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安倍官邸が移行急ぐ「9月入学」レガシーづくりの悪あがき
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/273615
2020/05/26 日刊ゲンダイ
ただ「歴史に名を残したい」だけ(C)共同通信社
新型コロナ禍による休校が長引く中で浮上した「9月入学」の検討が急加速している。
政府は来秋の導入を想定して課題を整理中。6月上旬をめどに可否について方向性を出すという。自民党内の「秋季入学制度検討ワーキングチーム」も同月初旬までに政府への提言を取りまとめる。夏休み前に政治判断し、今秋の臨時国会に関連法案を提出するスケジュールまで話されている。
入学時期が4月から9月に移行するだけでなく、入試や就職など日本社会の風景がガラリと変わる。本来、5年や10年先の導入を目指し時間をかけて議論するテーマだ。政府の試算で少なくとも5兆円規模の経費がかかるというほどの大転換なのに、コロナのどさくさに乗じた拙速な動きには、違和感を感じる人が少なくないはずだ。
文科省はすでに、「来秋に全て移行する一斉実施案」「5年かけて移行する段階的実施案」「来年4〜8月だけの『ゼロ年生』期間を設ける案」の3案を提案。だが、教育現場は困惑しきりで、日本教育学会や日本PTA全国協議会などから反対意見が続出している。
4月末の国会で、安倍首相が「前広に検討したい」と表明すると、杉田官房副長官の下で検討が本格化。つまり文科省というより“官邸主導”。安倍首相が前のめりということだ。「今議論すべきではない」と批判している元文科次官の前川喜平氏は、メディアの取材に「文科省の役人は1人としてやるべきと思っている人はいないはず」と断言していた。
東京五輪も改憲も絶望的で
安倍官邸はなぜそこまで急ぐのか。
「総理や周辺は『9月入学』をレガシーにしたいようです。このままでは来年の東京五輪も憲法改正も絶望的。何のレガシーもなく退陣することになりかねない。9月入学を決めれば、たとえ来秋より前に辞めることになったとしても、『日本社会を大変革した首相』として歴史に名を残せる」(自民党関係者)
実際、東京五輪については先週、IOCのバッハ会長やコーツ調整委員長が再延期を否定。コロナが根絶できない状況下での開催のハードルの高さが改めて認識された。改憲については、安倍首相自身が今月15日のネット番組で「次の総裁がしっかりチャレンジする」と発言。自分の手で行うことを諦めたかのようだった。
歴代最長政権なのに、このままではレガシーが「アベノマスク」になってしまいそう。とはいえ、信頼を失った政権が「9月入学」で改革を叫んでも、国民は受け入れられない。私欲にまみれたレガシーづくりの悪あがきは、もうやめるべきだ。
史上最低・最悪だったというレガシーが歴史に残ります。
— Hal Peanuts-field (@halpeanutsfield) May 25, 2020
【#さよなら安倍総理 40万トレンド】拙速すぎる「9月入学」移行 レガシーづくりの悪あがき 東京五輪も改憲も絶望的で 歴代最長政権なのに、このままではレガシーが「アベノマスク」になってしまいそう... 信頼を失った政権が「9月入学」で改革を叫んでも、国民は受け入れられない(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/y9jeN8CLCj
— KK (@Trapelus) May 25, 2020
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