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「最大概念の潜在GDP」と「平均概念の潜在GDP」
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1096.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 10 月 11 日 11:00:20: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 日中のGDPのいい加減さ 投稿者 中川隆 日時 2020 年 4 月 01 日 09:36:15)

「最大概念の潜在GDP」と「平均概念の潜在GDP」


2014年7月12日
【青木泰樹】2つの潜在GDP
https://38news.jp/archives/03897

●●マスコミが報じない不都合な真実とは
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv2.php

————————————————————–

幸せの定義は人それぞれだとしても、「過去の平均的な暮らしを送れることがあなたにとっての最高の幸せなのです。将来の幸せもそのトレンド上にあるのです」と言われたら、果たして納得できるでしょうか。
おそらく得心できる人は少ないでしょう。
同様に、「あなたの潜在能力とは、過去に発揮してきた平均的能力に他なりません」と断定されたら、「私の能力は、まだまだそんなものではない。本気を出せば、もっとできる」と反発するのではないでしょうか。

確かに、過去が現在および将来に対して甚大なる影響を及ぼすことは否めない事実です。
しかし、さすがに「現在(もしくは将来)が過去によって全て決められている」と考える人は現実社会では滅多にいないでしょう。滅多に。

ところが経済学の世界では、現実社会の常識はなかなか通用しません。
経済学者の多くは、また金融関係者の多くもそうかもしれませんが、「将来は過去の確率的再現である」と考えているのです。
将来は、過去の事象が確率的に表れるだけで、新奇なことは起きないと。

金融派生商品(デリバティブ)などもそうした概念を前提に造られています。
彼らの依拠するリスク概念とは正にそうしたもので、われわれが現実社会で直面する不確実性とは根本的に異なる考え方なのです。

さらに追い打ちをかけるように、「新しい古典派」と呼ばれる現代の主流派経済学における最大勢力は、「私たちが今まで辿ってきた道は、常にバラ色の道であった」と考えているのです。
すなわち、過去の経済過程は常に長期均衡(最適資源配分の達成状態)の軌道上にあったと主張しているわけです。
究極の過去肯定、現実肯定といえるでしょう。そして将来も含めて。

そこまで極端ではないにせよ、マネタリズムもまた過去の肯定派です。
過去は「平均的に見れば」バラ色であったと、多少穏健に主張しているのです。
すなわち過去は長期均衡から若干乖離しているが、それは攪乱要因(情報ラグと政府の裁量的行動)に起因するものだと考えているのです。
しかし、おしなべて考えれば(長期的に見れば)、バラ色だったと認識していることに変わりはありません。

現在、こうした主流派経済学の考え方が、特にマネタリズムの影響が強いと思われますが、経済統計の定義にも影響を及ぼすに至りました。

経済学界の中だけで、「過去はバラ色」派がどんなに荒唐無稽なことを主張しようとも、問題ではありません。
所詮、コップの中の嵐ですから、現実経済とは無関係です。
しかし、机上の空論が現実に溢れ出てくる段階になると、もはや現実経済も無傷ではいられません。

本日は、そうした悪影響について具体的に考えたいと思います。

結論から言えば、これまで実体経済を測る尺度として重用されてきた統計指標が、適切な尺度たり得なくなったということです。
現代の主流派経済学の経済観(およびその影響力)によって、重要な統計指標が、景気判断指標としての意味を失いつつあります。

体重を測るのにこれまで長年使ってきた体重計が狂いだしたようなものです。
目盛が正確な体重を表示できなくなりました。
それでも使い続けますか。止めた方がいい。

景気判断の指標として重視されてきたもののひとつに「デフレギャップ(需給ギャップもしくはGDPギャップ)」があります。
デフレギャップとは「現実GDP−潜在GDP」として定義されます。またその金額を潜在GDPで除した「率」として表示される場合もあります。
しかし、それは実体経済を測る尺度として役割を失いつつあるのです。

黒田日銀総裁は本年4月以降、再三にわたって、デフレギャップはほぼ解消されたとコメントしております。
また内閣府の推計値も、日銀ほどではないにしろ、かなり小さくなっております(2014年1〜3月期で「マイナス0.3%」、額にして2兆円程度)。
これらの数値を鵜呑みにすれば、日本経済は総需要不足を解消し、マクロ均衡をほぼ達成したように見えます。本当でしょうか。

