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首相諮問会議入りした「三浦瑠麗」のトンデモ・コロナ言説! アベノマスク擁護、“コロナは脅威ではなかった”宣言、GoTo支持
https://lite-ra.com/2020/08/post-5553.html
2020.08.01 首相諮問会議入りした三浦瑠麗のトンデモコロナ言説 リテラ
三浦瑠璃Twitter
安倍政権のトンデモ政策はまだまだ続く、ということだろう。「未来投資会議」の追加メンバーに、あの三浦瑠麗センセイが選ばれた。
未来投資会議は「新たな成長戦略を話し合う」として2016年9月、竹中平蔵氏や経団連の中西宏明会長らをメンバーに発足した首相の諮問会議だが、実はあの悪名高いGoToキャンペーンの言い出しっぺでもある。
3月5日の会合で、新型コロナウイルスの感染終息後、この未来投資会議が観光需要を喚起する大規模キャンペーンを実施する方針を示したのだ。当時から「感染拡大の最中、感染対策も補償も生活支援もしないで、観光需要を喚起って、何を考えているのか」と大批判を浴びていたが、安倍政権はその後、提言に基づいてGoToを強行した。
結果は説明するまでもないだろう。都市部から全国に感染を拡大させてしまったことはもちろん、国民が不安を抱えたままの実施ということで、満足な経済効果も得られていない。
しかし、三浦瑠麗氏をこの未来投資会議に入れたことを考えると、安倍政権はなんの反省もしてないらしい。
というのも、三浦センセイはこの間一貫して、「コロナ感染なんか大したことない」「それより経済を回せ」と叫んでいた御仁からだ。
たとえば、緊急事態宣言によって、感染が落ち着いてきた5月14日はこんなツイートをしていた。
〈一刻も早く『通常運転』に復帰すべきであるにも関わらず、ダラダラと緊急事態宣言解除の判断を先延ばしにし、自粛の雰囲気を持続させて経済・社会を窒息させている〉
〈本当は、コロナ自体は当初思ったよりも大きな脅威ではありませんでしたと宣言すべきなのだが、国民に浸透している恐怖心を踏まえると政治的にできないでいる。どうしても、引き続き気を付けてくださいという煮え切らないメッセージにならざるを得ない〉
今の感染再拡大は、3、4月の感染拡大のあと、検査体制を増強するなど、徹底的な対策をせず、中途半端な段階で拙速に緊急事態宣言を解除したことにある。にもかかわらず、三浦氏は5月の時点で、政府はコロナが大した脅威でなかった、と宣言しろなどと言っていたのだ。もし、政府が三浦センセイのアドバイスに従って、そんなことを宣言していたら、いまの何十倍も感染が拡大していただろう。
しかし、三浦氏の「感染防止より経済」の姿勢はその後もまったく変わっていない。東京で再び感染者が100人を超え始めた7月、「週刊新潮」(新潮社)が例のトンデモ「K 値」理論をもとに「7月9日ごろにピークアウトする」と予測する大外し記事を掲載したが(7月16日号)、三浦氏もこの記事に登場してこんなコメントをしていた。
「新型コロナの脅威が強調されてきた一方、緊急事態宣言を再度出すことの怖さが、まだ理解されていません。帝国データバンクの調査にもとづく試算では、2カ月にわたった緊急事態宣言の結果、8月までに失業率が2ポイント上がる。それだけで今年の自殺者が8千人増えると見込まれ、感染症の犠牲者をはるかに上回ります。韓国では自粛期間中の消費欲を満たそうと、反動で消費が増えましたが、日本では6月に営業再開した百貨店の売り上げが、前年同月比で22・8%減。これだと今年のGDPは、第2波が来なくてもマイナス12%成長になる。また、本来は現役層が経済を回し、高齢者の防護に対策を集中させるべきですが、彼らがまったく歩かなければ総合的な意味で寿命が縮まってしまう。そういうことも考え比較考量すべきです」
いろいろ予防線ははってはいるが、ようするに感染拡大防止よりもとにかく経済を回せ、と言っているのだ。
■「GoToキャンペーン」も「それしか旅行業界を救う道はない」と全面支持していた三浦センセイ
こんな三浦センセイだから、当然、感染再拡大下でのGo Toキャンペーン強行についても完全に支持していた。Go To実施前日の21日放送『とくダネ!』(フジテレビ)では、こう語っていた。
「ちょこちょこ行きながら、ちょこちょこ(お金を)落として、密にならないようにっていうくらいしか旅行業界を救う道はない」
「1年後、2年後って言ってもみなさん潰れてるので。『コロナが終わってから行きましょう』って言ったら、みんな潰れてますので」
「でもそれってみんな正面から言わないから。(観光業界は)『潰れますよ、助けてください』って言わないと、(世論は)『待ったほうがいいんじゃない?』っていう話になってしまうんですよね」
また、GoToについては、こんなツイートもしている。
〈業界を特定した支援には批判が集まるが、直撃された業界を救わなければ意味がない。もちろん宿泊交通に限らず飲食、小売、卸など幅広い。そして企業の一般的な現預金を考慮すると倒産の波は9月から始まる。夏の間に支援は必要だ。そして全てに補填するのは無理である以上業者を選択せねばならない。〉(7月17日)
〈選択は消費者に任せるべき。どこへ出かけて誰にお金を落とすかを消費者が決めるバウチャー型にしなければ、助かるべきところも助からず、日本の未来は暗い。残酷な話だが、集団心理が働いている以上、助かるところは少しでも多く助けたいとしか現時点では言えません。〉
