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中央銀行の金融緩和こそがデフレの原因
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/890.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 5 月 17 日 19:56:43: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 政府の借金は返さなくて良い 日銀国債購入で分かった事 投稿者 中川隆 日時 2020 年 4 月 20 日 15:22:35)

中央銀行の金融緩和こそがデフレの原因


ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶2017年12月17日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103

ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを率い、1992年のポンド危機においてポンド空売りで大儲けしたことで有名な投資家スタンレー・ドラッケンミラー氏が面白いことを言っている。デフレ脱却のために行なっているはずの金融緩和こそがデフレの原因だと言うのである。多くの現代人にとって逆説的に聞こえるこの主張だが、その理由を聞いて筆者は納得してしまった。リフレ論者も緊縮派の人々も耳を傾ける価値のある論理なので、ここに紹介したい。

デフレはどうして起こったか

以下はCNBCによるインタビュー(その1、その2)におけるドラッケンミラー氏の発言である。彼はこのように切り出している。


デフレを作り出そうと思えば、資産バブルを作り出せばいい。もしわたしが金融の世界の「ダースベーダー」で、デフレを生み出して経済を停滞させるような酷いことをしようと思ったとすれば、中央銀行が今まさにやっていることを実行するだろう。

繰り返しになるが、これは多くの現代人にとって逆説的に聞こえるだろう。中央銀行は停滞した経済を支えデフレから脱却するためにゼロ金利政策や量的緩和などの金融緩和を行なってきたはずだからである。しかしドラッケンミラー氏によればそれは逆で、中央銀行の金融緩和こそがデフレの原因だと彼は主張しているのである。

それはどういうことか? ドラッケンミラー氏は以下のように説明する。


ゼロ金利政策の結果は重大である。金融緩和は市場を歪め、その結果わたしが「経済資源の誤配置」と呼ぶものが生じてしまった。

すべての資産価格が一方的に上がるだけになれば、市場原理に大きな歪みが生まれてしまう。そしてそのすべては「2%のインフレターゲット」の名の下に行われる。そしてその結果、資金が価値のないプロジェクトへと振り分けられる「資源の誤配置」が発生し、それは長期的には成長を大きく阻害してしまう。

お分かりだろうか? もう少しわかり易く説明するために、ドラッケンミラー氏は例を挙げている。


例を挙げよう。先週、シュタインホフという会社が不正会計でニュースに出た。南アフリカの会社で、幸いにもわたしは事前に空売りを行うことが出来た。この会社は詐欺だという噂があったからだ。

この会社は詐欺だったが、多くの資金を借り入れることでアメリカの著名マットレスメーカーなどを買収している。しかし、どうしてこのような会社が買収資金を借り入れによって用意出来たのか? それはまさに、ECB(欧州中央銀行)がシュタインホフの社債を量的緩和の一貫として購入していたからだ。金融業界の半分はこの会社が詐欺でいずれ倒産すると知っていたのにだ。

そして不正会計が明るみに出て、シュタインホフの株式と社債が暴落した後、ドラギ総裁はこう言った。「心配する必要はない、ECBはポートフォリオ全体では利益を出している」。

しかし論点はECBが損失を出したかどうかではない。本当の問題は、何故彼らがこんな詐欺のような企業やその他のゾンビ企業を生かしておくのかということだ。それはまさに日本が20年間も続けたことだ。そしてそれは長期的な成長を阻害する。シュタインホフのような企業は資金の借り入れによって生きながらえるべきではなく、破綻させてしまうべきなのだ。

読者はどう思われただろうか? 近代の世界経済の歴史を知っている人間がこの話を聞いて思い出すのは、共産主義の失敗である。共産主義は価値のある労働にも価値のない労働にも等しい報酬を与えたことによって失敗した。

そして今、中央銀行の主導する資本主義経済は、皮肉なことに価値のあるプロジェクトにも価値のないプロジェクトにも等しく生きる権利を与えている。その結果は、限られた労働資源と天然資源を浪費して、消費者にとって不必要なものを大量に作ることとなるだろう。それで経済成長が阻害されないということが有り得るだろうか?

結論

ここで読者に思い出してほしいのは、金融緩和によって金利を下げ、失業がなくなるほどに企業が生産能力を上げても消費が増えない現状である。消費が増えないから売上も増えず、結果として賃金も上がらない。

これはまさに、資金は中央銀行がいくらでも供給してくれているから企業は労働者を雇用して生産能力は増やすが、一方で消費者が望むようなものが生産されていないために出来上がった商品が売れていないということではないのか? これはまさに、ドラッケンミラー氏が言う「金融緩和が生んだ資源の誤配置」ではないのだろうか?

