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共産主義としてのリベラリズム、資本主義という名の共産主義
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/545.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 3 月 26 日 11:39:18: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: グローバリズムは19世紀の帝国主義の21世紀版、共産主義とは対極にある考え方 投稿者 中川隆 日時 2021 年 2 月 11 日 13:00:46)

共産主義としてのリベラリズム、資本主義という名の共産主義


ミルトン・フリードマン氏: リベラリズムは衆愚政治である
2021年3月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12998


新自由主義の経済学者ミルトン・フリードマン氏が、経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の著書

『隷属への道』
https://www.amazon.co.jp/%E9%9A%B7%E5%B1%9E%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%81%93-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E5%85%A8%E9%9B%86-I-%E5%88%A5%E5%B7%BB-%E3%80%90%E6%96%B0%E8%A3%85%E7%89%88%E3%80%91-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF/dp/4393621824?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E9%9A%B7%E5%B1%9E%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%81%93&qid=1616663210&sr=8-1&linkCode=sl1&tag=globalmacrore-22&linkId=bb8fb6f139d7283a6bff2adaa68480f5&ref_=as_li_ss_tl


の序文において現代のリベラリズムを痛烈に批判している。

共産主義としてのリベラリズム

1912年にアメリカに生まれたフリードマン氏は自由主義(リベラリズム)の経済学者として知られる。しかしフリードマン氏の「リベラリズム」は現代におけるいわゆる政治的なリベラリズムとは全く別ものである。彼は次のように言う。

わたしはハイエクと同様に自由主義(リベラル)という言葉をその語源通り「権力が制限された政府と、政府その他による外部からの干渉がない自由な市場」という意味で使うのであって、その意味とはまったく逆の意味を持つようになってしまっている米国においてこの言葉の持つ腐敗した意味でではない。

『隷属への道』は基本的には共産主義・全体主義を批判する本である。しかしフリードマン氏はこの本が現代にとってこそ重要であると言う。何故ならば、共産主義は資本主義社会においても公然と生きているからである。

フリードマン氏は次のように言う。

勿論当時と同じような共産主義者による誤った主張は今も変わらず主張されているだけでなく、むしろ増加していると言える。しかし現代の共産主義者の直接の論点は昔と同じではないし、彼らの使う特殊な用語も戦時中や戦後のものとは異なっている。

国民から税を徴収して莫大な予算を立てるには名目が必要である。フリードマン氏によれば、かつては「中央集権的計画」「使用のための生産」などの言葉で大規模な予算とそれに伴う徴税が行われたという。共産主義が崩壊して久しい現代ではもはやこれらの言葉は聞いたことがないだろう。

しかし社会主義の恐怖は別の衣装を着て現代にも現れている。現代では別の言葉を使って同じように政治的予算のための徴税が行われる。1994年に書かれたフリードマン氏の文章に挙げられる例は2021年にはほとんどは消え去っているが、まだ生き残っているものもある。彼は次のように書いている。

また「環境の危機」も叫ばれるようになっている。この危機は強欲なビジネスマンによって生み出されているというのだ。

そしてこれらの危機は巨大に膨らんだ政府の政策によってのみ解決できると主張されている。

そして現代ではコロナ対策だろう。日本政府はコロナ対策の名目のもとに好きな票田へと資金をばら撒き始めている。こうした政府による資金投下についてフリードマン氏は次のように述べている。

こうした政策の中身は、現実には政府がまったく恣意的に国民の一部から税金を略奪して国民の他の一部に補助金として与えるということでしかない。

これらの政策のどれもがすべて平等と貧困の根絶のためという名のもとに行われている。しかしこれらの社会福祉政策は、そのどれもが原理原則を欠いてコロコロと変化しており、相互に矛盾した要素の集まりでしかない補助金を特定の利害グループに与えているにすぎない。結果、政府によって消費される国民所得の割合は巨大化してゆくばかりとなっている。

日本政府はコロナ対策のために人々を旅行に行かせることが重要だと主張した。面白い冗談である。それでも自民党が与党から外れることはない。

GO TOトラベルで安全な旅行を楽しむコロナウィルス
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11550


政治的予算には常に綺麗な名目と本当の受益者が存在する。少々頭の足りない人々は綺麗な名目に騙されてしまう。問題は、有権者のほとんどがそういう人々だということである。

衆愚政治としてのリベラリズム

例えばグローバリズムにおける移民政策も同じような目的で行われた。シリア難民が、あるいはシリア難民のふりをした別に難民でも何でもない人々が、ヨーロッパではタダ飯にありつけると吹聴したメルケル氏の甘言によって地中海で溺れて死んだ。反対したイギリスはリベラルな人々によって「反知性主義」と罵られた。

国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3594


受益者は誰か? 安価な労働力が命を懸けて自分のところに来てくれる多国籍企業である。ユニクロの柳井氏が移民賛成であるのは当たり前のことである。ユニクロのホームページには「世界を良い方向に変えていく」というタイトルの移民賛成の言論が載っている。

フリードマン氏は次のように語っている。

共産主義のためのどんな議論も、虚偽を集めたイデオロギーでないとすれば、感情に直接訴えかけるだけのきわめて単純な言論でしかない。

本当の自由主義

あらゆる名目であらゆる予算が積み上げられ続けている。とりわけ西洋では「環境」やら「倫理」やら「人権」のためだと叫ばれている。カリフォルニアのオークランドでは今月、有色人種の家庭に毎月500ドルを配る実験を開始すると発表された。これは人種差別ではないのか。

彼らの言う通りにすれば「世界は良い方向に変わる」そうである。そういう名目のもとに税金は召し上げられる。その資金を政治家たちは好きに使っている。フリードマン氏は次のように言う。

インテリの共同体の大半は政府の権力の拡大が悪質な巨大企業から個人を守るためだとか、貧困者を救済するためだとか、環境保護のためだとか、「平等」を各国において促進するためだとか等々と政府が喧伝すると、ほとんど自動的にその拡大を支持してしまう。

世界を自分の思う通りにしようという思い上がりのことをいつから自由主義(リベラリズム)と呼ぶようになっただろうか。ハイエク氏はこの意味で

『致命的な思いあがり』
https://www.amazon.co.jp/%E8%87%B4%E5%91%BD%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%80%9D%E3%81%84%E3%81%82%E3%81%8C%E3%82%8A-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E5%85%A8%E9%9B%86-%E7%AC%AC2%E6%9C%9F-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF/dp/4393621913?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E8%87%B4%E5%91%BD%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%80%9D%E3%81%84%E4%B8%8A%E3%81%8C%E3%82%8A&qid=1616662539&sr=8-1&linkCode=sl1&tag=globalmacrore-22&linkId=14824c560eca5585cdb7fba424286df4&ref_=as_li_ss_tl


という題の本を書いている。

「致命的な思いあがり」についてフリードマン氏は次のように述べている。

社会の様々な悪は邪悪な人々の活動によって生まれており、自分たちのような善良な人々が権力をふるいさえすればすべて上手く行くと信じるのは心をそそる考えではある。そのためには人々の感情と自画自賛の心があれば十分だろう。それらは容易く手に入り、人々の心を満足させもする。

しかし実際には邪悪を生み出すのは権力を持った「善良な」人々である。反対に良い結果を生み出すのは、権力は持っていないが隣人との自発的な協力のために活動できる普通の人々だ。これが理解できるようになるためには感情抜きの分析と思想が不可欠であり、もろもろの感情を理性的な力へと隷属させなければならない。

われわれは現代のリベラリズムではない、本当の自由主義を思い出すべきなのではないか。そうでなければ、綺麗な言葉によって飾られた政治的な腐敗のために、あるいは東京に打ち立てられた便器のために予算は積み上げられ続けるだろう。

