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(回答先: グローバリズムは19世紀の帝国主義の21世紀版、共産主義とは対極にある考え方 投稿者 中川隆 日時 2021 年 2 月 11 日 13:00:46)
共産主義としてのリベラリズム、資本主義という名の共産主義
ミルトン・フリードマン氏: リベラリズムは衆愚政治である
2021年3月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12998
新自由主義の経済学者ミルトン・フリードマン氏が、経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の著書
の序文において現代のリベラリズムを痛烈に批判している。
共産主義としてのリベラリズム
1912年にアメリカに生まれたフリードマン氏は自由主義(リベラリズム)の経済学者として知られる。しかしフリードマン氏の「リベラリズム」は現代におけるいわゆる政治的なリベラリズムとは全く別ものである。彼は次のように言う。
わたしはハイエクと同様に自由主義(リベラル)という言葉をその語源通り「権力が制限された政府と、政府その他による外部からの干渉がない自由な市場」という意味で使うのであって、その意味とはまったく逆の意味を持つようになってしまっている米国においてこの言葉の持つ腐敗した意味でではない。
『隷属への道』は基本的には共産主義・全体主義を批判する本である。しかしフリードマン氏はこの本が現代にとってこそ重要であると言う。何故ならば、共産主義は資本主義社会においても公然と生きているからである。
フリードマン氏は次のように言う。
勿論当時と同じような共産主義者による誤った主張は今も変わらず主張されているだけでなく、むしろ増加していると言える。しかし現代の共産主義者の直接の論点は昔と同じではないし、彼らの使う特殊な用語も戦時中や戦後のものとは異なっている。
国民から税を徴収して莫大な予算を立てるには名目が必要である。フリードマン氏によれば、かつては「中央集権的計画」「使用のための生産」などの言葉で大規模な予算とそれに伴う徴税が行われたという。共産主義が崩壊して久しい現代ではもはやこれらの言葉は聞いたことがないだろう。
しかし社会主義の恐怖は別の衣装を着て現代にも現れている。現代では別の言葉を使って同じように政治的予算のための徴税が行われる。1994年に書かれたフリードマン氏の文章に挙げられる例は2021年にはほとんどは消え去っているが、まだ生き残っているものもある。彼は次のように書いている。
また「環境の危機」も叫ばれるようになっている。この危機は強欲なビジネスマンによって生み出されているというのだ。
そしてこれらの危機は巨大に膨らんだ政府の政策によってのみ解決できると主張されている。
そして現代ではコロナ対策だろう。日本政府はコロナ対策の名目のもとに好きな票田へと資金をばら撒き始めている。こうした政府による資金投下についてフリードマン氏は次のように述べている。
こうした政策の中身は、現実には政府がまったく恣意的に国民の一部から税金を略奪して国民の他の一部に補助金として与えるということでしかない。
これらの政策のどれもがすべて平等と貧困の根絶のためという名のもとに行われている。しかしこれらの社会福祉政策は、そのどれもが原理原則を欠いてコロコロと変化しており、相互に矛盾した要素の集まりでしかない補助金を特定の利害グループに与えているにすぎない。結果、政府によって消費される国民所得の割合は巨大化してゆくばかりとなっている。
日本政府はコロナ対策のために人々を旅行に行かせることが重要だと主張した。面白い冗談である。それでも自民党が与党から外れることはない。
GO TOトラベルで安全な旅行を楽しむコロナウィルス
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11550
政治的予算には常に綺麗な名目と本当の受益者が存在する。少々頭の足りない人々は綺麗な名目に騙されてしまう。問題は、有権者のほとんどがそういう人々だということである。
衆愚政治としてのリベラリズム
例えばグローバリズムにおける移民政策も同じような目的で行われた。シリア難民が、あるいはシリア難民のふりをした別に難民でも何でもない人々が、ヨーロッパではタダ飯にありつけると吹聴したメルケル氏の甘言によって地中海で溺れて死んだ。反対したイギリスはリベラルな人々によって「反知性主義」と罵られた。
国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3594
