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日本のマネタリーベース、マネーストック、貨幣乗数
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/992.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 8 月 13 日 08:15:22: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 信用貨幣論 投稿者 中川隆 日時 2020 年 5 月 05 日 21:21:32)

日本のマネタリーベース、マネーストック、貨幣乗数


日本のマネーストック(通貨供給量)は、なぜ増えた? 2020-08-13
三橋貴明
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12617434438.html


 日本のマネーストックが急増しています。

『7月のマネーストック、「M3」は前年比6.5%増 「M2」は7.9%増
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL11HQT_R10C20A8000000/

 日銀が12日発表した7月のマネーストック(通貨供給量)速報によると、代表的な指数のひとつである「M3(現金、銀行などの預金)」の月中平均残高は前年同月比6.5%増の1452兆7000億円だった。

 M3からゆうちょ銀行などを除いた「M2」は同7.9%増、M3に国債や投資信託を加えた「広義流動性」は同4.8%増だった。』

 というわけで、例により、グラフ。

【日本のマネタリーベース、マネーストック(左軸、兆円)、貨幣乗数(右軸、倍)】
http://mtdata.jp/data_71.html#MBMS

 ちなみに、マネーストックとは、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量と定義されます。
 具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などが保有する現金紙幣、そして預金です。金融機関や中央政府が保有する金融資産は除きます。

 ポイントは、
「日本銀行が金融機関に発行する日銀当座預金」
 は含まれていないという点です。

 つまりは、銀行が日銀当座預金を「引き出す」形で発行され、社会に流通する現金紙幣。及び「銀行が貸し出すことで発行した預金貨幣」の総額になります。わたくしは、マネーストックを習慣的にM2で見ますが、別にM3でも趨勢は変わりません。

 ちなみに、マネタリーベースとは、現金紙幣+日銀当座預金+硬貨です。現在、日本銀行はマネタリーベースを拡大(国債買入等)していますが、マネーストックが十分に増えないため、「=マネーストック÷マネタリーベース」で計算される貨幣乗数が、2倍を切っています。そもそも、マネタリーベースとマネーストックに直接的な関係はないため、あくまで「目安」ですが。

 現金紙幣は、額的に113兆円と小さい(相対的に)ため、マネーストックのメインは銀行預金になります。

 すでにご理解されているでしょうが、銀行は「どこかから貨幣を調達し、貸している」わけではないため、M2(やM3)を見ると、「銀行の負債」である預金貨幣の発行ペースを見ることができます。

 グラフを見れば分かりますが、日本のマネーストックは今年の6月以降に急伸しています。

 ここで質問です。

 マネーストックのメインである銀行預金は、誰かが「借入」しない限り、絶対に増えません。それでは、6月以降に銀行からの借入を増やした経済主体は、誰でしょうか。

 もちろん、日本政府です。

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

※特別コンテンツ、近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実〜近衛文麿の野望〜】が視聴可能となりました。

【政府が国民に10万円を現金給付する際のプロセス】


http://mtdata.jp/data_70.html#100000

 日本政府が国債を発行し、銀行から日銀当座預金を借りる。
 日本政府は、借り入れた日銀当座預金を担保に、銀行に「振込指示」をする。
 持続化給付金や特別定額給付金などで、銀行は皆さんがお持ちの預金口座の残高を増やします。この時点で、マネーストックが拡大します。
 銀行は政府指示により「負債」である銀行預金を発行させられた(増やさせられた)ため、政府に決済を依頼。日銀が、政府保有の日銀当座預金を銀行に移し(実際には、政府側の預金の数字を減らし、銀行側を増やす)ことで決済。


 というわけで、政府が国債を発行して支出すると、国民の銀行預金の口座残高が増え、マネーストックは拡大します。

 どや〜っ!!!という感じですが、重要なのはマネーストックが増えたからといって、「GDP」が増えるとは限らないという点です。


 例えば、今回の特別定額給付金を皆さんが受け取り、一円も消費に回さない場合、GDPにはなりません。(わたくしは10万円で翡翠の印鑑を買ったので、GDPを増やした。どや〜っ!)
 あるいは、誰かが銀行から貨幣を借りたとして(=マネーストック増加)、それを株式や土地、為替(外貨)の購入に回した場合も、GDPにはなりません。土地や株式、外貨は「財・サービス」ではないためです。

 GDPとは、あくまで、
「誰かが働き、生産した財やサービスに対し、誰かが貨幣を支出した」
 という、所得創出のプロセスが回らない限り、増えないのです。


 ともあれ、昨日の内閣府の試算が示した、
「政府がPB(基礎的財政収支)の赤字を削減すると、民間(家計、企業)の黒字が減る」
 同様に、
「政府が国債を発行すると、国民の預金が増える」
 もまた、コロナ禍を受けた日本政府が「証明」してくれたわけでございます。


 個人的には、本エントリーの、
「銀行預金は、誰かが貨幣を借りない限り、絶対に増えない」
 という真実が、「正しい貨幣観」を理解するための「鍵」になるのではないかと考えています。(だからこそ、三橋TVでしつこく取り上げています)


 正しい貨幣観を国民が共有し、正しい財政政策で祖国を亡国から救いましょう。

 最低でも、
「政府の赤字は、国民の赤字」
「銀行預金は、誰か(※政府でも可)が借り入れない限り、増えない」
 この二つでも理解してもらえれば(単なる事実ですし)、道は開けます。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12617434438.html  

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コメント
1. 2020年8月14日 07:07:55 : CG1A7NUEbq : YXdVbzBEUkJTOEE=[3] 報告
【青木泰樹】広義の政府負債から眺めると
投稿日: 2016/09/10 From 青木泰樹@京都大学レジリエンス実践ユニット・特任教授

先月も報道された「国の借金、1053兆円(平成28年6月末現在)」。

もはや風物詩と化したマスコミのプロパガンダですが、財務省が3か月ごとに発表する統計(「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」)に基づいて報道されますので、ほとんどの国民は嫌でもこの嘘を年間4回聞くことになります。

刷り込みを狙っているのでしょうね(そもそも国民経済は政府と民間経済から成り立っており、民間を無視して政府だけを抜き出して「国」と決めつけるところに土台無理のある話です)。

この統計には、一般政府の債務に分類されない「償還や利払いが租税からなされない財投債」も借金として計上されており、かなり盛り込んだ数字になっています。
少しでも大きな金額に仕立てあげて、増税の地ならしのために「国は借金漬けで大変だ」という印象を政治家や一般国民に抱かせようとしている意図を、大半の皆さんは既に見抜かれていることでしょう。

