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これに続いて投稿する予定の「[新型コロナ]PCR検査の外にいる隠れ感染者が100万人だとしても、まったく怯える話ではなく、逆に“慶賀に堪えない”話」の末尾に添付しようと思っていたネタだが分離して投稿させていただく。
ロシアにおける昨今の状況は、「新型コロナウイルス感染症」(「新型コロナ」)でのPCR検査とはどういうものかを窺い知る格好のサンプルになっている。
実のところ、ロシアは、過剰と言えるほどPCR検査を行っている国である。
自宅に検査キットを送り届け、自身で検体を採取してカプセルに入れ、送り返すという方式も採用し、これまで既に500万人を超えるPCR検査を行っている。
日本は18万3千人超だから約27倍の検査数である。
(ロシアの人口は1億4450万人ほどで日本は1億2650万人ほどだから、人口比で言えば24倍になる)
ロシアは、人口千人あたり34.6件ほどのPCR検査を行っている。
他の主要国は、人口千人当たり、日本1.8件・米国16.4件・韓国11.7件・独25.1件・伊29.7件・スペイン22.3件といった状況である。(5月初めのデータ)
そのように検査大国のロシアでも、5月初めから連日1万人を超える新規感染確認者を出している。そのような状況をもって、プーチン大統領の「コロナ対策」を批判する向きもある。
その批判に妥当性があるか少し検討してみよう。
ロシアの累積感染確認者数は、209,377人である。(以降の数値はすべて5月11日現在:厚労省公表データ)
ロシアのこの感染者数は、130万人近くに達している米国にはほど遠いが、英国の219,183人やイタリアの219,070人・スペインの224,390人にほぼ匹敵する数である。
日本が見習うべき検査大国とも言われている米国が700万人にPCR検査を実施したとしても、陽性率が18.5%とあまりに高いから、本来的に言えば、もっともっと検査を増やさなければならない状況にあると言える。
連日1万人超の新規感染確認者だから“感染爆発”と言えるロシアだが、「新型コロナ」の死亡者数を見ると違う風景が見えてくる。
ロシアの死亡者数は1,911人で、致死率は0.9%と低い。
英国は、死者31,855人で致死率14.5%である。
イタリアは、死者30,560人で致死率13.9%である。
スペインは死者26,621人で致死率11.9%である。
日本の致死率は少しずつ上がり現状は4%である。(死亡者621人)
ロシアの死者データは、日本より絶対数では多いとしても致死率について格段に低い。
ロシアについては、今後死者数や致死率が上がってくると予測するが、現在の数字は、膨大な軽症者を感染者として捕捉している実態を浮かび上がらせている。
このような興味深い数値が何に由来しているかと言えば、8万人を超える死者を出している米国に匹敵するPCR検査の実施数である。
(米国の死者数には介護施設や自宅で亡くなったヒトが含まれていない。それらを推定値として加えると10万人を超える)
ロシアは、500万人を超えるPCR検査を実施しているので、20万人という感染確認者であっても、陽性率でいえば4%でしかない。
ここで確認しなければならないのは、ロシアにおける「新型コロナ」の感染開始が他の欧州諸国や日本よい遅かったということである。
ロシアのTVニュースは、イタリアなどへスキーツアーに行った人たちが「新型コロナ」に感染して帰国したことがロシア国内での感染が広がった要因だと説明している。
陽性者数が近いロシアと英国の感染状況推移を比較してみた。
3月31日時点:
ロシア:累積感染者数 1,836人:死亡者 9人
英国:累積感染者数22,141人:死亡者1,408人。
4月15日時点:
ロシア:累積感染者数21,063人:死亡者 170人
英国:累積感染者数93,873人:死亡者12,107人
(なお、英国の場合、3月31日と4月15日の死亡者数には介護施設や自宅で死亡したヒトは含まれていない)
5月11日:
ロシア:累積感染者数209,377人:死亡者 1,911人
英国:累積感染者数219,183人:死亡者31,855人
3月31日を基点とすると、ほぼ近い感染者数になった5月11日までに、ロシアの感染確認者は114倍になっているのに対し、英国の感染確認者はほぼ10倍でしかない。
ロシアは、感染拡大期にPCR検査を大幅に増やしたことで、陽性者(新規感染確認者)も大幅に増えたのである。
このことから、日本が、仮に3月中旬からPCR検査をロシア並みに大きく拡大していたら、4月下旬までにおそらく10万人を超える累積感染者数を計上していたと思う。
(感染者は全て入院隔離という“誤った”というか“無謀な”政策を採っていた日本は、PCR検査を拡大する“冒険心”はなかったと言える。このために重症化し亡くなったヒトもいるかもしれない)
すでに感染者が減少をはじめて1ヶ月ほど経つ日本は、今後努力に努力を重ねてPCR検査を飛躍的に拡大することで得られるものがあるとしたら、陽性率や致死率の大幅な低下だと推測する。
むろん、新規感染確認者も出てくるが、感染拡大期にあるロシアの累積陽性率4%よりもずっと低い陽性率になるレベルだろう。
抗体検査ではなくPCR検査では、過去に感染し既に回復した(ウイルスを排除した)ヒトは陰性だから、ロシアのように膨大な数にはならない。
発症日ベースの新規感染確認者推移データで感染の減少傾向が明らかになっている日本で、PCR検査に膨大な人的活動力を投入する必要があるのかと問いたい。(疫学調査をやりたい人たちは、近いうちに抗体検査を準備するだろう)
だからといって、PCR検査はどうでもいいと言っているわけではない。
医師が必要とする検査や院内感染や施設内感染をできるだけ防止するための検査が迅速にできる態勢を頑張って整えるべきである。
「新型コロナ」へのロシアの対応は成功なのか失敗なのかという設問には、申し訳ないが、終息するまでわからないという答える。
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