受益者は誰か? 安価な労働力が命を懸けて自分のところに来てくれる多国籍企業である。ユニクロの柳井氏が移民賛成であるのは当たり前のことである。ユニクロのホームページには「世界を良い方向に変えていく」というタイトルの移民賛成の言論が載っている。
フリードマン氏は次のように語っている。
共産主義のためのどんな議論も、虚偽を集めたイデオロギーでないとすれば、感情に直接訴えかけるだけのきわめて単純な言論でしかない。
本当の自由主義
あらゆる名目であらゆる予算が積み上げられ続けている。とりわけ西洋では「環境」やら「倫理」やら「人権」のためだと叫ばれている。カリフォルニアのオークランドでは今月、有色人種の家庭に毎月500ドルを配る実験を開始すると発表された。これは人種差別ではないのか。
彼らの言う通りにすれば「世界は良い方向に変わる」そうである。そういう名目のもとに税金は召し上げられる。その資金を政治家たちは好きに使っている。フリードマン氏は次のように言う。
インテリの共同体の大半は政府の権力の拡大が悪質な巨大企業から個人を守るためだとか、貧困者を救済するためだとか、環境保護のためだとか、「平等」を各国において促進するためだとか等々と政府が喧伝すると、ほとんど自動的にその拡大を支持してしまう。
世界を自分の思う通りにしようという思い上がりのことをいつから自由主義(リベラリズム)と呼ぶようになっただろうか。ハイエク氏はこの意味で
という題の本を書いている。
「致命的な思いあがり」についてフリードマン氏は次のように述べている。
社会の様々な悪は邪悪な人々の活動によって生まれており、自分たちのような善良な人々が権力をふるいさえすればすべて上手く行くと信じるのは心をそそる考えではある。そのためには人々の感情と自画自賛の心があれば十分だろう。それらは容易く手に入り、人々の心を満足させもする。
しかし実際には邪悪を生み出すのは権力を持った「善良な」人々である。反対に良い結果を生み出すのは、権力は持っていないが隣人との自発的な協力のために活動できる普通の人々だ。これが理解できるようになるためには感情抜きの分析と思想が不可欠であり、もろもろの感情を理性的な力へと隷属させなければならない。
われわれは現代のリベラリズムではない、本当の自由主義を思い出すべきなのではないか。そうでなければ、綺麗な言葉によって飾られた政治的な腐敗のために、あるいは東京に打ち立てられた便器のために予算は積み上げられ続けるだろう。
人々は隷属を続けている。国の借金が量的緩和で消えてなくなることはなく、この『隷属への道』の結末は2つしかない。物価高騰か重税である。前者はアメリカで、後者は日本で既に起きている。人々は隷属したままである。
世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831
インフレを暗示する最新の米雇用統計、株価暴落か物価高騰かの二択に
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12801
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12998
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世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
2020年5月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831
新型コロナウィルスによる景気後退が迫るなか、世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏がCNNへの寄稿記事で共産主義化する社会に懸念を示している。
新型コロナで増大する政府のプレゼンス
新型コロナによるロックダウンで経済活動が停滞し多くの人が失業しているため、日本やアメリカなどの国では政府が国民に現金を給付するヘリコプターマネー政策などの景気刺激策を取っており、またインフラ投資などの公共事業も議論されている。
しかしそれは同時に、これまでは他人の役に立つものを作っていた人が報酬を受け取っていた時代から、政府に選ばれた人が収入を得る時代へのシフトを意味している。ダリオ氏は次のように述べている。
世界中で人々や企業が収入と貯蓄を失っており、中央銀行と政府は資金を注入してそれを補おうとしている。これはつまり自由市場がもはや資本の配分を決定しているのではなく、政府がそれを決めているということを意味する。
その規模はアメリカでは数兆ドルに及んでおり、また日本でもマスクの配布が不要だったのではないかという話や、そもそもマスクの製造会社はどのように選ばれたのかという議論がなされている。これらの企業は政府によって税金の配布先として選ばれたのである。
