れいわ新選組の3人が国会へ 永田町を揺さぶる大暴れに期待 新宿で衆議院選の報告街宣 2021年11月13日 https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22089 れいわ新選組(山本太郎代表)は10日、衆議院選挙後初となる街頭記者会見を新宿駅東南口でおこなった。衆議院選で当選して国政に復帰した比例東京ブロックの山本太郎(比例単独)、近畿ブロックの大石晃子(大阪5区)、南関東ブロックの多ケ谷亮(千葉11区)の国会議員3氏は同日午前中に初登院し、れいわ新選組は参院を含め5人の所属議員を有する勢力として新たなスタートを切った。3氏が登壇した街宣は、これまでの政治活動への支援に対する感謝とともに、これから国会の舞台でたたかう決意や方向性について語り合われ、永田町を揺さぶる勢力として存在感を示し、今後さらなる勢力拡大に向けて全国的に活動を進めていくことを宣言する場となった。街宣の一部を紹介する。 国会に初登院したれいわ新選組の3人の衆議院議員(10日、国会議事堂前)
山本太郎 「もう死んでいる」「れいわ新選組はもう終わっている」といわれながら衆議院選で3議席を獲得したれいわ新選組は、参議院2議席を含め全体で5議席になった。この衆議院選前から国政政党ではあったが、なかなか世間は認めてくれなかった。国政政党として認められるためには2つの要件がある。一つは、直近の選挙で全国を通して2%以上の得票、もう一つは所属する現職国会議員が5人以上いること。このいずれかを満たしていれば国政政党だ。私たちは2019年の参議院選で得票2%を超えていたので国政政党であったが、某放送局(NHK)によると「両方を満たさないと認められない」という姿勢で、とにかく私たちはメディアから無視され続けた。 今回の衆院選で3議席を獲得して衆参5人、2%以上の得票の両方を満たし、これでやっと「一人前の政党」になることができた。 れいわ新選組は、バックに大企業、宗教団体、労働組合などが一切ついていない。つまり、お一人お一人の皆さんが横に広げてくださった、友だちに声を掛け、家族に政治の話をして一票一票を積み上げていただいたことによって私たちは真の国政政党になることができた。ある意味で、今日からが本当のスタート。「日本を変えていくぞ!」という意気込みでやっていきたい。 本日国会が始まったが、会期は3日間。そのすべてが手続きだ。私たち衆議院の新しい3人のメンバーは国会に初登院したが、3日後に国会を閉じて、12月からまた国会……こんな悠長なことをやっている場合じゃない。25年のデフレから脱却できていない、つまり25年間の不景気の国にコロナまでやってきたというダブルパンチだ。大至急、回っていないところにお金を回していくことを政府が大胆にやらなければならないのに、国会内の貴族たちには随分と余裕があるようだ。 一刻も早く積極的な財政出動、国の通貨発行権(お金を刷る)によって、みんなの生活を底上げして、この国の経済を立て直す必要がある。そのための第一歩として、衆院選での小さな始まりではあるが、3議席を得ることができた。まず国会議員として国会に足を踏み入れた新メンバーからメッセージを。 深刻な地方の現状 第一次産業徹底して守る 多ケ谷亮 みなさんの1票1票によって南関東ブロックで1議席を獲得した。私は苦節11年を経て、山本太郎代表とは8年の付き合いになる。千葉県の外房(千葉県南東部の太平洋側)、北は芝山、横芝光町、南は勝浦の南北100`に及ぶ大きな選挙区だ。コメ農家、漁業、林業などの第一次産業が盛んだが、今みんな廃れている。なぜかといえば、コロナ禍でコメの値段が一俵当り9000円だ。国の試算では1万2000円ないと農家は赤字だ。1万6000円でなんとか利益が出る。2万円ないと後継ぎはこないという世界だ。 それでも国は補助金を出さない。減反、減反でどんどんカットし、予算がないという。だからみんな赤字で人件費も出ない。それが地方の現状だ。 国が助けない。市町村はどこも貧しいので、住民サービスをバンバンと削っている。ひとえに国がおこなっている緊縮財政が元凶だ。 国は1989年から緊縮財政に舵を切った。70年、60年代は、田中角栄、池田勇人の所得倍増計画に始まり、地方に道路を作り、新幹線を柱にして地方にヒト・モノ・カネを運んでいった。社会保障を充実させるために「100年安心年金」が始まったのも当時だ。将来に不安がないから消費が旺盛になり、日本経済のエンジンが動き出して高度成長を成し遂げた。 私たちの政策は「コンクリートも、人も」だ。