本日は、「広義の政府の負債」についてお話しします。

それを突き詰めていけば、経済成長(経済の健全化)を目指す財政運営がいかに重要であるかを理解できると思います。

政府の負債(借金)と聞けば、先ず国債が思い浮かぶでしょう。

国債は政府負債の中心ですから(6月末で800兆円強あります)。

他方、一般の人にはあまり知られていませんが、ベースマネー(現金)もまた政府の負債なのです。

正確には日銀券は日銀の負債ですが、政府と日銀(中央銀行)のバランスシート(B/S)を結合した「統合政府(広義の政府)」を考えれば、日銀券は政府の負債となります(日銀のB/Sの負債側に日銀券、資産側に国債、政府のB/Sの負債側に国債、資産側に徴税権が置かれますから、両者を足し合わせるとそうなります)。

現在、ベースマネーは約400兆円です。

財務省は「国の借金」の中にベースマネーを加えておりません(加えればもっと大きな数字に見せることができるでしょうに)。

さすがに償還義務も利払いも必要ない現金残高を「国の借金」と強弁するのは躊躇(ためら)われたからでしょう。

さて「広義の政府負債=国債残高+ベースマネー(現金残高)」と定義して、この観点から金融政策および財政政策を考えます。

先ず、日銀は量的緩和(国債買取り策)によって何をしているのでしょうか。

実は「民間保有の国債」と「現金」を交換しているだけなのです。
すなわち日銀と民間銀行の間で政府の負債同士を交換しているだけなので、量的緩和によって民間保有の広義の政府負債残高は変化しません。

政府負債の増減とは全く関係のない政策なのです。

それでは、量的緩和のメリットは何でしょうか。

ひとつは、償還も利払いも必要な「負担になる政府負債(国債)」を、そうした必要のない「負担にならない政府負債(現金)」と交換することによって政府の負担を減らせることです(民間に対して利払いや償還をしなくて済みますから)。

次に、金利全般を押し下げて資金の借りやすい経済環境を整えることです。
この二つは量的緩和によって確実に実現できました。

しかし、日銀の思惑通り(教科書通り)にインフレにはなりませんでした。その理由は、私がよく持ち出す下記の定義式を見れば簡単にわかります(ここで非金融部門は個人と企業から成る実体経済を指します)。

「ベースマネー(B)=金融部門保有の現金(B1)+非金融部門保有の現金(B2)」。

「マネーストック(M)=B2+非金融部門の預金(D)」。


量的緩和は銀行保有の国債と交換にB1(日銀当座預金)を増やすだけの政策ですから、当然のことながら、直接マネーストックは増えません。

実体経済の規模を表す名目GDPに影響を及ぼすのはマネーストックですから、量的緩和だけでは景気に影響を及ぼすことができず、それゆえインフレにもならないことは自明です。

しかし既存の経済学では、民間経済を二部門に分けず一元的に考えますので、B1とB2を区別することができず、それらを一緒くたにしてしまいます(同じ鍋に入れる)。

結果的に金融部門と非金融部門(実体経済)が混在した中でベースマネーとマネーストックを考えることになりますから、ほとんどの経済学者は貨幣認識に関して間違えます。

例えば両者の関係を「貨幣乗数(M÷B)」と定義して、貨幣乗数の値が安定的(一定値で推移する)なら、「ベースマネーによるマネーストック管理は可能である」といった岩田日銀副総裁の好きそうな結論が出てくるわけです。

しかし、現実経済では貨幣乗数の値は不安定で、量的緩和をすればするほど低下を続けています。

これは当たり前のことで、多少専門的になって申し訳ないのですが、経済学の貨幣乗数の定義式に「銀行の超過準備(現金)」は入っていない(論理的に入れられない)からなのです。経済論理で理屈がつけられないのです。

そうした現実的要素を捉えるための認識手段として、私は再三再四、「民間部門を二分割し、かつ貨幣の役割を考慮して貨幣循環を考えましょう」という動態的貨幣論を唱えているわけです。

さて、量的緩和(B1の増加)によってマネーストックは自動的に増えないことが理解されたと思います。

それでは、マネーストックが増える条件は何でしょう。

それは実体経済(非金融部門)の預金(D)が増えることです。

そのためには企業や個人が銀行融資を受けて投資を行うことが必要です(投資支出が他者の所得増になり、結果的に預金が増えるのです)。

すなわち、この不確実な世の中でリスクを負って借金をする人(投資者)がいてはじめて、言い換えれば「借金」があってはじめて経済は成長するのです。

注意すべきは超過準備(B1)から融資が行われたのではなく、信用創造によって民間に新規の購買力が生まれたのですから、この場合、日銀当座預金の額は変わらないことです(無論、政府負債残高も変わらない)。

ところが先行き不透明な現況で民間の資金需要は低迷せざるを得ません。

金利が底ばいを続ける中、さらに僅かの金利低下があったとしても実物投資を刺激しないことはこれまでの経験から実証済みでしょう(投資が実質金利のみに依存するのは経済学の世界だけの話)。

しかし日銀は銀行に融資を拡大させるために、マイナス金利を導入しました。

銀行にペナルティを課して融資を促す政策ですが、民間に資金需要の無い状況では、いたずらに銀行収益を圧迫させ、リスク資産への投資を促すだけです。
投機を助長し金融を不安定化させる政策ですから、天下の愚策といえましょう(マイナス金利の深堀はさらに混迷をもたらします)。

マネーストックを増やすもう一つの手段は、非金融部門の現金(B2)を直接増やすことです。

これは民間金融機関を通さない「新規の政府負債の創出」ですから、ミルトン・フリードマンのヘリコプターマネー(元祖ヘリマネ)ですね。
以前指摘したように、昨今のヘリマネの定義はさまざまです。


そのとき紹介した若田部昌純早大教授のヘリマネの定義は「貨幣を増やし、増えた貨幣が恒久的に残ること」で、ヘリマネと量的緩和の違いは「増やした貨幣を将来回収するか否か」でありました。