人々は隷属を続けている。国の借金が量的緩和で消えてなくなることはなく、この『隷属への道』の結末は2つしかない。物価高騰か重税である。前者はアメリカで、後者は日本で既に起きている。人々は隷属したままである。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831

インフレを暗示する最新の米雇用統計、株価暴落か物価高騰かの二択に
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12801

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12998


▲△▽▼


世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
2020年5月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


新型コロナウィルスによる景気後退が迫るなか、世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏がCNNへの寄稿記事で共産主義化する社会に懸念を示している。

新型コロナで増大する政府のプレゼンス

新型コロナによるロックダウンで経済活動が停滞し多くの人が失業しているため、日本やアメリカなどの国では政府が国民に現金を給付するヘリコプターマネー政策などの景気刺激策を取っており、またインフラ投資などの公共事業も議論されている。

しかしそれは同時に、これまでは他人の役に立つものを作っていた人が報酬を受け取っていた時代から、政府に選ばれた人が収入を得る時代へのシフトを意味している。ダリオ氏は次のように述べている。

世界中で人々や企業が収入と貯蓄を失っており、中央銀行と政府は資金を注入してそれを補おうとしている。これはつまり自由市場がもはや資本の配分を決定しているのではなく、政府がそれを決めているということを意味する。

その規模はアメリカでは数兆ドルに及んでおり、また日本でもマスクの配布が不要だったのではないかという話や、そもそもマスクの製造会社はどのように選ばれたのかという議論がなされている。これらの企業は政府によって税金の配布先として選ばれたのである。

ダリオ氏は次のように続ける。

政府と中央銀行は何兆ドルもの資金と信用を作り出し、それを受け取りたい人に受け取らせている。この状況が続けばすぐに、これらの資金は誰が出すべきでそれを誰が受け取るべきかという議論を呼ぶか、より悪い場合には争いに発展するだろう。

政府から景気対策として和牛券の発行を提案したときに反対の声が上がったのが典型的だろう。自分の都合で資金を振り分けたい政治家とそれに反対する国民の争いが今後大きくなるとダリオ氏は予想しているのである。

資本主義という名の共産主義

それでなくとも先進国の低成長は政府が債務を膨張させて非効率な事業を生み出し続けたことで生まれてきたのである。公共事業は誰も使わない箱物を生み出し、低金利政策は誰も使わない商品やサービスを作る三流企業を借金で延命させることを許した。

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103


そもそも人々はデフレということの意味を考えてみる必要があるだろう。作ったものを誰も買っていないということがデフレの意味なのである。デフレとは需要に対して供給が過多であること意味しているからである。無駄なものが作られ続けているのである。

これはまさに共産主義の問題と同じである。政府が誰々はこれを作るようにと指示を出して経済を回そうとしたソビエト連邦と中国の経済は悲惨なことになった。日本やアメリカの人々は新型コロナで経済が窮地にある今をわざわざ選び、かつてのソ連や中国と同じ経済実験をやろうとしているのである。

「利益」とは何か

そうした政策が選ばれる中、ダリオ氏は資本主義の基本を冷静に説明する。

「利益を出す」ということがどういうことかを考えれば、資本主義は特に資源の配分や社会の生産性と生活水準の向上に向いたシステムであると言える。

相変わらず分かりやすいダリオ氏の説明は続く。

話は非常に単純である。製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも高いとき、その差が「利益」となり、利益を生む生産活動はより多くの資源を集めることができる。

もし製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも低いとき、そうした生産活動は行き詰まり倒産することになる。

このシステムは人々が欲しいと思う製品を作る個人に報酬を与え、その能力のある人はその事業アイデアを評価し資金を出すリスクを負っても良いと判断した投資家から事業のための資金を受け取ることができる。

倒産は必要である。しかしリーマンショック以来、多くの国がそれを拒み続けてきた。その結果が現在の低成長であり、そこにコロナ危機が来て経済は危機に瀕している。にもかかわらず多くの政治家は同じ過ちを繰り返そうとし、それが多くの人々に支持されている。

しかしはっきり言わなければならないが、世界経済は新型コロナのために危機的状況に陥っており、どの国の経済にもそのようなことをしている余裕などないのである。

新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10494


無駄に資源を浪費するだけのゾンビ企業は潰し、社会は限られた資源を本当に人々が使うものを生産する事業だけに振り分け、ロックダウンで失われた莫大な経済活動を取り戻して行かなければならないのだが、実際には無駄を助長する政策が行われ、経済は票が欲しい政治家とそれを支持する短絡的な人々が支配している。

結論

経済を理解している人々は皆、公共事業や量的緩和で経済は救えないということを理解している。多くの著名投資家が警告を発してきたが、誰も聞かなかった。

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103

ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9681

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10473


ダリオ氏は、紙幣を無制限に印刷する量的緩和が経済を救うかどうかについてはシンプルな意見を表明している。

われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

しかし多くの人々にはこのダリオ氏の言葉は難解過ぎるようである。

飢餓者が出るかもしれないが、経済は沈むしかないのだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831

 

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コメント
1. 中川隆[-6345] koaQ7Jey 2021年3月26日 12:02:26 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[14] 報告
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
2021年1月30日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

ここのところ続けて19世紀生まれの経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の論考を紹介しているが、ようやく本題である。

新型コロナとハイエク経済学

2020年の新型コロナウィルスの世界的流行によって世界経済は未曾有の景気後退にさいなまれ、日本やアメリカなどの先進国政府は紙幣印刷や現金給付を行なって多数派の有権者の支持を取り付けた。

政府は中央銀行にいくらでも紙幣を刷らせることが出来るので、新型コロナで店舗や企業が儲からなくても人々は生活に困らないというわけである。

実際には先進国政府はコロナ前にも紙幣印刷を大量に行なってきた。その紙幣で中央銀行が国債を買い上げたために政府はいくらでも借金ができたのである。

その借金で政府は長らく有権者の支持を購入してきた。新型コロナで多くの人が亡くなっているにもかかわらず、政府の関心はオリンピックの開催とGO TOトラベルによって建設業界や広告業界、宿泊産業の政治的支持を取り付けることにある。これはどの国の政府も行なってきたことである。しかしアメリカではそうした慣習にも限界が来ている。インフレの到来である。

・コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11939


そして日本はその背中を追っている。

政府に借金をさせないために

政府が借金をこれほどまでに増やせなかったなら、政府がここまで好き放題にすることもなかっただろう。そして中央銀行が紙幣を印刷できなかったならば、政府が借金をここまで増やすことも不可能だっただろう。

通貨は政府が発行するものだというここ100年くらいの間に生まれた特異な考え方に慣れた者でなければ、これは当然の考え方である。そしてその当然の考え方を主流派経済学者の間違った意見に左右されずに主張し続けた経済学者がいる。ハイエク氏である。

戦前、戦後の時代にケインズ氏とやりあったハイエク氏は様々な経済学上の功績で有名だが、その中でも異彩を放つのが通貨発行自由化論である。ハイエク氏は政府のみならず民間企業や個人も通貨を発行すべきであり、政府の通貨と競争させることで政府の浪費を牽制できるという考え方の持ち主なのである。

ハイエク氏は彼の

『貨幣論集』
https://www.amazon.co.jp/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E5%85%A8%E9%9B%86-%E7%AC%AC2%E6%9C%9F-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF/dp/4393621921?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF+%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86&qid=1611295460&sr=8-1&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=eb7e92ebe3988e41f171092f0fdf438f&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl


においてむしろ控えめに次のように述べている。

こうした提案は法定通貨という概念のもとで育ったすべての人にとって最初は馬鹿げたものに映るかもしれない。

しかしかつて紙幣を中央銀行に持っていけば金(ゴールド)と交換できた金本位制の時代の人々は、何と交換することもできない何の保証もない紙切れを大事に財布に持っている人々の方を不思議に思うだろう。

