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山形の老舗百貨店「大沼」自己破産を招いた3つの問題点
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/268272
2020/01/29 日刊ゲンダイ
百貨店「大沼」(山形市)(C)共同通信社
経営再建を目指していた業歴320年の山形の老舗百貨店「大沼」が27日、山形地裁に自己破産を申請した。26日の営業終了後、山形本店など全3店舗を閉鎖。大沼は1700年創業で、松坂屋、三越に次ぐ全国3番目の老舗とされる。
Eコマースや昨年10月の消費税10%引き上げなどに伴い業績が悪化していたというが、これは百貨店という業態だけの問題ではない。まちづくりに詳しい地域政策デザインオフィス代表理事の田中信一郎・千葉商科大学准教授は3つの問題を指摘する。
■業態の問題だけではない
「まず一般論として百貨店という業態自体が時代に合わなくなっているというのが最大の原因です。景気がいい悪いという話とは切り離したほうがいい。ニーズにあわなければ、お客さんは来なくなります。顧客から選ばれなくなっているのに、業態の変換を遅らせてきました。業態がいいかどうかは置いておいてイオンなどの大きな郊外型ショッピングモールは人が来ます。高度成長のときには百貨店に人はきた。それは当時に合っていたのです。いまは残念ながら百貨店全体が不振におちいっています」
地元のまちづくり政策も必要だという。
「二つめとしては百貨店という業態と立地の問題があります。百貨店は駅前の一等地という地価の高い場所に、鉄道やバスで来るお客さんを相手にしてきました。しかしここ40年、どこの地方都市でも自動車優先の街づくりをすすめてきた。公共交通を軽視してきた街づくりです。この政策が効果を発揮したため、集客に失敗した。町なかにいくら駐車場を整備しても、郊外の大型ショッピングセンターには勝てませんから」
■ボックスストアの問題
老舗は建物にも問題があったという。
「3つ目はボックスストアです。老舗百貨店の多くがボックスストアといって、(箱のように)窓がなく外とのつながりが乏しいんです。百貨店は大きな建物に囲い込むようにしてきました。最上階のレストランで食事をさせて上下にお客さんを移動させたりして、囲い込むようにしてきたからです。写真を拝見しますと、大沼も窓が小さくて外との一体感がありませんね」
一方で最近オープンする都心部のビルは、下層階をガラス張りなどにして街との一体感をつくっている。
「昔ながらの百貨店が窓が少なく壁だったのは売り場面積を目いっぱい使うためです。しかし窓で外が見えないと賑わいが周囲とつながらないのです。デパートにお客さんがたくさんいても周りの街は地盤沈下していきます。外に美味しいお店があったりすれば、行き来もするのにデパートはお客さんを全部囲い込んで独占しようとしてきました。周りの店が閉店していく悪循環です。しかし今のように経済が成熟してきたなかで、そうした町づくりをすると結局はショッピングモールの利便性に負けてしまいます」
今問題になっているIRのカジノも窓がなく薄暗くして時間の感覚を麻痺させ、カジノルームから客を外に出さないようにする工夫を綿密に凝らしている。囲い込む業態が結局は町を疲弊させて悪循環を生んだということだ。ガラス張りとはよくいったものだ。
■富山では成功例も
一方で、デパートとの町づくりでうまくいっている例もあるという。
「富山市に大和という百貨店があります。大和は撤退する予定だったのですが、お客さんも維持できていて存続しています。富山市が積極的に公共交通を再生させて町中に人を呼び込んだんです。周辺のまちづくりと集客施設は結びついています。デパートという業態だけ、デパートやビルの敷地だけ、デパートにアクセスする公共交通だけ、ではダメなんです。相乗効果なんです」
勝ち組とされるショッピングセンターは今後どうなるのか。
「ショッピングセンターは車で来られる消費意欲のある層を呼びこんでいます。郊外の土地の安い場所に建て、半径30キロメートルから50キロメートルの住民を集客しています。しかし今後の人口減で自動車で移動する子育て世代が減れば客も減るでしょう。そうなっても、ショッピングセンターはテナントも大手フランチャイズチェーンばかりだから、次々に入れ替えればいい。建物の造作も簡単だし、そもそも安価な土地に建てているから逃げきります。損切りすれば終わり。美味しいところだけとって撤退するでしょう。どっぷりとショッピングセンターに浸かってしまった地域としてそれは困りますが、郊外のショッピングセンターは地元資本ではない。駅前の百貨店とは地域との関係性が違います。これは大店法(大規模小売店舗法)の改正が可能にしたビジネスモデルです。つまり日本の政策でした。地域をダメにする政策をしてきて、今さら老舗百貨店が潰れると驚いていること自体がおかしいんです。どうなるかを自覚していなかっただけです。これが人口減少と経済成熟でもろに出てしまっているう」
日本は今後どうしたらいいのか。
「米国のデトロイトも中心部から貧困化して町が廃墟になっていきました。日本も早く転換しないといけないとなりません」
(取材・文=平井康嗣/日刊ゲンダイ)
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— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) January 28, 2020
地域をダメにする政策をしてきて、今さら老舗百貨店が潰れると驚いていること自体がおかしいんです。(本文より)
— はち (@tomoko_hachi) January 29, 2020
政策の失敗でもあるのだな。
山形の老舗百貨店「大沼」自己破産を招いた3つの問題点 https://t.co/tUKOYBDsgZ #日刊ゲンダイDIGITAL
山形の老舗百貨店「大沼」自己破産を招いた3つの問題点 https://t.co/AN1gDEEa1I #日刊ゲンダイDIGITAL これまた、小泉政権以降の地方衰退化政策のせいだな。おバカな人達が小泉支持、また、安倍支持。
— tulibug (@tulibug) January 29, 2020
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