定義は約束事にすぎませんから、人それぞれどのような定義であっても、そこから有意な論理が展開されれば問題とはなりません。

ただし若田部氏の定義は、「新規の政府負債の創出」を意味しないので、フリードマンの元祖ヘリマネとは全く別物といえます。

若田部氏の定義を現実的観点から解釈すれば、「日銀当座預金を増やし、増えた日銀当座預金が恒久的に残ること」をヘリマネと言っているのですから。

先述した通り、量的緩和によっても広義の政府負債は不変ですから、将来民間銀行から現金を回収しようとしまいと政府負債残高に変わりはありません。

ヘリマネといった奇策を用いることなく、新規の政府負債の創出を伴うことなく経済を成長させ、結果的にマネーストックを増加させる手段こそ財政出動なのです。
以前より指摘しているように、「日銀保有の国債を徐々に新規の政府債券(無利子長期国債)と交換する」という適切な出口戦略をとれば、いわゆる国債の累増に起因する問題は完全に解消します。

もちろん、この場合も広義の政府負債残高は変わりません。

ただし日銀が量的緩和を今後も継続すると、民間保有の国債が干上がることになります。

民間金融機関にとって国債は長期資金の運用手段として、また担保用としてある程度保有する必要がありますから、この事態は避けねばなりません。

そのためにも、また現在の日本を取り巻く様々な脅威(地震や台風といった自然災害、外国からの軍事的圧力等)に備え、かつ国土の比例的発展を促すための資金調達手段として適切な量の建設国債を発行する必要があるのです。

日銀が買い、政府が売る。

これが金融政策と財政政策のバランスをとる王道なのです。

肝心なのは、建設国債は市中消化されねばならないことです(日銀が量的緩和をしている以上、金利は上がらない)。

銀行に国債を与える必要があるからです。

市中消化によって日銀のB/Sの負債側にある日銀当座預金から、同じく負債側の「政府預金」へ現金が移動することになります。

すなわち日銀当座預金の中で超過準備として死蔵されたカネ(所得を生まない不活動貨幣)を、政府が建設国債の発行により調達し、実体経済(非金融部門)へ注入することによって所得化するカネ(活動貨幣)に転換するのです。

結果的にマネーストックは増加し、名目GDPも増加するのです。

民間主体が投資意欲のない(借金しない)状況で、政府が社会に有益な投資のための借金をすることで、経済は成長するのです。

この場合、建設国債が市中消化されているわけですから、当初からの広義の政府負債残高は変化しません。

それゆえヘリマネではないのです。

近視眼的に日銀当座預金の増加を以って、それがあたかも財貨への需要増をもたらすと捉え、ハイパーインフレの危険性を唱える主流派学者の間違った懸念も生じないでしょう。

現行の枠組みの中で真っ当な政策を実施すれば、ヘリマネを持ち出さなくとも景気浮揚は可能なのです。

2. 中川隆[-11643] koaQ7Jey 2020年8月27日 10:00:56 : 84g9nuhfWg : cVpXQXpGOS9odDY=[15] 報告
 2013年度以降の日本では、

「デフレは貨幣現象。マネーの量が足りない」
<正しくは「消費・投資という総需要(GDP)が足りない

「マネタリーベースを増やせば、デフレ脱却できる」
<日銀と金融機関と政府しか使えない日銀当座預金を増やせば、民間経済で消費・投資が増える、という謎理論

「マネーストックが増えれば、デフレ脱却できる」
<マネーストックは「銀行からの借入」で増える(主に)。銀行から借り入れて、土地や株式、為替の購入に回ったところで、GDPは1円も増えない。


 といった謎理論が横行し、いわゆるリフレ派の実験が八年近くも続けられ、結局は、

「貨幣(MB、MS)を増やしたところで、政府が緊縮財政で消費・投資を減らす政策をすると、デフレ脱却できない」

 という、恐ろしく当たり前のことを実証したのでございました。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12620581734.html

3. 中川隆[-11087] koaQ7Jey 2020年9月30日 10:06:57 : TizLKKbkrg : VmdVLnozMlAxYVU=[8] 報告
先進国で異例のマネー急増、 「インフレの芽」を恐れるべきか
唐鎌大輔:みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
2020.9.29
https://diamond.jp/articles/-/249815
各国のGDPが史上最悪の落ち込みを演じているにもかかわらず、マネーが急増しているのはなぜか

今、なぜ?
マネー急増の読み解き方

 コロナショックによって各国の実体経済が負ったダメージは甚大であり、あらゆる経済統計にその傷痕を見出すことができる。その中で、異様な動きを示している統計として、主要国のマネーサプライ(日本ではマネーストックと呼ぶ)の急増が耳目を集めている。

 マネーサプライは、端的には実体経済における貨幣量であるため、これが増えれば将来的に物価は上昇が見込まれるし、結果的に為替にも無視できない影響を与える。市場参加者にとって、考察しておく価値のある論点である。

 本格的な議論に入る前に、マネー関連統計の定義を整理しておこう。日本の統計を例として解説するが、欧米でも大きな差はない。

 日銀の公表するマネーストックは「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」を示す統計だ(解説は日本銀行HPを参照している)。中央銀行から金融部門に供給された通貨の供給量であるベースマネーの増加が、マネーストックの増加へ繋がる(そして物価を押し上げる)という考え方がこの先にあるわけだが、黒田体制下で実施された大規模国債購入とその対価としてのベースマネーの急増をもってしても、マネーストックは相応に増えなかった(この点を掘り下げると本稿の趣旨とずれるので、割愛させていただきたい)。

 マネーストック(以下、単にマネーとする)の保有主体は、一般法人、個人、地方公共団体などが対象となる。「金融機関・中央政府以外の経済主体」という表現が分かりやすいかもしれない。

 この際、マネーの範囲をどう仕分けるかは国によって異なるが、一般的にM1、M2、M3、広義流動性と、対象範囲が拡がっていくように分類される。最もよく用いられるのはM2であり、日銀の展望レポートもM2の動きを評価の対象としている。

4. 中川隆[-11086] koaQ7Jey 2020年9月30日 10:10:58 : TizLKKbkrg : VmdVLnozMlAxYVU=[10] 報告
恐慌期の構造改革という狂気 2020-09-30
三橋貴明
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12628416847.html


 4−6月期のデフレギャップ(GDPギャップのマイナス)が発表されないなまま、9月が終わろうとしています。
 現在のコロナ危機は、過去の「デフレ期のインフレ対策(物価下落策)」の異様さを、露骨なまでに明らかにしてくれました。あるいは、明らかにしてくれます。

 日本が「平均概念の潜在GDP」を使っている以上、2020年度の統計史上最悪のマイナス成長を受け、「過去平均」である潜在成長率は「ゼロ」が数年間続くことになります。