ダリオ氏は次のように続ける。
政府と中央銀行は何兆ドルもの資金と信用を作り出し、それを受け取りたい人に受け取らせている。この状況が続けばすぐに、これらの資金は誰が出すべきでそれを誰が受け取るべきかという議論を呼ぶか、より悪い場合には争いに発展するだろう。
政府から景気対策として和牛券の発行を提案したときに反対の声が上がったのが典型的だろう。自分の都合で資金を振り分けたい政治家とそれに反対する国民の争いが今後大きくなるとダリオ氏は予想しているのである。
資本主義という名の共産主義
それでなくとも先進国の低成長は政府が債務を膨張させて非効率な事業を生み出し続けたことで生まれてきたのである。公共事業は誰も使わない箱物を生み出し、低金利政策は誰も使わない商品やサービスを作る三流企業を借金で延命させることを許した。
ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103
そもそも人々はデフレということの意味を考えてみる必要があるだろう。作ったものを誰も買っていないということがデフレの意味なのである。デフレとは需要に対して供給が過多であること意味しているからである。無駄なものが作られ続けているのである。
これはまさに共産主義の問題と同じである。政府が誰々はこれを作るようにと指示を出して経済を回そうとしたソビエト連邦と中国の経済は悲惨なことになった。日本やアメリカの人々は新型コロナで経済が窮地にある今をわざわざ選び、かつてのソ連や中国と同じ経済実験をやろうとしているのである。
「利益」とは何か
そうした政策が選ばれる中、ダリオ氏は資本主義の基本を冷静に説明する。
「利益を出す」ということがどういうことかを考えれば、資本主義は特に資源の配分や社会の生産性と生活水準の向上に向いたシステムであると言える。
相変わらず分かりやすいダリオ氏の説明は続く。
話は非常に単純である。製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも高いとき、その差が「利益」となり、利益を生む生産活動はより多くの資源を集めることができる。
もし製品の価値がそれを生産するために使った資源の価値よりも低いとき、そうした生産活動は行き詰まり倒産することになる。
このシステムは人々が欲しいと思う製品を作る個人に報酬を与え、その能力のある人はその事業アイデアを評価し資金を出すリスクを負っても良いと判断した投資家から事業のための資金を受け取ることができる。
倒産は必要である。しかしリーマンショック以来、多くの国がそれを拒み続けてきた。その結果が現在の低成長であり、そこにコロナ危機が来て経済は危機に瀕している。にもかかわらず多くの政治家は同じ過ちを繰り返そうとし、それが多くの人々に支持されている。
しかしはっきり言わなければならないが、世界経済は新型コロナのために危機的状況に陥っており、どの国の経済にもそのようなことをしている余裕などないのである。
新型コロナ、米国経済の景気後退はリーマンショックの倍以上か、第1四半期GDP速報
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10494
無駄に資源を浪費するだけのゾンビ企業は潰し、社会は限られた資源を本当に人々が使うものを生産する事業だけに振り分け、ロックダウンで失われた莫大な経済活動を取り戻して行かなければならないのだが、実際には無駄を助長する政策が行われ、経済は票が欲しい政治家とそれを支持する短絡的な人々が支配している。
結論
経済を理解している人々は皆、公共事業や量的緩和で経済は救えないということを理解している。多くの著名投資家が警告を発してきたが、誰も聞かなかった。
ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103
ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9681
世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10473
ダリオ氏は、紙幣を無制限に印刷する量的緩和が経済を救うかどうかについてはシンプルな意見を表明している。
われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。
紙幣は食べられない。
しかし多くの人々にはこのダリオ氏の言葉は難解過ぎるようである。
飢餓者が出るかもしれないが、経済は沈むしかないのだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831
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