現代の通貨は本当に暴落しないのか

繰り返しになるが日本円もかつては金と交換できたのであり、金を中央銀行に預ける代わりに紙幣を受け取って、中央銀行に紙幣を持ち込めば預けた金が返ってきたのである。しかしいつの間にか金は返ってこなくなった。政府がそう決めたからである。では預けられていたはずの金は何処へ行ったのだろう。政府がすべて使ってしまったのである。

このようなあからさまな詐欺に多くの人々がまったく気付いていない。ハイエク氏は次のように述べる。

200年間の金本位制の時代だけを例外として、実際には歴史上ほとんどの政府が人々を騙し搾取するために通貨発行の独占権を行使してきた。

大英帝国のポンドやオランダ海洋帝国のギルダーが政府による紙幣印刷で暴落していったことは以前解説した通りである。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

・世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953


そしてその犠牲者はその通貨を持っていた一般市民であり、政府ではなかった。通貨が暴落したときには既に政府は多額の借金をしてその資金を使い果たしてしまっていた。

根拠はないはずなのだが、現代のわれわれはこれを過去のことであり、今の円やドルには起こらないと無根拠に信じている。しかし実際にはメジャーな通貨の減価はゆるやかにしか起きないので、そのトレンドのただ中にいると気付かないだけなのである。

事実、1970年のドルの価値を100とし、その価値をゴールド本位で計算すると今のドルの価値は次のチャートのようになる。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/01/since-1970-value-of-usd-in-gold-chart.png

ほぼ皆無である。そして2021年、コロナで大量の紙幣印刷と現金給付を行なったことにより、死に体のドルにはとどめが差されようとしている。

・世界最大のヘッジファンド: ドルが下落したらアメリカは終わり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11762


そしてアメリカに起こることは日本にも起こるのである。

ハイエク氏の通貨発行自由化論

こうした状況を打開するためにハイエク氏は政府から通貨発行の独占権を剥奪すべきだという。ハイエク氏は言う。

人々が使いたい通貨を自由に選択させてはなぜいけないのだろうか。

ハイエク氏が想定するのは政府だけではなく民間企業や個人が通貨を発行する世界である。そこでは人々は自分の好きな通貨で貯金をし、好きな通貨で買い物をする。好きな通貨で会計報告をして好きな通貨で納税をする。

彼は次のように続ける。

店主が現行のレートで望む通貨に即座に両替できると分かれば、すぐにどのような通貨に対しても適切な価格で商品を売るだろう。しかし政府の通貨で表示される物価だけが上昇していることが分かれば、政府の悪行はもっと早く察知されることになる。

そして人々はより安定した通貨を主に利用するようになるだろう。そうすれば通貨発行者は自分の通貨の価値をより安定させ、より多くの人に使われるように努力するようになる。ハイエク氏の主眼は通貨をこのような競争にさらさせることになるのである。彼は次のように続けている。

人々が信用できない通貨を拒否し、信用できる通貨を選んで使うことができるとすればどうか。政府が通貨を乱用するのを避けるためにはこれ以上に有力な抑止力は有り得ない。そうすれば通貨の供給を需要より低く抑えるかぎり、その通貨の需要は増大してゆくだろう。そしてそれは政府が通貨の安定性を維持させるための何よりも強い要因となる。

つまり、政府が無思慮に紙幣を膨大に印刷しようとすれば政府発行の通貨が使われなくなるという状況に直面させることで政府を律しようというわけである。

これは同様に民間の通貨発行者にも適用されるだろう。通貨発行者は手数料のような利益を(政府と同じように)得るだろうが、ハイエク氏の言う世界ではこれが今のように通貨発行権の独占の対価として与えられるのではなく、価値の安定した通貨を発行していることに対する対価として与えられるならば、通貨発行者に対して国民が払うコストは合理的なものになってゆくだろう。

少なくとも、金塊がいつの間にか盗まれているとか、数十年の間に価値がほぼゼロになっているとか、そういうことはなくなるはずである。有り得ないような話が日本円や米ドルで実際に起きているのである。

・ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

2. 中川隆[-6344] koaQ7Jey 2021年3月26日 12:03:44 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[15] 報告
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
2021年1月24日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

前回の記事ではジョン・メイナード・ケインズと論陣を張り合った経済学者のフリードリヒ・フォン・ハイエク氏の主張が現在のコロナ禍における経済にぴったりと当てはまることを紹介した。

・インフレが制御不能になれば政府は価格統制を始める
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11964


莫大な量的緩和と現金給付によりアメリカでは既に物価上昇が始まっているからである。

経済学者によるインフレ至上主義

それを遠い昔に諌めていたのがハイエク氏だった。しかし現代の経済学者はインフレを善とし、インフレターゲットなる言葉まで作られた。

繰り返すがインフレとは需要に対して供給が不足していることであり、物が足りないことである。

物が足りないことの何が善なのだろうか? これについて筆者を説得できた経済学者はいまだ存在しないが、インフレは現代の経済学では善とされており、結果としてのインフレではなくインフレ自体をターゲットとした政策が平然と行われている。

何故インフレが政治家や経済学者の間で好まれたのだろうか? それは政治家が支出を好むという事実と関係している。政府が財政出動により人々を失業から救わなければならないというのは現代の経済学ではケインズからの伝統である。

ケインズはその著書のなかで、無意味に穴を掘るだけの事業であっても公共事業として効果がありうると主張している。政治家は自分の票田に金を配ることを主な仕事としているので、ケインズのこうした主張が彼らに受けたことは自然な帰結である。

公共事業は失業を救うか

しかしそれが経済学的に正しいかどうかは別の問題である。ハイエク氏は次のように述べている。

現在の通貨の問題の主な原因は、当然ながらケインズとその弟子が、支出の総額増やせば繁栄と完全雇用を長期的に約束できるという古い迷信に科学的権威を与えたと思い込んでいることにある。

公共事業自体はケインズ以前から存在する古い迷信である。しかしそれが戦後の世界秩序の決定に大きな役割を果たした著名人ケインズによって流布されたことで神格化され、世界中の政府と中央銀行の不文律のようになってしまった。

しかしトランプ政権によるインフラ投資は実際に経済を押し上げたではないか? それは勿論そうである。ハイエク氏は次のように述べる。

通貨の量が増加することによって雇用が急速に増大し、最短経路で完全雇用に達することは勿論否定されていない。

しかし問題はそこではない。それが長期的に見ても本当にプラスに働いているのかということである。ハイエク氏はこう続ける。

インフレが加速を止めたとき、失業は過去の誤った政策の結果として、そして非常に残念ながら避けられない結果として出現する。

そして問題はこの部分が経済学的に理解が難しいということである。

公共事業がいかに失業を生むか

何故公共事業が長期的には失業を生むか。ハイエク氏は次のように説明している。

すべての職種に対して画一的に同じ給与を決めることができないように、総需要を操作してすべての労働に対する需要と供給を均衡させることはできない。

雇用の量は経済の各部門の需要と供給が一致することで決まる。つまりは経済のどの部門にどのような需要があり、どういう賃金が割り振られているかによって決まるということである。

これはやや難解な箇所である。そしてここが難解であるためにインフレ主義は何十年も何百年も生き延びてきたのである。

問題は紙幣印刷や公共事業などのインフレ政策が局所的には多大な不均衡を生むということである。GDPで全体の大きさだけを気にすることが常習化した現代においてはこの重要な点が容易に無視されてしまう。