これらすべては、「インフレは善」という考えから始まったものである。しかし、物価が高いことがそもそもどうしてプラスに解釈されるのだろうか? 良いものが安価で手に入ることは良いことではないのか?

ドラッケンミラー氏は、こうした状況の原因となった中央銀行のインフレターゲットについてこう語っている。


2%のインフレターゲットは、経済学の教授たちが作り上げた宗教のようなものになってしまった。

つまり、ドラッケンミラー氏はインフレターゲットの必要性など根拠のないものだと言っているのである。この考えが正しいとすると、以下の記事で指摘したものも含めて、残念ながら安倍政権の政策にマクロ経済学的に正しいものは一つもなくなってしまう。消費増税ではなく消費税撤廃が必要であり、公共事業より減税が必要であり、そしてデフレは善ということになるからである。
•日本経済はこうすれば復活する: 自民党が絶対に実行しない経済政策

リフレ派の方々も、緊縮派の方々も、今一度インフレの本当の意味を考えてみるべきではないか。これはわたしが日々世界の金融市場をトレードしていても感じることだが、現代のいわゆる「主流派」のマクロ経済学の理論は、もしかしたら完全に間違っているかもしれないのである。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103  

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コメント
1. 中川隆[-12670] koaQ7Jey 2020年5月17日 20:03:14 : Hfn9yD9zt6 : VTY1ZUg4SC5IUEE=[4] 報告

日本経済はこうすれば復活する: 自民党が絶対に実行しない経済政策2016年5月26日
http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3366

日本経済は本当に瀬戸際にある。アベノミクスは円安と株高で経済を持ち上げようとしたが、それは永遠に続くものではなく、金融市場が日銀に反旗を翻した途端、日本経済は失速し、それは既にGDPに表れている。これは最初から分かりきっていたことである。

•金融市場に隷属する中銀: マイナス金利に踏み込んだ日銀の追加緩和が示す株式市場の先行き
•2016年1-3月期日本のGDP内訳: ついにマイナス成長、円安減速で輸出減加速

ではどうすれば良いか? 批判するばかりでは芸がないから、本稿では瀕死の日本経済を少なくとも可能な限り最良な状態へ持って行くための経済政策を考えてみたい。

消費税の撤廃

先ずは消費税からである。消費増税と法人減税が日本経済のためになるという、自民党の面白い論理から崩してゆこうと思う。

そもそも日本経済の問題とは何か。労働人口減少による個人消費の長期的減少傾向である。高齢化により仕事を辞めて年金で暮らす人が増えれば、仕事をして収入を得ていた頃と比べ、人々は消費をしなくなるだろう。日本は先進国で一番初めに、いわゆる長期停滞に陥ったのである。

•元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る

需要減少のもたらす結果は、成長減速とデフレである。インフレ率とは需要と供給のバランスで決まるのであり、需要が供給に対して少なすぎる場合、物価は下がりデフレとなる。

デフレは需要が足りていないというサインである。クルーグマン氏らとともに安倍首相が招聘したハーバード大学のジョルゲンソン氏は、日本経済の問題点は生産性の低さであり、そのためには法人減税を行うべきだと述べて経団連と財務省を喜ばせたが、この論理は無茶苦茶である。

•国際金融経済分析会合、ジョルゲンソン教授への反論: 日本の生産性は低いのか? 法人税減税と消費増税は善か?

先ず、世界経済のデフレ傾向はもう40年ほど続いているが、われわれはその間にIT革命を含む近世以降稀に見るほどの生産性向上を経験している。そしてそもそも、生産性の向上とはコスト減を意味するのであり、コスト減の結果は物価の低下となる。

実際に世界経済はデフレなのであり、生産性が低下しているとする学者らの主張はこうした物価動向を説明できていない。低い生産性はコスト増、そして物価の上昇を生むはずだからである。

だから低成長の原因は生産性ではなく需要減である。アベノミクスの目的もデフレ脱却であったはずなのだが、それでは需要の腰を折る消費増税は理にかなっていない。あり得る選択肢は、デフレ脱却を標榜して消費減税を行うか、デフレ容認を標榜して消費増税を行うかのどちらかであり、それ以外の選択肢はない。上げるべき税金があるとすれば、それは少なくとも消費税では有り得ないのである。これは法人税との比較において詳しく説明しよう。

法人税の大幅増税

消費税を減らすのであれば、その分を補う方法を様々考えなければならないが、先ずは法人税の大幅増税である。

そもそも自民党がさも当然のように法人税の引き下げを行っているのは、経団連がそれを望んでいるからである。経団連とは要するに役員賞与を受けている会社社長などの集まりであり、社内政治以外に特技のあまりない方々である。日本企業で働いている読者が居れば、能力と役職が一致しない会社員など見飽きているだろう。彼らはその成れの果てである。

