フェーク・ニュースの見抜き方 2020 APR 8 by 東 賢太郎 証券界で生きてくると性悪説になります。僕は親の教育でシンプルにのほほんと性善説なのですが、仕事になるとやおら人が変わって鬼の如き性悪説人間になります。要は、全員がウソを言ってると思ってるということです。わかりやすい例でいうと、Yahooファイナンスの「掲示板」があります。ここに書いてあることはほとんどウソです。ポジション・トークと言って、その銘柄を持っていれば強気、買いたければ弱気が書いてあると思えばいいです。 つまり欲の皮がつっぱった人たちのジャングルだから踏み込んだら最後。だまされたら君が悪い、そういうものだ嫌なら来るなという世界なのです。そこで40年生きていればそれなりにウソに免疫力がつきます。見抜けてしまうのです。 ポジション・トークには上級者版があります。どなたか学者さんが国会答弁を「ご飯論法」と呼びました。「あなた朝ごはん食べましたよね?」「食べてません」と答えて、実はパンを食べてましたというものです。立派なウソです。 これを、「朝ごはんを食べない人が増えてます」と言い「パンを食べる人は増えてますが」は言わずに「ブランチ(朝昼いっしょ)がトレンドです、マックの株が買いです」とやれば「ご飯論法」の逆行型でポジショントークができます。 フェーク・ニュースはそうやってできています。猿でもわかるものから知能犯的なものまであります。隣国が十八番とする「ウソも百回言えば本当になる」というバージョンもあります。油断も隙もない。ジャングルだと述べたのはそういうことです。 これをマスコミがやれば「情報操作」ができます。「言わないのはウソではない」という論法で、権力者だけが知っている情報のうち都合のいいものだけ流す。独裁国家の常とう手段ですし、選挙戦でネットが使われるのは有名ですね。 「ウソに免疫力がつきます」と書きました。40年かけてガッツリついたのです。僕は性善説なので公然とウソを言う者は蛇蝎のように嫌いなのです。脳内で免疫が活動し始め、ウソを成敗したくなってしまう。本人に恨みはありません。 2014年、僕はあるニュースを見てSTAP細胞がウソだと気がつきました。かなり早い段階で。それは当ブログに時系列で残ってますが一日に何万回も読まれました。もちろん学者じゃないんで証拠はありません。直観と論理だけです。137億年の彼方でも働く論理はウソは言わないです。結果は周知のとおりです。 いま新型コロナで世界の政治は窮地に立ってます。権力でウィルスは殺せません。お願い、強制、ばらまき、緊急事態宣言、いろいろ出し物はありますし、日銀のETF買いの経済対策なる株価操作も涙ぐましいのだけれども、そんなことより政府にお願いしたいのは「情報開示」なのです。それに尽きます。 だいたいの政府は国民は馬鹿だと思ってます。なにせ孔子さまが「民は由らしむべし、知らしむべからず」と言ってるものだからもっと馬鹿な人でもそう思っていて、情報は小出しでいい、知らせると騒いでマスクが買い占められたりするではないかということになってる。民は安心させるのが大事というのです。 そうでしょうか?台湾は政府がマスクの総量を管理し、アプリでいまどこの店にあると、むしろ「100%情報開示」した方が騒ぎが起きない事を証明してます。政府は情報操作をしているかもしれないと民が疑っている土壌に小出しの断片情報を流すからパニックになると僕は思うのです。 さらにまずいのは、「知らしむべからず」=「ウソをついていい」になることです。「朝ごはんを食べない人が増えてます」の例を思い出してください。この情報を開示したふりすることで「マックの株はいいね」と信じこませるポジション・トーク(=ウソです)ができてしまう。巧妙に民を騙せてしまうのです。 民を安心させるために我々が要るんだ、開示するだけならほかに政府は何をやるんだ。知りません。でも民に知らしめないことが仕事ならば、国会議員はもうちょっとましな特措法つくれる人たち、まあ「選良」といいますかノーブレスオブリージュをわかる人といいますか、少なくとももう少し学力のある人だけにしてもらって、それならば人数は半分もいらないという結論でしょう。 ウソを見抜くのは商売だから、見過ごせない場合はブログにします。 https://sonarmc.com/wordpress/site01/2020/04/08/フェーク・ニュースの見抜き方/ ▲△▽▼
