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ベラルーシは次のシリアになるのだろうか?
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2020年8月28日 マスコミに載らない海外記事
2020年8月24日
The Saker
オーケー、私は認めよう。この題は、どちらかと言えば大げさだ:-)ただここで私が言いたいのはこういうことだ。ベラルーシ危機に、ロシアが介入しつつある兆しがある(とうとう!)
何よりもまず、ルカシェンコの政策の実に急進的な変更を我々は見ているのだ。もし彼の最初の直感が強暴な暴徒と穏やかなデモ参加者両方の残忍な制圧を放つことだったとすれば、彼は方針を180度転換し、その結果は実に驚くべきものだ。日曜日、大きな反ルカシェンコ・デモがあったが、それでも、ただの一人も拘留されなかった。一人もだ。更に驚くべきものは、これだ。(ルカシェンコを打倒するために帝国によって使われている主媒体である)ポーランドが運営するNextaテレグラム・チャンネは、当初、平和的抗議行動を呼びかけていたが、最終的に、大統領官邸を乗っ取ろうと呼びかけたのだ。暴徒(この時点で、これは、国家打倒を狙う、違法の、暴力的な取り組みなのだから、この連中はデモ参加者とは呼ばない)が官邸にたどり着くと、完全武装機動隊の本物の「壁」に直面した。この(実に恐ろしい)光景は、しばらくの立っていて、去るしからなかった暴徒を止めるのに十分だった。
ルカシェンコと息子
第二に、ルカシェンコは、むしろ奇妙ながら、しかしベラルーシの文脈では極めて理にかなったことした。彼は戦闘服を着て、AKSU-74急襲用ライフルを握り、彼の(15歳の!)息子にも(ヘルメットを含め)戦闘服を着せ、ヘリコプターでミンスク上空を飛び、大統領官邸に着地したのだ。彼らはそれから、機動隊員に向かって歩き、ルカシェンコが暖かく彼らに感謝し、機動隊員たちが起立して拍手喝采する結果になった。この行動は我々の大部分にとって、完全に愚かではないにせよ、異様に見えるかもしれない。だが主に情報領域で戦われているベラルーシ危機という状況では、それは完全に理に適っている。
・先週ルカシェンコは、自分が生きている限り、他のどのような選挙、ましてクーデターなどさせないと述べた。
・今回ルカシェンコは、象徴的に、自分が責任者で、必要とあらば息子とともに戦って死ぬと示そうと決めたのだ。
ここでメッセージは明確だ。「私はヤヌコーヴィッチではない、必要とあらば、アジェンデが死んだのと全く同様に死ぬつもりだ」。
言うまでもなく、アングロ・シオニストのプロパガンダ機関は、即座に、ルカシェンコがカラシニコフを持っているのは、彼が正気ではない明らかな兆候だと宣言した。欧米の状況で、もしこれが、例えば、ルクセンブルグがベルギーだったら、狂気という非難は正しいだろう。だがベラルーシの文脈では、こうした非難には極めてわずかしか牽引力がなく、ご希望とあれば、文化の違いのせいにしていただきたい。
このメッセージがどれぐらい強力かを理解するためには、帝国が、心理作戦で、ベラルーシ国民に伝えようとしていた二つの重要なうわさを念頭におく必要がある。
・支配層(特にいわゆる「シロビキ」、内務省やKGB)などで、言い換えれば「武力を持った省庁」の間にも、内部にも、深刻な相違がある。
・ルカシェンコは、既にベラルーシから逃亡した、あるいは逃亡しようとしている(ヘリコプターがミンスク上空を飛行するたびに、欧米心理作戦は、それは「国から逃亡する」ルカシェンコの映像だと言う)。
プーチンとルカシェンコの間に起きたことは、プーチンとアサドの間に起きたことに非常に似ているのではないかと私は疑っている。初めに、どうやら、アサドとルカシェンコの二人とも、純粋な暴力が問題を解決すると思っていたようなのだ。この非常に間違った信念は、正当な権利を持った当局が、ほとんど打倒されそうな状況(そして、これはベラルーシでも、まだあり得る)をもたらした。それぞれの場合に、ロシアは「我々はあなたを支援するが、あなたはあなたの方法を根本的に変えなければならない」というようなことを明らかに言ったのだ。アサドは言うことを聞いた。同じく、どうやらルカシェンコもそうした、少なくとも、ある程度は(この過程は始まったばかりだ)。
反政府派こそ困難な状況にあるというのが真実だ。ベラルーシ国民の圧倒的多数は、明らかに激しいクーデター、それに続く血まみれの内戦、国全体の産業空洞化や、帝国への完全服従を望んでおらず、つまり彼らは「ウクライナ路線」を滑り落ちるのを望んでいない。政府が今「お前たちが権力を掌握するのを許す前に、我々は死ぬ」という明確なメッセージを送っている際、一体どうやって政府を*合法的に*打倒するのだろう?