もう一度国を豊かにして老後も安心して暮らせる日本を作るための旗振り役をやっていく。 千葉外房は自然豊かできれいなところだが、車社会で人がいない。街頭演説をしていても、狸やハクビシン、ときには海に向かってお魚に喋りかけているようなこともある。だが喋っていれば、家の中で誰かが聞いてくれている。その一票一票を忘れてはいけない。血が通った政治を私たちにやらせていただきたい。 山本 第一次産業は重要だ。人間が生きていくうえで必要なのは空気、水、食べ物。この三つをしっかりと手放さないようにしなければならない。大気汚染や核事故で空気を汚染するわけにはいかない。水も同じだ。そして、何よりも第一次産業は、国の食料安全保障だ。 これに関してこの国はどうなっているか? 海外からの輸入に頼り、食料自給率は40%程度。米国を見れば、生産者が一番生活が安定するという状況を国が作っている。一番リスペクトされるべき職業だからだ。それは国を守ることに直結するし、この国に生きる人々を守ることに直結するからだ。米国の農業予算の6割は生産物の買いとりに使われているともいわれる。作れるだけ作り、過剰になって価格が落ちれば国が価格保障する。逆に不作だったときも保障する。余剰生産物は買いとって低所得の人たちに食料として配る。 海外から食料でコントロールされるような国になってしまえば終わりだ。食料自給率40%そこそこという時点で異常なのだ。れいわ新選組は、国による買いとり、生産者の所得保障によって第一次産業を徹底的に守る。 25年で失われたもの 消費税廃止と安定雇用を 大石晃子 衆院選が終わった1日朝4時ごろ、日本最後の議席(465番目)として比例近畿ブロックで復活当選を果たすことができた。皆さんの力による3議席は、ボランティア選挙の歴史的な勝利だと思う。ここに勝利の道がある。私も皆さんが獲得した1議席をフル活用して国会で暴れていきたい。 私たちが選挙中に訴えた「れいわニューディール」、つまり積極財政でお金を回して暮らしを底上げし、あらゆる社会問題を解決していくことを実現させるステージに入った。 私は大阪府職員だったが、13年前、大阪維新の生みの親である橋下徹さんが知事に就任したばかりのとき、朝礼で「どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか!」と立ち上がって抗議した。このときから始まった私のたたかいは今も終わっていない。 この25年間でみんなの所得は大きく減った。中間層の所得(中央値)を見ると、1995年に一世帯あたり545万円あったものが、2019年には437万円にまで108万円も減っている【グラフ参照】。 みんなは同じように努力をしてきたのに、なぜこれほど所得が減ったのか? その突撃隊長みたいな存在が橋下徹さんだった。公務員をぶん殴って、実は民間の働く人みんなをぶん殴る。公務員も引きずり降ろすし、民間で働くあなたも引きずり降ろす。そのためにまず公務員を殴りつける。これに成功したから、大阪では維新が躍進した。だから、このたたかいはまだまだ終わっていない。このたたかいに勝ち抜いて、安定雇用1000万人増を実現させたい。
所得が落ちたもう一つの要因は25年のデフレ不況だ。そこで消費税が上げられるたびに、みんなの消費購買力が失われ、その分社会にお金が回らなくなり、モノやサービスの生産が滞り、その結果、供給力まで毀損されてしまう。その悪循環のなかで、不安定な非正規雇用が増大し、働く人みんなの年収が減らされてきた。腐った政治によって減らされてきたわけだから、私たちの手に政治をとり戻し、それを逆回転させなければいけない。 私たちが政策に掲げた、消費税廃止、コロナ脱却給付金、子ども手当3万円、社会保険料負担軽減、安定雇用1000万人、介護・保育の月給10万円アップをなんとしても実現させたい。 岸田政権も選挙公約にコロナ給付金や介護・保育の賃上げなどをあげていたが、“与党なんだからさっさとやれ!”という話だ。選挙後に、介護や保育、看護などの給料を月1万〜5000円増やすという政府案がニュースで流れ、野党の方々は「われわれの政策がパクられた」といっていた。だが介護職の月給だけ見ても、現状では全産業平均より8・9万円も低いのだ。この差額を埋めない限りは介護・保育の危機は乗り切れない。たかだか1万〜5000円アップで足りるわけがない。 また政府は、年内に18歳以下に対して現金5万円と5万円相当のクーポン券を配布するというが、そんなもので間に合う話ではない。ツイッターでも「#クーポンやめろ現金くばれ」がトレンド入りしていたが、これを実現できるのはれいわ新選組しかいない。 一方で、今回の選挙で「自民党はもうダメだ。