紙幣印刷は経済のどの部分にどれだけの需要が本当に必要かを考えずに経済全体の貨幣量を増やす。公共事業は政府が恣意的に選んだ受益者にだけ大量の資金を投下する。

どちらの方法でも本当に必要な場所に資金が行くことはない。現代の量的緩和バブルでも株式市場がまず上がって実体経済にはなかなか反映されないのと同じである。結果としてインフレは起こるわけだが、オーストリア出身のハイエク氏は1920年代に起こったインフレにおいて街の様子がどうなったかを描写している。

ウィーンの中心街では多くの有名なカフェが街角の一等地から追い出され、銀行の新しい事務所が取って代わった。

こうした政府による資金投下バブルで一番に利益を得るのはいつも金融業である。金融など一部の分野がバブルで先に得をし、他の業種を追い出してゆく。先進国政府が何年も紙幣を刷り続けた結果、富の不均衡が起こり、アメリカでは暴動に発展している。

しかしインフレになったことで銀行業が飲食店より経済的に重要になったという事実はない。それでも紙幣印刷によって膨張した貨幣量は経済に一様には注ぎ込まれず、一部の業種にバブルを引き起こしてゆく。

しかし例えばハイエク氏の例では不必要に増やされた銀行の職員は長期的には必要ではなくなってゆく。ハイエク氏はそのインフレの時代の顛末をこう語っている。

銀行が事業を縮小するか倒産しなければならなくなり、何千人もの銀行員が失業者の行列を作った時代を過ぎ去るとカフェは戻ってきた。

しかし本来はカフェの従業員は一等地から追い出されて失業する必要はなかったし、大量の新しい銀行員がその後失業者の列となる必要もなかった。これがインフレ政策による長期的失業の増加である。

結論

不均衡は必ず長期的にはネガティブな結果を引き起こす。しかしそれでも主流派の経済学者はいまだに完全雇用とインフレを神のように崇めている。

政府が借金を積み上げて無理に作り出した雇用はリーマンショックやコロナ禍などでインフレが止まった瞬間に、それまでは留保されていた分の失業を大量に吐き出す。それは本来存在しなかったはずの、インフレ政策が故意に生み出した失業なのである。

・新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10248


しかし因果関係という概念を理解しない主流派経済学者はそのようなことは気にしない。ハイエク氏は次のように続ける。

完全雇用政策の支柱となっている理論はすべてここ数年の経験によって完全に否定されるに至っている。経済学者はその理論の致命的な知的欠陥を発見したが、それはそもそも以前から分かりきっていた。

しかしこの理論は今後も多くの問題を生むだろう。何故ならば、インフレ理論の他に何も学ばなかった失われた世代の経済学者が残されたからである。

果たしてそのようになった。政治家にとっては状況はより簡単である。票田に資金を注入することをケインズという偶像が肯定してくれるのだから、それほど有難いことはない。

新型コロナによって政治家のそういう傾向は極まったように思える。GO TOトラベルを無事成功させた日本政府はいまだに東京オリンピックを強行しようとしている。

・GO TOトラベルで安全な旅行を楽しむコロナウィルス
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11550


Bridgewaterのレイ・ダリオ氏は政府を信用してはならないと警告した。

・世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10473


ハイエク氏はどう言うだろうか。彼はコロナ禍における政府の行動を予想したかのようなコメントを残している。

政府が自分の頭で考えて行動しようとすれば、その被害は増大するように思われる。

大変残念である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992


▲△▽▼


インフレが制御不能になれば政府は価格統制を始める
2021年1月22日 GLOBALMACRORESEARCH

これまでの記事で論じてきたとおり、アメリカで物価の高騰が始まっている。
新型コロナ対策として日本やアメリカで政府による未曾有の資金注入が行われた。アベノミクスにおける量的緩和など、これまではどれほど紙幣を印刷してもインフレにはならないように思われていたが、コロナ禍における現金給付でアメリカではついに許容量を超えたようである。物価指数の上がり具合をもう一度引用しておこう。

・コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11939

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/01/2020-dec-us-consumer-price-index-chart-1.png


新型コロナ不況による先進国政府の未曾有の紙幣印刷に警鐘を鳴らしてきた著名投資家は多いが、特にレイ・ダリオ氏はこの危険性を早くから的確に指摘し続けてきたと言える。

・世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな (2020/4/29)
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10473


ダリオ氏の先見の明にはいつも驚かされるが、ではインフレの後にはどうなるのだろうか。今回はダリオ氏よりも更に先を見据えている別の人物の見解を引用してみたい。

政府は紙幣印刷を止められない

この人物の名はあとで挙げるが、この人物は現在のような不況において紙幣印刷は状況を長期的に悪化させるにもかかわらず、政府が紙幣印刷という手段に頼り続けることは避けられないと主張する。彼はこのように述べている。

あらゆる世代の経済学者は政府が貨幣の量を素早く増加させることによって短期的には政府は失業のような経済的害悪から人々を救済する力を持っていると主張し続けてきた。残念ながらこれは短期的に正しいに過ぎない。

貨幣の量を増やすことは短期的には有効に見えるかもしれないが、長期的にはさらに大きな失業を引き起こす原因となる。これが事実である。しかし短期的に支持を獲得することが出来るならば、長期的な効果を気にかける政治家が果たして存在するだろうか。

今の日本政府や米国政府に対する痛烈な皮肉ではないか。紙幣印刷は不況の直接的な原因である。ここの読者であればそれがどのように不況の原因であるのかはお分かりだろうが、分かりやすく解説した以下の記事をもう一度挙げておこう。

・新型コロナで借金が実体経済に影響を与える仕組みを分かりやすく説明する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10248


コロナでGDPが大幅に下落した原因は過去の紙幣印刷による債務の拡大なのである。それがなければここまでの不況にはならなかった。しかし麻薬中毒者が麻薬を止められないように、すべての政府と短期的な視野しかない有権者は紙幣印刷を選好し続ける。

それはいずれ不可避的な物価高騰に繋がってゆく。インフレは緩やかにしか起こらないので人々は安心して何十年も紙幣を刷り続けるが、起こった時にはもう止めることができない。それがインフレである。

アメリカでは遂にそれが起こりつつあるということである。では止められない物価高騰が起こったとき、政府はそれをどのようにしてお茶を濁すだろうか。彼は次のように説明している。

周知の通り、インフレは経済や市場の秩序が破壊されるまで続く。しかしわたしにはより悪い可能性のほうがありうるように思われる。

政府は物価高騰を止めることができない。しかしこれまでもそうだったように、物価高騰の目に見える効果だけは抑えたいと考える。物価高騰が続き、価格のコントロールが行われるようになり、それは究極的には経済制度全体を管理するところにまでいたる。

インフレが市場と経済を破壊するところまではもうその兆候が観測されている。金融市場で取引される種類の日用品の価格高騰は去年から始まっており、あとはその価格上昇がスーパーに並ぶ品物の価格にまで及ぶのを待つだけである。

・金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11801


経済の混乱は既に始まっている。そして彼は追い詰められた政府が行うのは価格統制だと主張している。正規の店舗に並ぶ品物の価格は見た目上抑えられ、ブラックマーケットでは品物が高値で取引させる世界が来るのである。

それでも正規の店舗では安値で日用品が買えるなら良いのではないか? しかし現実はそう甘くない。誰も安値で売りたがらないので、すべての品物はブラックマーケットに流れて高値で売られ、単に正規の店舗でものが買えなくなるだけである。それが経済である。ダリオ氏も言っていた。

われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

しかし誰も彼の警鐘を聞かなかった。

そして価格統制が上手くいかなくなると、政府は経済全体を管理しようとするだろう。それがこの人物の主張である。

結論

このような世界が来るとコロナ前には誰が予想していただろうか? しかしインフレ率や金融市場などの現実はダリオ氏やこの人物の予想通りに推移している。そして興味深いのはダリオ氏も彼もともに政府のこうした近視的行動が共産主義的な計画経済にいたるリスクを指摘していることである。

