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筆者も招待…「桜」疑惑背任罪での告発は本質をついている 経済ニュース深読み
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267819
2020/01/21 日刊ゲンダイ
疑惑の数はあまりにも多い(「桜を見る会」であいさつをする安倍首相)/(C)共同通信社
「桜を見る会」が、犯罪の巣窟となっている。既に昨年11月の段階で、市民団体が公職選挙法と政治資金規正法に違反しているとして安倍晋三首相を告発。今月14日には上脇博之・神戸学院大学教授らが、国の予算を私物化し、自己や後援会の利益のために使ったとして背任容疑で告発した。
また、検察OB弁護士らが、「桜を見る会」の前夜祭でホテルニューオータニが格安サービスをしていることを問題視、「見返りを期待していれば贈収賄罪を疑うことができる」と指摘。さらに「桜を見る会」の名簿が、ルールに基づいて保存・廃棄の手続きがなされなかったとして、公文書管理法違反であることが明らかとなった。まさに「疑惑の総合商社」のような催しだった。
直球勝負で本質をついているのが背任罪での告発だろう。安倍内閣は会の趣旨を「各界において功績、功労のあった方々を招き、慰労して懇談する場」と、述べているが、告発状では、「実態は公的行事への招待を自己の後援会行事と一体化して実施」と指摘。その結果、2013年4月の1万2000人が19年4月には1万8200人と急増し、予算も5500万円と倍増したという。
私は、安倍後援会を優遇した野放図な運営を肌で実感した。昨年4月13日に開催された会に私も招待され、妻と参加したからだ。しかも「安倍枠」で。有力後援者から「行くなら招待状を送るよ」と昨年2月ごろに声をかけられ、「お願いします」と気楽に答えると、本当に内閣府から招待状が届いた。政治経済の記事を書くことで、多少、社会の監視役にはなっているかもしれないが、国への「功績・功労」があるとも思えず、なにより「安倍1強」の批判者だ。そうした私のような人間も、反社・半グレも、マルチのジャパンライフ会長も招待してしまうほどの“緩さ”なのである。
だが、税金で催されている以上、内幕が暴露され、告発がなされれば、検察も無視はできない。いずれ告発者と調整のうえ、受理して捜査の流れとなる。「官邸とべったりの検察がまともな捜査をするわけはない」(司法記者)というのが一般的な捉え方だが、最近、検察は政治と距離を置くようになった。
菅義偉官房長官の覚えがめでたい黒川弘務・東京高検検事長は、2月で定年を迎えて勇退する。官邸の検察パイプは細くなるが、それを見越したように秋元司・元内閣府副大臣を逮捕起訴。河井克行前法相・妻の案里議員にも強制捜査を入れ、夫妻と同じ公選法違反で告発されている菅原一秀前経産相にもいずれ捜査のメスが入る。
20日から通常国会が始まり、予算委員会では野党の総攻撃を受け、検察捜査まで始まった時、安倍首相は耐えられるのか。疑惑の数はあまりに多く、前途多難だ。
伊藤博敏 ジャーナリスト
1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。数多くの週刊誌、月刊誌のほか、現代ビジネスなどウェブニュースサイトにも寄稿。主な著書に「許永中『追跡15年』全データ」(小学館文庫)、「『カネ儲け』至上主義が陥った『罠』」(講談社+α文庫)、「金融偽装─米国発金融テクニックの崩壊」(講談社)、「黒幕」(小学館)などがある。
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2020年1月20日
「桜」疑惑 なぜか筆者も「総理枠」で招待される緩さ
— KK (@Trapelus) 2020年1月20日
背任罪での告発は本質をついている
私は、安倍後援会を優遇した野放図な運営を肌で実感した。昨年4月13日に開催された会に私も招待され、妻と参加したからだ。しかも「総理枠」で
日本経済ニュース深読み 伊藤博敏(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/K3rzI8sOcx
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