http://www.asyura2.com/20/senkyo270/msg/618.html
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http://www.asyura2.com/20/senkyo270/msg/607.html#c26で見つけた。
ここに書いてある事が正しいなら、こんな日本中で大事になっているときに、こんな重要なマニュアルに間違いがあっても、そのまま突き進んでいくのが日本クオリティってことみたいだ。第二次世界大戦で敗戦に向かってまっしぐらかよ。
以下引用
http://iina-kobe.com/entry148/
このエントリは
新型コロナウイルスの対処法とかあれこれ書いてみた
新型コロナウイルスの検査法の感度ややり方について書いてみた
ダイヤモンドプリンセス号に潜入した岩田氏の動画のあれこれを解説してみた
の続きです。
こんばんは!
今回は、厚生省の出した病原体検出マニュアル(RTPCRのマニュアル)について書きます。
ちょっと専門的になりますし、いちいち言うのもしんどいのですが、おかしいところはおかしいと言っておかないとダメだと思うので書いておきます。
厚労省のマニュアルに、致命的な欠陥が見つかりました。2020.2.25追記
ランダムヘキサマーとオリゴdTが使用されていた件
厚労省のマニュアルの基本的な間違いを教えていただいたので、追記しておきます。
3)表1見過ごし? pic.twitter.com/Hyhwdz23Y2
— TN (@tomoak1n) February 25, 2020
なんと、こんなことがあっていいのかわからないのですが、リーバーストランスクリプション(RT)に、AやGのリバースプライマーではなく、ランダムプライマーとオリゴdTプライマーが使用されておりました。。。
ぶっちゃけ、こんな初歩的な間違いをするとは思っていなかったため、見逃しておりました。
てっきり、常識的にリバースプライマーでRTされていると思っておりました。。。想定外でした。100%素人が作成したマニュアルだと思います。
常識的に、ORF1aやSpikeなどの配列のわかっているRNAの逆転写(RT)には、確実にRTできるAとかGのプライマーを使用します。
しかしながら、厚労省のRTのプロトコールには、信じられないですが、Random Hexamers とOligo(dT)12?18 Primer というものが使用されております。。。
ランダムヘキサマーとは
ランダムヘキサマーとは、その名の通り、ランダムな配列を持つプライマーのことです。
この図のように、RNAにランダムにくっつきます。
当然、ウイルスRNA以外の患者由来のRNAにもくっつきます。
なので、RTでできてくるcDNAはなに由来かはわかりません。
また、PCRするときに、増幅したいDNA領域を含んでいないものからは当然DNAは増幅されません。
なので、通常はこんなものを使用しません。
また、RTの時間は10分なので、ランダムプライマーがくっついたところから長くて10kbpしか増えてきません。
オリゴdTプライマーとは
オリゴdTプライマーとは、塩基のTが連なったものです。
DNAから作られるmRNAは、しっぽの部分にポリAテイルと呼ばれるしっぽがついてます。
なので、mRNAを逆転写したいときにこのオリゴdTプライマーを使用すると、ポリAテイルにくっついてくれて、すべてのmRNAを逆転写することが可能となります。
なので、これもウイルス特異的にDNAを増幅させるものではありません。
ウイルスのRNA末端にもポリAテイルはありますが、もしこれでRTを行うと、ウイルスゲノムのしっぽの部分から合成が始まるので、最後まで合成できないと、PCRで増えてこない可能性もあります。
2019-nCoVの塩基配列
↑
aaaaaaって書いてあるのがポリAテイル
また、RTを行うポリメラーゼは1分間に約1,000bp作れるのですが、2019-nCoVの全長は29,903bpあるので、このマニュアルにある10分では、10,000bpまでしか合成できず、ウイルスの1/3しかとってこれません。
当然ながら、ORF1aまでは物理的に増えてきません。
よって、このマニュアルには致命的な欠陥があります。
かろうじて増えてきてるのは、ランダムプライマーがたまたま機能しただけでしょう。。。
このブログを書いた当時、これに気付いていなかったため、以下の説明ではスペシフィックなプライマーを使用した条件で書いちゃっています。