・世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831

コロナ後の経済についてダリオ氏よりも更に先を読むこの人物は誰か? 経済学に明るいここの読者ならば分かる人もいるだろうか。今回の記事で引用した主張を述べた人物はフリードリヒ・フォン・ハイエク(1899-1992)である。19世紀に生まれ、ジョン・メイナード・ケインズと論陣を張り合い、コロナよりもはるか昔に亡くなったオーストリアの経済学者である。

引用した文章も何十年も前に書かれたものだ。しかしその主張はまるで今の経済状況と政府の対応を批評するために誂えたような文章ではないか。

今回の文章は日本語版では彼の『貨幣論集』などに収録されているが、ハイエク氏の著作にはコロナ禍に適用できる更に面白い知見が含まれているので続けて紹介したいと思っている。ダリオ氏の記事も再読しながら楽しみにしてもらいたい。

・世界最大のヘッジファンド: 紙幣印刷で経済成長率は救える
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11736

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11964

3. 中川隆[-6343] koaQ7Jey 2021年3月26日 12:06:10 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[16] 報告
【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ〜経済学を変えた世紀の対決








経済学に限らずその後の歴史を変えた二人の経済学者の世紀の対決、その後編です。
果たして市場に必要なのは「自由」なのか「介入」なのか?




【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ・完結編〜経済学を変えた世紀の対決〜ケインズの遺したスタグフレーション



4. 中川隆[-6342] koaQ7Jey 2021年3月26日 12:09:32 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[17] 報告
【ゆっくり解説】ニューディール政策は失敗だった?





【ゆっくり解説】ナチスドイツの経済政策【ヒトラーはドイツ経済を救った?】〜しくじり財政破綻〜




ヒトラーの戦争はドイツを滅ぼしたが、経済政策はドイツを復興させた。
そう説明されることも最近、増えましたが本当でしょうか??
解説します。



【ゆっくり解説】英国IMF危機〜しくじり財政破綻〜【英国病・福祉国家の末路】




ゆりかごから墓場までの福祉国家であった英国の財政破綻。
なぜ大きな政府は破綻したのか?
解説します。
5. 中川隆[-6341] koaQ7Jey 2021年3月26日 12:17:01 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[18] 報告
経済学の歴史

重商主義の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1530.html

アダムスミス『国富論』の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/917.html

リカード、マルサスの古典派経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/914.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

ト・アペイロン 経済原論概説
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1118.html

白井聡 武器としての「資本論」_ 要約 資本主義 経済学
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1081.html

共産主義の時代
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/613.html

ピケティで明けました
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/562.html

新古典派経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1531.html

ケインズの偉大さとは 
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/936.html

ケインズは間違っている _ 何故公共事業が長期的には失業を生むか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1453.html

政府支出が増えると経済成長する?
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1454.html

デフレの原因とは
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1455.html

インフレで起きる事
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1559.html

何故公共事業が長期的には失業を生むか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1564.html
 
ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

新自由主義の世界
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/268.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/916.html

新自由主義を放置すると中間階層が転落してマルクスの預言した階級社会になる理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/350.html

同一労働同一賃金というのは、平均賃金以下の賃金しか払えない中小企業は市場から退場してもらうというもの
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1124.html

ベーシックインカムは社会保障費を極小にする為の新自由主義的な制度
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/632.html

MMTの就業保障プログラム VS ベーシックインカム
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/974.html

大西つねき :正しいベーシックインカム
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/765.html

れいわ新選組 大西つねき :日本一まともな年金の話
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/712.html

年金を増額すれば税収は増える 貧困高齢問題の解決法
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/762.html

ミヒャエル・エンデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html

エンデの遺言 利子ゼロの政府紙幣・地域通貨の時代が来た
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/118.html

シルビオ・ゲゼルの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html

6. 中川隆[-6340] koaQ7Jey 2021年3月26日 12:32:34 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[19] 報告
信用貨幣論

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/862.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

貨幣数量説 _ 貨幣の総量とその流通速度が物価の水準を決定している
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1065.html

金本位制
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1097.html

セイの法則
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1098.html

貨幣論の基礎は貸借対照表
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1043.html

銀行は借り手である顧客に銀行預金を「発行」し、差し入れてもらった借用証書(貸付金)から金利を得るのがビジネスの基本
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1171.html

銀行準備制度「銀行は(発行した)預金貨幣の・%の日銀当座預金を保有しなければならない」
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1111.html

資本主義とは何か
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/125.html

れいわ新選組 大西つねき : 資本主義の仕組みは既に破綻している
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/110.html

れいわ新選組 大西つねき : 資本主義の仕組みは既に破綻している
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/658.html

れいわ新選組 大西つねき : 資本主義がダメな理由
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/766.html

大西つねき : 日本の戦後について
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/767.html

戦後日本のバブル崩壊以前の一億総中流社会は共産主義者ばかりの GHQ が意図的に作ったものだった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/830.html

仮想通貨 _ 今のお金の発行の仕組みをそのままに、いくら新しい技術を導入しても根本的な問題は解決しない
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/196.html

自由貿易は国家経済を破綻させる _ 自由貿易論者が信じているリカードの「比較優位の原理」は時代錯誤の幼稚な経済理論
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/192.html

7. 中川隆[-6339] koaQ7Jey 2021年3月26日 12:32:58 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[20] 報告
お金とは何か? 三橋貴明氏に教わる
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1002.html

日本のマネタリーベース、マネーストック、貨幣乗数
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/992.html

経済成長率、GDPデフレーター、潜在成長率とGDPギャップ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1099.html

インフレと失業率の関係
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1154.html

スタグフレーション
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/936.html

ハイパーインフレとは
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1116.html

財政破綻するとこうなる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/227.html

税金の目的
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1181.html

れいわ新選組 大西つねき :税金は必要か?
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/925.html

政府紙幣発行政策の誤解
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/138.html

政府紙幣発行政策の誤解 経済コラムマガジン
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1106.html

大西つねき : 政府通貨の疑問に答える
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/764.html
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/788.html#c2

国庫短期証券とは
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1562.html

何故公共事業が長期的には失業を生むか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1564.html

長期金利を左右するもの
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1558.html

インフレで起きる事
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1559.html

8. 中川隆[-6335] koaQ7Jey 2021年3月26日 14:50:11 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[25] 報告
コロナ禍の3ヶ月間で米国富裕層の資産62兆円増 背景に大規模金融緩和
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/161.html

新型コロナウイルス対策による経済の麻痺は富豪への資産集中を促進する
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/228.html

9. 中川隆[-6334] koaQ7Jey 2021年3月26日 14:55:53 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[26] 報告
あなたの世界が変わる26分「今こそ知るべきお金の真実」
2021/03/04





民間銀行はもうこの世に必要ない(Live配信2021/1/12)
2021/01/12 にライブ配信




今日はズバリ、民間銀行はもう必要ないという話です。今までいかにそれが問題の元凶であり続けたか、そして今もなお、いかに皆さんから搾取を続けているか、今後銀行はどうなるかについて話します。




いま220兆円を配らなければいけない理由:大西つねきからの緊急告知と拡散のお願い
2020/04/09



10. 中川隆[-6333] koaQ7Jey 2021年3月26日 15:05:15 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[27] 報告
金融緩和・財政出動に使った金は最後にはすべて資本家の所に集まりバブル経済になる