ここは維新に…」という流れもあらわれているが、この10年で自民・公明・維新は結託して利権集団になっている。資本家を優遇し、菅政権とは蜜月で「解雇規制緩和」と「カジノ」を推進している。消費力が減って内需が減少し、少子化に繋がっている現状を放置して、カジノなどの時代遅れの外需に飛びつく古い経済政策だ。 私たちの政策の財源は、国のお金(新規国債)だから、すぐに可能だ。貧しい人から搾りとる必要はない。新規国債発行の判断基準は、実体経済(インフレ率、需要と供給のバランス)だ。他国に比べて日本の生産力は高く、国債を発行できる供給力が十分にある。だから誰も路頭に迷う必要はまったくないのに、25年も需要が失われた結果、路頭に迷う人や孤独に死んでいく人たちなど悲惨なニュースが絶えない。これを解決する経済政策をこれから実現していきたい。面白い政治を一緒にやっていきたい。 山本 積極財政のための財源はある。だが、それは税ではない。日本はEU加盟国などとは違って通貨(円)発行権がある。国にはお金を作り出す力があるのに、それを皆さんの家計と同じ感覚で「国の借金」「自分の借金」と考えさせること自体が大きな間違いだ。参議院調査室の試算でも、年間200兆円近くまでなら国がお金を作り、足りてないところに供給できる。つまり、消費税もやめられるし、介護や保育に対してしっかり手当てできる。生産者に対しても生活を底上げし、所得保障ができる。 25年間も世界で唯一、日本が不況から脱出できない理由は、国が経済政策としてお金を作り、足りていないところに流し込むということをやってこなかったからだ。そして自分たちの得になる組織票、企業献金をくれる部分にしかお金を流さないという国を作り上げてしまった。 目前の生活で精一杯の人たちは、政治に深く関心を持ったり、政治的な行動はとりづらい。逆にいえば、政治について無関心にさせられ、それによって多くの人が政治から距離を置くようになれば、向こう側の勝ちになる。今回の選挙のように45%もの人が投票を棄権すれば、彼らにとってこれほどコントロールしやすい社会はない。これを逆転させるためには、この国のオーナーの皆さんに「ここ一発」というところで勝負してもらわなければいけない。この衆議院選では皆さんに勝負をかけていただいたことによって、私たちの3議席が登場した。来年の参議院選ではもっと大きな勝負をしていこう。 徹底的に「永田町の空気を読まない勢力」を国会の中に送り込んで、永田町の論理に流されない集団を拡大させていきたい。 賃金上がらず物価高騰 悪質なインフレ是正を 質問 山本代表は、物価上昇率を基準にして新規国債を発行するというが、コアコアCPI(エネルギーや生鮮食品など値動きが激しいものを除いた物価指数)でみればお金は刷れると思うが、現在のようなスタグフレーション(需要が供給量を下回っているのに物価が高騰する現象)のなかでお金を刷ることについての考えはどうか? 山本 国債発行の上限はインフレ率が目安になる。だが、そのインフレの質が一番重要だ。つまり賃金が上がっていきながら社会にお金が回り、需要と供給のバランスでインフレになっていくことが健全だと思う。 一方で、今世界中で始まっているのは、コストプッシュ型のインフレだ。つまり原油価格が上がったり、コロナ禍で人手が足りなかったり、輸送面での労働力不足によって物価が上がることについては、日本だけでどうこうできるものではない。このようなインフレを国債発行の上限にはしない。それらを除いた物価指数を見て行くことが必要だろう。 大石 判断基準はあくまでも実体経済だ。原油などの輸入品が高騰すれば、それによって圧迫される人々の生活に対して、政府の責任で穴埋めをする必要がある。大切なのは、この国で必要なものを国内で生産できる能力を整え、それをこの国の人々が享受できる経済をとり戻すことだ。指標に凝り固まるのではなく、介護など供給力が足りないところに人が増えるように国が補填するというのが本来の積極財政だと思う。 山本 日本は産油国ではないので原油価格の変動に対してできることは限られている。それによる物価上昇で需要が失われるのであれば、できるだけみなさんの負担を減らすようにする。それが消費税廃止であり、そのような調整をおこなうのが経済政策だ。原油値上がりが続くのなら、ガソリン税をやめることもできる。いまや離島では1g当り180円を超えている。放置すれば地方では生活ができなくなる。 多ケ谷 ガソリン税金は1g当り60円ほどだ。私たちが暮らす地方は車社会なので、みんな困っている。一家で車は2台ぐらいある。助ける気があれば、この税を撤廃することも考えるべきだ。 