彼らの受けている役員賞与には会社の費用として計上されるものとそうでないものがあり、費用として計上されないものについては法人税を引いた後の会社の利益から支払われるため、経団連は利益というパイを法人税と取り合っていることになる。だから法人減税を望むのである。

しかし消費税と法人税、どちらを増やすべきか、少し考えてみてもらいたい。消費税とは経済が上手くいっているかどうかにかかわらず、経済活動そのものに課税するものである一方で、法人税とはビジネスを行い利益が出た場合にのみ課税し、儲からない場合には課税をしないというものである。

この意味では消費税は国民が経済活動を行うインセンティブそのものを失わせるものである。どのような場合にも課税がなされるからである。

法人税のように利益に課税されるのであれば、経済活動への影響は軽微で済む。利益が出なければ税金を払わなくとも良いからである。しかしいずれの場合にも課税が発生するのであれば、利益が僅かしか出ないような場合においては経済活動を行わないほうが得となる場合があり、行われるはずだった経済活動が消滅してしまう。したがって法人増税、消費免税が当然の帰結だと思うのだが、自民党がそう思わないのはただ経団連を利するためなのである。

法人税を増税すれば日本からビジネスが逃げてゆくという反論があるかもしれないが、これはナンセンスである。グローバルビジネスの当事者がどのように動くかを理解していない。法人税を40%程度まで上げたとしても、事業が海外に流出することはほとんどないだろう。この理由についてはグローバル・ビジネスにおける法人設立について説明した記事で解説しておいたので、そちらを参考にしてほしい。

•グローバルビジネスにおけるタックスヘイブンの使い方

緊縮財政

次に行こう。次は緊縮財政である。しかし公共事業を減らすという意味においてであり、増税という意味においてではない。

ここでは先ず、そもそも政府の役割というものを考えてみたい。政府には主要な機能が二つあり、一つは公共サービスの提供、もう一つは所得の再分配である。

しかし現在の政権が公共事業を行う目的はそのどちらでもなく、主に景気刺激という名目である。麻生財務相は次のように述べている。

•麻生太郎氏、日銀による財政ファイナンスを肯定: 日本の財政破綻問題はどのように解決されるか


(日本経済では)年間約30兆くらい借りてくれる人が足りない。(中略)誰かがそれを借りてくれない限りは30兆分だけデフレになりますから。それを借りてくれてるのが政府。

つまりは需要が足りないから公共事業で政府が需要を創出するという論理だが、これはおかしいのである。

そもそもの話だが、政府の創りだした需要よりも経済活動で自然に生まれた需要の方が効率的であることに議論の余地はない。だから政府が先ず行うべきは、需要の成長を妨げる課税を先ず取り払い、それでも需要が足りないようであれば財政出動を行う、という手順でなければならない。しかし自民党は消費増税と財政出動を行っている。

増税と財政出動を同時に行うことを正当化する唯一の論理は、所得の再分配である。しかし日本の財政出動は貧困層の利益にはなっていない。上がった株価と上がらない賃金を見ればそれは明らかである。そもそも財政出動は雇用を生み出す目的で行うのだが、日本の労働市場は完全雇用である。

だから異様なまでに膨らんだ日本政府の予算を構成する公共事業は本来不要なのである。所得の再分配にはなっていないし、経済対策と言うのであれば先ずは消費減税である。この論理に反論できる自民党の政治家が一人でもいるだろうか。

経済学的に理にかなっていないにもかかわらず、自民党がそれほどまでに公共事業を行いたがる理由は、いわゆる「大きな政府」を作るためである。

政府とは国民から資金を吸い上げ、そして別の形で吐き出すことを目的としている。そして何処に吐き出すかは政治家が決めることである。だから資金を吐き出す先を決める政治家の周りには企業が集まり、政治家には政治献金や天下りなどの形で便宜が図られる。

これがいわゆる利権であり、政府というものの性質上利権が産まれることは避けられないのだが、日本の場合はかなり度を超えているように思う。ここまで議論してきたように、日本の政策で本当に日本の経済のためを考えて行われた政策は一つもないからである。経団連のために法人減税を行い、財務省のために消費増税を行う。そこに日本経済などは一切関係がない。

政府に存在する利権を拡大する方法とは、端的には増税と財政出動である。こうすれば自民党の経済政策の本質が見えてくるだろう。そうして経済における政府の役割を増やすことで、政府に出入りする資金を増やし、利権を増やしてゆく。

政治家に限らず、財務省が増税を望むのは、財務省が分配する予算が増えれば、財務省に頭を下げに来る政治関係者が増えるからである。そして財務省の権限で配分された予算は、別の利権へと渡ってゆく。そうして日本政府の負債は溜まり、経済は沈む。これが何十年にも及んだ戦後の自民党政治の総決算である。