否、裏があるのです。トリックがあるのです。
以前、こちらへ寄稿させていただいたように、潜在GDPの定義いかんによってデフレギャップの大きさは変わるのです。
その定義には、「最大概念の潜在GDP」と「平均概念の潜在GDP」の二つがあります。
現在は、日銀も内閣府も後者に基づいて推計しております。そこに問題があるのです。

参考 _http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11573899021.html

最大概念の潜在GDPは、現存の諸資源(労働および資本)を「完全利用」した場合の産出量です。
いわば最大能力を発揮した場合です。
他方、平均概念の潜在GDPは、「過去平均」の諸資源の投入量に応じた産出量です。

平均概念の潜在GDPを使えば、定義より明らかに、平均は現実に近づきます。
たとえ失業率が10%であろうと20%であろうと、その経済状態が継続すれば、それは最終的に平均となるのです。
すなわち、潜在GDP(=理想状態)に達することになります。
もちろん、デフレギャップも自動的に解消されます。

最近、潜在(GDP)成長率の低下を指摘する経済記事をよく見かけるようになりました。
一様に、成長の天井が下がったことがデフレギャップ縮小の原因だと指摘しています。
実際、内閣府の資料によれば潜在成長率は低下傾向にあり、近年では1%を切る水準と推計されています。
民間の研究所の推計もほぼ同様です。

しかし、これは至極当たり前のことなのです。
潜在GDPの定義からして、現実GDPの成長率が低下すれば、潜在成長率も後を追って下がるのです。
日本の場合、80年代の実質成長率は平均で4%程度、90年代から2013年までは平均1%弱ですから、それに応じて潜在成長率も下がってきたのです。

問題は、「潜在成長率が下がってきたから、もっと生産性を向上させねばならない」と主張する論者が多いことです。
全く本質がわかっていない。因果関係が逆なのです。
潜在GDPを決定する過去平均の労働投入量や資本の稼働率を決めてきたものは何でしょう。
それは、その時々の現実GDPの水準なのです。
それを生産するために投入されてきたのです。
言うまでもなく、現実GDPを決めるのは「総需要水準」です。

同じく全要素生産性(TFP)の低下を懸念することも的外れです。
TFPは現実GDPが決まり、諸資源の投入量が決まった後に事後的に算出されるものです(ソロー残差)。
総需要が拡大し実質成長率が上昇すれば、そして完全雇用が実現すれば、結果的に上がってくるのです。

現実は「セー法則」の支配する世界ではありません。
供給能力を増強したところで、増加分が売れる保証はないのです。
他方、総需要が拡大すれば、現実GDPが増加し、それが継続すれば潜在成長率も上昇するのです。
これが本当のところでしょう。

平均概念の潜在GDPが普及してきたのには理由があります。
それは、正にマネタリズム(一般的には新古典派)の経済観に合致するものだからです。
その流れにほとんどのエコノミストが乗ったのです。
こんなところにもケインズから新古典派への主流派経済学の交替劇が影響しているのです。

マネタリストをはじめ主流派経済学者は、失業状態を勤労者の「自主的な選択結果」と考えています。
それゆえ、失業は経済問題とはならないのです。
政府が自主的に失業状態を選択している人を救ってはならないからです。
そんなことをしたら、それこそ自由の侵害になってしまいます。
失業問題さえ無視できれば、過去平均のトレンドこそが理想状態(総需要=総供給)であるとの解釈が理解されるでしょう。
個人は常に幸せ(主体的均衡)な状態にあるからです。

しかし、失業問題を深刻な経済問題であると認識している人にとっては、すなわち非自発的失業の存在を認識している人にとっては、「平均概念に基づいて算出されたデフレギャップの数値」を字義通り認識してはならないのです。

PS
グローバル経済の優等生・韓国が陥った罠とは?
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv2.php


https://38news.jp/archives/03897  

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コメント
1. 2020年10月11日 11:01:27 : 8gCSXuGjH6 : VVFpZC9XN0RpaEk=[4] 報告
2017年7月8日
【青木泰樹】「潜在GDP」を「平均GDP」へ改称すべし
https://38news.jp/economy/10751


