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<危ない中国製 テレビでも>米国土安全保障省、中国家電メーカーTCLを調査 「テレビにバックドア」
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中国広東省恵州市にあるTCL移動通信有限公司の本社ビル=2009年7月28日(LAURENT FIEVET/AFP/Getty Images)
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米国土安全保障省(DHS)のチャド・ウルフ(Chad Wolf)長官代行は12月21日の演説で、テレビ製品にバックドア(裏口)が設置されているとして、米当局が中国家電大手のTCL電子ホールディングスなどの動向を注視していると述べた。
ウルフ氏は、TCL製テレビは、バックドアが設置されているため、ユーザーはネットワークへの侵入やデータ流出の危険にさらされている。中国と提携する企業が提供するデータサービスや機器を使用しないよう警告。国土安全保障省は関連企業の活動を見直しており、近日中に勧告書を発行するとした。
同氏によると、米国にとって中国共産党の脅威が高まっており、米当局は中国共産党に対する更なる制限的措置を検討している。 これらの措置には、中国共産党員に対するビザ規制の強化や、強制労働によって製造された商品の輸入禁止などが含まれている。
TCL集団は21日夜、声明を発表し、この脆弱性の影響を受ける対象製品はごく一部にとどまっているとし、「当社が米当局の審査を受けていることは報じられているが、TCL集団は現在、米政府の通知を受けていない」と述べた。
TCL集団の株価は22日、一時17.8%下落し、約15%安で終了。TCLの李東生会長は、同社の安定した発展を図り、投資家の信頼感を高めるため、当社株式最大500万株(約2600万香港ドル)の出資比率を引き上げる意向だと、ロイターが23日に報じた。
独立系研究者、TCLテレビの脆弱性を検出
11月16日付テック系メディア「トムズガイド(Tom’s Guide)」によると、独立したセキュリティ研究者「シックコーズ(Sick Codes)」とセキュリティエンジニアのジョン・ジャクソン(John Jackson)氏は、Shutterstockアプリに対して3カ月間の共同研究を行い、Androidを搭載したTCLスマートテレビに巨大なセキュリティ脆弱性を発見し、世界中のユーザーの情報を盗むために意図的に設計された可能性があることを明らかにした。
それによると、研究チームは10月16日から、メールやツイッター、電話などでTCL社に連絡し、脆弱性の存在を知らせていたが、TCLから情報を受け取ったと返事があったのは10月26日のことだった。
研究チームは10月29日、TCLがテレビの脆弱性を予告せず、そしてユーザーの同意なしに修正したことをテストで明らかにした。シックコーズの研究者は「彼らがテレビに忍び込んで裏口を閉めた。これは一部の機種のセキュリティ脆弱性と同様に心配だ。彼らが望むならば、テレビやカメラ、マイクの電源を入れたり切ったりできる」と指摘した。
トムズガイドがTCLにコメントを求めたところ、同社は「プライバシーとセキュリティを非常に重視しており、独立した研究者がテクノロジー・エコシステムの中で果たす重要な役割を高く評価している」と回答した。
中国政府と緊密な関係に
ウルフ長官代行は演説の中で、TCLが中国政府と密接な関係にあることも指摘した。「TCLは、世界のエレクトロニクス市場で競争力を高めるために、中国共産党の国家支援も受けている」とした。
中国国営メディアによると、TCL集団は2014年上半期に5億6000万元(約88億6000万円)の中国政府の補助金を受け取った。その額は、上半期の収益の24.33%に相当。補助金は主に同社の技術開発や液晶テレビの製造に投入されたという。
TCL集団の李東生会長は昨年3月5日、北京で第13回全国人民代表大会(全人代)第2回会議に参加した際、報道陣に対し、地方政府からの資金提供を含め、今後3年間で800億元(約1兆2700億円)を半導体や人工知能の開発に投資すると発表した。
中国政府は近年、国家戦略として軍民融合を推進している。TCLの李会長は2004年、中国の軍事産業の発展に貢献するため、国有企業の西南計算機有限責任公司(国有工場789号)と「軍民協力」の意向書に署名した。
TCLは1981年に設立し、中国の広東省恵州市に本社を置く総合家電メーカー。扱っている製品は、テレビ、スマートフォン、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど幅広い。世界160以上の国と地域で事業を展開している。2019年のテレビ出荷数は3200万台で、サムスンに次ぐ世界シェア2位に位置している。
日本では2015年にTCLジャパンエレクトロニクスを設立し、2017年にはテレビ販売を開始した。
(翻訳編集・王君宜)
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