遅きに失する緊急事態宣言 2020 APR 7 by 東 賢太郎 ボクシングでいうなら選手が失神してからタオル投入みたいなイメージであります。もし選手がそのまま死んでしまっても「投入時期は時間をかけて慎重に検討したものであります」でおわりというシナリオなら怖い。私見ですが、我が国の検査数が少ないのは、どうせ死人は一定数は出る、医療崩壊しない範囲で対応して本音は「集団免疫にたよる」作戦で薬、ワクチン開発を待つ気なのかなと見えないでもないのです。 北朝鮮が「感染者ゼロだ」と言ってる。みんな笑ってますが、仮に、感染者を徹底的に洗い出して全員「粛清」してるという意味なら、ぞっとしますが、それは正しいのです。国内にウィルスはゼロです。それは極端な例ですが、その「マイルドなバージョン」として、感染者を動かないように閉じ込めて(当然そこから多くの死者が出ることの認容は口外せず覚悟のうえで)、国民60%の元気な者に自然に感染させて抗体を持たせ、社会的に免疫のバリアを作って弱い者も守るという集団免疫作戦を時間をかけて遂行しつつ薬、ワクチンを待つということは可能であります。 現にイギリスは当初それをやると決めましたが、自然な感染を放置したら死者が20万人出るという予想外の研究結果にジョンソン首相が驚いてやめました。しかし対応が遅くオーバーシュートがおきてしまったイタリア、イラン、スペインは、もうすでに多くの犠牲者が出ているのだから若者に集団免疫のバリアを作る作戦に移行する(している)かもしれない。すると高齢者はさらに亡くなる、それをやむなしとする、トリアージもある。人の生死に人の意思が関わる。とても恐ろしいことです。 ではアメリカはどうか?トランプ大統領は3月29日にCNNで「死者20万人以下なら非常にいい仕事(very good job)をしたことになる」と言いだしました。いよいよ来たなと思いました。どこまで深く考えた発言かは不明ですが、人口がイギリスの5倍あるアメリカで20万人より少なければ上等だろうということでしょうか。とするなら、選挙戦略上トランプは封じ込めはあきらめて本音は「集団免疫」戦略に切り替えた可能性があります。 粛清する(故意)か死を容認する(未必の故意)かの違いであって、トランプの意図は金正恩とそうかわらないかもしれないという恐ろしい話です。意図というより、それは不可避な真実なのだから、それに即してベストをつくせばいい仕事だという「確信犯」になるかもしれないということですが、彼が善意であろうとなかろうとトップが決めれば下はそう動くのです。医療現場の方々は命を守ろうと必死の努力をされる、そのことに僕は一片の疑問もありませんがトップの意図の変質や汚染は彼らには隠ぺいされて伝わりません。トランプがふたたび大統領になるための good jobで20万人の命が失われる、そんなことがgoodなわけないのですが、それが限られた選択肢では最善策かもしれないという恐ろしい所に人類は追い込まれている。COVID-19はエイリアンだと僕が指摘したのはそういうことです。 一方で、我が国はというと、一昨日、某病院で医療側の感染が出て、検査してみたらさらに陽性者が何人か発覚した。この事例ひとつ見ても、韓国なみに検査すれば日本の感染者は公表よりずっと多いでしょう。おそらくその発症していないキャリア集団が「感染経路不明の感染者」を増やすところまで増えてしまっていることを示すのがここ数日の東京都のデータではないでしょうか。それは初動の水際対策がザルだったばかりか、つい最近まで海外旅行者までユルユルだった厚労省の大失敗のツケがとうとう東京に来ているという結末です。それは感染研の検査しない戦略と共にいずれ大問題になるので隠すしかない、つまり、そのために日本もトランプと同じ事後的集団免疫戦略に転換した可能性がある、だからアメリカは国民に帰って来いと急に言い出したのではないでしょうか。 アベノマスクに300億円。我が家は5人家族だから1500円の税負担です。1枚750円の布マスクを買ったことになる。その金は医療従事者支援に使うべきじゃないでしょうか、どう考えても。30万円の支給もよくわからない。困った人の一時しのぎにはなるが1,2か月で消費して終わり。抜本的な解決ではない点、マスク2枚と本質は同じでしょう。しかも平等に給付はできないし、給付を受けようと役所に行列ができてクラスター感染でも発生したらどう言い訳するんでしょう? マスクはともかく30万円は確実に歓迎されます。でもどちらも救済策としての持続的な意味がないバラマキなのは共通。どうも政府が「全国民的イベント」を無理にでも作ってアピールしたがっているように見えます。「タオル投入」がなぜこんなに遅いのか国民は誰もわからない。都知事も医師会も早く出してくれ。でも出ない。それが国の権威だとでもいうように。医療崩壊リスクが高まるという専門家の知見を覆してまで「慎重に検討」したのがいったい何だったのか、国民は知る必要が出てくるでしょう。 やっと緊急事態宣言は出ました。しかし逆になぜここで出たのか。金曜に財界トップの間では4月5〜7日に出るとささやかれてましたから3日時点で準備に入ったようです。でもなぜそこだったのか?不明ですね。終了をGW明けにしてそのぴったり1か月前みたいな、いかにも役人が考えそうな、そんな浅はかなものだったらふざけんなとつい考えてしまう。なんといってもここ一連の安倍政権の行状の透明性欠如は非常な不信感を生んでいるのです。どうもこの政権は「全能感」でもあるのか「わたし失敗しないので」路線を行きたがってるように見える。まずいことは隠して、国民にそう見えるようにパフォーマンスしているように感じられてならないのです。