こうした悪循環を避ける端的な手段は、先ず小さな政府を作ること、そしてもう一つは政府が資金を吐き出す際の政治家の裁量を最小化してしまうことである。つまりは財政出動よりも減税と、そしてヘリコプターマネーである。

ヘリコプターマネー

最後に議論するのは最近話題のヘリコプターマネーであるが、ここで議論をするのは的を絞ったヘリコプターマネーである。

上記のように政治家を利するだけの公共事業をするよりは、国民に直接配ったほうがよほど健全である。とりわけ労働市場が完全雇用であり、公共事業による雇用創出が民間の人材需要締め出しにしかなっていない局面では議論の余地がない。

しかし国民にキャッシュを配るという政策には経済学上の欠点がある。それは消費者の消費性向は企業の消費性向よりも少ないということである。より分かりやすい言葉で言えば、同じ金額を消費者と企業に渡せば、一般的に企業の方がより多くの消費を行う。だから地域振興券などの政策はほとんど使われず、またその事実は財政出動を行う口実にもなる。

これは確かに経済学的な事実である。だからわたしは、ヘリコプターマネーよりは先ず減税を、そしてヘリコプターマネーを行う際には、的を絞って特定の需要のある層に資金を集中投下することを提案したい。

真っ先に対象となるのは子供を産んだ家庭である。日本経済減速の第一の原因は少子高齢化であるが、少子高齢化の原因は20代の若者に子育てのための資金的・時間的な余裕がないことである。

だから少なくとも資金的な問題をヘリコプターマネーで解決する。子供を産んだ家庭には月に5万から10万程度を支給し、出産およびその後の負担を軽減する。

こうした方法の長所は、資金を投下して需要を刺激しようとするのではなく、資金の供給を提示することで消費を増やすインセンティブを作るということである。単に現金をばらまいたのでは、貯蓄に回る可能性が高い。だから需要を増やす特定の行動をした場合には資金を供給する、という順にすることで、個人の消費性向が低いという欠点を回避するのである。

これでどの程度消費性向を上げられるかは分からないが、効果の薄い他の政策よりはやる価値があるのではないかと思っている。所得の再分配としての機能はより単純となり、そこに利権の入る余地はほとんどない。特に子育て家庭への資金供給には意味があると考えている。しかし先ずは消費税撤廃であり、ヘリコプターマネーはそれからだろう。

結論

長くなったが、ここまで眺めてみれば、日本の経済政策の本当の意味が見えてくるだろうと思う。何故消費増税で法人減税か? 何故増税と財政出動か? そうした疑問の答えのなかに、日本経済のためになるからだというものは一つもない。

日本が国として機能していない一番の原因は、自民党に変わるまともな保守政党が存在していないことである。先日取り上げた移民政策などは恐らくは日本人のほとんどが望んでいないものであるにもかかわらず、海外の政治家や安い労働力を望むグローバル企業などを喜ばせるためにそれを実行出来てしまうのは、日本の政治が一党独裁だからである。

•安倍首相がシリア難民150人受け入れを発表、日本の治安と文化は終焉へ

自民党は保守などではない。自民党とは経団連や財務省など様々な既得権益者が集まって利害調整をするための場なのであり、彼らには日本経済がどうなるかなど最初から念頭にないのである。アベノミクスは既にほぼ終了しているが、次に政権を握る政治家も、残念ながらこの枠内から出ることはないだろう。日本には自民党以外の政党が本当に必要なのである。

http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3366

2. 中川隆[-12667] koaQ7Jey 2020年5月18日 16:14:40 : oYVKmkmuLc : Ny5oa1R5b09WR2M=[2] 報告
2020年05月18日
ヘリコプターマネーを検討する各国 お金を発行して公共事業


戦費調達のため各国は戦時紙幣発行や、中央銀行の直接借り入れを行った。

引用:http://payload184.cargocollective.com/1/11/379554/5992276/1940-8-25%20-%20The%20Sunday%20Mainichi.png