2021年あるいはコロナを解決した後の日本経済について、両極端な相反する予想がなされている。

一つはコロナによる打撃から抜け出せず東日本大震災後や阪神大震災後のようになるという説です。

もうひとつは史上最大規模の経済対策や金融緩和がバブルを生み、バブル経済に突入するという予想です。

実際日経平均株価は年末に2万7444円となり1989年以来となる31年ぶりの高値で終了しました。

2020年の日本株は19年後半から消費増税で減速し、コロナ流行下の3月には1万6000円台に下落しました。

株価はそこで下げ止まり反転したが、買い支えたのは日銀と年金によるETFや株買い入れでした。


日本政府はコロナ対策費として57兆円の緊急予算を組み、21年早々にも追加で補正予算を30兆円ほど組むと言われている。

アメリカは20年に200兆円、21年早々に追加で100兆円を支出し中央銀行FRBも市場に資金を供給した。

こうした政府の金が世界規模で500兆円も供給され、21年も同規模の支出があると見られている。


これほどの政府支出は第二次大戦後では米ソ冷戦とアポロ計画くらいしかなく、毎月月に人を送るほどの金を使っている。

米株価もダウ平均が史上最高値となる3万ドルを超え、ビットコインも300万円で2020年を終えた。

世界中の政府がばらまいたお金は庶民に回らず金融市場に集中し、世界株バブルを起こしました。


お金が人々の手元に残らない理由は使うからで、給付金が有効に使われるほど早くなくなり企業や金融機関に渡る。

かといって給付金が使われないと銀行預金や金融商品になり、やっぱり金融機関のものになります。


金融機関はお金を運用して利益を上げようとするので、株を買ったり事業に投資したりします。
http://www.thutmosev.com/archives/84782920.html

11. 中川隆[-6332] koaQ7Jey 2021年3月26日 15:07:59 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[28] 報告
バブル崩壊の歴史と これから起きる超円高によるバブル崩壊
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/388.html

グレートリセットは米国覇権の崩壊と多極化、中国の台頭を示すもの
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/504.html

12. 中川隆[-6331] koaQ7Jey 2021年3月26日 15:13:18 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[29] 報告
バイデンが狙う「グレート・リセット」で格差定着。プーチン猛反発で米ロ衝突必至か=高島康司 2021年2月28日
https://www.mag2.com/p/money/1024406

バイデン政権とダボス会議などが提唱する構想「グレート・リセット」は、一見するとよいプランに思える。しかし、環境破壊や格差拡大を進めてきた元凶たちが自らつくりあげたグローバル経済をリセットし、また新たなグローバルな体制へと置き換える構想だ。ロシアのプーチンはこれを強く批判している。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

【関連】バイデンの背後にいる勢力とは?主導権はリバタリアンからCFRへ、米国はトランプ以上の分断に向かうのか=高島康司
https://www.mag2.com/p/money/1017263

バイデンのアジェンダは「グレート・リセット」か

バイデン政権と「ダボス会議」などが提唱する構想、「グレート・リセット」との関係について解説したい。

バイデン政権の背後にいる「CFR」や、それと連動して動いていると思われる「ダボス会議」が目標にする「グレート・リセット」は、いったいなにが問題なのだろうか?

その中身を一見すると、非常によいプランのようにも思える。だが、その問題点を追求すると、「グレート・リセット」の本質が見えてくるのだ。

【関連】「グレートリセット」が起こす資本主義の大転換。遂に見えた具体的な中身=高島康司
https://www.mag2.com/p/money/1019624


「CFR」と「ダボス会議」は徹底した新自由主義
「グレート・リセット」のコンセプトの重要な柱になっているのは、地球温暖化ガスの排出抑制による地球環境の回復、そして社会不安の背景になる極端な格差の解消である。

これはもっともなことだ。これらがこの構想の柱である限り、「グレート・リセット」は強い説得力と合理性を持つ。反対するのは難しい。

いまの地球環境の破壊の水準はすでに臨界点に達しており、早急の対処しないと2030年くらいには多発する大規模自然災害から資本主義の社会体制のみならず、現代文明の基礎さえ侵食され、種としての人類そのものの持続可能性すら問題になってこよう。

「グレート・リセット」が提示するような、現代の資本主義の抑制のない拡大にストップをかけられる根本的な転換が必要なことは間違いない。

さらに、環境問題とともに、社会的格差の極端な拡大も深刻な問題となっており、新型コロナウイルスのパンデミックによって既存の資本主義の矛盾が拡大し、一層可視化した現在では、リセットは必要だろうと思われる。

だが「グレート・リセット」が、「CFR」や「ダボス会議」という既存の支配勢力によって実施されることが問題なのだ。


「CFR」が設立された理由は、ある目標を実現するためであった。それは、主権国家による世界秩序を超越した「世界政府」の樹立である。「CFR」と密接に連携している「ダボス会議」も、この目標を共有するコンセンサスを得ていると思ってよいだろう。

では、「CFR」などはこれまでどのようにして「世界政府」の樹立などという一見奇想天外に見える目標の実現にこれまで動いてきたのだろうか?

実はグローバリゼーションの推進こそ、この目標を実現する方法であった。これは「CFR」が発行する外交誌、「フォーリン・アフェアーズ」の過去の記事を見ると明確だ。

グローバリゼーションとは、国家が障壁とならない自由な貿易を徹底して推進し、資本が国境を越えて世界のあらゆる地域に投資できる状態のことである。

この原則にしたがうと、社会保険や失業保険、そして生活保護などのセイフティーネットは労働力のコストを引き上げ、投資の効率を悪くする要因として嫌煙された。また健康保健などの国民生活を保護するシステムや、電気や水道など公的部門が管理する社会インフラは、高いリターンを求めて世界を移動する資本が投資できる領域として民営化するべきだとされた。

グローバリゼーションが拡大する世界では、国民の生活を守るために政府が導入したさまざまな制度や規制は、投資の自由を阻害する障壁として攻撃の対象になった。

社会と経済の大部分の運営は、資本が主導する市場原理にゆだねられるべきで、国家はこれに介入すべきではないとされた。国家の権限は、資本の投資の自由に介入できないように、徹底して縮小されるべきことが主張された。これはまさに、国家と政府の力が縮小され、グローバルな資本が形成する世界的なネットワークに埋め込まれる状態のことを指している。これがグローバリゼーションの中身である。

つまり、グローバリゼーションの進展によって主権国家の力を弱め、グローバルな資本が支配し運営する体制に世界を転換させることが、「CFR」が主張する「世界政府」樹立への第一歩であるとされていたのだ。

事実、2008年の金融危機が発生する以前のグローバリゼーション全盛の時代では、国家の消滅こそ未来の方向性であると普通に主張されていた。

「CFR」の核となる企業が、「ゴールドマン・サックス」、「JPモーガン」、「モーガンスタンレー」、「シティ」、「バンク・オブ・アメリカ」、「ムーディーズ」などの国際的な金融資本、また「グーグル」や「フェースブック」、「AT&T」などの大手IT・通信企業、さらに「エクソンモービル」や「シェブロン」などの国際エネルギー企業などであることを見ると、グローバリゼーションの促進で国家と政府の規制が弱められ、世界のあらゆる地域が彼らの自由な投資領域として確保されることは、まさに「CFR」の利害に合致している。もちろんこれらの企業は、「ダボス会議」にも名前を連ねている。

要するに、グローバリゼーションの促進による新自由主義こそ、「世界政府」樹立に向けての方途だったということだ。


世界の歪みを作った元凶が「グレート・リセット」を主導
これはつまり、限界にまで達した地球温暖化と環境破壊、そして社会の安全弁である中間層の没落と社会を不安定にする極端な格差拡大など、いま「グレート・リセット」で解決されるべき問題の対象とされている矛盾そのものを作ってきた張本人こそ、「CFR」や「ダボス会議」に結集している勢力であることを意味している。

端的にいえば「グレート・リセット」とは、彼らが推進してきたグローバル経済をリセットし、新たなグローバルな体制へと置き換える構想なのだ。

地球環境の配慮など、持続可能な資本主義のコンセプトにシフトすることなど評価される点も多い。しかし、基本的に「グレート・リセット」は、「第4次産業革命」の高度なITテクノロジーの導入による社会の新しい統治形態だと思われる。それは高度管理社会といってもよいようなものだ。

これを世界のどの地域にも適用可能なグローバルなシステムとして提案するのが、「グレート・リセット」の中身ではないだろうか? それは、民主主義と市場原理のように、世界のすべての地域で導入すべきユニバーサルな社会モデルであろう。

これを主張しているのが、現在のグローバリゼーションを推進してきた中心的な勢力なのである。

今度は彼らは、グローバルな資本主義体制を乗り越える新しい社会体制への転換を主張している。

すると「グレート・リセット」というのは、社会矛盾の爆発によって既存の支配勢力が民衆の怒りのターゲットとなり、自分たちが排除される前に、新しい社会状態を先行して導入し、支配勢力としての地位を継続して維持するために行っていることなのではないだろうか?