なので、そのまま置いておきます。。。
本当はスペシフィックなAとかGとかのプライマーでRTするのが正解です。
検出方法
ウイルスを検出するには、
1.検体を取る。
2.検体からRNAをとる。
3.RNAをRTして、RNAとDNAのハイブリッドを作る。
4.PCRをして増やす。
という手順を踏みます。
(RTPCRについては新型コロナウイルスの検査法の感度ややり方について書いてみたをお読みください)
この手順で、
DNAが増えてきた=陽性=ウイルスRNAあり=感染している
DNAが増えてこなかった=陰性=ウイルスRNAなし=感染していない
となります。
この手順では、気を付けないといけないところがいくつかあります。
検体の取り方
まず、検体のウイルスを確実に取ることが重要です。
今回の新型コロナウイルスは、肺炎を引き起こしますので、肺の中や気道の下の方で増えると思われます。
なので、痰(たん)や、気道の奥の粘膜を取って検体とするのが重要です。
喉にはあんまりいないっぽいので、喉からだとだいぶんウイルスが増えてからじゃないとRNAは取れないと思います。
今回、最初は陰性→後から陽性ってなるのは、喉から取ってるからだと思います。
ウイルスがいるのにウイルスが入っていないものを検体としてとっちゃうと、どんなことしてもウイルスがいないので検出できません。
なので、検体の採取方法は最重要です。
RNAの取り扱い方法
RNAってのは、非常に壊れやすいです。
なので、下手な人がやると、RNAが壊れてしまう可能性があります。
温度をあげちゃったり、時間をかけちゃったりするとどんどんRNAが壊れていっちゃうので、素早くすることが大事です。
もうこれは技官の腕次第です。
ちなみに、今回のマニュアルでは必要のないと思われる手順がたくさんあったので、あの手順でやると結構壊れると思います。
PCRの精度
いくらRNAが取れていても、プライマーの設計がダメダメだとDNAが増えにくいです。
プライマーの設計は非常に大事です。
プライマーの設計には熟練の技が必要です。
プライマーが良ければ下手くそがしても機械が増やしてくれます。
感度が30%〜50%と言われている理由は、RNAをうまく取れていないのと、プライマー設計が下手くそなのが原因だと思われます。
RTPCRする場所
マニュアルには、
新型コロナウイルス(2019-nCoV)の遺伝子領域2か所、open reading flame 1a (ORF1a) および spike (S)を特異的に検出する 2-step RT-PCR 法、あるいは TaqMan プローブを用いたリアルタイム one-step RT-PCR 法による遺伝子検査により 2019-nCoV を同定する。
と書かれております。
どういう意味かというと、新型コロナウイルス特有の二つの場所をRTPCRで増やして、それが新型コロナウイルスかどうかを調べましょう。ってことです。
2-step RT-PCR 法についてはあとで解説します。
遺伝子領域の二つのうちの一つ目は open reading flame 1a (ORF1a)ってとこです。
ORF1aは、オープンリーディングフレーム いちエー と読みまして、ウイルスの遺伝子をコードしている部分の一番目ということになります。
この上の図でいう、赤丸で囲ったとこらへんです。
下の図でいう、3のとこのPLproって書いてるところだと思います。
ちなみに、これ、厚労省のだしたマニュアルなんですが、新型武漢コロナウイルスゲノムって書いてるので、武漢コロナウイルスっていうなー!って言ってる人は、まず厚労省に文句言いましょう。
そしてもう一つ、spike (S)は、スパイクのたんぱく質をコードしているとこです。スパイクはコロナウイルスのギザギザの部分ですね。
これは、下の図でいう青丸のとこです。
この上の図でいうSって書かれているとこですね。
これらの領域が、「新型武漢コロナウイルスに特有な配列」らしいので、ここの配列をRTPCRして増えてくれば、新型コロナウイルスのRNAがあるよ!=陽性だよ!=感染しているよ!ってことになります。
RT用のprimerの設計
リバーストランスクリプション
さて、増やし方ですが、新型コロナウイルスの検査法の感度ややり方について書いてみたでも紹介しましたRTPCRっていうものを使って行います。
このRTPCRで一番重要になってくるのは、プライマーの設計です。
