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「三権の長」のごとく振る舞う超憲法的政権の異常人事 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268927
2020/02/13 日刊ゲンダイ
安倍政権ベッタリの黒川弘務氏(右)を検事総長に就けるための小細工(左は菅官房長官)/(C)共同通信社
黒川弘務・東京高検検事長を超法規的に定年延長させて、次期検事総長に据えようという官邸主導の異常人事が話題になっている。
検事一般の定年は63歳で、それに従えば2月8日でその年になった黒川は退官しなければならないが、検事総長だけは定年が65歳なので、安倍政権ベッタリで有名な黒川を半年間、定年延長すれば、検事総長に就けることができる。この見え見えの小細工は、どうも菅義偉官房長官の仕掛けで、そこには実は自身が“真犯人”であるカジノ汚職疑惑にフタをしたいという思惑が働いているともいわれている。
しかし、その低レベルの政治的思惑を超えて憂慮を深めているのは、自民党の中堅議員である。
「ご記憶かどうか、安倍晋三首相は2回も3回も、自分が『立法府の長』だと国会で発言しています。その上で今回の検察人事ということになると、『司法府の長』でもあるかの振る舞いですよね。こうしてみると、安倍さんは『三権分立』という憲法の基本原理を、まったく理解していないと思わざるを得ない」と。
そう言われて資料を繰ってみると、安倍は2016年5月16日の衆院予算委で山尾志桜里議員の質問に答え「私は立法府の長であります」と答弁し、また翌日の参院予算委でも福山哲郎議員の質問に答え「私は、立法府の……」と言いかけて寸止めしている。それでいったんは「私が間違っていた」と謝罪したというのに、18年11月2日の衆院予算委での奥野総一郎議員とのやりとりの中で、またもや自身を「立法府の長」と述べた。直後に「行政府の長」と訂正し、謝罪したけれども、これを見ると安倍の憲法理解が中学生以下であることがわかる。こんな人に「憲法改正」とか何とか言われたくないという思いが募るのである。
ところで、私は気付いていなかったのだが、9日付東京新聞「本音のコラム」で前川喜平が書いているところによると、このような省庁トップへの「異例の人事」は文科省でも起きていて、官邸にお覚えめでたい藤原誠官房長は18年3月の定年を延長されて10月に事務次官に就き、そのため「官邸と距離を置く人物」だった本命の小松親次郎は退官したという。
こんなふうにして、首相が「三権の長」であるかに傲慢放題に振る舞う超憲法的政権は、もうお引き取り願いたいものである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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— toripy (憲法守ろう) (@t_toripy) February 12, 2020
「三権の長」のごとく振る舞う超憲法的政権の異常人事
— KK (@Trapelus) February 12, 2020
この見え見えの小細工は、どうも菅義偉官房長官の仕掛けで、そこには実は自身が真犯人≠ナあるカジノ汚職疑惑にフタをしたいという思惑が働いているともいわれている。しかし、その低レベルの...
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