ヘリコプターマネーの実施を検討する各国

世界各国ではヘリコプターマネーの実施を巡って熱い議論が戦わされています。

要するに中央銀行が発行したお金で、政府が公共事業を行うアイディアで、戦時中の日本やアメリカがやっていました。

コロナで景気悪化した各国はヘリコプターから地上にお金を撒く政策を、真剣に検討しています。


ヘリコプターマネーは比ゆ的な名称で実際にはヘリコプターを使わないが、今日ではお金は電子的なデータに変わっている。

日銀が100兆円の紙幣を発行しても、大半は印刷されず、データとして日銀から民間銀行に渡されるだけです。

コロナショックで欧米のGDPは年2桁減少し、おそらく日本も同様になる。


3つの中央銀行は今までに大規模な金融緩和を実行し、大量の紙幣を発行して市中にお金をばら撒きました。

お金は人々が借金をして消費することで社会に流通するが、不景気なのでお金を借りる人や企業はありません。

理論上は金利を下げてお金をばら撒けば、自動的に好景気になり、これを「古典派経済学」と言います。


古典資本主義ではお金を印刷すれば人々は必ず消費し、物を生産すれば必ず全部売り切れる事になっています。

1800年ごろとかの時代は物不足で食糧不足だったので、物や食料が売れ残るなど、誰も想像しなかったからです。

ところが1920年代にはアメリカで世界最初の浪費社会が誕生し、物が売れ残るようになりました。


生産技術が進歩しすぎて、人口の何倍分のパンを毎日製造できるようになったからです。

売れ残りは時代とともに酷くなり、1990年代からの日本では、何を生産しても売れ残り物価が下がるデフレ経済になりました。

金融緩和が無駄な理由

こういう売れ残り社会では金融緩和でお金をばら撒いても無駄で、人々は消費せず、増えたお金は銀行と資産家に溜まるだけです。

そこで「政府が公共事業で強制的にお金を使ってしまおう」というのがヘリコプターマネーです。

リーマンショックで大恐慌になりかけたアメリカは、2007年末から大規模な金融緩和を実施してお金をばら撒きました。


だが最初は効果があったものの、いくらお金を撒いても消費されない状況になっていて、新たなリーマンショックが警戒されている。

先進国は全部同じ状況に陥っていて、このままでは世界同時恐慌は時間の問題だと言われています。

さて日本の日銀は「超金融緩和」「黒田バズーカ」「超低金利」を実行しましたが、6年やって何の効果もありませんでした。


日本がやったのは紙幣を大量に発行するだけだったので、誰も消費せず、お金は三菱銀行や三井銀行の金庫に仕舞われました。

実際には電子データなので金庫すら必要ありませんが、発行したお金が何にも活用されていないので、日本は不況のままです。

ヘリコプターマネーでは、それなら政府がダムや発電所や道路を建設して使おうや、という事で田中角栄と発想は同じです。


「そんな事をすれば日本の借金が増えて日本は破産する」というのが財政健全派の言い分ですが、借金は増えません。

中央銀行が発行したお金を、直接政府が使うので、どこからも借金をしないのです。
(実際には日銀からの借金になる)

今までは発効したお金を一度民間銀行に流し、そのお金で日本国債を買ってもらう事で国の借金になっていました。

戦時通貨体制を活用

実はこういう事を大規模に実施した国があり、第二次大戦のアメリカとイギリスでした。

イギリスはドイツの猛攻に会ってほとんど滅亡しかけていて、アメリカも真珠湾攻撃で主力艦隊が全滅しました。

なり振り構っていられないというので、中央銀行のお金を使って、なんと4年間で空母100隻を建造しました。


財政健全派は「そんな事をすれば政府が破産する」というでしょうが、アメリカとイギリスは滅びず大戦後も存在しています。

つまり政府が日銀のお金を直接使っても、国のシステムが壊れたりはしません。

1942年にアメリカの国民総生産は1300億ドル(仮に13兆円とする)だったが、4年間の戦費は3500億ドル(35兆円)だった。


GDPの7割近くを戦費という「公共事業」にぶち込んで勝ったが、イギリスはもっと酷かったと考えられます。

これだけの戦費は増税と国債では賄えず、もっと他の資金源が存在し、それが「中央銀行が発行した紙幣」でした。

日本の場合は後に紙切れになった悪名高い戦時紙幣や軍票が当てられました。


軍票が紙切れになった主な理由は戦争に負けたからで、勝っていれば(多分)正式な紙幣と交換したかも知れません。

中央銀行が金利を付けるのは民間にお金を貸すからで、政府にお金を貸すときはゼロでもマイナスでも構いません。

時間の経過と共にインフレで借金は目減りし、イギリスとアメリカは破産する事無く戦争に勝ちました。

これをもう一度やろうというのが、今世界が考えているヘリコプターマネーです。

http://www.thutmosev.com/archives/59209349.html

3. 中川隆[-12260] koaQ7Jey 2020年6月23日 06:52:19 : SdKRyXdLoU : YWNCOS4wZ0FhbTY=[17] 報告
日銀の役割についてとその公平性について(Live配信2020/6/22)


4. 中川隆[-9588] koaQ7Jey 2020年11月26日 20:14:45 : EuJAkMbW46 : MGpuSWk1dkhka2c=[17] 報告