それからツィハノフスカヤにも、大きな問題がある。彼女が10%の得票で、ルカシェンコが80%の得票だったとは、ほとんどの人が信じていないが、彼女が彼を打ちすえたとは、誰も心から信じていない。だから、欧米が、ルカシェンコは「次のマドゥロ」だと表現しようと望んでも「ツィハノフスカヤは次のグアイドである」と人々を説得するのは、ほとんど不可能だ。
すると、これからどうなるのだろうか?
そう、ルカシェンコは、マケイ外務大臣やバレリー・バクルチクKGB長官を解任していない。本音を言えば、マケイは、本当に問題ではなく、ミンスクで主なロシア嫌いはルカシェンコ自身だと言う一部のロシア専門家と私は意見が一致する部分がある(一例をあげれば、ロシアがベラルーシが領空を支配するのを助けるために送った四機のロシアのスホイを排除したのは彼だった)
ルカシェンコが圧制で全省を支配しているのに、マケイが全くの悪で、黒で、ルカシェンコは白で、無辜の被害者だと言うのは、さほど信用できない。だが、たとえマケイとバクルチクが、ルカシェンコの命令実行していただけにせよ、今ロシアに対する悔恨と賠償の印として、彼らの失敗を認める必要がある。それでも、ロシアは、おそらくクレムリンは、これらの裏切り者と一緒には働ないと、ルカシェンコに言うだろう。
そして、この最新カラー革命の取り組みの背後にいる欧米勢力に反対して、あらゆる正論を言い、非常に強硬強な路線をとっているように思える、ベラルーシのヴィクトル・フレニン国防大臣の公式発言がある。うまい表現かどうか分からないが、ベラルーシ外交官は、ロシアとの実質的協力より、微笑を好んでいることはロシアでは良く知られている。ベラルーシ軍の場合は非常に異なっており、ロシアとベラルーシの軍は共同訓練しているのみならず、諜報情報を継続的に共有しているとされる。そのうえ、ロシアの早期警戒システムから切断され、ロシア諜報の支援が無くなれば、ロシアなしのベラルーシ軍は完全に孤立し、技術支援や部品を入手できないことになる。
あらゆる本物の愛国者が追放され、驚くほど堕落し、ほとんど何十年も前に戦闘即応性を失っていたウクライナ軍と、ベラルーシ軍は劇的に違っている。対照的に、比較的小さいベラルーシ軍は、誰に聞いても、非常によく訓練され、設備が良く整っており、非常に有能な士官に指揮されている。軍隊は、ルカシェンコに忠実で、彼らは、おそらくロシアとの完全再統一を歓迎するだろうと言って間違いないだろうと私は思う。
ルカシェンコ自身は、初めて、公然と親ロシア政党の登録を許した(過去、親ロシア派の運動や組織や関係者が組織的に迫害され、封鎖されていた)。彼は公共テレビで、デモ参加者に、どのように対応すべきか「友人のプーチン」が彼に助言したと宣言した。
すると、ベラルーシは次のシリアになるのだろうか?
まあ、もちろんそうではない、二つの国はあまりにも極端に異なっている。だが別の意味で、シリアで起きたことは、ベラルーシでも起きるかもしれない。ロシアは全面的支援をするだろうが、あらゆるレベルでの大規模改革と引き換えにだ。今、ルカシェンコは、欧米は、ロシアの全てを破壊する最初の段階として、ベラルーシを破滅させたがっているだけだと宣言しているが、私は、三つのことの一つが起きない限り、軍事衝突の可能性はないと考えている。
1.どちらかの側の狂人が発砲し、軍事事件を引き起こし(それだけで十分ではないかも知れない)
2.ポーランドが本当に自暴自棄になり驚くほどばかなこと(ポーランドの歴史がこれがまさに本当の可能性であることを明示している)をする
3.ルカシェンコが殺され、混乱が起きる(これも、ほとんどあり得ない)
ロシアがシリアに介入した際、シリア軍は散乱状態で、基本的に負けていたのを我々は想起しなくてはならない。これは(「やる気満々」の)素晴らしい軍を持っているベラルーシには全くあてはまらず、特に、KGBと内務省軍に支持されれば、彼らは自国を安全に保つことができるのだ。
それでも、短期的には、ルカシェンコは解決の一部かもしれないが、長期的には、彼は退陣し、ベラルーシ人々とクレムリンが本当に信頼できる指導者に取って代わられなくてはならず、その指導者の主な仕事は、ベラルーシを再びロシアに完全統合することだろう。これもまた、シリアとの大きな違いだ。
The Saker
記事原文のurl:https://thesaker.is/might-belarus-become-the-next-syria/
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