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12月13日衆院総選挙を狙う安倍内閣
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2020年5月26日 植草一秀の『知られざる真実』
新型コロナウイルスの人口当たり死者数のデータを見ると地域差が歴然としている。 欧州の人口100万人当たりの死者数は 1.ベルギー 804 2.スペイン 574 3.英国 544 4.イタリア 544 5.フランス 436 6.スウェーデン 399 7.オランダ 340 8.アイルランド 326 9.スイス 221 10.スクセンブルク176 米州では 1.米国 302 2.エクアドル 182 3.カナダ 174 4.ブラジル 111 5.ペルー 110 これに対して、東アジアでは 1.フィリピン 8 2.日本 7 3.インドネシア 5 4.韓国 5 5.シンガポール 4 6.マレーシア 4 7.中国 3 8.タイ 0.8 9.ミャンマー 0.1 10.モンゴル 0 ラオス 0 カンボジア 0 また、香港0.5 台湾0.3になっている。 1.民族、2.生活習慣、3.気候、4.ウイルスの種類などの相違が死亡率の著しい相違の背景であると考えられるが、いずれにせよ、東アジアでの死者数は相対的に著しく抑制されている。 新型コロナウイルス感染は人と人の接触によって生じると考えられており、行動抑制は感染拡大抑止に有効であると考えられる。 それでも、日本の人口当たりの死者数は東アジア諸国では第2位に位置しており、日本のコロナ対策が相対的には失敗したことが示されている。 五輪優先で感染対策が2ヵ月遅れたことが失敗の主因である。 欧米で流行したコロナウイルスと東アジアで流行したコロナウイルスが毒性において違いがある可能性も指摘されている。 この仮説が正しい場合には毒性の強いウイルスが東アジアに流入してくる場合には強い警戒が求められることになる。 4月以降に日本でも強い行動抑制が取られた。 その結果として感染拡大に歯止めがかけられた。 安倍内閣は5月26日に全国で緊急事態宣言を解除したが、このことに伴う感染の再拡大には警戒が求められる。 ある程度の時間が経過しなければ状況の判定を行うことはできない。 コロナ問題が一服した局面で、安倍内閣の不祥事を適正に追及する必要性が拡大している。 野党は予算委員会での集中審議開催を求めるべきだ。 黒川弘務元東京高検検事長の証人喚問または参考人招致を求めるべきだ。 現職検察幹部による賭博罪、あるいは常習賭博罪容疑は極めて重大である。 第1次安倍内閣は賭けマージャンは賭博罪に該当するとの閣議決定を行っている。 このことを踏まえた国会での問題追及が必要不可欠である。 日本の主権者は日本政治の今後の方向を決める重大な局面が迫っていることを認識することが必要だ。 衆議院の任期が2021年9月で満了するから、これまでに衆院総選挙が行われることになる。 安倍内閣は2020年7−9月期のGDP成長率を高める施策を打ち、この数値が発表される11月16日以降に衆院解散・総選挙を実施する可能性がある。 投票日は12月13日に設定される可能性が高い。 4−6月期のGDPは大幅減少が予想されている。 4−6月期の生産水準が下がるほど、7−9月期の前期比成長率は高くなりやすい。 7−9月の支出活動が前期比で急増する施策を打ち出して11月16日発表のGDP統計をV字回復のイメージを生むようにする。 これで選挙を打つ可能性がある。 日本の既得権勢力は米国巨大資本が日本政治を支配する状況を安定的に堅持する体制構築に注力している。 自民党不支持が拡大しても、政治刷新が生じないこと。 これが彼らの最重要課題である。 そのために、彼らはいま、維新勢力の拡大に全力を注いでいる。 メディアを総動員して橋下−吉村維新の大宣伝を実行している。 この策謀に絡め取られないようにすることが何よりも重要だ。 その試金石になるのが6月18日告示、7月5日投開票の東京都知事選である。 |
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