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感染者数抑制最重要施策は検査を受けさせぬこと
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2020年3月 9日 植草一秀の『知られざる真実』
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が 「これから1、2週間が(感染が)急速に進むか収束できるかの瀬戸際となる」 との見解を公表した2月24日からの「1、2週間」が満了した。 日本国内での感染が拡大している。 安倍内閣は他国と比べて日本の感染者数が少ないと主張しているが、感染者数が少ないのは、安倍内閣が感染を確認するPCR検査を妨害しているからだ。 日本政府が韓国からの入国制限を実施し、韓国がこれに呼応して日本からの入国制限を実施した。 安倍内閣は韓国の感染者数が多いと主張するが、実態に相違はないと考えられる。 韓国の感染者数が多いのは、韓国が検査体制を拡充したからであり、日本の感染者数が少ないのは安倍内閣がPCR検査を妨害しているからだ。 安倍内閣は「瀬戸際」と叫んで小中高の一斉休校を要請し、各種イベント自粛を求めながら、3回のマラソン競技強行を容認した。 感染拡大のためにできることは何でもやるということではない。 要するに、すべての行動は五輪強行のためのものなのだ。 感染拡大を抑止するために最優先されるべきことは検査体制の拡充である。 感染者を確認することによって、感染者の行動を抑止することが可能になり、感染拡大を抑止できる。 同時に感染を早期に発見することにより、感染による重篤化を回避することが可能になる。 本ブログ、メルマガの読者からも、早い段階で、感染の疑いがあり、医療機関で受診したが、たらい回しにされて、結局、PCR検査を受けることができないとの悲痛な声が寄せられていた。 日本には医療施設が11万強存在する。 ところが、安倍内閣はPCR検査の実施を徹底的に抑制している。 感染の疑いがある者は、まず帰国者・接触者相談センターに電話で相談しなければならない。 大多数の患者がこの相談センターで門前払いにされる。 帰国者・接触者相談センターで許可された者だけが帰国者・接触者外来での診察を受けられる。 帰国者・接触者外来は日本全体で860程度しか存在しない。 1都道府県当たり18しか存在しない。 1都道府県当たりの医療施設が2340あるのに対して、PCR検査を発注できる医療施設は18しかないのだ。 2月1日から3月1日までの1ヵ月間に、この帰国者・接触者外来での受診を許された患者は、帰国者・接触者外来1機関当たり2.6人である。 しかも、帰国者・接触者外来がPCR検査を発注する基準は 「入院を要する肺炎患者の治療に必要な確定診断のためのPCR検査」 (2月25日「基本方針」) https://bit.ly/39aZSWU なのだ。 そもそも、帰国者・接触者相談センターで相談することができるハードルが高く設定されている。 風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。 (解熱剤を飲み続けなければならないときを含む) 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。 (高齢者や基礎疾患等のある者は、上の状態が2日程度続く場合) 上記の症状のある者が「帰国者・接触者相談センター」で相談できる条件なのだ。 つまり、安倍内閣の対応では軽症の感染者、無症状の感染者がPCR検査の対象から外されている。 重症な症状がある、感染が疑われる患者のなかで、肺炎を発症し、入院が必要である者だけがPCR検査の対象となっているのだ。 新型コロナウイルスによる感染者のうち、8割は軽症者であるとされている。 安倍内閣は軽症者、無症状の感染者をPCR検査の対象から外しているのであり、少なく見ても、確認された感染者数の5倍が実際の感染者数ということになる。 このような検査体制の下で確認された感染者数を諸外国の感染者数と比較することは完全な誤りである。 「瀬戸際」の2週間が満了した現時点で、感染は拡大の一途を辿っている。 イベント自粛を要請してしまった以上、これを緩和する理屈が成り立たなくなった。 訪日外国人は皆無に近い状況に移行している。 日本経済は消費税増税・コロナ大不況にまっしぐらということになる。 安倍暴政の下で日本は地獄の局面に移行することになる。 |
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