そのような疑念が出てきても不自然ではない。

プーチンの「ダボス会議」での批判
この疑念を端的に表現しているのが、ロシア大統領のプーチンだ。

今年の1月22日に行われた「ダボス会議」のオンラインスピーチでプーチンは以下のように述べ、「グレート・リセット」のアジェンダを進める勢力をやんわりとだが、的確に批判した。

まずプーチンは、新型コロナウイルスのパンデミックで、社会的格差が拡大して社会不安が広がり、多くの国が危機的な状況に追い込まれた事実を指摘した。だが、こうした問題を引き起こしたのはパンデミックではなく、アメリカが推進してきたグローバリゼーションであるとして、次のような批判を展開した。

「このようなグローバルな社会経済的な不均衡は、1980年代から続けられてきたドグマ的、ないしはがさつな政策の直接的な結果である。この政策はいわゆる『ワシントン・コンセンサス』の暗黙のルールに基づいている。これは規制緩和、ならびに富裕層と企業への減税を条件に民間の債務を増やし、経済成長を最優先した政策だ」

そして、現在の社会的不均衡は、実は新自由主義のグローバリゼーションが引き起こしたものであり、新型コロナウイルスのパンデミックはすでに存在している問題を拡大しただけだったと主張する。

「先に私が述べたように、新型コロナウイルスのパンデミックはこれらの問題を一層悪化させただけだった。昨年、世界経済は第2次世界大戦以降で最大の経済停滞を経験した。7月には、500万の仕事が労働市場から失われた。これはとれも大きく、そして憂慮すべき数字だ。昨年の9カ月間だけで、3.5兆ドルの収益が失われた。この数値はさらに拡大しており、それとともに社会的な緊張は高まっている」

プーチンは、現在どの国でも危機的な状態にまでなっている格差などの社会的不均衡の真の原因は、「ワシントン・コンセンサス」による際限のないグローバリゼーションであると指摘する。

「ワシントン・コンセンサス」とは、各国の規制を徹底的に緩和し、資本の移動と投資の自由を保証した新自由主義のルールである。これこそ、「世界政府」を樹立するカギとして「CFR」や「ダボス会議」が長い間推進してきた理念である。

このグローバリゼーションを推進した欧米の責任をプーチンは問い正したのだ。

プーチンは「巨大IT企業」を強く批判
次にプーチンは、「第4次産業革命」の負の側面を指摘する。「第4次産業革命」のAIなどの高度なITテクノロジーは、「ダボス会議」が提唱する「グレート・リセット」の中核になるコンセプトだ。

「しかし、このプロセスは新たな構造変化をもたらしているが、私は特に労働市場について考えている。これは、国家が効果的な対策を講じない限り、非常に多くの人々が職を失う可能性があることを意味している。これらの人たちの多くは、現代社会の基盤である中産階級の人たちだ」

そして、職を失った人々の高まる不満は社会を危機に陥れるかもしれないと警告する。

「構造的な社会経済的問題は、特別な注意と真の解決策を必要とするような社会的不満を呼び起こしている。彼らが無視されたり、隅に押し込められたりするかもしれないという危険な錯覚は、深刻な結果を招く恐れがある」

この危機は社会の分裂となって現れるという。

「この場合、社会は政治的にも社会的にも分裂することになる。これはかならず起こる。なぜなら、抽象的な問題や人々が持つ政治的な見解ではなく、実際の問題に人々は不満を持っているからだ。分裂はかならず起こる。現実の問題は不満を呼び起こすのだ」

次に、「第4次産業革命」を主導している巨大IT企業を強く批判する。

「もう1つ重要な点を強調しておきたい。現代のテクノロジーの巨人、特にデジタル企業が社会生活の中で果たす役割が大きくなってきている。特にアメリカの選挙キャンペーン中に起こった出来事は、このことをよく表している。これらの企業は単なる経済的な巨人ではない。いくつかの分野では、事実上、国家と競合している。これらの企業は何十億人ものユーザーで構成されており、生活のかなりの部分をこれらのエコシステムの中で過ごしている」

「これらの企業の見解では、企業の独占は、技術やビジネスのプロセスを組織化するのに最適であるという。だが社会は、そのような独占が公共の利益に合致しているかどうかを疑問視している」

プーチンは、この巨大IT企業の独占状態は、危険な社会管理をもたらすと警告する。

「グローバルビジネスの成功、オンデマンドサービス、ビッグデータの統合と、社会を自分の裁量で厳しく管理しようとする試みとの間の境界線はどこにあるのだろうか。我々はいま、アメリカでこれらの現象をすべて見ているが、いま私が何を言っているのか、誰もが理解しているはずだ。今回のイベントの参加者も含めて、圧倒的多数の人がこの立場を共有していると確信している」

プーチンのスピーチに「グレート・リセット」という言葉が出てくるわけではない。

しかしプーチンは、「CFR」と「ダボス会議」が推進してきた際限のないグローバリゼーションを、社会を分裂させる最大の要因として批判し、また「グレート・リセット」の中心にある高度なITテクノロジーを、「社会を自分の裁量で厳しく管理しようとする試み」として断罪する。

プーチンの主張「新ユーラシア主義」
このように、プーチンのグローバリゼーションや「第4次産業革命」による社会管理に対する疑念ははっきりしている。

これを推進してきたのは、まさに「CFR」や「ダボス会議」などに結集し、独自のアジェンダを追求している欧米の支配勢力である。彼らが提示する次のアジェンダこそ、ITによる社会管理を全面的に取り入れた新しい社会状態への「グレート・リセット」だ。プーチンのこれに対する疑念も深いはずだ。

一方プーチンは、グローバリゼーションや「グレート・リセット」に対抗するビジョンを主張しているようにも見える。それは、「新ユーラシア主義」とも呼ばれる思想だ。

これは「グレート・リセット」に反対する多くの民衆の結集軸にもなっている思想だ。これを少し見て見よう。

もともと「新ユーラシア主義」とは、1917年のロシア革命の後、西欧諸国に亡命したロシアの知識人から生まれた「ユーラシア主義」を、現代的に引き継いだ思想である。

「ユーラシア主義」とは、著名な言語学者のニコライ・トュルベツコイが1921年に最初に提唱した思想だ。トュルベツコイは、ロシアはアジアでもヨーロッパでもない独自の「ユーラシア国家」としての文化的なアイデンティティーを基本的に有しているので、自立した個人の活動を前提にする西欧流の資本主義の方向性は追求すべきではないとした。むしろ、民衆に寛容な優しい全体主義こそ、「ユーラシア国家」が目指すべきものとされた。

モスクワ大学政治学部の教授であり、プーチンのアドバイザーでもあったアレクセイ・ドゥーギン博士は、この「ユーラシア主義」を「新ユーラシア主義」として改めて現代に蘇らせた。

