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(回答先: イギリスの海外領土 投稿者 中川隆 日時 2021 年 6 月 09 日 22:09:31)
南アフリカで「白人どもの財産を奪え」と過激に叫ぶ組織が台頭する展開になった
2021.10.25
https://blackasia.net/?p=27426
南アフリカに白人(ボーア人)が入って来たのは17世紀である。1700年代から白人はそこにいたのだが、300年以上経っても白人は白人で黒人は黒人で分離しており、融和などまったくできていない。融和どころか、今の南アフリカに危険な組織が台頭しつつある。(鈴木傾城)
ネルソン・マンデラの意向はもうそこにはない
南アフリカ共和国で深刻な事態が進行している。極左集団EFF(Economic Freedom Fighters)の躍進だ。このEFFは日本語では「経済的解放の闘士」と訳されているのだが、これはどういう意味なのか。
これは、「黒人が南アフリカを経済的に支配している白人層から経済的主権を取り戻す」という意味である。EFFは「白人から」の経済的解放を謳っている組織なのである。
アフリカの与党はANC(アフリカ民族会議)なのだが、白人との共生を模索したネルソン・マンデラが所属していたこの党も、ズマ大統領の時代になってどんどん汚職がひどくなって支持が失われていく一方だった。
ズマ大統領は数々の汚職で辞任に追い込まれて、2021年7月7日に収監されている事態になって、ANCの権威は地に堕ちてしまっている。白人との共生の中で自国を再建しようとしたネルソン・マンデラの意向はもうそこにはない。
南アフリカは相変わらず白人が経済を支配しており、黒人に富を移転させると汚職で一部のダーティーな人間たちだけが富を独占するようになり、結局は多くの国民が貧しさの中に放り出される結果となっていた。
マンデラのように私利私欲に走らない政治家や実業家は南アフリカでは希有な存在であった。大半が私腹を肥やすことだけに狂奔していたので、南アフリカは国民全員が一緒に経済成長の恩恵を受けることができなかった。
多くの南アフリカの国民が見捨てられ、豊かになれなかった。今、南アフリカの失業率は約38%にもなっている。そんな荒廃した社会の中で裕福な白人層がひときわ目立つようになり、黒人たちの嫉妬と憎悪を買うようになっていた。
白人たちによって不当に奪われた黒人たちの富を接収する
豊かな生活をしている白人層と、白人層につるんでうまくやっているごく一部の黒人の富裕層。そして、経済から取り残されて相変わらず貧困に喘いでいる膨大な国民……。
南アフリカの人口は5931万なのだが、そのうちの3040万人近くが貧困状態にある。要するに国民の半数は貧困層である。恐らく2020年から2021年のコロナ禍で南アフリカの貧困率はさらに上昇しているはずだ。
そんな貧困層から見ると、諸悪の根源は「白人たち」に見える。こうした時代の空気から台頭してきたのが「白人どもをぶっ殺せ」「白人どもの財産を奪え」と過激に叫ぶEFF(経済的解放の闘士)だったのである。
この極左集団EFFはANCに属していたジュリアス・マレマという男が2013年に結成した比較的新しい団体だ。
実は、この男は『Shoot the Boer(ボーア人を銃撃しろ)』という過激な歌を作って拡散させたことで2011年に起訴された。ボーア人というのは言うまでもなく南アフリカに古くから住んでいるオランダ系の白人なのだが、その白人たちを「撃ち殺せ」と叫んで煽ったのだ。
これによってジュリアス・マレマはANCから追い出されることになるのだが、そこで作り上げたのがEFF(経済的解放の闘士)という組織だった。「白人たちによって不当に奪われた黒人たちの富を接収する」と、ジュリアス・マレマは言う。
EFFの党是は「反資本主義」である。つまり、共産主義を信奉している組織である。しかし、実態は「白人を皆殺しにして富を奪う」という目的があるわけで、反資本主義やら共産主義やらは、後で取って付けたような基本方針であると思われる。
この組織が、貧困が渦巻く南アフリカで爆発的に支持を得て広がっているというところに南アフリカの絶望的な状況がある。
それは、ジンバブエのムガベ大統領がやったこと
ANC(アフリカ民族会議)の現職大統領はシリル・ラマポーザである。