支援を企業への補償型ではなく、消費者に選択させるバウチャー型にしろというのは、霞が関の主流をなす経産省官僚とまったく同じで、コロナを産業構造の転換や企業の淘汰に利用すべきだと考えているのだろう。
しかし、国民が感染に不安を抱いている現状でバウチャー型の支援を実施しても、そもそも消費者はどこにも金を落としたりはしない。今回のGoToの状況が象徴的なように、税金を無駄遣いするだけで、経済効果なんてほとんど見込めない。
そういう意味では、三浦氏の主張は感染再拡大のリスクを過小評価しているというだけではない。繰り返し口にしている「経済を回す」という目的を考えても、全く的外れなことしか語っていないのだ。
こんな人物が首相の諮問会議である「未来投資会議」に新たに入るのだかから、GoTo的なトンデモ政策が止まることはまったくないだろう。
■アベノマスクを「ありがたい」「中高年男性中心の政権が、がんばってるんだから」と擁護した三浦瑠麗氏
いや、それどころではない。三浦氏の言動を考えると、もっとひどい税金の使い方が後押しされる可能性もある。何しろ、三浦センセイはあの「アベノマスク」を評価していた数少ない“知識人”だからだ。
4月1日に安倍首相が布マスクの配布を発表するや、メディアやネット、国民からは批判が殺到したが、三浦氏は立て続けにこんなツイートをしていた。
〈布マスクうちはありがたいですよ。自分でマスクを縫う暇はないし、子供にさせたくても市中にはないもんね。洗って使える布のものはもっと高性能なマスクが必要な人の分を妨げないし。郵便を利用してプッシュ型支援をやったのは画期的だから、引き続き他の経済対策も頑張って下さいでいいんじゃないの。〉
〈中高年男性中心の政権が、がんばって各家庭に対する想像力や蟻の視点を持とうとしているのだから、叩くんじゃなくて、こんなことがしてほしい、あんなことがしてほしいっていうチャンスだと思うな。(以下略)〉
しかも、三浦センセイのアベノマスク好きは今も変わっていないらしい。7月末、安倍政権がアベノマスクと同型の布マスク8000万枚を追加配布することが判明し、国民から批判を浴びているが、28日放送の『とくダネ!』(フジテレビ)では、追加配布の批判を受けて、三浦氏がこんな珍説を滔々と述べていた。
「だから、こういう危機のときに新しいことをやろうとすることにはリスクが伴うってことですよ。私は、別にあの、介護施設に備蓄として配っておくことに、そこまで強く反対はしませんよ。
でも、これを朝日新聞が取り上げてニュースになるわけでしょ。で、このワイドショーの、まあ1つ目か2つ目のネタになるわけじゃないですか。だからこのPR効果として、その政権として賢かったかっていうと賢くなかったです。しかも、このマスク政策のいちばんの盲点ていうのは、厚労省にすべて発表させればよかったところ、総理アジェンダにしてしまって、はなばなしくやってしまったからこそ、こういうふうにニュースになってしまっているところがあって、誰もなんか忘れた頃に8枚届いてもニュースに本来ならないはずだったんですね。
だけど、私はまあ、こういうことを批判されるのは政権としては当然だと思うけども、でもいま本当に論じるべきことをね、マスコミが報じてるのかっていうと、それもまたちょっと微妙だと思っていて。連日感染者数とかをただ何日ぶりですとかっていうふうに報じているなかで、このマスクがそんなに本質的な問題だとはそんなに思わないですよね」
■布マスク追加配布8千枚も「新しいことにはリスク」とかばい、報道を批判した三浦瑠麗
「危機のときに新しいことをやろうとすることにはリスクが伴う」って、アベノマスク追加配布のどこが「新しいこと」なのか? 国民が怒っているのは、多くの国民、介護や保育の現場からも大不評を買ったアベノマスクを、さんざん批判を浴びたあとに、見直すこともせず、あり得ない枚数をあらためて発注し、追加配布しようとしていたことなのだ。それをあたかも、「新しいチャレンジ」であったかのように持ち上げるとは、政権ヨイショにもほどがあるだろう。
さらに最大の問題は、このアベノマスク問題を「総理アジェンダにしなければ、忘れた頃に届いてニュースにもならなかったのに」と政権側のメディア対策的な失敗に矮小化してしまったことだ。そこには、求められてもいない効果のない代物に507億もの税金を投入してつくらせたこと、そして、批判を受けても無謬性にこだわり、方針転換をしなかったことへの批判的視点は皆無なのだ。
もちろんだからこそ、安倍政権は経済のどシロウトである三浦氏をコロナ後の新たな成長戦略を話し合う首相の諮問機関「未来投資会議」に入れたのだろう。アベノマスクやGoToキャンペーンのようなトンデモない税金の使い方をしても、三浦センセイなら「中高年男性中心の政権が、がんばってるんだから」と後押ししてくれるはず、そう考えたはずだ。
そして、実際、そうなる可能性は非常に高い。そもそも本サイトが繰り返し指摘しているように、三浦瑠麗という国際政治学者の発言をきちんと検証すると、ほとんどは聞きかじりの情報を適当に並べているだけで、たいした中身はない。その場その場の空気を読んで、マウントをとるテクニックに長けているため、何かもっともらしいことを語っているように見えているだけだ。
きっと、この未来投資会議でも三浦センセイは何かを語っているように見せながら、大勢の流れに沿って、政権のトンデモ政策を後押ししていくのだろう。やれやれ、と言うしかない。
(編集部)
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