プライマーってのは、新型コロナウイルスのRNAの配列にぴったんこな(相補的な)配列をもつ20塩基くらいのDNAで、人工的に合成して作ります。
だいたい一万回分、1,000円くらいです。
このプライマーを、新型コロナウイルスに特有な配列にピンポイントでくっつけると、そこがDNAを増やす起点となります。
まず最初に、ウイルスのRNAにくっつけるプライマーは、下の図でいうAとGになります。
この、AとGのプライマー(左矢印向き)で、それぞれRTするってことですね。
このプライマーの配列は
のAとGですね。
ORF1を増やすために行うRTに使うプライマーがAの CTTTACCAGCACGTGCTAGAAGG です。
スパイクを増やすために行うRTに使うプライマーがGの TGTGGTTCATAAAAATTCCTTTGTG です。
これでリバーストランスクリプション(RT)をすると、下の図のような ウイルスRNA+プライマーを起点としたウイルスにRNAにぴったりくっつくDNAの RNA/DNAの二本鎖ができます。
反応のやり方
厚労省の出しているRTのやり方は、
23°C 10min
50°C 10 min
80°C 10 min
って書いてありますが、ちょっと意味が分かりません。
23度で10分に何の意味があるのかわかりません。
ふつうは、65℃で5分 → 4℃で1分と反応させ、プライマーをRNAにくっつけさせます。
その後、50℃で10分おいて、逆転写酵素でDNAを合成させます。
DNA合成後、80℃で逆転写酵素を失活(壊す)させます。
こうすることでRNA/DNAの二本鎖ができます。
最初に一回65℃に温度を上げないと、プライマーがくっつきにくいと思います。
なぜなら、プライマーがDNAやRNAにくっつく温度っていうのがあって(TM値っていいます)この温度にしてあげないとくっつかないからです。
TM値は、(A+Tの数)x2+(C+Gの数)x4−(A+T+C+Gの数)x2-35で求めることができます。
(これは、私の場合です。人によって違うと思います。)
今回の場合、AのプライマーのTM値は(A+Tの数)x2+(C+Gの数)x4−(A+T+C+Gの数)x2+35=11×2+12×4-23×2+35=59℃
GのプライマーのTM値は17×2+8×4-25×2+35=51℃
です。
なので、一度65℃にあげてあげて、4℃に冷やす過程で、59℃や51℃に冷えたときにプライマーがくっつくってことになります。
これを23℃で10分やる理由がわかりません。
そして、逆転写酵素の活性は45℃〜50℃が一番高いので、50℃でDNAを合成させるのですが、59℃のプライマーはこの方法ではRNAにくっつかないと思います。
RNA/DNAの二本鎖の回収
RTが終わったら、できたRNA/DNAの二本鎖を回収します。
RTっていうのは、元々あったウイルスRNAの数しかRNA/DNAの二本鎖の数はできません。
10個のRNAがあったら、最高でも10個のRNA/DNAの二本鎖しかできません。
なので、この溶液をできるだけたくさん使ってPCRをすることで、効率よくDNAを増幅することができます。
しかしながら、厚労省のマニュアルでは、なぜかせっかくできたRNA/DNAの二本鎖を薄めています。
↓
25μlの反応系でRTを行った後、なぜか水(DDW)を35μl加えて、60μlにして、そのうちの5μlだけを、次のPCRに使っています。
例えば、25μlでRNA/DNAの二本鎖が25本できていた(ウイルスは25個あった)とすると、2本にまで減らしちゃってることになります。
水を加えずに25μlのうちの5μlをPCRにそのまま使えば5本入っているのに、なぜか薄めて検出感度を減らしています。
なぜなのかはわかりません。
PCR
気を取り直してPCRの解説に行きます。
ポジコンとネガコン
PCRってのは、本当にウイルスがいたら検出できる。というポジティブコントロール(ポジコン)と、絶対にウイルスは検出されないよ!っていうネガティブコントロール(ネガコン)の二つが必要です。
なぜなら、絶対に出るやつが出なかったり、出ないやつが出てきたりするともうそれはPCR自体が失敗だから、意味がないからです。
このポジティブコントロールには、新型武漢コロナウイルスがあることが確定している検体から同じようにRTしたRNA/DNAの二本鎖を使用します。
ネガティブコントロールには、新型武漢コロナウイルスがないことが確定している検体から同じようにRTしたRNA/DNAの二本鎖を使用します。