2020.08.19 GDP戦後最大の落ち込み 日経平均の金換算グラフ
https://golden-tamatama.com/blog-entry-biggest-decline-gdp.html

世界最大のヘッジファンド: 紙幣印刷で経済成長率は救える
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11736

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

世界最大のヘッジファンド: 紙幣の刷り過ぎでドルが暴落するとき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11685

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11801

米国経済、個人消費が鈍化、インフレは止まらず
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11782

世界最大のヘッジファンド: インフレで株式市場が暴落する理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11715

世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10891

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

世界最大のヘッジファンド: ドルが下落したらアメリカは終わり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11762

世界最大のヘッジファンド、コロナ株高でも米国株買い増さず
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11643

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10473

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831

世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10592

世界最大のヘッジファンド: アメリカの覇権が中国に奪われる4つの道筋
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9934

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9645

「現金はゴミ」発言のレイ・ダリオ氏、リスクオフできず新型コロナ株安で20%損失
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9134

新型コロナによる世界恐慌でユーロが下落する理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10392

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103

元米国財務長官ラリー・サマーズ氏が長期停滞論とは何かを語る
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/2489

ヘリコプターマネーはインフレをもたらすか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9767

ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9681

5. 中川隆[-7978] koaQ7Jey 2021年1月21日 17:31:01 : FFyjixcZEl : dms1QVQ2TU1PRVU=[2] 報告
紙幣印刷が起こしたアメリカのインフレはドルを暴落させるか
2021年1月20日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11948

2020年の新型コロナウィルスの世界的流行によって世界経済は大きな景気後退に見舞われており、結果としてアメリカや日本などの先進国政府は未曾有の景気刺激を行うこととなった。

そして前回報じた通り、現金給付などの政府による資金注入がアメリカにおいては物価上昇をもたらしている。

・コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ

資金注入によって株式市場が上がっていることは周知の通りだが、アメリカではそれだけに留まらず副作用が出てきているということである。アメリカの物価指数のチャートをもう一度掲載しよう。


なかなかの上昇ぶりである。

インフレの為替相場への影響は

こうした状況で投資家が当然懸念するのはドルの下落である。物価上昇とは貨幣の価値が下落することであるため、理論的には為替レートも下落することが考えられる。他の通貨に対してドルの価値が下がるということである。

世界最大のヘッジファンドを運用するレイ・ダリオ氏は早くから資金流入によるインフレとドル暴落に警鐘を鳴らしている。

・世界最大のヘッジファンド: 紙幣の刷り過ぎでドルが暴落するとき


ではドル円はどうなるだろうか。

ドル円のチャートは現在のところ次のようになっている。


ドル円は長らく変わっていないような印象があるが実は長期でゆるやかな下落トレンドを形成している。

ドルを押し上げるもの

しかしそれでもコロナによりアメリカで金利が下がった割にはあまりドル円は下落していないように見える。アメリカでインフレ、日本でデフレという状況はドル円の下落を後押ししそうだが、為替市場ではインフレになった分だけ通貨が下落するわけでもないということは理解しておく必要があるだろう。

何故か。例えばここ20年で日本とアメリカの物価がどうなったかを見てみたい。以下は2000年の物価を1として両国の物価指数を並べたものである。


アメリカの物価が50%になったのに対して、日本の物価は2%の上昇とほぼ変わっていない。インフレだけを考えれば円が相対的に50%程度強くなっても良いはずなのだが、ドル円のチャートは同じ期間で次のようになっている。


20年でほぼ横ばいとなっている。

インフレはドルを押し下げないのか?

これはどういうことだろうか。

原因は主に2つあると考えられる。1つはここ20年のアメリカの経済発展が本物だったということである。

ジンバブエがインフレになれば通貨も暴落するが、経済成長の著しい国で経済成長によってインフレが起これば通貨はむしろ上昇する。

直近20年はアメリカでAmazonやFacebookなどのテック企業が栄えた期間である。アメリカで物価が上がったにもかかわらず為替レートに調整が起きなかったのは、日本が東南アジアよりも物価の高い国であるように、単にアメリカが日本よりも物価の高い国になったということである。

もう1つはドルが基軸通貨であるということである。基軸通貨とは通貨の発行国に限らず世界中で決済や貯蓄などに使われる通貨のことであり、ドルが基軸通貨である限りアメリカで中央銀行がドルを刷り続けてもある程度はドルは買われ続ける。

ドルの天下は続くのか

しかし問題はこの2つの条件がコロナで揺らぎ始めている可能性があるということである。まず今回のインフレは経済成長によるものではなく金融緩和と現金給付によるものである。その意味では為替レートはこのインフレをここ20年のようには見逃さないだろう。一定の影響を与えるはずである。