コストプッシュ型のインフレに関していえば、例えば大豆の自給率は3%。これが近年日本を経由せずに中国と米国が直接取引するようになって値上がりしている。木材も同じく輸入材のコンテナが日本に入ってこなくなって値上がりした。自給率3%ということは、将来入ってこなくなれば納豆も豆腐も食べられなくなる日が来るということだ。 そういうことも考えずに農業も林業も放置した結果、せっかく祖父母世代が将来世代のために植えた杉も痩せ、節が出て売り物にならない。林道もなくなって重機が入らず、木を切り出せない状況も生まれている。自給できるものをさせない政策を続けてきたことによって筋の悪いインフレを招いている。 山本 コロナ禍でマスクが足りなくなったが、マスクの国内流通量の7割を中国に頼っていたことによって一時期高額な商品になってしまった。このような海外依存型の産業を国内に回帰させていくことによって雇用を生み出し、GDPの一番大きなエンジンである個人消費を動かしていく施策が必要だ。 IMF(国際通貨基金)の統計で、世界で戦争や紛争が起きていない140カ国のデータ【グラフ参照】を見ると、1997〜2018年の22年間の政府総支出(政府が社会に投資した総額)の伸び率は最下位。そのため、同じ22年間でGDP成長率はわずか2・8%でこれも最下位だ。それだけ皆さんへの投資が圧倒的に足りていない。必要なことはさっさとお金を刷って必要なところに回すことだ。話はそれからなのだ。 れいわが獲得した所属委員会 質問 国会では、れいわ新選組としてどのような委員会に入ったのか? 山本 国会内での各会派構成は、他党とのやりとりのなかで決まる。委員会を決めるために開かれる各派協議会の前に、野党理事懇談会というものがある。そこで私たちに示されたものは、年に1回開かれるか2回開かれるかというものばかりだった。例えば懲罰委員会。国会議員がなにかやらかしたときに、その人にどんな罰を与えるか話し合うものだ。あとは決算行政監視委員会。決算の時期(9月ごろ)に開催されるもので、ほとんど出番がない。それは、とてもショッキングなものだった。れいわは国会に入ったが、そこでは活躍できないという委員会配置だ。そこで多ケ谷さんに野党第一党との交渉に行ってもらった。 多ケ谷 その結果、内閣委員会と、地方政策と深くかかわる国土交通委員会の2つを勝ちとることができた。 山本 頻繁にテレビ放映される予算委員会が欲しかったが、これはもらえなかった。3議席ではハードルが高かった。 なぜ内閣委員会を求めたかというと、内閣が一番やりたいことを矢継ぎ早に出してくる委員会だからだ。もしかしたら一番忙しいくらいかもしれない。「第2の予算委員会」といわれるくらい担当大臣の数が多く、宇宙政策から子育てまで幅広い分野でいろんな省庁の人たち、大臣や副大臣を呼ぶことができる。これら2つの委員会を3人でシェアしながら、打順を回して直接ボールを投げていくことができると思う。 (左から)山本太郎、大石晃子、多ケ谷亮
維新や改憲勢力とのたたかい 質問 改憲に前のめりな第2自民党のような維新とこれからどうたたかっていくのか? 山本 今すぐ憲法改正しなければならない理由はなんだろうか? 改正によってすぐになにが変わるのか? 私はそれが優先順位1位だとは思わない。憲法を変えることはタブーではない。そのために議会があるのだから。だが、25年の不況のうえにコロナがやってきて多くの人々が所得を減らし、生活困窮や地盤沈下をしている生活のなかで憲法の議論を今大々的にやる必要があるのか? というのが私の考えだ。逆にいえば、元の憲法も守っていない連中がそれを変えようというときには注意しなければならない。 法律には序列があり、諸々の法律や条約・協定よりも重んじられる最上位にあるのが憲法だ。これは誰が守るべき法律か? 公務員その他にも権力を持つものたちがこの憲法によって縛られる――というのが日本国憲法第99条だ。 つまりは逆にいえば、彼らが改正したい内容が何か? ということをしっかりチェックしなければならない。まずは今ある権力者を縛るためのルールが守られているかということに一番着目しなければならない。 例えば、厚労省の国民生活基礎調査(令和元年)では、全世帯のうち「生活が苦しい」と答えた人が54・5%、母子世帯では86・7%だ。この状況を鑑みれば、憲法が守られる政治は存在していないと私は思う。 憲法25条には「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とある。つまり先述の方々は憲法25条に守られていない。 