なので、毎回、少なくとも、ポジコン、ネガコン、調べたいやつ の三つをRTしておく必要があります。
しかしながら、厚労省のネガコンは、ただの水を使用しております。
※陰性対照(ネガコン)としてDDW(蒸留水) 5μlを用いる
んなの、水なんて使ったら100%でないんだから、ネガコンにはならないです。
研究室でこれをネガコンって言ったら小一時間説教くらうレベルのやってはいけないことです。
PCRのプライマー設計
先ほども言ったように、プライマーがDNAやRNAにくっつく温度はそのプライマーのTM値(アニーリング温度)に依存します。
今回のpcrは、@のプライマーと、RTで使ったAのプライマーを使用します。
@のプライマーの配列は、上にあげた表から、 TTCGGATGCTCGAACTGCACC で、このTM値は9×2+12×4−21x2+35=59℃
AのTM値は11×2+12×4-23×2+35=59℃
なので、この二つのプライマーは、59℃でDNAにくっつくってことがわかります。
なので、PCRのやり方としては、95℃で二本鎖をはがしてやって、59℃でプライマーをアニーリング(くっつける)して、72℃で伸長反応(DNAを作らせる)っていうサイクルを、だいたい35サイクルくらいやるのがいいと思います。
厚労省の出したPCRのやり方は、94°C 30sec で二本鎖をはがし、56°C 30sec でくっつけ、68°C 1minで伸長反応を40サイクルって書いてあります。
まあ、これでもできるでしょう。。。
※ちなみに、伸長反応を68℃でやるのは、アニーリング温度を68℃くらいに設定したプライマーを使用して、アニーリングと伸長反応を一気にやってしまおう!っていう高等テクニックなのですが、68℃だと伸長反応の活性が落ちるので、普通は72℃でします。
問題は、スパイクのRNAを増やすFとGのプライマーを使ったPCRです。
Fのプライマーの配列は、TTGGCAAAATTCAAGACTCACTTTで、TM値は、16×2+8x4-24x2+35=51℃
GのプライマーのTM値はさっき計算した通り、51℃です。
このPCRの場合、
アニーリングの温度を51度まで下げてあげないと、プライマーがDNAにくっつくことができません!
なので、94°C 30sec で二本鎖をはがし、56°C 30sec でくっつけ、68°C 1minで伸長反応を40サイクルっていう方法では、プライマーがDNAにくっつけないのです。
なので、増えません。
だから、失敗するでしょう。
私でも、このやり方だとPCRかかりません。
これは完全にプライマーの設計ミスです。
2-stepRTPCR法(nestedPCR)
さて、下の図の赤丸の通り、上記の@とAのプライマーの組み合わせで、うまくいくと、413bp(413塩基の長さ)のDNAが増幅されてきます。
FとGの組み合わせだと、547bpのDNAが増幅されてきます。
この増幅されてきたDNAは、元々はウイルス由来のものなはずです。
なので、
@とAのプライマーの組み合わせでできた413bpDNAは@とAで挟まれた領域の配列が含まれているはずです。
なので、BとCのプライマーでPCRしたら、346bpのDNAが増幅されるはずです。
もし、増えていたのが全く違うものだとしたら、BとCのプライマーは配列が認識できないので、DNAは増えないはずです。
この、2段階でのPCRチェックを2-stepRTPCR法もしくは、nested PCRといいます。
これは、特異性をより確かめるために行います。
FとGのプライマーの組み合わせでできた547bpのDNAの内側に設計されたHとIのプライマーでは、493bpのDNAが増幅されます。
しかしながら、
Bのプライマーの配列は CTCGAACTGCACCTCATGG なので、TM値は8x2+11x4-19x2+35=57℃
Cのプライマーの配列は CAGAAGTTGTTATCGACATAGC なので、TM値は13x2+9x4-22x2+35=53℃
なので、アニーリング温度が56℃のこの方法じゃ、Cのプライマーがアニーリングできないから、増えません。
Hのプライマーの配列は TCAAGACTCACTTTCTTCCAC なので、TM値は12x2+9x4-21x2+35=53℃
Iのプライマーの配列は ATTTGAAACAAAGACACCTTCAC なので、TM値は15x2+8x4-23x2+35=51℃