 政府がいかなる政策を採ろうとも、民間がどれだけ努力しようとも、ゼロのままです。何しろ、過去の結果の平均なので、改善はできません。


 その状況で、
「潜在成長率を引き上げるために、構造改革!」
 と、中小企業再編(という名の淘汰)が進められていくことになりますが、構造改革はインフレ対策です。デフレギャップを拡大することはあっても、縮小させることはできません(インフレギャップを縮小させる政策ですので)。

【インフレギャップとデフレギャップ】


http://mtdata.jp/data_46.html#Gap
※左側の「総需要」は、実際には「潜在的総需要」。右側は「現実の総需要」。


 デフレが継続すると、経済成長率は低迷し、「過去平均」である潜在成長率もゼロのママです。

 となると、
「潜在成長率を引き上げるために、構造改革!」
 となり、デフレ期にインフレ対策が延々と続けられ、供給能力を毀損していくことになります。この異様性を国民の多くが理解しない限り。

『玉木雄一郎(国民民主党代表)@tamakiyuichiro
 菅内閣は様々な「改革」を提案しているが、需要不足+供給過剰のデフレ経済下では、規制改革や構造改革がデフレを悪化させる可能性がある。改革を否定するものではないが経済が痛んでいる時の改革礼賛には注意が必要だ。今必要なのは需要の下支えで、そのためには財政支出の拡大や減税を優先すべきだ。』

 玉木代表の認識は正しいですが、どこまで浸透させることができるのか。

 選挙において、
「デフレ期の構造改革」
 を叫ぶ候補者を、国民が容赦なく落選させる状況にならなければ、なかなか事態は改善しないように思えます。まあ、他人事ではありませんので、
「デフレ期の構造改革は、デフレを悪化させ、国民を苦しめるだけ」
 という認識というか「事実」を、何とか広める必要があります。 

 もう一つ。「インフレ」に対する認識も変わるはず。

『先進国で異例のマネー急増、 「インフレの芽」を恐れるべきか 唐鎌大輔:みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
◆今、なぜ? マネー急増の読み解き方

 コロナショックによって各国の実体経済が負ったダメージは甚大であり、あらゆる経済統計にその傷痕を見出すことができる。その中で、異様な動きを示している統計として、主要国のマネーサプライ(日本ではマネーストックと呼ぶ)の急増が耳目を集めている。

 マネーサプライは、端的には実体経済における貨幣量であるため、これが増えれば将来的に物価は上昇が見込まれるし、結果的に為替にも無視できない影響を与える。市場参加者にとって、考察しておく価値のある論点である。
 本格的な議論に入る前に、マネー関連統計の定義を整理しておこう。日本の統計を例として解説するが、欧米でも大きな差はない。
 日銀の公表するマネーストックは「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」を示す統計だ(解説は日本銀行HPを参照している)。中央銀行から金融部門に供給された通貨の供給量であるベースマネーの増加が、マネーストックの増加へ繋がる(そして物価を押し上げる)という考え方がこの先にあるわけだが、黒田体制下で実施された大規模国債購入とその対価としてのベースマネーの急増をもってしても、マネーストックは相応に増えなかった(この点を掘り下げると本稿の趣旨とずれるので、割愛させていただきたい)。(後略)』

 「割愛」しないで、是非とも掘り下げて欲しいものですが、「いわゆるリフレ派」がいかに間違っていたかは、本ブログなどでしつこく検証したので、やはり割愛しましょう。


 実は、後略部で、唐鎌氏は「貨幣」について正しい認識を示しているのです。

『(引用)現在確認されているM2の伸びは、財政措置を反映した動きとみられる。貸出が増加すると借り手の預金が増加するので、預金通貨は増える。この点、危機時に銀行貸出が増加して預金通貨がある程度膨らむことは珍しい話ではない。
 しかし、今回は異例の財政措置の影響が相当に大きいと考えるべきであろう。たとえば日本では、定額給付金(10万円)や事業者への持続化給付金が預金通貨を増やしたはずである。米国でも失業保険の上乗せ給付や現金給付など、政府による手厚い家計部門への支援が特殊要因として考えられる。ユーロ圏も、国ごとに金額や給付対象に差異はあっても、定額給付に類する政策は取られている。資金需要に対応した銀行貸出に加え、特殊な財政措置がM2を直接的に押し上げたのは明白である。』

 驚きました。銀行の貸出が、預金を増やすという「事実」について認識しているエコノミストもいるんですね(いや、嫌みではなく)。


 また、財政措置による預金増については、
「政府の借入(銀行の政府への貸出)が、回りまわって我々の銀行預金口座を増やしている(増やした)」
 ため、結局のところ「貸出=借入が、預金貨幣を増やす」のです。


 さらに、唐鎌氏は、貨幣流通速度(名目GDP=貨幣数量(マネーストック:M)×流通速度(V))の「V」が一定と考える主流派経済学の考え方に疑問を呈し(過去、Vが一定だったことは一度もありません)、

『(引用)現在目の当たりにしているマネー増加が将来のインフレを約束するものではなく、漠然と「マネーが増えたからインフレが怖い」という発想は決して思慮深いものではない』

 と結論付けていますが、というか「インフレ恐怖症も大概にしろ」と(恐らく)言いたいのでしょうが、現実の経済では、
「マネタリーベースが増えても、マネーストックが増えるとは限らない」(「いわゆるリフレ派」の間違い)
「マネーストックが増えても、インフレになるとは限らない」(貨幣数量説の間違い)
 なのですよ。理由は、マネーストックの増加=需要の拡大ではないためです。


 例えば、民間の借入によりマネーストックが増えたとしても、その多くが財やサービスではなく、土地・株式などの「資産」の購入に回ってしまうと、
「マネーストックは増えているにも関わらず、需要は伸びていない」
 ということは、普通に起きえます(というか、第二次安倍政権以降で起きていた)。


 さらに、政府の借入で家計の銀行預金が増えたとしても、それだけでは単なる所得移転に過ぎず、財やサービスが買われない。つまりは、需要が拡大しない。


 10万円の特別定額給付金を国民が「全額」預金口座の数字のままとして据え置いてしまうと、GDP(需要)は一円も増えません。


 別に、難しい話ではありません。図のインフレギャップ、つまりは(潜在的)総需要に対し、供給能力が不足する状況にならない限り、インフレ率は上昇しない。現在は、むしろデフレギャップが「史上最大」になっているのでございますよ。


