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船内はミニ武漢のような地獄 “超法規的隔離”に疑問噴出
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268920
2020/02/12 日刊ゲンダイ
隔離生活を強いられ1週間(C)共同通信社
横浜港に停泊中の大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」(乗員乗客3711人)で発生している新型コロナウイルスの集団感染が拡大している。乗員乗客を船内に留め置き、大規模な検疫が始まって1週間。検査した人のうち、12日までに174人の感染が確認された。加速度的に感染が広がっている状況だ。1月20日に横浜を出港したダイヤモンド・プリンセスは香港やベトナムを巡り、今月3日に予定より1日早く帰港。15泊16日の船旅を終えるはずが、横浜で乗船して香港で下りた香港在住男性の感染が判明し、厚労省はその日から全乗船者の船内検疫を実施。5日に10人、6日に10人、7日に41人、8日に3人、9日に6人、10日に65人、11日に39人の感染が分かった。
厚労省は水際対策として、ウイルスの潜伏期間が過ぎる14日間は船内で待機するよう求めている。下船は早くても19日以降とされているが、次々に感染が確認されている上、震源地の中国の政府専門家チームは潜伏期間が24日間に及んだ事例を公表。先はまったく見通せない。隔離、封じ込めは正しいのか、しょうがないのか、効果があるのか。なぜ、患者が増え続けるのか。船内パンデミックではないのか。
中途半端な隔離で感染拡大
山野美容芸術短大客員教授の中原英臣氏(感染症学)は言う。
「政府はタカをくくっていたのでしょう。当初は船内検疫後に下船させようとしたくらいですから、感染者が出ること自体を想定していなかったのではないか。ここまで感染者が増えるとは予想だにしていなかったのでしょう。潜伏期間中の船内隔離は適切な判断だと思いますが、一定の条件下でデッキに出ることを認めるようになった。この対応には疑問があります。乗客が個室を出てからデッキで過ごす間、どうしても壁や手すりなどに触れてしまう。これでは接触感染のリスクが上がってしまいます。2週間も室内に閉じこもるのは確かにしんどいですが、感染予防の観点から言えば、徹底すべきだった。中途半端な隔離が感染を拡大させた可能性は否定できません」
船内には約3600人が残されている。
乗客有志は9日、船内にいる厚労省職員らに要望書を提出。〈2月5日早朝から客室内での「隔離生活」を求められましたが、日を追って船内環境が悪化しています〉と訴え、▽乗客のニーズを受け止める窓口が少ない▽情報提供が不十分で情報格差が生じている▽シーツ交換や室内清掃がなく生活環境が悪化――など6項目の改善を求めた。
厚労省によると、船内では医師29人、看護師18人、薬剤師12人が活動中(10日夜現在)だが、体調が悪化しても医務室入りに3時間待ち。乗客は高齢者が多く、糖尿病や高血圧など持病を抱えるケースが少なくないが、医薬品不足は深刻なまま。毎日新聞(11日付朝刊)に「各階の部屋の外は職員が待機し、時間外にドアを開けると注意される。監禁のような状態で、ストレスもある。なるべく早く出たい」という乗客の声が紹介されていた。「終わり見えない」地獄の船内。新型コロナウイルスによる感染症は、検疫で感染の疑いがあれば診察などを受けさせられる検疫感染症に指定されているが、エボラ出血熱や新型インフルエンザと違い、強制隔離はできない。「まだ検疫が済んでいない」という形をとり、上陸を阻んでいるのだ。超法規的隔離に疑問が噴出している。
人命がかかっても”やってる感”だけ(新型コロナウイルス対策本部の会合であいさつする安倍首相)/(C)共同通信社
海外では「封鎖されている武漢のミニバージョン」 |
ダイヤモンド・プリンセスの乗員乗客は56カ国・地域に及び、外国籍が半数超を占めることから海外の関心も高い。米紙ニューヨーク・タイムズ電子版(10日配信)は〈クルーズ船のコロナウイルス大流行に乗員は逃げ場がない〉との見出しで詳報。〈漂流しているダイヤモンド・プリンセスは流行が発生し、数週間封鎖されている1100万人都市の中国・武漢のミニバージョンだ〉と指摘し、こう報じている。
〈一部の専門家は、全乗員乗客を船内に留め置くことで感染率が悪化する可能性があると言う。武漢市や湖北省では当局は5000万人近い市民の域外移動を禁じ、家族間感染が増えている。感染症を専門とするワシントン大学のジョン・B・リンチ准教授は「規模は小さいものの武漢に状況が似ており、船舶検疫によって乗員は一緒にいさせられるため、感染の可能性が高まる」と言い、「検疫は内部ではなく外部を守ることを覚えておく必要がある」とした〉