From 青木泰樹@京都大学レジリエンス実践ユニット・特任教授

辞書を引くと、潜在の意味は「内部に潜んで表に現れないこと」と記されています。
他方、平均は「差をなくすこと。対象となる数(量)を均した値」とあります。
一般常識として、潜在と平均は同義ではありません。
自分の「潜在的な能力」を「平均的に発揮する能力」と考える人は、滅多にいないと思われます。

ところが内閣府や日銀の発表する潜在GDPの定義は、この一般常識から外れています。
「潜在GDP」とは「過去平均の実質GDP」とされているからです。
この定義は「経済は平均的に均衡軌道上を進行する」という主流派経済学の経済観に基づくものですが、人びとに誤解をもたらす根源です。
実際、この定義がGDPギャップの推計に使われ、経済政策の策定に由々しき影響を及ぼしています。

政治家、経済人およびマスコミ人の中で、「潜在とは平均を意味する」という役所の用語法に気づいている人は殆どいないと思われます。
まさか潜在GDPが平均GDPを意味し、潜在成長率が平均成長率であるとは思いもよらないのではないでしょうか。
大多数の人たちは「潜在」を一般的な意味で考えるため、「潜在GDPは現実GDPの越えられない壁(限界)である」、あるいは「潜在成長率は経済成長の天井である」と誤って認識してしまうのです。

「総供給がGDPを決める」とする供給側の経済学ではなく、「総需要がGDPを決める」とする需要側の経済学に立脚して内閣府や日銀の潜在GDPの定義を解釈するならば、ことの本質は明らかとなります。
潜在が現実の平均である以上、潜在GDPは今後総需要が拡大していけば、それに応じて拡大していくものなのです。
もちろん、潜在GDPの増加率である潜在成長率も上昇していきます。
逆に緊縮財政によって総需要を減少させ続ければ、潜在GDPもトレンドとして低下していくことになります。
それにさえ気づけば、全ては現実の総需要の動向にかかっていることが容易に理解されると思います(下記コラム参照)。
https://38news.jp/archives/03897
https://38news.jp/economy/10190

潜在GDPは現実GDPの壁ではなく、潜在成長率もまた成長の天井ではありません。
私は過去何度かこの問題を取り上げましたが、今回は一歩進んで、私たちが特殊な役所の用語法に合わせるのではなく、内閣府や日銀が一般の用語法に合わせるべきだと主張したいのです。
すなわち「潜在という用語を止め、平均に改称すべし」と。
本日は、潜在GDPに関わるGDPギャップおよび需給ギャップについてお話しします。

6月中旬、内閣府は潜在GDPの推計方法について改定をおこないました。
その結果、2016年10−12月期のGDPギャップがこれまでの推計値「マイナス0.4%」から「プラス0.1%」へ、そして2017年1−3月期のそれも「プラス0.1%」となり、2期連続でプラスとなったと発表しました。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/shihyo/2017/0614/1169.html

GDPギャップは「現実GDP(Yt)−潜在GDP(Yp)」として定義されます(GDPはいずれも実質)。
それを比率(%)で表示するときは「(Yt−Yp)÷Yp」で計算します。
GDPギャップがマイナスからプラスへ転じたことから、今回の内閣府の改定はこれまでより潜在GDPを低めに推計したことが伺えます。
具体的には製造業の資本稼働率を低めに推計したこと、すなわち古くなった生産設備は新しい生産設備ほど価値を生まないことを考慮して推計し直したということです。

実は内閣府の改定に先行して、本年4月に日銀も同様の推計方法の改定をおこないました。
同じく製造業の資本稼働率をこれまでよりも低めに推計した結果、日銀発表の需給ギャップは2016年7−9月期「プラス0.07%」、10−12月期「プラス0.57%」、2017年1−3月期「プラス0.79%」に改定されました。
http://www.boj.or.jp/research/research_data/gap/index.htm/
日銀および内閣府の推計値がそろってプラスに転じることになったのです。
すなわち、双方とも現状は「現実GDP>潜在GDP」であると言っているのです。
それでは本当に、総需要不足は解消されたのでしょうか。