 日本国民の異様な「インフレ恐怖症」もまた、構造改革主義者たちにパワーを与えてしまうのです。


 今回の危機、具体的には「コロナ恐慌下での、政権によるインフレ対策(構造改革)強行」という危機を切っ掛けに、インフレ、デフレ、貨幣、財政に関する国民の認識が改まらない場合、皮肉な話ですが、ひたすら供給能力が毀損していき、最終的には「真のインフレの危機」が訪れることになります。

 恐慌下での構造改革という狂気を、何としても食い止めましょう。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12628416847.html

5. 中川隆[-10409] koaQ7Jey 2020年10月30日 18:20:04 : IPwRWvJhmw : eTV2MEZEZVBWaVk=[6] 報告
マネーサプライ

マネーサプライ(英: money supply)とは、金融機関と中央政府を除いた、国内の経済主体が保有する通貨の合計である。マネーストック(英: money stock)ともいい、これらを和訳した通貨供給量や通貨残高も使われる。

「金融機関」の範囲、「通貨」の範囲は単純に決められず、マネーサプライの具体的な数字の算定には、後述のようにさまざまな統計指標がある。


金融政策との関係

マネーサプライはマネタリーベースを信用創造によって金融機関が市中に供給することで増えるとされている。貨幣の供給量は、民間・銀行・中央銀行の決定に関わる部分によってその大小が決まる[1]。

一方、イングランド銀行の季刊誌(2014年春号)は「現代経済における貨幣の創造」の中で、中央銀行がマネタリーベースの量を操作し、経済における融資や預金の量を決定しているという見解は通俗的な誤解であると指摘している[2]。銀行による貸出しは、借り手の預金口座への記帳によって行われるに過ぎず、銀行の本源的な預金は、銀行の貸出し能力の制限になっていない。したがって、中央銀行がマネタリーベースの量を増やしても、民間主体に借入れの需要がなければ、銀行の貸出し(すなわち預金通貨の創出)は増えない。貨幣供給量を決めているのは、あくまでも借り手の資金需要であって、貸し手の資金量ではない。企業などの資金需要の増大がなければ、貨幣供給量は増えない。要するに、企業などの資金需要の増大が銀行の貸出しと預金を増やし、そしてマネタリーベースを増やすのであって、マネタリーベースの増加が銀行の貸出しを増やすのではない[3]。

マネーサプライは物価と深い関係があり、通常は他の条件が変わらなければ、マネーサプライの伸びが高く(低く)なると、物価の伸びも高まる(低くなる)傾向にあると考えられている[4]。このため、欧米の中央銀行では金融政策の中間目標として、マネーサプライの動向が注視されている[4]。

エコノミストの坂東俊輔は「マーシャルのk[5]の上昇、経済の開放度合いの高まり、変動相場制への移行などを通じて、ASEAN諸国において公開市場操作によるマネーサプライ管理の重要性が高まっている。先進国においては近年(1998年)、政策目標・政策手段との間に中間目標を設定し、政策を運営する方法が一般化している。そうした目標の一つに、マネーサプライが入っている。マネーサプライは数量変数であるため、金利のような価格変数よりも貸出量・設備投資などとより密接な関係があるからというのが通説である。ただし、マネーサプライ管理は一つの重要な指標ではあるが、マネーサプライの安定的な管理=経済の安定というわけではない」と指摘している[6]。

経済学者の原田泰、大和総研は「貨幣供給量を1%増加させると、実質GDPは0.18%増大する」と指摘している[7]。

日本銀行はマネーサプライを金融政策の目標や金融調節の操作対象としていないが、マクロの金融情勢を表す代表的な指標の1つとして金融政策の判断材料に利用している。 欧米主要中央銀行は、1970年代にはマネーサプライを金融政策運営上の中間目標に位置付けていたが、1980年代から1990年代にかけて、マネーサプライを中間目標に位置付ける政策運営を止めるようになった[8]。通貨の管理政策はアメリカなどが早くから採用しており、四半期ごとの「M2+CD」の伸びを「増加目標値」として公表、そして、そのターゲットの範囲内に伸びを押さえ込むように通貨管理をしている。イギリスやEUなど他の国ではインフレ目標政策を採用し、インフレ率をターゲットの範囲内に押さえ込むように通貨管理をしている。

市場金利連動型など定期預金やCDとは違った多種多様で仕組みが複雑な金融商品が登場したため、マネーサプライ管理も難しくなっている。いずれもM1にもM2にも属さない新金融商品のため、新たな通貨種類別の分類が必要となってきた。それに伴い「M2+CD」だけでマネーサプライをとらえる意味がなくなってきた。特にそれら新金融商品にマネーシフトが起きたりすると、「管理」の目が行き届かなくなる。これに現金通貨でも預金でもないクレジットカードが普及したため、一段とマネーサプライのとらえ方が難しくなっている。


財政政策との関係

政府は企業とは異なり、民間銀行に預金口座を保有しておらず、中央銀行にのみ保有しているので、日本では、銀行が国債を購入するには、銀行が日銀に保有する当座預金残高を利用するしかない。その具体的な過程は次の通りである。

銀行が国債(新発債)を購入すると、銀行保有の日銀当座預金は、政府が開設する日銀当座預金勘定に振り替えられる

政府は、たとえば公共事業の発注にあたり、請負企業に政府小切手によってその代金を支払う

企業は、政府小切手を自己の取引銀行に持ち込み、代金の取立を依頼する
取立を依頼された銀行は、それに相当する金額を企業の口座に記帳する(ここで新たな民間預金が生まれる)と同時に、代金の取立を日本銀行に依頼する

この結果、政府保有の日銀当座預金(これは国債の銀行への売却によって入手されたものである)が、銀行が開設する日銀当座預金勘定に振り替えられる
銀行は戻ってきた日銀当座預金でふたたび国債を(新発債)を購入することができる

この過程が示すように、政府の財政支出は民間預金の創造し、貨幣供給量の増加をもたらしている。逆に、政府が債務を返済すれば、貨幣供給量は減少する。このように、政府の財政政策は貨幣供給量を操作する[9]。


統計の種類

マネーサプライにおける通貨の範囲はいくつかの種類に分かれる。

日本では日本銀行がM1、M2+CD、M3+CD、広義流動性の4種類について統計を発表していたが、郵政民営化の影響から2008年5月より「マネーサプライ統計」から「マネーストック統計」へ概念が変更された。