そして基軸通貨としてのドルだが、アメリカ経済は今後も世界の中心であり続けるだろうか。アメリカはいまや世界一の新型コロナ感染者数を誇る国であり、新規感染者数は1日20万人に迫る勢いとなっており、日本などのアジア諸国に比べて感染の度合いが酷い。

こうした状況を鑑みてか、最近ではダリオ氏に続いて債券投資家のガンドラック氏もアメリカよりアジアに目を向け始めている。

・世界最大のヘッジファンド: 中国が覇権を握りドルは基軸通貨でなくなる
・ガンドラック氏: 米国株、アジア新興国株に強気

これがダリオ氏の言うようなアメリカの覇権交代という大きなトレンドなのかどうかは分からない。しかしどれだけ紙幣を印刷してもインフレにならなかった先進国経済についにインフレが訪れたのは1つの大きなターニングポイントである。


ダリオ氏が歴史を振り返って考察したように、ドルの凋落は急激に起こるのではなく何十年もかけてゆっくり進むだろう。コロナは本当にその転換点になるのかもしれない。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
・世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11948

6. 中川隆[-7768] koaQ7Jey 2021年1月26日 00:17:07 : 2ydmNr8Rvw : SDJnQ0RJbmZzTkk=[28] 報告
【ゆっくり解説】目からウロコが落ちる「中央銀行」について〜お金の歴史から読み解く通貨の信認とは〜
2020/07/21




現在の制度では中央銀行が通貨の信用を担っています。その辺があまり世間に知られていないようなので解説しました。
お金の歴史から中央銀行の役割までを解説しています。
7. 2021年1月26日 00:51:33 : 2ydmNr8Rvw : SDJnQ0RJbmZzTkk=[35] 報告
【ゆっくり解説】目からウロコが落ちる「デフレ」について【デフレの原因とは】
2020/10/11




ずっと前から言われてきたデフレ脱却。
しかし、デフレとはそもそもなんなのか? 何が原因なのか? そもそも悪いことなのか?
これらについて解説していきました。
8. 中川隆[-7809] koaQ7Jey 2021年1月30日 23:32:53 : WsTabVtPIQ : ZW1xLlovZzh6WWM=[36] 報告
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
2021年1月30日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051


ここのところ続けて19世紀生まれの経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の論考を紹介しているが、ようやく本題である。

新型コロナとハイエク経済学

2020年の新型コロナウィルスの世界的流行によって世界経済は未曾有の景気後退にさいなまれ、日本やアメリカなどの先進国政府は紙幣印刷や現金給付を行なって多数派の有権者の支持を取り付けた。

政府は中央銀行にいくらでも紙幣を刷らせることが出来るので、新型コロナで店舗や企業が儲からなくても人々は生活に困らないというわけである。

実際には先進国政府はコロナ前にも紙幣印刷を大量に行なってきた。その紙幣で中央銀行が国債を買い上げたために政府はいくらでも借金ができたのである。

その借金で政府は長らく有権者の支持を購入してきた。新型コロナで多くの人が亡くなっているにもかかわらず、政府の関心はオリンピックの開催とGO TOトラベルによって建設業界や広告業界、宿泊産業の政治的支持を取り付けることにある。これはどの国の政府も行なってきたことである。しかしアメリカではそうした慣習にも限界が来ている。インフレの到来である。

・コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11939


そして日本はその背中を追っている。

政府に借金をさせないために

政府が借金をこれほどまでに増やせなかったなら、政府がここまで好き放題にすることもなかっただろう。そして中央銀行が紙幣を印刷できなかったならば、政府が借金をここまで増やすことも不可能だっただろう。

通貨は政府が発行するものだというここ100年くらいの間に生まれた特異な考え方に慣れた者でなければ、これは当然の考え方である。そしてその当然の考え方を主流派経済学者の間違った意見に左右されずに主張し続けた経済学者がいる。ハイエク氏である。

戦前、戦後の時代にケインズ氏とやりあったハイエク氏は様々な経済学上の功績で有名だが、その中でも異彩を放つのが通貨発行自由化論である。ハイエク氏は政府のみならず民間企業や個人も通貨を発行すべきであり、政府の通貨と競争させることで政府の浪費を牽制できるという考え方の持ち主なのである。

ハイエク氏は彼の

『貨幣論集』
https://www.amazon.co.jp/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E5%85%A8%E9%9B%86-%E7%AC%AC2%E6%9C%9F-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF/dp/4393621921?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF+%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86&qid=1611295460&sr=8-1&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=eb7e92ebe3988e41f171092f0fdf438f&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl


においてむしろ控えめに次のように述べている。

こうした提案は法定通貨という概念のもとで育ったすべての人にとって最初は馬鹿げたものに映るかもしれない。

しかしかつて紙幣を中央銀行に持っていけば金(ゴールド)と交換できた金本位制の時代の人々は、何と交換することもできない何の保証もない紙切れを大事に財布に持っている人々の方を不思議に思うだろう。

現代の通貨は本当に暴落しないのか

繰り返しになるが日本円もかつては金と交換できたのであり、金を中央銀行に預ける代わりに紙幣を受け取って、中央銀行に紙幣を持ち込めば預けた金が返ってきたのである。しかしいつの間にか金は返ってこなくなった。政府がそう決めたからである。では預けられていたはずの金は何処へ行ったのだろう。政府がすべて使ってしまったのである。

このようなあからさまな詐欺に多くの人々がまったく気付いていない。ハイエク氏は次のように述べる。

200年間の金本位制の時代だけを例外として、実際には歴史上ほとんどの政府が人々を騙し搾取するために通貨発行の独占権を行使してきた。

大英帝国のポンドやオランダ海洋帝国のギルダーが政府による紙幣印刷で暴落していったことは以前解説した通りである。

・世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

・世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953


そしてその犠牲者はその通貨を持っていた一般市民であり、政府ではなかった。通貨が暴落したときには既に政府は多額の借金をしてその資金を使い果たしてしまっていた。

根拠はないはずなのだが、現代のわれわれはこれを過去のことであり、今の円やドルには起こらないと無根拠に信じている。しかし実際にはメジャーな通貨の減価はゆるやかにしか起きないので、そのトレンドのただ中にいると気付かないだけなのである。

事実、1970年のドルの価値を100とし、その価値をゴールド本位で計算すると今のドルの価値は次のチャートのようになる。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/01/since-1970-value-of-usd-in-gold-chart.png

ほぼ皆無である。そして2021年、コロナで大量の紙幣印刷と現金給付を行なったことにより、死に体のドルにはとどめが差されようとしている。

・世界最大のヘッジファンド: ドルが下落したらアメリカは終わり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11762


そしてアメリカに起こることは日本にも起こるのである。

ハイエク氏の通貨発行自由化論

こうした状況を打開するためにハイエク氏は政府から通貨発行の独占権を剥奪すべきだという。ハイエク氏は言う。

人々が使いたい通貨を自由に選択させてはなぜいけないのだろうか。

ハイエク氏が想定するのは政府だけではなく民間企業や個人が通貨を発行する世界である。そこでは人々は自分の好きな通貨で貯金をし、好きな通貨で買い物をする。好きな通貨で会計報告をして好きな通貨で納税をする。

彼は次のように続ける。

店主が現行のレートで望む通貨に即座に両替できると分かれば、すぐにどのような通貨に対しても適切な価格で商品を売るだろう。しかし政府の通貨で表示される物価だけが上昇していることが分かれば、政府の悪行はもっと早く察知されることになる。

そして人々はより安定した通貨を主に利用するようになるだろう。そうすれば通貨発行者は自分の通貨の価値をより安定させ、より多くの人に使われるように努力するようになる。ハイエク氏の主眼は通貨をこのような競争にさらさせることになるのである。彼は次のように続けている。

人々が信用できない通貨を拒否し、信用できる通貨を選んで使うことができるとすればどうか。政府が通貨を乱用するのを避けるためにはこれ以上に有力な抑止力は有り得ない。そうすれば通貨の供給を需要より低く抑えるかぎり、その通貨の需要は増大してゆくだろう。そしてそれは政府が通貨の安定性を維持させるための何よりも強い要因となる。

つまり、政府が無思慮に紙幣を膨大に印刷しようとすれば政府発行の通貨が使われなくなるという状況に直面させることで政府を律しようというわけである。

これは同様に民間の通貨発行者にも適用されるだろう。通貨発行者は手数料のような利益を(政府と同じように)得るだろうが、ハイエク氏の言う世界ではこれが今のように通貨発行権の独占の対価として与えられるのではなく、価値の安定した通貨を発行していることに対する対価として与えられるならば、通貨発行者に対して国民が払うコストは合理的なものになってゆくだろう。

少なくとも、金塊がいつの間にか盗まれているとか、数十年の間に価値がほぼゼロになっているとか、そういうことはなくなるはずである。有り得ないような話が日本円や米ドルで実際に起きているのである。

・ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

9. 中川隆[-14504] koaQ7Jey 2021年12月22日 06:16:05 : dFWaWpqW2w : MDFPdlB3Uno4eFE=[6] 報告
日銀の金融政策
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1392.html

日本銀行は日本政府の子会社である
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1385.html

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