また憲法13条には「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とある。例えば年老いた親の介護は嫁が見るべきだとか、介護は家族ですべきだという考え方自体がアウトだ。それぞれの人生を尊重されるように公共が手を差しのべることによって家族を支えるのが政治の役割であり、そのために介護や保育などに対して処遇を改善して人が集まるような施策をしなければならない。それがされていないから、介護殺人や老老介護が日常化している現実がある。 憲法が守られていないという現実を作り出してきた政治のなかで、憲法を変えろというのは、盗人が「窃盗罪を緩めろ」というのと同じ話だ。 憲法を変えることが必要になる場面も出てくるかもしれないが、それは憲法を変えることによって何が起きるのかについて多くの方々が思いを馳せられる状態でなければいけない。学校や街角でも憲法談義に花を咲かせるくらいの状態ならば議論を進めることはできるが、政治家が火事場泥棒的に変えることは図々しいにもほどがある。 その象徴が、自民党や維新が唱えている「緊急事態条項」だ。つまり、総理大臣が「緊急事態」を発すれば、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」「総理大臣は財政上必要な支出その他の処分をおこなうことができる」というものだ。つまり国会はいらなくなる。立法府(法律を作る機関)である国会を無視して総理大臣が勝手にルールを作れるという条項だ。例えばコロナ第6波が襲ってくる状況が来たら、彼らは憲法改正の好機とみる。「皆さんにいくらステイホームや自粛要請をしてもわかってもらえず、人流抑制ができない」「それを抑え込むためには憲法改正が必要だ」という流れだ。 だが本当にステイホームを徹底したいのなら現行法で可能なのだ。コロナを地震や台風と同じように災害指定するには、内閣による閣議決定だけでできる。それによって災害対策基本法に基づいて自宅待機を求めることも、事実上のロックダウンもできる。飲料水や生活必需品の提供、避難所としてのホテル宿泊、収入保障や家賃補助も可能だ。さらに給付金を出したり、社会保険料免除、エッセンシャルワーカーに危険手当を出すことも私たちは必要と考える。 閣議決定でできるものをやらず、わざわざ憲法改正に繋げるために人々を苦しみに陥れている。それは非常に大きな問題だ。 れいわ新選組の街宣(10日、新宿駅東南口)
大石 大阪は維新の本拠地だが、コロナ禍での医療崩壊が全国ワースト1位であり、コロナによる死亡率も全国ワースト1位だ。だが関西のメディアが維新のコロナ対策を好意的に持ち上げることで吉村人気が作り上げられ、維新が大躍進している状況だ。本来ならば、飲食店や多くの産業が大ダメージを受けているのだから、全産業に手厚い補償をすべきなのだが、今回の選挙で調子に乗って火事場泥棒的に自民党と結託して憲法改正に手を付けようとしている。今回の選挙では、小選挙区で「大石」と書いた人でも、比例で「維新」と書いた人もいる。これからの活動で、本当に自民党や公明党と対決していく勢力が誰なのかを知ってもらい、そのような方々がしっかりと精査できる状況を作り出していきたい。 山本 「改革」が足りないんじゃない。みんなを貧しくするための「改革」は十分やってきた。それが自民党や維新であり、私たちはその逆の改革をやる。徹底的に底上げをしながら、一人一人の尊厳が守られるような暮らしが送れる社会作りだ。まずは政府による大胆な通貨発行をし、ニーズが増えていく数々の産業に投資をおこなっていく。 来年の参院選にむけて 質問 来年7月の参議院選ではどれくらい候補者を立てるのか? 山本 参議院選は、衆議院選とは仕組みが違う。参議院選では、東京全体のエリアから6人の国会議員を生み出すことができる。神奈川では4人+1人。そのような複数の議席が生まれる選挙区に私たちは進んで候補者を立てていきたいと思っている。このような中選挙区制的な選挙の方が皆さんの投票行動が無駄にならないからだ。当然この東京でも私たちの候補者が立つことになると思う。 みんなの心を一つにしていきながら、何としても国会の空気を読まない連中をさらに増やしていくという、永田町にとっては大迷惑な状況を作っていく必要があると考えている。これからも、皆さんの力を貸していただき、一緒に永田町を揺らしていきたい。 https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22089
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