さらに、高い船内感染の可能性と感染源特定の難しさを念頭に、白鴎大特任教授の岡田晴恵氏(元国立感染症研究所研究員)のこうした発言を紹介している。
〈無症状の人の中にも感染者がいると想定されるため、ウイルス検査は必要だ〉
実際、症状のない日本人乗客からもウイルス検査を求める声が高まっている。それを受けて加藤厚労相は10日の閣議後会見で、「できるだけ国民の不安や懸念にしっかり対応していくことが必要。できるのであればやっていきたい」としたが、菅官房長官は同じ日の会見で「現状においては、(全員の検査は)厳しいものがあると思う」と否定。検査態勢を理由にしているようだが、果たしてそうなのか。国立感染症研究所と全国自治体の地方衛生研究所の検査機器をすべて使えば1日約1500人分を検査できるというし、民間の協力を仰ぐ手もあるだろう。
「日本の検査能力がそれほど低いとは思えない。(ウイルスを高精度で検出する)PCR検査は全員に実施した方がいい。政府は国内で死者が出ていないからヤル気がないのか。コスト面を気にしているのか。そう疑ってしまいます。政府の危機管理の甘さによってここまで事態を深刻化させながら、無責任に過ぎる。年に1度の桜を見る会にはポーンと5500万円超の公金を使うのに、この事態に税金を投じないなんて、どう考えてもおかしいでしょう」(中原英臣氏=前出)
15年に打ち出していた「感染症対策」
政府の大甘想定、後手後手対応、泥沼の長期化に「大失敗だったのではないか」との声が出るのは当然である。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「国際社会が推進するユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC=すべての人が適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを支払い可能な費用で受けられること)を踏まえ、安倍政権は2015年に『平和と健康のための基本方針』を策定し、幅広い感染症対策を打ち出しています。しかし、これまで何をやってきたのか。お題目でしかなかったことは明白です。水際対策を理由にした船内隔離は乗員乗客を見捨てたようにしか見えませんし、“独居房暮らし”を強いているとの批判もある。宿泊施設などの収容先を確保する、あるいは中国のようにコンテナなどで仮設医療施設を建設する。なぜこうした対策を講じ、彼らを移送しなかったのか。日本は危機管理に強い国、問題にキチンと対処できる国だとデモンストレーションする機会にダメさ加減を露呈してしまった」
基本方針ではこううたっている。
〈我が国は、国際社会と一体となって、感染症対策などと併せ、公衆衛生危機に対応するグローバルなヘルス・ガバナンス強化への貢献、途上国の持続可能かつ強靱な保健システムの構築支援に焦点を当て、また国内においては危機発生時に適時に人的貢献を行う体制を構築することに焦点を当てる〉
まさにアベコベ。その上、安倍政権は「数字」の抑え込みにも躍起になっている。茂木外相は10日の会見で「報道各社はWHO(世界保健機関)の方針も踏まえ、日本国内の感染者とクルーズ船の感染者を区別し、より適切な事実関係を発信していただきたい」とクギを刺した。根拠とするWHOの各国発生状況リポートは、日本側がクルーズ船分と国内分を分けるよう働きかけた結果、6日発表分からクルーズ船分は「日本」ではなく「その他」に分類し直された。感染者数を小さく見せるためのゴマカシだ。
「訪日客減少などの経済的ダメージを食い止めるため、政府は必死で取り繕っていますが、小手先の対応は国際社会に通用しません。むしろ、経済のために乗員乗客を犠牲にする愚かで非人道的なイメージを広げている」(五野井郁夫氏=前出)
ドツボだ。
船内はミニ武漢のような地獄 “超法規的隔離”に疑問噴出 https://t.co/qJFRTC5ECX #日刊ゲンダイDIGITAL
— 齋藤一弥<穏やかなレジスタンス&里山資本/p(^^)q・れいわ新選組 (@rainasu) February 12, 2020
「終わり見えない」地獄の船内【ダイヤモンド・プリンセス】政府の大甘想定、後手後手対応、泥沼の長期化についに出てきた「大失敗だったのではないか」の声を検証 中途半端な隔離で感染拡大 海外では「封鎖されている武漢のミニバージョン」 15年に打ち出していた「感染症対策」(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/djyfQqK0ei
— KK (@Trapelus) February 12, 2020
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