしゃっていました。自衛隊として、尖閣の対応について、日米でどういった連携を大事にしたいとお考えでしょうか。
A:日本を防衛するという観点で、これまでも日米の連携をしっかりと進めてきております。これまでどおり着実に日米の連携を強化してまいりたいと思います。
Q:話題変わりまして、国会審議の関係でお尋ねします。毎日新聞では5月、6月の国会審議の中で、議員の方々の審議に臨む姿勢について、いろいろ調べております。中にはタブレットでワニの動画を見たり、娯楽小説を読んだりとか、英語の勉強をしたりとか、中々国民の理解を得難いような姿も散見されております。これは与野党議員問わず見られているわけですが、大臣は、国会改革について、色々ブログでも御発言されているかと思うのですが、なぜこうしたワニの動画を見たりとか、英語の勉強をしたりとか、こういった議員の姿が見られるのか、どのようにお考えでしょうか。
A:諸外国の議会の議論を見ると、その議論に必要な人間だけがその場にいるというのが、アメリカもそうですし、イギリス等もそういう状況であります。日本の場合は、そこにいることが重要だという建前が重視されている、結論として、忙しい、他にやらなければいけないことがたくさんある議員もそこにその時間は居ろ、ということが重要視されます。特に、与党の場合は、定足数の関係で座っていなければ委員会が止まってしまうということから、座っていなければいけないという状況があります。そうしたことについて、国会側でしっかり御検討が行われる必要があるのではないかと思います。
Q:例えば法案の事前審査制ですとか、あるいは国対での日程係、日程闘争というのでしょうか、その辺り注目されていたりですね、どの辺りから改革、こういった姿をなくしていくには始めたらいいと思われますか。
A:それは国会側でしっかり御検討いただきたいと思います。
Q:先ほどの冒頭の幹事社質問に関してなのですが、中国の海警局の公船と漁船の報道についての質問に対して、大臣は海上保安庁と連携して、必要な場合にはしっかり行動をとってもらいたいとおっしゃられました。かなり刺激的な言葉だと思うのですが、海警局公船と漁船の行動について質問しているのに、こういった刺激的な言葉をとったということと、実際、しっかり行動というのは何を指すのかということを教えてください。
A:特に刺激的なことを申し上げたつもりはございません。様々なことが南シナ海を始め、行われているわけでございますから、万が一自衛隊が対応しなければならないような事態になった場合には、しっかり自衛隊が対応するということでございます。
Q:幹事社の質問は、あくまでも中国海警局の公船と漁船の行動についての質問で、それに対して大臣は海保と連携して必要な場合にはしっかり行動をとってもらいたいと。どういう想定でどういう行動のことを考えてらっしゃるのでしょうか。
A:手の内は明かしません。
Q:非常に国の行先を左右するような重要な問題なので、我々に説明して、国民に説明する義務があるんじゃないでしょうか。
A:手の内を明かすことは差し控えます。
Q:でもそれは、そんなことを言っていたら国の命運は全て防衛大臣の手中にある、あるいは総理大臣の手中にあるというふうになるので、極めて危険な発想だと思うのですが。
A:そうは思いません。
Q:諜報ネットワークのアメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダのファイブアイズについてなのですが、先般、イギリスの下院の外交委員長とのテレビ会議でもファイブアイズが話題になったと先方がツイートされたりしているようなのですが、現在、ファイブアイズに日本が入ることについて検討されているのか、あるいは必要性を感じておられるのか。
A:俗にファイブアイズといわれている5カ国は、日本と基本的な価値観を共有する国でありますし、現在もこうした5カ国と様々な外交、防衛のレベルでの意見交換、情報交換というのを行っているところでございます。何かファイブアイズという国際機関があるわけではありませんので、そうした5カ国とこれからも緊密に意思疎通を図っていきたいと思っております。
Q:中国への脅威認識ですね、最近はヨーロッパでもオセアニアでも、以前よりも高まっていると思うのですが、そういう点でもこういう国々と情報ネットワークを築くという重要性についてはどのようにお考えでしょうか。
A:ファイブアイズに限らず、ヨーロッパ、中東、あるいはASEAN、太平洋島嶼国、様々な国々と情報交換はしっかりやってまいりたいと思います。>(以上「8/4防衛大臣記者会見」より引用)
河野防衛大臣は極めて当たり前のことを述べている。むしろ防衛相に質問する記者諸氏の常識を疑う。
例えば記者の「相手国の領域でのミサイル阻止能力を検討する場合はですね、周辺国からの理解というのは重要になってくると思われますが」という質問は、日本が独立国だという現状認識を喪失しているのではないかと記者の常識を疑わざるを得ない。
河野氏の「主に中国がミサイルを増強しているときに、何でその了解がいるんですか」との回答はまさしくその通りではないか。さらに記者が「すみません、(隣国)韓国に関してはいかがですか」と聞くと、河野氏は「何で韓国の了解が必要なんですか。我が国の領土を防衛するのに」と回答している。まったく河野氏の見解は正しい。
そして「基本的に(今月16日の)禁漁期開けたら(大量の中国)漁船が来るだろうといわれていますが、防衛省・自衛隊としては、どういうときに防衛省・自衛隊として対応しなければならないというふうにお考えでしょうか」との問いに対して、河野氏は「必要なときに対応しなければならないと思います」と極めて普通の回答をしている。別に中共政府を刺激するような回答ではないが、記者は「尖閣の関連で、先日、在日米軍司令官が、情報収集のISRの面で日本側を支援したいという趣旨のことをおっしゃっていました。自衛隊として、尖閣の対応について、日米でどういった連携を大事にしたいとお考えでしょうか」と踏み込んだ質問を行い、それに対して河野氏は「手の内を明かすことは差し控えます」と素っ気なく返している。防衛に関する布陣や態勢を事前に記者会見で明かす国など世界にの何処にも存在しない。ここでも愚にも付かない質問を繰り返した記者の常識を疑う。
さらに「諜報ネットワークのアメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダのファイブアイズについてなのですが、先般、イギリスの下院の外交委員長とのテレビ会議でもファイブアイズが話題になったと先方がツイートされたりしているようなのですが、現在、ファイブアイズに日本が入ることについて検討されているのか、あるいは必要性を感じておられるのか」との質問に対して、河野氏は「俗にファイブアイズといわれている5カ国は、日本と基本的な価値観を共有する国でありますし、現在もこうした5カ国と様々な外交、防衛のレベルでの意見交換、情報交換というのを行っているところでございます。何かファイブアイズという国際機関があるわけではありませんので、そうした5カ国とこれからも緊密に意思疎通を図っていきたいと思っております」と答えた。
これは実に大きな日本の防衛方針の転換だ。これこそが「敵基地攻撃能力」議論よりも日本の防衛力を高める選択ではないか。日本が5アイズに参加して6アイズの一員になる事は日本の安全保障上きわめて有効ではないか。
しかも6アイズは「諜報ネットワーク」であって、戦争抑止に有効な体制だ。それが対中戦争の引き金になる、というのなら、そうした意見は軍拡や露骨な領土拡張を進める中共政府にまず行うべきではないか。
8月16日には大挙して中国漁船と機関砲で武装した中国公船が尖閣諸島の領海に侵入するゾ、と脅してきた中共政府に怖気ついてはならない。いかに海岸に地対艦ミサイルを配備していようと、日米は協力して中共政府の邪な領土侵攻に毅然と対処すべきだ。それが独立国家としてのあり方だ。
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