それまで通貨保有主体であった証券会社・短資会社・非居住者の除外、通貨発行主体と各指標に含まれる金融商品の範囲変更、ゆうちょ銀行の保有現金や未払利子相当額の控除、現金通貨残高、金融機関保有小切手・手形残高(預金からの控除分)など推計方法の変更が実施されている。

統計指標の定義を変更によりM1、M2、M3、広義流動性の4種類を発表している[10]。これらのうち日銀はM3を最も代表的な統計と見なしている。


M1
現金通貨と預金通貨を合計し、そこから調査対象金融機関保有の小切手・手形を差し引いたもの。
対象金融機関は日本銀行(代理店預け金等)、国内銀行(ゆうちょ銀行を含む)、外国銀行在日支店、信金中央金庫、信用金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫、その他金融機関(全国信用協同組合連合会、信用組合、労働金庫連合会、労働金庫、信用農業協同組合連合会、農業協同組合、信用漁業協同組合連合会、漁業協同組合)。

※現金通貨 = 銀行券発行高 + 貨幣流通高
※預金通貨 = 要求払預金(当座、普通、貯蓄、通知、別段、納税準備) - 調査対象金融機関の保有小切手・手形


M2
現金通貨と国内銀行等に預けられた預金を合計したもの。対象金融機関は日本銀行、ゆうちょ銀行以外の国内銀行、外国銀行在日支店、信金中央金庫、信用金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫。

M3
M1 + 準通貨 + CD(譲渡性預金)。対象金融機関はM1と同じ。

※準通貨 = 定期預金 + 据置貯金 + 定期積金 + 外貨預金


広義流動性
M3 + 金銭の信託 + 投資信託 + 金融債 + 銀行発行普通社債 + 金融機関発行CP + 国債 + 外債。対象金融機関はM3のものに加えて国内銀行信託勘定、中央政府、保険会社等、外債発行機関。

郵便貯金・簡易生命保険管理機構(郵便貯金)や住宅金融支援機構といった独立行政法人、日本政策投資銀行・日本政策金融公庫等の一部政府系金融機関は「政府関係金融機関(中央政府)」と見なされ、M1の対象金融機関ではない。

日本のマネーサプライ(1998年4月-2008年4月)

1998年4月から2008年4月まで(マネーサプライ統計)
M1: 現金通貨 + 預金通貨
M2 + CD: M1 + 準通貨 + CD
M3 + CD: (M2 + CD) + 郵便貯金 + 農協、漁協、信組、労金の預貯金 + 金銭信託・貸付信託
広義流動性: (M3 + CD) + 金銭信託以外の金銭の信託 + 投資信託 + 金融債 + 金融機関発行CP + 債券現先・現金担保付債券貸借 + 国債・FB + 外債

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4

6. 2020年10月31日 04:09:19 : 7HgMgaipVc : WmZKQi8ucmVYWkE=[3] 報告
マネタリーベース
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9


経済学において、マネタリーベース(英: monetary base)(またはベースマネー、マネーベース、ハイパワード・マネー、リザーブマネー、アウトサイド・マネー、中央銀行通貨central bank money、または英国ではナロー・マネー)とは、現金の通貨と民間の金融機関が中央銀行に預けた金銭の合計のこと。

これには、次のものを含む。

一般に流通している通貨の合計、

加えて、商業銀行の金庫に物理的に保管されている通貨、

加えて、中央銀行が保有する商業銀行の準備金。

マネタリーベースは、一般に流通している通貨の合計と、商業銀行への特定の種類のノンバンク預金(?)non-bank depositsで構成されるマネーサプライと混同されるべきではない。

中央銀行通貨(英: central bank money)ともいい[1]、市中銀行通貨commercial bank moneyや預金貨幣(通貨)book money(英: commercial bank money)という用語と対になる概念で、それぞれ現金と預金に対応する。地域や分野によってはベースマネー(base money)、ハイパワードマネー(high-powered money)やそれを翻訳した強力通貨、高権貨幣とも呼ばれる。

中央銀行通貨という用語は、ベースマネーという用語と同義である。これは、中央銀行(スイス国立銀行など)または金融当局によって生成されたお金を指す。

中央銀行通貨は通貨のうち、商業銀行が部分準備金制度を通じて生み出した銀行口座の残高とローンで構成される部分を表す。

日本の場合、現金通貨とは日本銀行券と日本の硬貨の合計であり、中央銀行預け金は金融機関が保有している日銀当座預金残高がこれに当る。日本銀行の定義するマネタリーベースは日本銀行券発行高と貨幣流通高と日本銀行当座預金残高の3つを合計したものである[2]。


マネーサプライとの関係

マネタリーベース × 貨幣乗数 = マネーサプライ

マクロ経済学の教科書には、上記の数式が掲載されていて、「マネタリーベースをほぼコントロール下におく中央銀行は、このコントロールによって、間接的にマネーサプライを調節することができる」と解説されている。マネタリーベースは政府が採用している金融政策を判断するためのひとつの指標と見なされている。


ただし、中央銀行がマネタリーベースでマネーサプライを調節できるかについては昔から議論があり、はっきりした結論は出ていない。日本では1970年代に日本銀行と小宮隆太郎や堀内昭義の間で論争になり、1990年代には日本銀行の翁邦雄と経済学者の岩田規久男の間で論争になった。

この論争は2010年代でも続いており、伊藤修はマネタリーベースとマネーサプライの比例関係が現実を反映していないと指摘した。


伊藤修
マネーサプライはベースマネーの何倍かになるという『信用乗数論』は、初級教科書の説明であって、現実はそうならない。日本のバブル期においても、投機によってマネーへの需要が増え、それに応じる形で銀行貸出が増えて、必要になったベースマネーを日銀が供給し支えたという関係であった。バブル崩壊後も、ベースマネーを増やしてもマネーサプライは増えなかったという事実がある。


2003年4月から2019年3月までの日本銀行発表のマネタリーベースとマネーサプライの推移。青色は「マネタリーベース平均残高(MD01'MABS1AN11)」で、薄緑色は「M3/平/マネーストック(MD02'MAM1NAM3M3MO)」。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9


例えば、日本銀行はマネタリーベースを2012年11月の1,244,449億円から2014年11月の2,593,603億円へと約2.1倍へと増やしたが[4]、マネーサプライは11,263,838億円から11,996,857億円[5]へと6.5%しか増えていない[誰?]。2010年11月から2012年11月へかけては99兆1,866億円から124兆4,449億円へと25%増だが、その時のマネーサプライは1,078兆6,221億円から1,126兆3,838億円へと4.4%増である[誰?]。


