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なぜ強行封鎖をしないのか 信なき政権“迷走”の必然
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/271750
2020/04/11 日刊ゲンダイ ※タイトルは紙面による
やっているフリ(C)共同通信社
「都民の皆さんの命を守るのを最優先に、感染拡大防止のための措置をまとめた」
東京都の小池知事は10日、都庁で会見し、新型コロナウイルスの緊急事態宣言に伴い休業要請する業種や施設の詳細を発表した。
改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく休業要請の対象は、クラスター(感染集団)が確認されているナイトクラブやカラオケボックスなど。飲食店は社会生活を維持するのに必要として全面休業を見送り、営業時間を午前5時〜午後8時にするよう求めた(酒類の提供は午後7時まで)。百貨店は食料品などの生活必需品のみの営業を求め、当初は対象に含めていた理髪店やホームセンターは除外した。
都は要請に応じた中小企業向けに「感染拡大防止協力金」を創設。単独店舗の事業者には50万円、複数店舗を展開する事業者には100万円を支給する方針を決定。既に行っている外出自粛の要請と併せ、人と人との接触を減らし感染拡大を食い止めたい考えだ。休業要請はきょう午前0時から実施した。
国と都が責任の押し付け合いの愚
小池が「非常に緊迫している」と危機感をあらわにしていた通り、都内では感染者数が3月下旬から急増し続けている。
感染症に対応する病床は逼迫し、都は軽症や無症状の人についてホテルで療養する仕組みづくりを急ピッチで進めている最中だ。休業要請も含めた対応の遅れは感染者の拡大を招くばかりか、重症者の命に直結するため、本来であれば都の休業要請は安倍首相が「緊急事態宣言」を発令した7日の時点で公表されていて当然だ。それなのに経済活動への影響や補償の問題を懸念する政府が難色を示し、さらに「2週間の先送り」を求めたためにこじれたのだ。
<官邸幹部は10日午前、「小池知事に押し切られた。向こうが上手だった」と話す。政権幹部は「政府も必要なことはしている。(休業要請は)都が責任を持ってやるのだろう」と述べ、都とは距離を置いた>
10日の朝日新聞デジタルは、国と都の休業要請をめぐる協議の内幕をこう報じていたが、これが事実であれば何をかいわんや。一刻を争う非常事態にもかかわらず、国民そっちのけで国と都が「押し切られた」「上手だった」なんて言って責任を押し付け合っているのだからふざけている。
各国の世論調査機関が加盟する「ギャラップ・インターナショナル」が実施した調査によると、新型コロナウイルス対策について「自国政府はうまく対処していると思うか」との問いに対し、「思わない」「全く思わない」と答えた日本人は62%に上り、回答した29カ国・地域中28位のワースト2位になったのも当たり前ではないか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「ふつうであれば政府が東京都以上の政策を出すのが当たり前でしょう。それなのに安倍政権は何もせず、言うばかり。いつもの『やっているフリ』ですよ。少なくとも新型コロナに対して政府と都のどちらが真剣に取り組んでいるのか。その姿勢の違いが鮮明になったと思います」
補償しろ!(C)日刊ゲンダイ
もはや政府の体をなしていない |
司令塔不在の迷走の原因は、すべてが後手後手の対応に回った政府にあるのは言うまでもない。中国・武漢市で新型コロナウイルスが確認されたのは昨年12月。国内で最初の感染者が見つかったのは今年1月だ。それから安倍が「緊急事態宣言」を発令するまでの3カ月間、政府が新型コロナウイルスを封じ込めるために進めてきた実効性を期待できる対策は何ひとつない。
韓国のようにPCR検査体制を拡充するわけでも、ドイツのように人工呼吸器を備えた医療施設の整備を図ることもしなかった。新型コロナウイルスが世界に広がり、各国が拡大を懸念する中でも、政府は「水際対策は万全」などと繰り返し、打ち出した策が「1世帯に布マスク2枚配布」。同盟国である米国からも「帰国警報」が出る始末で、これでは国民の不安が増大するのも当然だ。
東京都や大阪府などにせっつかれて、やっと「緊急事態宣言」を発令したものの、看板である経済政策「アベノミクス」への影響や、休業要請に伴う「補償」を渋り、懸念したために欧米のような「ロックダウン」(都市封鎖)をためらった。そういう中途半端な取り組みの結果が、国と都の内輪モメにつながったのだ。
安倍は7日の会見で、記者から対策が失敗した場合の責任を問われ、「私が責任を取ればいいというものではありません」と答えていたが、要するに政治家としての覚悟も知恵もない。米NY州のクオモ知事が外出禁止令を出す際に「責めるなら私を責めてくれ。他に責任のある者はいない」と発言したのと大違いだ。
感染したら自己責任と言わんばかり
新型コロナウイルスを封じ込めるには陽性患者の早期発見と徹底隔離しか手段はない。だからこそ他国では、日本のように曖昧な「自粛要請」ではなく、罰則規定のある「外出禁止」「自宅待機」を取っているのだ。そして、どの国も国民に強制、命令する代わりに「補償」制度をきちんと設けている。そういう強い決意、信念を持った政府や首長だからこそ、国民は信用し、感染防止に協力しようとなるわけだ。ところが、日本は違う。「すべては皆さんの行動にかかっています」(安倍)と言うだけ。まるで感染したら自己責任と言わんばかりだ。
特措法は休業要請できるものの、それに伴う「補償」についての記載がない欠陥法ともいえる。そういう欠陥を補うために本来は政治権力を使うべきなのだ。7日の参院議運委では共産党の小池議員が「頑張ってくださいって口で言うだけじゃ駄目じゃないですか」と激しい口調で迫ったが、安倍政権は傍観しているだけ。むしろ、無為無策を覆い隠すための演出として「緊急事態宣言」を使ったとも言っていいだろう。
野党に限らず、与党からも要望が出ていた「一律1人10万円」などの補償を財務省が突っぱねたことに対しても、マトモな政治権力であれば切り込んでいる。ところが、安倍政権はそれをしない。というよりも、できないのだろう。森友問題で、財務省は安倍のウソを隠すために自殺者まで出して守り続けたからだ。つまり、なぜ他国のような強行措置が取れないのかといえば、この政権には「ウソをつかない」「欺かない」という最低限守るべき信が欠けているからで、1ミリの正統性がないことに行き着くのだ。政治評論家の森田実氏がこう言う。
「政府というのは、天災や疫病などの非常時に対応するために存在している。そのために政治権力を持ち、国民の生命、財産を守るのです。今の新型コロナがまさにそのケースで、他国のように補償を求める国民のためにあらゆる手段を尽くすべき。それなのに何もせず、責任は取らないと平気で言っているなんて、もはや政府とはいえません。森友問題で財務省にも尻尾を握られているのでしょうが、何もしないのであれば即刻退陣すべきですよ」
今の日本は無政府状態と言っていい。
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