経営者なら確実にとっくに首の人たちが、いつの間にか部下を首にする裁判官の席に座ってる。そういうのだけ磨き抜かれた高度なスキルを持っている感じですね。 ちなみに、トランプは「4月に終息」とコロナを甘く見て大失敗しました。ところが事態を認識すると「俺は専門家じゃない、国家のチアリーダーだ」とロベルト・コッホ賞金メダリストでウィルスの権威アンソニー・ファウチ博士をテレビに呼んできて例によって勇ましいことをまくしたて、博士が「そんなことをしたら大変なことになる」と諫めるという姿を国民に見せた。一方でジョンソン&ジョンソンやプロクター&ギャンブルなどの経営者も呼んできてワクチンや人工呼吸器を早く作れと、GMは何やってるんだと、こっちは自分が指揮してるぞという姿もテレビで国民に見せて支持率を上げています。 「世界最高の学者ファウチが『このウィルスはわからない』と言ってるんだ。神のみぞ知るというのが真実なのです。素人の俺がわかるわけないでしょ?でも必ず解決します。大統領としてあらゆる手を尽くしてアメリカのために全力で戦っているのをご覧あれ」と意思決定の現場をテレビで国民に見せ「透明性」をアピールして国民を安心させている。それで「まあ失敗はしても、あいつは会社2つ潰してドツボから這いあがったタフな奴だ。有事には強いだろう」という空気が出ており、黒人の支持率までオバマを超えてます。失敗はしても認めてしまう人間力があれば、「透明性」こそが切り札になるのが今の世の中です。 ところがこっちはどうだ。密室感満載ですね。それで満を持してポロンと出てきたのがマスク2枚だからズッコケ感満載だったのです。御簾の向こうで「専門家の意見をききます」じゃないんです。雁首揃えて時間をかけて慎重に検討したからウィルスを退治できるわけじゃないんです。そう見せること自体がいまどき全く逆効果であることすら知らない。ネット社会は情報コモディティ化社会で、科学情報で政府しか知らない情報は、それを知って貴殿方がどう反応するかだけです。そんな馬鹿な事があり得ないぐらい心ある国民はもう完全に見抜いてしまっています。このブログもおそらく多くの人が読むことになるでしょう。つまり、安倍さんは憲法改正したいなら(それには賛成だ、やってくれ)最後の勝負をかけてトランプぐらいの腹芸しないとだめだ。国民に人間力でリスクを取って直接語りかける。もうそこまで来てますね。エビデンス見るまで断定しない役人のペーパーなんか読んでたらもう完全にアウト。それで遅れたと国民に思われたら、はっきり言っておしまいである。 いま東京都民は不安がとても増幅しています。武漢ウィルスが欧州型に変異したという学者もいます。ニューヨークの動物園ではトラまで感染してる。ここで「全国民」目線で考えるのが「国の仕事」だといわれてもどうなんだろう?僕は人生初めての事態に遭遇して、ウィルスのことよりも今は「国って何なんだろう」という思いが沸き起こってきてます。平時はともかくこの有事に至っても感染者ゼロの県と東京都を同じ目線で見る意味があるんだろうか。僕は国民であり都民でもあるのですが、こういう時に命を救ってくれるのは東京都なんだろうと思う。都市部の国民はだんだんそう思うようになるから、自民党政権はパフォーマンスしようと焦るのかもしれませんね。 東京都民は小池都知事を直接選挙で選んでおり、安倍首相は山口県の人(第4区)が選んでいます。有権者数は東京都が約980万人、山口4区が約25万人です。どう考えても、子供だっておかしいと思うのですが、そうした矛盾をはらむのが議院内閣制です。内閣は国会に対して責任を負うのだと。しかしその国会議員が公選法違反で、つまり私利私欲のために議員になりたいというあかしで逮捕されるかもしれない、そんな連中が僕の命を救ってくれるの?という、これまた子供でも不思議に思うものなのです。我々都民が小池さんに頑張ってもらいたいというのは、制度論はともかく、自然にあたりまえでしょう。 結論ですが、以上のような物事に僕は本来ほとんど関心はございません。分類すれば非政治的人間のほうに属すると思っていますし、あんなリスクリターンのよくない大変な仕事をやってくれてる政治家のみなさんには頭がさがる思いがあるのです。しかしここまで非常事態となると見聞きしたものを深く考えてしまう性質でもあります。いち国民として、日本の安全と平和を願う気持ちはみなさんと変わりません。政治家がどうあれ、いくらお粗末な失敗を重ねてくれようと、前稿に書きました日本人の宗教ともいえる清潔さと従順さが働きさえすれば、我々は難局を乗り越えられると固く信じております。 東 賢太郎 4/9/2020 | 9:44 AM Permalink どうも西村が小池のスカートを踏んでいる風にみえる。財務省(経産省以外)は面従腹背に見える。 https://sonarmc.com/wordpress/site01/2020/04/07/遅きに失する緊急事態宣言/
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