時期 マネタリーベース マネーサプライ 貨幣乗数
2010年11月 991,886 10,786,221 10.87
2012年11月 1,244,449(+25.4%) 11,263,838(+4.4%) 9.05
2014年11月 2,593,603(+108.4%) 11,996,857(+6.5%) 4.63
2016年11月 4,176,573(+61.0%) 12,738,390(+6.2%) 3.05


他方で、高橋洋一は、比例関係が成り立たなくても、マネタリーベースでマネーサプライがコントロールできると主張した。


高橋洋一
マネーストック=マネタリーベース×信用乗数であるが、信用乗数は変化する。仮に信用乗数が半分になった場合、マネタリーベースを2倍に増やせばよい。

経済学者の原田泰は、政策金利とマネタリーベース・マネーサプライが連動すると論じた。


原田泰
1980年末、日銀による金利引き下げが急激なマネタリーベース・マネーサプライの急上昇をもたらし、1989年以降の金利引き上げがマネタリーベース・マネーサプライの急減をもたらした

また、原田は物価とマネタリーベースの関係についても指摘した。

物価とマネタリーベースは同じ動きをしている。2000-2007年では、ジンバブエのマネタリーベースは130万倍なのに対し、インフレ率は5倍の650万倍となっている。一方でチャドのマネタリーベースは2.8倍なのに対し、インフレ率は約半分の1.2倍となっている。マネタリーベースの伸び率が、両国のインフレ率の違いを生み出した

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9

7. 中川隆[-10404] koaQ7Jey 2020年10月31日 04:19:22 : 7HgMgaipVc : WmZKQi8ucmVYWkE=[4] 報告
日本銀行当座預金とは、日本銀行が取引先の金融機関等から受け入れている当座預金のことです。「日銀当座預金」、「日銀当預」などと呼ばれることもあります。

日本銀行当座預金の主な役割
日本銀行当座預金は、主として次の3つの役割を果たしています。

(1)金融機関が他の金融機関や日本銀行、あるいは国と取引を行う場合の決済手段
(2)金融機関が個人や企業に支払う現金通貨の支払準備
(3)準備預金制度の対象となっている金融機関の準備預金

https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i07.htm/


日本銀行には誰が預金口座を開設していますか?

日本銀行に預金口座を開設している先は、主として金融機関等です。このほか、国、外国の中央銀行や国際機関などが預金口座を開設していますが、個人や一般企業からの預金は受け入れていません。

これは、日本銀行の預り金業務の主な目的が、わが国の中央銀行として、銀行その他の金融機関の間で行われる決済の円滑の確保を図ることにあるからです。

当座預金取引の相手方の範囲
日本銀行の当座預金取引の相手方は、日本銀行が選定します。その範囲は次のとおりです。

(1)資金決済の主要な担い手(銀行、信用金庫、外国銀行支店、協同組織金融機関の中央機関、資金清算機関、銀行協会など)

(2)証券決済の主要な担い手(金融商品取引業者<証券会社、外国証券会社>、証券金融会社、金融商品取引清算機関)

(3)短期金融市場取引の主要な仲介者(短資会社)


なお、現在、個別の信用協同組合、労働金庫、農業協同組合などは日本銀行の当座預金取引の相手方となっていません。ちなみに、これらの金融機関は会員のための組織という性格が強く、主要な資金決済手段である為替取引が、業法上、任意事業と位置付けられています。日本銀行は、現在、それぞれの中央機関と当座預金取引を行っています。

https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i08.htm/

日本銀行当座預金と準備預金の関係について教えてください。

準備預金制度の対象となる金融機関が、日本銀行と当座預金取引を行っている場合には、準備預金を預け入れるために特別な預金口座を開設する必要はなく、日本銀行当座預金の残高がそのまま準備預金としてカウントされる仕組みになっています。また、当該金融機関が日本銀行と当座預金取引を行っていない場合には、日本銀行に「準備預り金」の口座を開設して預金することとなっています。

なお、準備預金制度の対象とならない先(金融商品取引業者や短資会社など)の中にも、主として資金決済の目的で日本銀行当座預金を保有している先があります。

https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i09.htm/


8. 中川隆[-10403] koaQ7Jey 2020年10月31日 05:21:57 : 7HgMgaipVc : WmZKQi8ucmVYWkE=[5] 報告
貨幣乗数
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E4%B9%97%E6%95%B0


貨幣乗数(英語: money multiplier)とは、マネタリーベース/ハイパワードマネー1単位に対し、何単位のマネーサプライを作り出すことができるかを示すものである。信用乗数(しんようじょうすう、英語: credit multiplier)ともいう。


数学的説明

マネーサプライ(数式では M と表記)は公衆が保有する通貨(currency、数式ではC と表記)と預金(deposit、数式では D と表記)に分解される。

また、中央銀行がコントロールできるマネタリーベース(数式では H と表記)は公衆が保有する通貨と銀行が中央銀行に預金する準備金(reserve、数式では R と表記)に分解される。つまり、

M=C+D...(1)
H=C+R...(2)

となる。ここで(1)式を(2)式で割り、その式の分母・分子を D で割ると、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E4%B9%97%E6%95%B0

となる。(3)式の分母・分子にある C/D は現金・預金比率を表し、分母にある R/D は準備・預金比率を表す。(3)式に H を乗じると、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E4%B9%97%E6%95%B0

M = mH ...(4)

となり、(4)式の右辺にある H の係数 m が貨幣乗数であり、マネーサプライは貨幣乗数とマネタリーベースの積の形で表現される。

貨幣乗数の変化による影響

上記(4)式より現金・預金比率の上昇(低下)或いは準備・預金比率の上昇(低下)により、貨幣乗数は低下(上昇)し、マネーサプライを減少(増加)させることとなる[1]。


脚注
^ 分母・分子ともに現金・預金比率{\displaystyle {\frac {C}{D}}}{\displaystyle {\frac {C}{D}}} があるため、現金・預金比率の上昇(低下)だけでは、貨幣乗数の変化は判断できないが、準備・預金比率{\displaystyle {\frac {R}{D}}\leq 1}{\displaystyle {\frac {R}{D}}\leq 1}ならば、{\displaystyle {\frac {R}{D}}}{\displaystyle {\frac {R}{D}}}が上昇すれば、貨幣乗数は低下する。(Abel and Barnanke (2007)(伊多波他訳(2007)p.801))