ラマポーザはANCを立て直すため、汚職にまみれた党の実力者たちを排除して党内改革を進めようとしている。しかしズマ大統領派と激しく対立しており、ラマポーザ自身が排除される可能性もある。
こうしたANCの内部対立が深刻化すればするほど、そして対立が長引けば長引くほどANCは機能不全に陥って支持を失っていくだろう。
そこに台頭しつつあるEFF(経済的解放の闘士)が政治を乗っ取ったら、南アフリカで何が起こるのかは想像に難くない。それは南アフリカの北部にある国家ジンバブエのムガベ大統領がやったことでもある。
ムガベ大統領は当初はネルソン・マンデラと同じく白人との共生を謳っていた政治家だった。ところが、2000年頃から方向転換し、白人たちの大農園を強制的に接収して黒人に「分配する」という政策に転換した。
これによって白人たちはジンバブエを脱出し、ジンバブエ経済も崩壊、以後は世界が驚嘆する凄まじいハイパーインフレに見舞われることになる。(ブラックアジア:ジンバブエが崩壊して、空前のインフレが起きた本当の理由)
ジンバブエドルは一時「1USドル=35,000,000,000,000,000ジンバブエドル」になったこともある。もう、この時点で経済は崩壊しているというのが誰の目にも明らかであった。
この「白人から奪え」という政策で荒廃したジンバブエは、結局は中学生の女子が1USドルで売春をする国家となり果てた。(ブラックアジア:中学生が1ドルで売春する貧困国ジンバブエの無政府状態)
それがジンバブエの末路でもあった。
人類の相互憎悪を掻き立てるヘイト製造システム
「白人をぶっ殺せ」「白人から取り戻せ」と叫ぶEFF(経済的解放の闘士)が南アフリカの政治を掌握すると、南アフリカがジンバブエ化する可能性もある。
南アフリカが混乱すればするほどそうした状況が生まれる危険性が高まっていくわけである。
多くのマスコミはネルソン・マンデラが夢に描いていた「多人種共生=多文化共生」がEFFの台頭によって崩壊するかもしれないと懸念を表明しているのだが、こうした南アフリカの状況を見て思うことはいくつもある。
マスコミは常に「多人種共生=多文化共生」が正しいと述べて、まったくそれを疑う素振りはないのだが、もしかしたら多文化共生(多人種共生)など、最初からまったく実現できない絵空事ではないか。
最初から国が分かれているのも、あまりにも違う「人種・文化・宗教・伝統・振る舞い」が共生を拒絶するからではないか。共生できないほどの決定的な違いがあるからではないか。
先進国の多くは多文化共生を謳って、自国内に多くの外国人を受け入れているのだが、共生できないほどの決定的な違いを持った民族が自国内に入ってきて人口が莫大に増えたとき、結局は自国内で「文明の衝突」を引き起こすことになり、国家分裂が起こるだけではないのか。
南アフリカに白人(ボーア人)が入って来たのは17世紀である。1700年代から白人はそこにいたのだが、300年以上経っても白人は白人で黒人は黒人で分離しており、融和などまったくできていない。
人権だとか多文化共生だとか偉そうに言っているEU(欧州連合)ですらも、ロマと融合できないで対立したまま現代に至っているではないか。(ブラックアジア:根深いロマへの嫌悪。ロマに対する嫌悪や排斥はこれからも続く理由とは)
多文化共生を進めれば進めるほど、人類は対立し衝突し殺し合いを激化させることになる。グローバル化と多文化共生は、人類の融和を図るどころか、逆に人類の相互憎悪を掻き立てるヘイト製造システムになるのではないかと私は考えている。
『信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学(リチャード・ステンゲル)』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00N0XOL3G/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=blackbook2tok-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=B00N0XOL3G&linkId=936aafea7d2b18b1b36a8cbb8b1b3b81
https://blackasia.net/?p=27426
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