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※週刊ポスト 2020年7月3日号 紙面クリック拡大
トランプ氏落選なら日本が世界から総スカンになる恐れも
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2020.06.27 07:00 NEWSポストセブン 週刊ポスト2020年7月3日号
後を追って退場?(写真/EPA=時事)
安倍晋三・首相が“得意分野”として誇ってきた「外交」で、行き詰まりが明らかになってきた。致命傷となりそうなのが、11月の米大統領選である。
「4年前、トランプ氏の大統領就任前に安倍首相はわざわざトランプタワーに“ご挨拶”に行った。その後も一緒に何度もゴルフをするなど、蜜月関係をアピールしてきた。トランプ大統領は安倍首相にとって、これ以上ないリーダーで、外交面で唯一の頼みの綱とも言える」(元駐レバノン特命全権大使で作家の天木直人氏)
安倍首相はトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦するなど、“忠実なポチ”となり、国内向けには「強固な日米同盟」と喧伝してきたわけだ。
だが、現在の情勢はトランプ大統領にとって極めて厳しい。米国内の世論調査によれば、5月28日〜6月9日の支持率は、民主党のバイデン候補の49.8%に対し、トランプ大統領は41.7%と水をあけられている。ニューヨーク在住のジャーナリスト・佐藤則男氏はこう分析する。
「バイデン氏が支持されているというよりも、トランプ大統領が“支持されていない”のが現状です。すでに2人は相手を皮肉と中傷を交えた非建設的でネガティブな舌戦を展開している。今後は、より醜い泥仕合の選挙戦が展開されるでしょう。
黒人差別問題でトランプ大統領はあえてコメントしないでいるが、この先対応を間違えれば、形勢は悪くなる」
さらには、元側近のボルトン前大統領補佐官が暴露本を出版予定だ。
「前回の大統領選をめぐる『ウクライナ疑惑』について暴露すると言われている。機密情報が含まれていることを理由に、ホワイトハウス側が出版を止めようとした経緯もあるが、すでにそうした押さえが利かなくなっているのです」(天木氏)
トランプ大統領の再選はもはや黄信号から赤信号に変わろうとしている。もともとトランプ政権と距離を置いてきた各国首脳はここにきてトランプ批判を隠さなくなった。白人警察官による黒人男性暴行死に端を発した抗議デモに強硬姿勢を示すトランプ大統領に対し、ドイツのメルケル首相やカナダのトルドー首相といった指導者が非難の声をあげた。一方、安倍首相はダンマリを決め込んでいるが、このままでは“飼い主を失ったポチ”が世界から総スカンを食う。前出・天木氏がいう。
「これまでトランプ大統領は、金正恩との会談で拉致問題に言及したり、東京五輪開催について擁護する発言を繰り返すなど、安倍首相をバックアップしてきた。落選となれば、安倍首相は大きな後ろ楯を失うことになり、国際社会における影響力低下は免れません。
トランプ落選で米国頼みの外交が成立しなければ中国との関係が重要になりますが、米中対立のなかでトランプ支持を続けてきた安倍首相と中国の習近平国家主席の距離は簡単には埋まらない。日本は国際社会の中で孤立する可能性もある」
トランプ大統領に依存することで成立していた“外交の安倍”の足下は大きく揺らいでいる
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