その問題を考える前に、内閣府の発表する「GDPギャップ」と、日銀が発表する「需給ギャップ」の違いについて簡単に触れておきます。
内閣府にせよ日銀にせよ、現実GDPは総需要で決定され、潜在GDPは過去平均の供給力で決定されると認識している点に変わりはありません。
すなわち、双方とも「(現在)買われた量」と「(過去平均の)造られた量」の差額をギャップと呼んでいるのです。

双方の違いは、異なった推計方法を用いる点にあります。
内閣府のGDPギャップの推計方法は、先ず潜在GDPを算出し、次にGDP統計によって得られる現実GDPからそれを差し引く形で計算します。
他方、日銀は需給ギャップの推計に際してGDP統計を使いません(それゆえGDPギャップという用語を使わないのだと思います)。
生産要素の投入段階で、要素投入量の需給動向から推計してしまうからです。
すなわち日銀は、「需給ギャップ=資本投入ギャップ+労働投入ギャップ」として計算します。
ここで投入ギャップとは、「現在投入量−(過去)平均投入量」です。

一番の違いは、内閣府のように潜在GDPを推計する場合、事前に観測できない全要素生産性(TFP)を含めた供給力を計算しなければならないことです(ここでTFPを技術進歩率と考えてください)。
すると内閣府の場合、「GDPギャップ=資本投入ギャップ+労働投入ギャップ+技術進歩率(TFP)」となります。

日銀の方法は、生産構造を一定と想定しているのと同じすから、TFPの影響を考慮せずに需給ギャップを推計することになります。
生産構造(技術)が変わらないとすれば、技術進歩の余地はありませんから。

一般に、TFPにプラスの貢献分がある場合には、その分だけ潜在GDPは大きめに推計されますから、「需給ギャップ>GDPギャップ」となります(デフレギャップ下でも同様です。その場合、負の符号の大小関係に注意。例えば、「−3>−5」)。
日銀の需給ギャップの推計値が、内閣府のGDPギャップの推計値より高めに出るのはそのためです。

さて、本題に戻りましょう。
GDPギャップおよび需給ギャップが共にプラス化した状態の捉え方です。
こうした統計データから、「総需要不足が解消したのだから、これ以上の総需要拡大は不必要だ。公共投資の増額などもっての外だ」と短絡的に考えてはなりません。
もしも潜在GDPが経済の理想状態を表す指標であるならば、そうした解釈も成り立つかもしれませんが、再三再四、強調しているように平均概念の潜在GDPにそうした意味は全くありません。

GDPギャップおよび需給ギャップは、「現実と理想のギャップ(乖離幅)」を意味するのではなく、「現在と過去平均のギャップ」を意味するにすぎません。
「現状が過去平均と比べて良いのか、悪いのか」を見る統計的な基準のひとつがGDP(需給)ギャップであり、それ以上でもそれ以下でもありません。
理想との比較ではなく、あくまでも過去平均との比較であることを認識しなくてはなりません。

しかし、このことを理解している人はごく少数です。
多くの人たちが誤解してしまうのは、冒頭申し上げた通り、主流派経済学の経済観に基づく役所の用語法に問題があるためです。
一般国民の経済認識を高めるためには、特に政治家のそれを高めるためには、その点を改めなければなりません。
それゆえ「潜在GDP」を「平均GDP」へ、「潜在成長率」を「平均成長率」へ改称することが必要であると訴えたいのです。

さて、これまで「GDPギャップがなくなったからと言って、経済が理想状態に達したわけではない」とお話ししてきました。
それでは現状で目標とすべき経済状態とは如何なるものでしょうか。
さまざまな観点があるでしょうが、少なくとも「脱デフレ経済」は共有可能な目標だと思います。
デフレから完全脱却できた状態こそ、最低限目指すべき方向です。
現在、デフレ脱却の指標として重視されているのは四つの指標です。
消費者物価指数、単位労働コスト、GDPデフレーター、そして本日取り上げたGDPギャップです。

このうちコアCPIは、2016年平均で前年比▲0.3%、今年4月のそれは前年同月比で0.4%程度です。
単位労働コスト(雇用者報酬÷実質GDP)は、賃金上昇の指標のひとつですが、2016年第一四半期より減少に転じています。
GDPデフレーター(内需デフレーター+外需デフレーター)は、昨年度前年比で▲0.2%、本年度第一四半期で前期比▲0.5%と低下傾向が続いています。