それぞれの文化圏の独自性を尊重すべき
ドゥーギン博士の「新ユーラシア主義」の思想はさほど複雑なものではない。それぞれの国の文化は独自な価値を有しているので、この文化的な価値を尊重し、それに基づく社会システムを形成すべきだとする主張だ。

ドゥーギン博士は、20世紀までは、1)自由民主主義、2)マルクス主義、3)ファシズムという3つの思想が社会形成の基礎となる思想として存在していたという。しかし21世紀になると、マルクス主義もファシズムを姿を消し、「自由民主主義」が唯一の思想として残った。

自由民主主義は、市場経済と民主主義という2つの基礎をもつ。現代の世界は、このシステムがあまりにグローバルに拡大したので、だれも「自由民主主義」をイデオロギーとしては認識せず、自明の常識として理解している。このため、それぞれの文化圏が本来もつ独自な社会思想は無視され、どの文化も、市場経済と民主主義というまったく同一の鋳型にはまらなければならない状況になっている。これが、グローバリゼーションがもたらす悪しき統一性である。

「CFR」が目標にしている「世界政府」の樹立は、世界をこうした単一の価値観で統一することが前提になっている。また「グレート・リセット」の社会状態も、高度なITによる統治など、どんな社会にも適用可能な同一のシステムを模索している。

これほど、それぞれの文化圏の独自性を無視する思想はない。どの文化圏も、その文化に独自な社会思想を基盤にしてユニークな社会を構築する権利がある。この権利を追求し、グローバルな「自由民主主義」に対抗する第4の思想の潮流こそ「新ユーラシア主義」である。

「ユーラシア」は、アジアでもなく、またヨーロッパでもない独自な価値と社会思想が伝統的に存在している地域である。その価値と思想は、多民族的で多文化的であり、多くの民族のバランスの元に成り立つものだ。

ロシアは、このユーラシア的価値の守護者として振る舞い、どこでも同じ価値を強制する「自由民主主義」とグローバリゼーションに対抗しなければならない。そして、ロシアが「新ユーラシア主義」の守護者となることで、中国は中華文化圏の、ヨーロッパは欧州文化圏の、そして北米は北米文化圏のそれぞれまったく独自な価値を社会思想として追求し、それぞれ独自な社会を構築することができる。

これが、アレクセイ・ドゥーギン博士が提唱する「新ユーラシア主義」だ。プーチンの数々のスピーチにもこの思想は強く現れている。プーチンはこの思想を根拠に、欧米の、そしてなかんずくその中核にいる「CFR」や「ダボス会議」が推進しているアジェンダを批判する。

拡散する「新ユーラシア主義」
また、このような「新ユーラシア主義」がプーチンの独自な思想という個別的な水準に止まっているわけではない。

ヨーロッパの極右や極左のみならず、格差の発生や伝統的な社会秩序の解体など、欧米流の規制のない市場経済と民主主義のグローバルな拡大がもたらした負の効果に憤っているあらゆる党派や集団を強く引き付けている。伝統的な文化とその価値こそもっとも貴重なものであり、これに基づいた社会こそ、安定した社会であるとする思想なのだ。

こうした「新ユーラシア主義」は、プーチン大統領の外交政策の基本方針でもある。そのため、プーチン大統領こそ、あらゆる勢力から新しい第4の思想的な潮流の守護者として称賛されている。

「新ユーラシア主義」は、グローバリゼーションや「グレート・リセット」という、いわば文化的な独自性を無視して同一のルールと統治機構を押し付ける動きに反対する結集軸になりつつある。

このようなニュアンスは、先に引用したプーチンのダボスオンライン会議における発言にも現れている。

バイデン政権の最大の敵はロシア
もしバイデン政権が、「CFR」や「ダボス会議」に結集している勢力の影響力が強く、「グレート・リセット」の実現を目指した政権であるなら、こうした勢力の推進する構想に強い疑念を持つプーチンのロシアは、バイデン政権がもっとも警戒する相手であることになる。

反「CFR」でナショナリストのトランプ政権は、ロシアとの関係が良好であるとはかならずしもいえない側面はあったが、特にロシアと緊張した関係にはなかった。トランプ個人とロシアとのビジネス関係も深く、友好な関係であったことも背景にはあっただろう。

しかし、バイデン政権はロシアと鋭い緊張関係になる可能性は極めて高い――

13. 中川隆[-6329] koaQ7Jey 2021年3月26日 15:31:27 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[32] 報告
ユダヤ金融資本と共産主義の関係


帝政ロシアから大量のユダヤ移民がアメリカに逃げてきて共産主義者になっていった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1214.html

アメリカの共産主義者の実態はユダヤ移民
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/366.html

ロシア革命を支援したユダヤ金融資本
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1110.html

「ロシア革命」を実行したユダヤ人とそれを支援したユダヤ人
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1025.html

【英文資料】ソルジェニーツィン氏が、最新歴史研究書のなかでロシア革命におけるユダヤ人の役割を総括
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/753.html

ネオコンとはトロツキスト共産主義のこと
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/364.html


詳細は

ユダヤ人の歴史と現代史
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/486.html

ロシア・ウクライナの歴史と現代史
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/472.html

14. 中川隆[-6326] koaQ7Jey 2021年3月26日 17:42:47 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[35] 報告
結論

共産主義としてのリベラリズム、資本主義という名の共産主義

というのはケインズ政策や国家社会主義の5か年計画の様な計画経済に近い経済政策の事を指しています。

階級とか格差については全く考えていません。

共産社会というのは階級が無い総中流社会の事ですが、共産主義としてのリベラリズムとか資本主義という名の共産主義というのは経済政策だけの話なのです。

本物の共産主義国は歴史上実在したのですが、完全に無視されています:


パリ・コミューンについて
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/890.html

馬渕睦夫 ウイルソン大統領とフランクリン・ルーズベルト大統領は世界を共産化しようとしていた
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/145.html

戦後の日本が世界で最も成功した社会主義国、理想の共産社会に近い一億総中流社会になった理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/353.html

GHQ とユダヤ金融資本は戦後の日本を共産化しようとして農地改革、人為的インフレ生成、預金封鎖、日本国憲法制定を行った
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/146.html

15. 中川隆[-14446] koaQ7Jey 2021年12月25日 12:15:48 : JVw9jOa6p2 : d2hzWHdPUzAuVDI=[7] 報告
共産主義的政策の終焉

ということで、ゴーストタウンを作り上げた中国の地方都市から始まった不動産バブルの崩壊は今や都市部にも到達しているらしい。

サマーズ氏: 中国恒大集団のデフォルト危機は日本のバブル崩壊と同じで極めて深刻
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15898


これは、消費者が必要だと思うものを事業者が提供する資本主義経済とは正反対の、政府が「これを作る」と決めて経済を要らないもので満たしてゆく共産主義的政策の崩壊である。

ここまで読んで「やっぱり共産主義の中国だから」と思った読者は多いかもしれない。しかし中国と日本とアメリカのGDPに占める政府支出の割合を並べてみると次のようになる。

中国: 11.9%
日本: 14.2%
アメリカ: 18.7%

日本とアメリカの方がよほど共産主義的な経済なのだということを日本人は理解しているだろうか?

オリンピック競技場のように、政府が不要なものをどんどん作り、誰も要らないから価格が下がってゆくというのが日本やアメリカにおけるデフレの元凶である。日本政府は自分でデフレを作っておきながらデフレを退治するなどと供述し、そして今やインフレによって見事にデフレと経済成長を退治しつつある。イギリスだけがそこから早々と退散しようとしている。

イギリスがいち早く利上げ実行 早期インフレ撃退なるか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/18194

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/18263  

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