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E4%B9%97%E6%95%B0

9. 2021年1月13日 11:03:50 : BWio5bIwzA : dUFaY1B6VVRwaXc=[7] 報告
12月の通貨供給量が7.6%増
過去最高、1482兆円
2021/1/13 ©一般社団法人共同通信社


 日銀が13日発表した2020年12月のマネーストック(通貨供給量、月中平均残高)速報によると、現金や預金など世の中に出回る通貨の合計「M3」は、前年同月比7.6%増の1482兆5千億円だった。残高は統計開始以降で最高となった。伸び率も前月に続き過去最大の水準だった。

 新型コロナウイルス感染拡大により経済の先行きが不透明な中、企業が手元資金を手厚くしたり、個人が支出を抑えたりしたことが影響した。

 M3に含まれる「現金通貨」は5.7%増の110兆2千億円だった。普通・当座預金の残高を示す「預金通貨」は15.0%増の821兆4千億円だった。

https://this.kiji.is/721895638073917440?c=39546741839462401

10. 2021年1月14日 09:06:46 : cZVObf7oyo : R3ZOZks4NktXUWc=[1] 報告
2021.01.14 安川電機が、節分高へのエネルギーを注入。
 日本株。

 昨日寄り前に発表された12月マネーストックM3(現金、銀行などの預金)」の月中平均残高は前年同月比7.6%増の1482兆5000億円と、伸び率・残高ともに統計開始以来で最大となりました。

M3に国債や投資信託などの金融資産を加えた「広義流動性」は同5.4%増の1933兆1000億円と、こちらも残高は統計開始以来最大となっています。

しかも、コロナ対策の支援金給付(ヘリコプターマネーそのもの)で市中にあるお金が、今までの流動性より多いという特徴を持っています。

 この過剰流動性を基にした相場と、安川電機の業績上方修正の影響で東京エレク等中国・半導体関連銘柄が主導して、日経平均は一時2万8500円を超えました。安川電機が、節分高までのエネルギーを注入した結果となりました。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2388.html

11. 中川隆[-8189] koaQ7Jey 2021年1月18日 09:56:45 : pj8AqNHlPE : ZUtoYXYySXJvVnM=[8] 報告
2021.01.18 今はバブルではありません。その2

 13日に発表された2020年12月マネーストックM3(現金、銀行などの預金)」の月中平均残高は、19年12月の1377兆8000億円に対して7.6%増の1482兆5000億円と、伸び率・残高ともに統計開始以来で最大となりました。

 この1年間のM3の推移を詳しく見てみたいと思います。

 20年1月は19年12月から1兆円しか増えておらず、2月には1375兆1000億円と1月より3兆7000億円減っています。これは、1月20日に18年1月の高値に並ぶ2万4000円台に乗せた日経平均を見て、明らかに異次元緩和政策の出口を意識したと思われます。

 しかし直後の3月に起きたコロナショックで、4月に18兆8000億円、5月に18兆7000億円、6月に26兆3000億円と、3カ月で63兆8000億円も増え、6月の平残は1443兆9000億円になります。その後も増え続け20年12月に前述の1482兆5000億円まで38兆6000億円増えるわけです。しかし、7月〜12月の6か月間の増加分が38兆6000億円と言う事は月平均6兆4400億円と言う事になります。

 膨大な量に増えた日本(世界)のマネーストックは、収まらないコロナを考えるとこれからも高水準が維持され、若干増えるでしょうが、ワクチンも出来た現在、無限ではない「財政」を考えると、2020年の異常な状態の再現はあり得ないと思います。従って、コロナワクチンが効果なくお金でしかコロナ対策が無くなった時は別ですが、最近増えて来た超強気のダウ4万ドルや日経平均4万円は難しいと思い、昨年立てた今年の高値3万2000円は変えていません。その3万2000円で手ごたえのある利益が出る為には、ここで押し目が欲しいところです。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2392.html

12. 中川隆[-14337] koaQ7Jey 2022年1月03日 11:04:15 : 6LlYltVJk2 : UzNNQUhISVRpOGM=[2] 報告
2022.01.02 今年の投資で勝つ為のキーワード。
 2022年の予定表を見ますと、日本では7月の参議院選挙、米国では11月の中間選挙が目に入りますが、結果によっては波乱要因ですが、これは短期的な事でマーケットの方向性を示すものではないと思います。やはり重要な事は、テーパリングの終了や利上げに動き出すFOMCの動向とそれに対する市場の反応が大きな分岐点になります。世界の大半の投資資金は米国中心に運用されていますので、米国の相場次第である事は22年も変わりません。

 ただ、米国株はダウで言うと、リーマンショック(2008年9月)後のダメ押し底6547ドル(09年3月)から急角度の上昇で21年11月8日の史上最高値3万6432.22ドルまで5.57倍となる13年に渡る大相場の最中です。しかも、新型コロナウイルス感染拡大という特殊要因があるとは言え米国11月の消費者物価は前年同月比+6.8%と言う高水準で、テーパリングから利上げへと進もうとしています。当然、大相場14年目の今年、大天井を打ってもおかしくありません。

 重要な事は「インフレは企業にとって敵ではない」と言う事です。「敵は価格転嫁できない」ことです。価格転嫁出来れば高インフレは企業に莫大な利益をもたらします。単にインフレ率だけで下げたところは押し目買いのチャンスです。

 利上げについても同じ考えです。景気の上昇と共に金利が上がるのは当然で、これを「良い金利上昇」と言います。企業の利益率や景気を圧迫したら「悪い金利上昇」となり売り要因になります。それが何%かは企業の利益率によります。

 まとめますとキーワードは「価格転嫁できないほどのインフレ率」と「企業利益を圧迫する金利水準」です。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2746.html


 さて、需給を見て見ましょう。マネタリーベース(日銀が直接的に供給するお金)は、10月の平均残高660兆円の過去最高の後、11月も659兆円と過去2番目の水準。

 マネーストック(企業、個人などの通貨保有主体の通貨量の残高 )も11月現在1527兆4000億円と過去最高です。モノの値段を決めるのはおカネとモノの量のバランスです。モノの方は、岸田政権が規制をかける(有り得ませんが)と言われる自社株買いはIPOの時価総額を上待っています。この流れがどう変わるか見ていましょう。
http://kasset.blog.fc2.com/blog-entry-2747.html

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