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◆望ましい条件◆
新型コロナ禍が第一段のピークを過ぎ世界が経済再開を模索する中、安倍政権がこれに上手く対処出来るのかに疑問符が付き始めた。各種のスキャンダルも手伝い時期や顛末は見通せぬものの、長きに渡った安倍政権も終末が近づいた感もある。
そこで、筆者が望ましいと考えるポスト安倍政権の条件を挙げるとすれば、次の通りだ。
@ 新型コロナでの医療崩壊を防ぎつつ、適切な速度での経済再開とのバランスを取るための合理的施策。
A 自粛により傷ついている経済を支えるための大胆な財政支出と減税の実行。
B 新型コロナでの隠蔽、尖閣諸島等での領海侵犯、香港、ウイグル、チベットでの人権侵害を行う中国への厳しい態度、中国依存経済からの脱却。
これらを現安倍政権がこれまでの反省も含めて実行出来ればそれでも良いのだが、実際にはそうも行くまい。かと言って、与党内、野党に代わりが務まるかと言えば覚束ない。
先ず、後継者として安倍首相の意中の人で自民党政調会長の岸田氏は、何事にも明確な意思が無くそもそも有事に向かない。石破前幹事長は、中韓北に心情的に近過ぎる上に経済音痴で財務省のコントロール下に在り国を誤るだろう。立憲民主党の枝野代表は、今回のコロナ禍で積極的な提言を殆どせず万年野党体質を改めて示した。
◆各勢力◆
では他はどうか。
吉村大阪市長を抱える「日本維新の会」は、@の医療・経済のバランスでは実績を示しつつある。Aの財政支出と減税では柔軟に対処しそうだ.。Bの中国依存からの脱却では大インバウンド地の大阪を本拠地としているため疑問符が付く。なお創業者の橋下元大阪知事には苦しい家庭環境からか、時折「相続税100%」等のマルクス主義的主張が散見される。
「国民民主党」の玉木代表は、@についての発言は少ないように見られる。Aについては現下では大胆で積極的な発言をしているが、出身である財務省の尻尾を残し減税分を経済成長で賄うのではなく後日の増税で埋め合わせる発想を持っていないか懸念される。Bについては、この党には日米中正三角形論(二等辺三角形論)を唱えた「保守政界の堕天使」小沢一郎氏の影響力が隠然として在る。
青山繁晴参議員が率いる自民党内の「日本の尊厳と国益を護る会」は、@についての発言は少ないようだが、AとBについては急進的である。
同じく、自民党の安藤裕衆議院が率いる「日本の未来を考える勉強会」は、Aについては急進的だが、@とBについての発言は少ない。
山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」は、Aについては最右翼であるが、基本的に左翼である。
衆参合わせた国会議員数でいうと、維新26名、国民民主党60名、日本の尊厳と国益を護る会54名、日本の未来を考える勉強会29名、令和新選組2名である。
仮にこれらの勢力が結集しても、この数では自公政権には立ち向かえないし、そもそも主張に濃淡がある。
だが、今は有事である。時の経過とともに、繰り返すが@の医療・経済のバランス、Aの財政支出と減税、Bの中国依存からの脱却が必須である事が明白になり、国民にも浸透して来ると筆者は考える。
受け皿たり得る政権構想に向け、頭の体操をそろそろ始めるべき時かと思われる。
佐藤総研(独立系シンクタンク)http://blog.livedoor.jp/ksato123/
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