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NY原油、一時30ドルに急落 サウジ増産方針で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56548230Z00C20A3MM0000/
2020/3/9 8:18 日経新聞
原油価格の下げが加速している。ニューヨーク原油先物は一時、1バレル30ドルまで急落。4年ぶりの安値水準となった。ロシアとの追加減産協議が物別れに終わったサウジアラビアが増産方針に転じ、供給過剰に拍車がかかるとの警戒が強まった。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が石油需要をさらに下押しする懸念も強く、先安観はなお消えていない。
ニューヨーク先物は日本時間9日朝の時間外取引で1バレル32ドル前後で推移。6日の取引に比べ約10ドル、3割安い。2016年2月以来の30ドル割れが視野に入っている。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は6日の協議で、サウジアラビアが提案した日量150万バレルの追加減産案をロシアが拒否。交渉は決裂し、17年から続いた協調減産が今月限りで終了する。サウジは自主的な減産も取りやめ、4月から日量1000万バレルを超える規模に生産を増やす方針だ。
OPECの盟主として石油市場の安定を主導してきたサウジが増産に転じることで、ロシアや米国を巻き込んでシェア争いが再び激化する可能性が高まっている。国際エネルギー機関(IEA)によると、19年のサウジの石油生産は日量980万バレルで世界シェアは1割弱。米国(1721万バレル)とロシア(1159万バレル)に次いで3位に位置する。
一方、新型コロナの感染がアジアや欧米各地に広がり、海外からの入国を制限する動きが相次ぐ、航空機燃料やガソリンといった輸送用のエネルギー消費が鈍り、世界の石油需要が打撃を受ける懸念が日増しに強まる。感染の収束時期も見通せず、需要停滞が長引くとの見方が多い。
米金融大手ゴールドマン・サックスは20年前半の世界の石油需要が日量平均で210万バレル超下振れすると試算。OPECプラスの追加減産が提案通りに実施されても需給ギャップが解消しないとの見通しを示していた。増産と需要鈍化で需給がさらに悪化し「原油安への耐久力に自信を持つロシアの想定以上に値下がりが加速する可能性がある」(和光大学の岩間剛一教授)。
先週には米国が緊急利下げに踏み切るなど金融緩和で景気を下支えする動きもあるが、実体経済の浮揚効果は限定的との見方が多い。野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「資金が潤沢に供給されても人やモノの移動が制限されたままでは燃料用の石油需要は上向かない」と話す。
OPECプラスの減産の枠組みが始まる17年以前は、米国のシェールオイルなど産油国の増産競争が続く中で中国経済の減速が鮮明になり、世界の石油需給が大幅に緩和していた。同年2月には原油相場が20ドル台まで低迷。市場関係者の間では「ニューヨーク市場で当時付けた26ドル台が当面の下値のメド」(石油アナリスト)との声も出ている。
日本は原油を輸入に頼り、原油安はガソリンや電気代の値下がりを通じて家計や企業業績に追い風となる。半面、石油会社は原油在庫の評価損が膨らみ、短期的に業績悪化の要因になる。産油国の収入が減れば財政悪化が世界経済のリスクとなる懸念もある。
(小野嘉伸)
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