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「重大危機に 大爆発のレバノン」(ここに注目!)/出川展恒・nhk 解説委員
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/434099.html
2020年08月11日 (火)
出川 展恒 解説委員
中東のレバノンの首都ベイルートで、4日に起きた大規模な爆発では、これまでに158人が死亡し、6000人以上がけがをしました。これを受けて、ディアブ首相が、10日、責任をとって内閣の総辞職を発表しました。出川解説委員です。
Q1:
今回の爆発、甚大な被害が出ましたが、原因はどこまでわかったのですか。
A1:
現時点では、テロや攻撃ではなく、事故の可能性が高いと見られています。2013年、レバノン当局が外国の貨物船から押収し、港の倉庫に保管していた大量の硝酸アンモニウムが、何らかの原因で爆発したと見られます。近くで溶接作業が行われていたという情報もあり、人為的なミスがあったのか、徹底的な原因究明が必要です。
港や税関の責任者は、大量の爆発物が市街地の近くに置かれていたことについて、危険性を何度も指摘していたと言うことです。それにもかかわらず、6年以上も適切な安全対策を講じてこなかった、レバノン政府の責任は免れません。
Q2:
そして、ついに、日本時間のきょう未明、ディアブ首相が内閣総辞職を発表しましたね。
A2:
はい。政府の責任を追及する民衆のデモが連日続き、死傷者も出ていただけに、内閣総辞職は、時間の問題と見られていました。しかし、政権交代によって問題が解決に向かうわけではありません。この国の存亡にも関わるほど、重大な危機を迎えているのです。
Q3:
事態はそこまで深刻なのですね。
A3:
はい。そもそも、レバノン政府は、内戦などの影響で、深刻な財政難を抱えていました。去年10月、新たな課税案に反対する民衆の抗議デモが広がり、当時の首相が辞任に追い込まれました。
その後、新型コロナウイルスの影響で経済はさらに悪化し、今年3月、事実上のデフォルト(債務不履行)に陥りました。通貨は暴落、食料品の価格が高騰し、抗議デモが激化していた矢先の今回の爆発でした。
およそ30万人が家を失い、食料不足が心配され、経済再建の手段も見当たりません。9日には、フランスの主導で世界30以上の国や国際機関が、オンラインで会合を開き、医療や食料など、総額315億円あまりの緊急支援を行うことを約束しました。
周辺国の紛争に絶えず巻き込まれてきたレバノン。この国の混迷が深まれば、中東全体がいっそう不安定化するだけに、国際社会の支援が急がれます。
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