なので、アニーリング温度が56℃のこの方法じゃ、HのプライマーもIのプライマーもアニーリングできないから、増えません。
こちらも、プライマーの設計ミスです。
あと、ネスティッドPCRは、25サイクルも回せば十分なのに、なぜか40サイクルも回しているのは無駄です。
なんとかぎりぎりででてきたPCR産物も、スメア(汚く尾を引いている)していてこの時点でダメですね。↓
ちなみに、私が20年以上前にやったやつでもこれくらいくっきり出ます。当時は印画紙に印刷だったんですが、それでもこのレベルです。
まあ、これで感度が30%〜50%と言われても、そりゃ当たり前だよねぇ。。。としか思いませんね。。。
今の精度が低いのは、まだ喉までウイルス来てないのに喉の粘膜取ってサンプルにしていたり、RNA抽出が下手すぎて壊れちゃったりしてるんやと思います。30?50%のPCR感度って、学部生レベルかと。。。
— いいな (@iina_kobe) February 10, 2020
リアルタイム one-step RT-PCR 法
厚労省は、TaqManプローブを用いたリアルタイム one-step RT-PCR 法っていうものを紹介しています。
これは何かといいますと、普通のPCRに、TaqManプローブというものを混ぜて行うPCRです。
TaqManプローブは、プライマーと同じように、標的のDNA(今回の場合は、ウイルスRNAをRTして作られたDNA)にくっつくものです。
プローブは、プライマーの両端に、レポーターという蛍光を発する部分と、クエンチャーというそれが光らないようにする部分とがくっついたような形をしています。
これが、RTでできたDNAにくっついています。
PCRを行うと、プライマーを起点にDNAが合成されていきます。
合成がプローブがくっついたところまで進むと、プローブは押しのけられて分解してしまいます。
この時、レポーターは光らないようにブロックしていたクエンチャーとの距離が空き、光れるようになり蛍光を発します。
よって、蛍光が検出されれば、そのDNAが作られた=ウイルス由来のDNAがあったということになります。
この利点は、PCR中に蛍光を検出する装置で確認できるため、DNAが増えれば増えるほど蛍光が増えて、どれくらい増えたかがリアルタイムでわかるというメリットがあります。
なので、Real time(リアルタイム)PCRと言われています。
リアルタイムと、リバーストランスクリプショナルはどっちもRTと略すため、一般の人は混乱してしまいますね。
さて、この手法を使った厚労省のマニュアルには、
95°C 15sec.
60°C 60sec.(Data Collection)
というものを45サイクル回す。って書いてあります。
これも、なぜこんなことになったのか意味不明です。
ちなみにこの時に使っているプライマーは1セット目が
CACATTGGCACCCGCAATC でTM値 11x4+8x2-19x2+35=57℃
GAGGAACGAGAAGAGGCTTG でTM値 11x4+9x2-20x2+35=57℃
なので、60°Cじゃ、温度が高すぎてプライマーがDNAにくっつけません。
60℃じゃ、DNAの伸長活性が激減だと思います。
プライマー2セット目が
AAATTTTGGGGACCAGGAAC でTM値 9x4+11x2-20x2+35=53℃
TGGCAGCTGTGTAGGTCAAC でTM値 11x4+9x2-20x2+35=57℃
なので、これもまた60°Cじゃ、温度が高すぎてプライマーがDNAにくっつけません。
プライマーの設計ミスです。
※60℃でアニーリングと伸長反応を行うのは、プローブがはがれないようにするためとの見解もありますが、そもそも増幅する塩基数が少ない(158bp)為、はがれる前に分解できると思います。
ちなみに、これらのマニュアルは、
執筆者一覧
白戸憲也 獣医学博士(北海道大学) 直亨則 松山州徳 竹田誠 (国立感染症研究所ウイルス第三部)
影山努 大阪大学医学部 医学博士(国立感染所研究所インフルエンザウイルス研究センター)
調恒明 山口大学 医学部 (山口県環境保健センター)
四宮博人自治医科大学, 医学部 (愛媛県立衛生環境研究所)
らが書かれたものらしいです。
全員獣医学部もしくは医学部ですかね。。。
こりゃダメだ。。。
私ならこうする!
※この項目は次のエントリに改めて書くことにしましたので、削除しておきます。
2020.2.28 11:16