いずれの指標を見ても、デフレから完全脱却を図るには厳しい数値が並んでいます。
今回取り上げたGDPギャップも、推計方法を変えてやっと0.1%です。
理想の経済状態を達成するためには、まだまだ総需要不足が続いていると考えられる所以です。

https://38news.jp/economy/10751

2. 2021年9月13日 13:00:15 : Ki5Z4UevXk : cVBCRzdGUnB6MS4=[24] 報告

2021年9月13日
【三橋貴明】日本の潜在成長率を高める第一歩
https://38news.jp/economy/19350

【今週のNewsピックアップ】
今こそPB黒字化目標という毒針を引き抜け!
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12696543489.html

財政拡大と潜在成長率
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12696717277.html

マニアックな経済指標等の解説は、
「週刊三橋貴明
〜新世紀のビッグブラザーへ〜」
の方で解説しています。
https://www.mag2.com/m/P0007991

例えば、
「潜在GDP」や「潜在成長率」の
定義や式といった細かい話は、
ブログや三橋TVには
合わないと思っているのです。

それにしても、
日本の「潜在成長率」に
対する誤解はひどすぎる。

日本の「潜在成長率」は、
「日本経済の潜在的な生産能力の拡大ペース」
ではありません。

正しくは、
「日本経済の過去平均の成長率」
になります。

何しろ、内閣府もそう説明してます。
ちなみに、
国際通貨研究所も
潜在成長率について
正しい解説を掲載している。

 『潜在成長率:GDP(国内総生産)には
 名目GDPや実質GDPといった
 実際のGDPと、
 潜在的なGDPの2つがあり、
 そのうち潜在的なGDPの前年比伸び率を
 「潜在成長率」と呼びます。
 
 潜在的なGDPとは、
 一国がモノやサービスを
 生産するために必要な各生産要素を、
 それぞれ過去の平均的な水準で供給した
 場合に実現できると推計されるGDPです。
 https://www.iima.or.jp/abc/sa/10.html

「一国がモノやサービスを
生産するために必要な各生産要素を、
それぞれ過去の平均的な
水準で供給した場合」とは、
要するに過去のGDPの平均になります。

何しろ、
GDPが生産されたということは、
そのために必要な
各生産要素が供給されています。

供給された生産要素の
「過去平均」でございますから、
過去のGDPの平均とイコールになるのです。

上記が事実であるにもかかわらず、
マスコミでは潜在成長率の低迷について
「日本経済の潜在力が伸びない」という
印象の記事が書かれ、

「ならば、競争の激化を
もたらす規制緩和だ! 民営化だ!」
というレトリックで、
構造改革が推進されました。

とはいえ、
現実には「平均成長率」に過ぎませんので、
日本のGDPが拡大すれば、
勝手に潜在成長率も上昇します。
(何しろ、過去平均)

なぜ、
このような事態になっているのかと言えば、
日本が潜在GDPについて最大概念ではなく、
平均概念を採用しているためです。

そもそも、
日本経済の潜在的生産能力を
意味する潜在GDPが「過去平均」なのです。

というわけで、経済成長が実現すると、
潜在GDPは大きくなり、
潜在成長率も上昇します。

国民に誤解を与えないためにも、
潜在GDPとして最大概念を採用するか、
もしくは「潜在GDP」「潜在成長率」を
「平均GDP」「平均成長率」という
言葉に改めるべきです。

内閣府の細かい
潜在GDPの計算手法については、
メルマガの最新版で解説していますので、
是非ともご登録下さいませ。
https://www.mag2.com/m/P0007991

さて、
現在の日本の定義では、
潜在成長率は
「過去の平均成長率」に過ぎないため、

「政府が大規模財政拡大を
実施し、GDPを拡大する」
と、確実に上昇します。

日本の潜在成長率
(というか平均成長率)を
高めたいならば、
政府の財政支出でデフレ脱却をすればいい。

ただ、それだけの話なのです。
潜在成長率とは、「そういう統計」なのですよ。

ちなみに、GDPが2015年基準に改訂され、
「過去」のGDPが上方修正されると、
潜在成長率は「何もしていない」にも
かかわらず上昇しました。

逆に言えば、PB黒字化目標を維持し、
デフレ脱却が果たせない場合、
GDPが伸びず、日本の
潜在成長率は成長しないという話です。

日本の潜在成長率を引き上げたいならば、
PB黒字化目標の破棄が
「第一歩」なのでございます。

◆「日本をダメにした財務省と経団連の
欺瞞(小学館)」が刊行になりました。
https://amzn.to/38q1LPW

◆「自民党の消滅(ベストセラーズ)」
(書籍版)が刊行になりました。
https://amzn.to/3dEIFqS

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第432回 構造改革を「改革」せよ!

