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武田教授が暴露。日本で分別やリサイクルの大嘘がまかり通る理由
https://www.mag2.com/p/news/456219
2020.06.29 武田邦彦『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』 まぐまぐニュース
7月1日から始まるレジ袋の有料化について、前回、「レジ袋」追放運動という名の金儲けトリックで、環境問題を装った金儲けの手口だと暴露した中部大学教授の武田邦彦さん。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』では、こういったゴミの問題やリサイクルの問題の大嘘が、専門家を集めた国の委員会を通過してしまうカラクリを説明。自分のことしか考えない学者や官僚たちの実態を明かしています。
委員会には無関係な「日本環境の悪化」と「資源の無駄遣い」
「武田先生、そんなに頑張って分別に反対しなくても良いんですよ。どうせ、女性と老人は暇なんだから」とある東大教授が国の委員会で私にそっと耳打ちしたことを思い出します。
それはもっともな話で、すでにテレビや新聞が「資源がなくなる、廃棄物貯蔵所が満杯になる」と繰り返し放送し、政府もそれに応じてかなりのお金(税金)を準備している。あとは大学の先生方で構成される国の委員会で「分別が望ましい。リサイクルすれば資源が節約できる」というお墨付きをもらえばよいだけになっていました。
そしてその委員会に出席しているメンバーにしてみれば、国民は分別に従っているのですし、お金はすでに準備されている。もし武田が反対しなければ委員会の報告を書くことができ、そこに出席している先生方は数千万円の研究費をゲットでき、関係のある官僚は天下り先を確保できるのだから、なにも問題はないのです。
ただ、損害と言えば、日本の環境が悪化することと、資源を余計に使うことですが、そんなことはその委員会に出席している先生方や官僚には何の関係もないのです。
その委員会はほとんどが東大出の人でしたが、確かに、小学校から大学卒業まで「自分のために頑張れ」とは言われ続けてきた反面、「人のために考えろ」などということを習ったことはない人たちばかりです。その中で私が「みんな朝は忙しいのだから、意味のない分別などをさせるのは可哀そうだ」などと言っても、「何のためにつまらないことを言っているのだ。お前が賛成すればお金はすぐもらえるのだから」と言う方がまともとも言えます。
「意味のない分別を忙しい主婦にさせるべきではない」とか、「膝が痛い老人に分別したものを持たせるのは可哀そうだ」などと言う私の方がよっぽど変人で奇妙だとも言えます。むしろ、私は何才のころ、どこで「他人のことを考えろ」と習ったのでしょうか?習った覚えはないのです。おそらく昔の本や人の話を聞いているうちに、錯覚(自分だけのことを考えればよいのに、人のことを考える錯覚)に捕らわれていたのでしょう。
回収されたゴミはどうなるのか?「分別」「リサイクル」が与える影響
分別やリサイクルが、「資源を節約し、ゴミを減らす」と思うのは自分の身の回りだけしか見えない人で、社会全体では「資源を余計に使い、廃棄物を増やす」ということになります。それがわかる一番、手っ取り早い方法は「エントロピー計算」をすることですが、これが普通の人にはできないというか、大学の先生でもほとんどできません。エントロピー計算自体はすでに学問的にしっかりしたものになってから100年以上も経つのですが、少し難しいのです。
常識的に考えてこのことがわかるようになるためには、分別したものを「運ぶ手間」、分別して集めたものから「新しい商品を作る手間やエネルギー」をじっくり考えればわかるかもしれません。よく「分ければ分けるほど良い」と考えている人もいるのですが、一緒に運んでいくのと、トラックを何台も用意するのと比較すると、だれもが1台で運んだ方が安い(資源やエネルギーを使わない)ことはわかるでしょう。
また、使い終わったものは普通は汚く、何か混じっていることがほとんどです。たとえばペットボトルのようにきれいで簡単なものでも、人が飲んだ後のものですから最低でもよく洗浄して殺菌しなければなりません。それにサイズや色も多いので、かなり細かく分ける必要があります。さらに悪げが無くてもペットボトルの中にチューインガムが入っていたり、農薬入れに使ったりする場合もあります。
洗えば取れるものもあれば、洗っても次の人が飲むには問題という場合もあります。天然資源から何かを作る場合には、原料を分析してそれにあった製法を採用することができるのですが、市中から回収するものは千差万別で、どんな毒物が含まれているかわからないので、衛生的ではないのです。事実、ビール瓶のリサイクルではカナダで心臓麻痺が急増したり、イギリスで鼻に穴が開く病気が流行したことがあります(原因はわかっている)。
もちろん、国の委員会に出る先生方はそういうことはわかっているのですが、リサイクルすると言って市民に分別させ、別々のトラックで運んで焼却炉でまた全部混ぜて一緒に焼いても税金を使うだけで、分別しないと同じですから、困らないのです。また、市民も「分別したものがリサイクルされている」と自己満足で気楽になるので、これも良いかもしれません。事実はそうなっています。
私はなぜか「言ったこととやっていることは同じ」でないと気がすまず、「建前でごまかして日本のためにならないことはしたくない」という性質ですが、その方が変人奇人なのではないかと思うこともあります。
image by: Shutterstock.com
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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。
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