http://www.asyura2.com/20/hasan134/msg/543.html
Tweet |
トヨタを襲った、二つの危機 生産も消費も「衝撃リーマン以上」:朝日新聞デジタル https://t.co/3G3HARg8WF
— Hibiki-T (@hibichan0213) June 29, 2020
足元では各国で経済活動が再開し、自動車販売も回復しつつある。だが、再び感染が広がれば、世界中で次々と生産が止まり、市場も消滅する。その「第2波」に耐えられるのかは心もとない。
(コロナの時代 見えない出口:中)トヨタを襲った、二つの危機 生産も消費も「衝撃リーマン以上」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14529510.html
2020年6月29日 5時00分 朝日新聞
トヨタの営業利益と生産台数
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で、日本や米国、欧州の主要国が軒並みマイナス成長に陥り、国際通貨基金(IMF)は「大恐慌以来最悪」の景気後退を予想する。一瞬で世界市場を凍りつかせたコロナ危機は、日本経済の屋台骨である自動車産業の頂点に立つグローバルメーカーをものみ込んでいった。
トヨタ自動車の豊田章男社長は6月11日、本社のホールで定時株主総会に臨んでいた。議長席に座った豊田氏は、今年度の販売台数はリーマン・ショック時より大きく減るが、「営業利益5千億円を確保する見通しを出せた」と強調した。
しかし、この見通しを出せるかどうかは、決算の少し前まで全く分からない状態だった。総会の約1カ月前にオンラインで開かれた決算取締役会。黒字見通しの入った決算が承認されたとき、「ありがとうございます」とお礼の言葉を口にした豊田氏は涙をこぼした。何の見通しも示せなければ、トヨタに連なる膨大な取引先は生産計画さえつくれず、約37万人の従業員の不安も高まる。その日の決算会見で豊田氏は「今回のコロナショックはリーマン・ショックよりはるかにインパクトは大きい」と言い切った。リーマン直後の大赤字を受けて社長に就き、業績を回復させてきた創業家社長が直面したのは、生産と消費を襲った「両面の危機」だった。
中国が新型コロナウイルスを法定伝染病に指定し、最大級の防疫対策をとると発表したのは1月21日。トヨタをはじめ日本メーカーの中国工場には当時、春節で休暇となる工場の再開延期を求める通知が届き始めていた。これを受け、トヨタは1月29日、中国国内の工場の再開延期を決断する。天津市や広東省広州市などの完成車4工場、エンジンなどを製造する部品工場も8カ所あったが、すべて操業延期を余儀なくされた。「再開時期をいつ決めるかも決められない」(幹部)という状態だった。
この時点では中国国内の問題だったが、2月14日、対岸の火事ではなくなる。中国からの部品調達が途絶え、日産自動車の国内最大の生産拠点である九州の完成車工場が停止に追い込まれたからだ。国内の製造業大手の経営者が懸念していたサプライチェーン(部品供給網)の寸断が現実になった。
トヨタは東日本大震災を教訓に構築した膨大な下請け企業のデータベース「レスキュー」を活用した。影響が出そうな部品を素早く割り出し、代替生産先の確保に動いた。そして2月は世界生産をなんとか維持できた。ところが、3月に入り感染は全世界に拡大。状況は一変した。
「我々は戦争状態にある」。感染者が急拡大していたフランスのマクロン大統領は3月16日、テレビ演説でそう宣言し、外出を禁止する方針を表明した。これを受け、トヨタのフランス北部の工場は翌17日に稼働を停止。18日には英国の2カ所の工場、19日にチェコ工場、21日にトルコ工場と、ドミノ倒しのように欧州での工場停止が相次いでいった。23日には、トヨタにとっての世界最大の市場である北米の全工場も稼働を停止。欧米に比べ移動規制が緩かった日本でも、大幅な減産を強いられた。
外出自粛で車の販売も急激に落ち込んだ。4月の販売は北米56・4%減。欧州83・4%減、中南米78・0%減、日本20・1%減……。「人もモノもカネも動きが止まってしまった。そこらじゅうの会社が倒れていくかもしれない」(トヨタ系大手部品メーカー幹部)。そんな危機感がメーカー各社を覆った。
足元では各国で経済活動が再開し、自動車販売も回復しつつある。だが、再び感染が広がれば、世界中で次々と生産が止まり、市場も消滅する。その「第2波」に耐えられるのかは心もとない。
「代替生産の場所の確保もできない、現地の確認もできない、支援も送れない、という初めての経験になった」。トヨタの調達担当の白柳正義執行役員はそう振り返る。トヨタをはじめ日本の製造業は震災後に磨いてきたはずの事業継続計画(BCP)では対応が不十分なことが明らかになり、柔軟に生産を切り替えられる体制づくりを急ぐ。
第2波、資本力間に合わぬ恐れ 与党、数十兆円規模の支援探る
経済の再開時期が見通せなかったのも、今回のコロナ危機の特徴だ。大手企業は雪崩を打って手元資金の確保に奔走した。トヨタは主力銀行から1兆2500億円を借り入れ、日産自動車は約7千億円を調達。マツダは3千億円規模の融資を要請した。ANAホールディングスや日本航空なども日本政策投資銀行やメガバンクに駆け込んだ。
「企業活動が止まり、売り上げが立たず、それがいつまで続くかも見通せない特殊な危機。大企業であっても経営者にとっては恐怖ですらある」(大手銀行幹部)。実際、政投銀に対する融資要請額は、リーマン・ショック時をはるかに上回っていた。同行が危機対応の融資枠を設けた3月19日前から相談は次々と寄せられ、融資要請は2カ月で2・5兆円超。同様の融資枠が設定された2008年のリーマン時に実行された融資は1年半で3・3兆円で、すでにそれに迫る勢いだ。
企業活動の停止が長引けば、大企業といえども、資本不足に陥りかねない。緊急事態宣言の延長が決まった5月4日ごろには、融資だけでなく、資本注入による企業救済の必要性が政府・与党内で叫ばれるようになった。13日には自民党でも検討が始まり、まとめ役の宮沢洋一・元経済産業相は「かなり厳しい状況が続く。資本性の資金を用意しておかないと皆さんが不安になる」と語った。
5月15日には、アパレル大手レナウンが上場企業で初めて倒産し、コロナ禍による大企業倒産が現実になった。第2次補正予算では、中堅・大企業向けに、政投銀や商工中金が5兆円規模で劣後ローンを提供できる支援策が盛り込まれた。
だが、「第2波」への懸念が消えないなか、与党内にはなお、「大企業の資本支援が必要になった場合、政投銀では資本力が間に合わない可能性がある」(自民議員)という声もくすぶる。水面下では、大企業への適用を想定し、数十兆円規模で資本支援できるスキームの検討が進む。
ただ、政府の安易な資本支援はモラルハザードを招きかねない。コロナ時代で経営環境が激変するなか、収益力の回復が見込める支援先企業をどう選ぶのか。支援のあり方も手探りにならざるを得ない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民134掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民134掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。