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5月 20, 2020 日々雑感(My impressions daily)
<政府は19日、首相官邸で学校の始業や入学の時期を9月に変える「9月入学」に関する次官級協議を開いた。文部科学省は2021年からの導入を想定した2案を示した。いずれも学年構成や入学年齢にひずみが出るなど課題も多く、政府・与党で議論を続ける。
杉田和博官房副長官が文科や厚生労働、経済産業など関係府省の次官を集めて話し合った。6月上旬までに課題の整理をめざす。
文科省は21年4月に小学校に入学する14年4月2日から15年4月1日に生まれた子どもを例に案をまとめた。9月入学の実現に向け(1)1年で移行するために最初の1学年だけ対象を広げる(2)対象を段階的に変えて5年かけて移行する――の2案を挙げた。
学校教育法は就学時期を「満6歳に達した日の翌日以後の最初の学年の初め」と定める。そこから1年間が小学1年生にあたる。
第1案なら21年9月に一気に制度を移行できるが、21年度の小学1年生は1学年が17カ月分に増える。将来の受験や就職活動で競争相手も増え、不利になりかねない。
1学年を5年間は13カ月分とし、対象を平準化しながら時間をかけて移行するアイデアが第2案にあたる。負担の偏りがなくなる半面、毎年1学年の範囲が変わり、制度としては複雑になる。
移行期は入学遅れに伴う保育園の受け皿づくりや、1学年の人数が増える間、新入生の急増に合わせて教員や施設を多く確保する必要が生じる。
政府・与党は十分な審議や財源の確保が間に合わず、教育現場にも混乱が生じると判断し、今年9月の開始は見送る方針を決めた。21年9月の導入を想定した議論を始めており、政府高官は19日「時間はあまりない」と語った。
慎重論もある。自民党が18日に開いた9月入学に関するワーキングチームの会合に早稲田大の田中愛治総長がオンラインで参加した。
9月入学への移行に伴い、就職が5カ月延びて学生が収入を得られない状況になれば、世論の反発を招く可能性があると説明した。国際化に成功した国の大学は入学と卒業の学期の設け方を柔軟にしていると指摘した。
慶応大の中室牧子教授も就学年齢が高くなると30歳ごろまでの賃金が下がり、生涯賃金が少なくなるとの研究データを示した。できるだけ早く学校を再開し、休校中の学習の遅れを取り戻すことへの公的支援を優先するよう求めた。
自民党内には幼稚園や保育所に通う5歳児の一部を前倒しで小学1年生にする意見もある。12日の党会合で「義務教育の始まりが他国より遅れないよう前倒しを考えられないか」「国際的な学力の比較で優位になりうる」との声があがった。
柴山昌彦前文科相は15日の衆院文科委員会で、入学を5カ月遅らせると未就学児が増え「保育園や幼稚園の負担が非常に大きくなる」と語った。「真にグローバル化を目指すなら半年早めるべきだ」とも訴えた。
公明党も19日、国会内で9月入学に関するプロジェクトチームの会合を開いた。野田義和東大阪市長ら全国市長会のメンバー4人から「拙速に進めるべきではない」などの慎重論が出た。斉藤鉄夫幹事長は「与党の一角としてしっかり意見をまとめたい。子どもを大事にする観点からこの問題を捉える」と述べた>(以上「日経新聞」より引用)
お役所はどこまで能天気なのか、と呆れてしまう。およそ三ヶ月にわたる学校閉鎖から、やっと登校が順次行われるようになった現在、文科省が本腰で協議すべき課題は「九月入学」ではないだろう。
三ヶ月近くも武漢肺炎の蔓延に怯えて自宅軟禁されていた児童や生徒の「心のケア」をなぜ真っ先に考えないのだろうか。文科省あっての学童や生徒ではなく、学童や生徒あっての文科省ではないか。何を勘違いしているのだろうか。
九月入学はこのまま新学期を半年遅らせれば良い、といった無責任な発想から出たものだ。グローバルスタンダードに合わせる必要がある、などとグローバル化から世界的な武漢肺炎の感染拡大と、グローバルスタンダードの企業活動がサプライチェーンの過度な中国依存を招いた、という国家の安全保障にもかかわる重大事にも拘わらず、武漢肺炎の感染拡大で三ヶ月近くも小・中・高が閉校したのだから、このまま夏休みを迎えて、九月から新学期にすれば良い、という無責任極まりない与太話のような「九月入学」説に文科省が「検討する」とはアホウの極みだ。
記事によれば「政府は19日、首相官邸で学校の始業や入学の時期を9月に変える「9月入学」に関する次官級協議を開いた」というが、政府「要請」の休校で遅れてしまった勉学をいかにして取り戻すか、という真摯な議論はなかったのだろうか。
安倍氏は青年期に「もっと知りたい」との知識欲から勉学に飢えた経験はないのだろうか。数学の定理の美しさに感動した経験はないのだろうか。現代国語の教師の解説から、日本語表現の深淵を垣間見て、身震いした経験はないのだろうか。そうした機会を閉校「要請」により全国の児童や生徒から奪った「罪深さ「を全く意識していないのだろうか。
なぜ全国の教室にクーラーを設置して、夏休みにも遅れた勉学を取り戻すべく登校を「要請」する環境作りに邁進する姿勢の一つすら見せようとしないのだろうか。そして何よりも、三ヶ月近くも自宅軟禁された児童や生徒の「鬱」症状を心配しないのだろうか。
世の中には一日のマトモな食事は「学校給食だけ」という貧困家庭が児童・生徒7人に1人いるという現実が「官邸」やお役人には理解不能なのだろうか。そうした貧困家庭がどのように閉校期間を家庭で過ごしたのか、想像し心痛する感情が官邸に詰める政治家や呼集された事務次官にはないのだろうか。真っ先に協議すべきは「遅れた教育課程をいかに取り戻すか」と「三ヶ月近く自宅軟禁された児童・生徒の心のケアをいかにすべきか」ではないのか。九月入学は「半年遅れ」でO.Kではない。そうすると小学校入学の学齢が先進国で最下位になる、という現実にもっと危機感を持つべきではないか。
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