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol643
内閣府の潜在GDP計算手法
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
日本の潜在成長率は、
実は「過去のGDP成長率の平均」になります。
内閣府も、そう説明しているのですが、
「日本経済の実力の成長率」と
誤解している人が実に多い。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

アフガニスタンの事例から考える
アメリカによる民主化成功例は「無い」
[三橋TV第439回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/_6YdOpDLB6E

貨幣観は間違っているが、
国家観は正しい政治家
[三橋TV第440回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/MaAvQ6Ltl3U

成長を知らない子供たちへ 
また「キラキラした日本」に戻せるよ
[三橋TV第441回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/DkGImeLrzo0

特別コンテンツ配信中。

土曜の夜には 第五曲
ドビュッシー「アラベスク一番」
https://youtu.be/yqYxYyXgbk4

高市早苗、河野太郎、岸田文雄…
総裁選前に全国民が
必ず知るべきたった1つのこと
【9/14(火)までの限定公開】
https://youtu.be/qqh2KxPLdkA

9月6日 チャンネル桜
「Front Japan 桜」に出演しました。

【Front Japan 桜】
ついに『財政出動への競争』が始まった(他)
https://youtu.be/susBxsjqHYY

【ch桜・別館】
社交ダンスとフェミニスト[桜R3/9/6] https://youtu.be/MA-gs1j6OlY

◆三橋経済塾

9月18日 三橋経済塾第十期第九回
対面講義のお申込受付を開始致しました。
https://members10.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1588
ゲスト講師は森井じゅん先生です。

三橋経済塾第十期の入塾お申込は以下から。
https://members10.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

◆チャンネルAJER 
「構造改革路線を改革せよ」
(前半)三橋貴明 AJER2020.9.7
https://youtu.be/OzMXNnXFF1E

https://38news.jp/economy/19350

3. 中川隆[-13885] koaQ7Jey 2022年2月05日 11:58:39 : VhU1IF7sQc : ZkVjWFNabmlYR1E=[37] 報告
東アジア3か国は地価を上げることで資産価値を上げ、GDPをかさ上げする手法でGDPを積み増してきました
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1476.html
中国の GDP の嘘を暴く
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/340.html

GDP300%超えの債務問題が人民元レートを崩壊させる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/218.html

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/697.html

1人当たりGDPは日本、フランス、イギリス、ドイツはほぼ同じ
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1144.html

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い _ 貨幣価値が下がったから GDP も株価も名目値が上がっているだけ
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/391.html

GDPが増えると物価が上がるので、労働者は毎年貧しくなる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1089.html

米GDP大幅落ち込み、大恐慌から世界を救うのは「浪費と無駄遣い」
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/251.html

米公的債務が激増し2050年にGDP比400%になる可能性
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/321.html

GDPを増やすには不動産を高騰させればよい
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/996.html

日中のGDPのいい加減さ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/714.html

アメリカGDPのまやかし 富裕層以外はマイナス成長だった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/877.html

ロシアより GDP が大きい、日本より平均賃金が高い韓国経済の秘密
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1572.html

一人当たりGDPで韓国が日本を抜いた?言いたい人が都合のいいデータを使っているだけ?
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1700.html

経済成長率、GDPデフレーター、潜在成長率とGDPギャップ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1099.html

三面等価の原則
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/935.html

「最大概念の潜在GDP」と「平均概念の潜在GDP」
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1096.html

日本の借金は欧米の計算ではGDP比90%
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/904.html

日本の財政赤字は先進国最小
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1117.html

GDP戦後最大の落ち込み 日経平均の金換算グラフ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1001.html

GDPの半分以上は企業所得、さらに個人所得の半分は富裕層
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/954.html

GDPとは国民の給料ではないので、国民が貧乏で金持ちが資産を独占しても数字の上では「豊かな国」に見える
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1570.html

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