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※2021年4月29日 朝日新聞1面トップ 紙面クリック拡大
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※2021年4月29日 朝日新聞6面
※朝日新聞紙面、一部文字起こし
40年超原発 再稼働へ 国内初 福井知事が同意 川内原発も延長へ検討
運転開始から40年を超える関西電力の老朽原発3基について、立地する福井県の杉本達治知事は28日、県庁で記者会見し、再稼働に同意すると表明した。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転が原則40年とされた後に全国で初めて、老朽原発が再稼働する。▼2面=懸念棚上げ、6面=見えぬ先行き、25面=地元に懸念も
全国では廃炉が決まった原発を除き、他に計5基が5年以内に運転40年を迎える。このうち川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について九州電力は28日、40年超の運転延長に向けた検討に入ったと発表した。
杉本知事は会見で、「安全確保、立地地域の理解と同意、地域の恒久的福祉の実現という県の原子力行政三原則に照らし、総合的に勘案して再稼働に同意する」と説明した。
杉本知事が再稼働に同意したのは関電高浜1、2号機(高浜町)と美浜3号機(美浜町)。運転開始から44〜46年になる。再稼働には地元首長、議会の同意が必要とされ、3基については高浜、美浜両町が2月までに同意し、福井県議会が4月23日に容認していた。
関電は再稼働工程の検討に入る。3基とも福島第一原発事故の前後から止まっており、10年ぶりの再稼働になる。
原子力規制委員会の新規制基準で設置が求められるテロ対策施設について、関電は4月22日、高浜1、2号機は期限の6月9日に完成が間に合わないと発表した。美浜3号機も設置期限が10月に迫っており、3基の再稼働は短期間にとどまる可能性が高い。
福井県は関電に対し、県内の原発にたまる使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外候補地を示すよう求めてきた。関電は2月、電力大手各社で青森県むつ市の施設を共同利用する案への参画に言及したが、むつ市は強く反発。2月県議会で杉本知事は再稼働の議論を求めたが、県議会側はむつ案への疑問を示した。
県外候補地の提示を再稼働議論の「前提」としていた杉本知事は、再稼働同意と中間貯蔵施設の議論とを別に行う姿勢に転換。経済産業省は4月、老朽原発再稼働について1原発につき最大25億円で、計50億円の新たな交付金を支払う支援策を県に提示していた。
関電の3基の他に日本原子力発電東海第二原発(茨城県東海村)が規制委から認可を受けたが、再稼働のめどは立っていない。(小田健司)
原発の40年ルール
東京電力福島第一原発事故を受けて2013年7月に施行された改正原子炉等規制法では、原発の運転期間を原則40年までと定めている。さらに、自然災害への備えの強化や過酷事故対策を義務づけた新規制基準に適合すれば、1回だけ最長20年間までの延長を認める「例外」規定も盛り込まれている。
原発延命 懸念棚上げ 福井 知事、貯蔵議論を切り離し 時時刻刻
運転40年を超える老朽原発の再稼働に、福井県知事が同意した。「温室効果ガス削減」を旗印にする国が地元に交付金を示し、議論は深まることなく進んだ。運転開始から年数が経つ原発は各地にある。使用済み核燃料の行き先や安全性への懸念を棚上げにし、原発は長寿命化に向かう。▼1面参照
「関電の覚悟があり、国も主体的に取り組む。一定の状況になったのでないか」。杉本達治知事は28日の会見で、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外候補地について問われ、こう答えた。
中間貯蔵施設と老朽原発再稼働を切り離すこと、新たな交付金。この二つが福井の議論を前に進めた。
核燃料サイクルが実現せず、県内の原発に使用済み燃料がたまり続ける福井にとって、県外候補地は長年の課題で、関西電力に提示を求めてきた。杉本知事は昨年10月、老朽原発の議論に関し、県外候補地の提示を「前提」と明言した。
電力各社で作る電気事業連合会が昨年12月、青森県むつ市の施設を各社で使用する案を公表し、関電は「参画」に言及した。だが、宮下宗一郎・むつ市長は「むつは核のゴミ捨て場ではない」と反発。案は棚上げになった。
年明け、国が動いた。
経済産業省資源エネルギー庁の担当者らが正月三が日から何度か福井入りした。ある自民党県議は、訪問を「仕切り直しできないか」との打診とくみ取った。県関係者は「国は必死になっている」と感じた。
2月、保坂伸・エネ庁長官が関電の森本孝社長と共に県庁を訪れた。杉本知事との会談には梶山弘志経産相もリモートで参加。保坂長官は「むつ市長に説明する」と言った。梶山経産相も「関電と共にしっかり取り組む」と話した。
杉本知事は「一定の回答」と評価。この後、知事は県外候補地と再稼働の議論を切り離していった。
知事は2月議会で再稼働の議論を求めた。しかし、県外候補地提示を再稼働議論の「前提」としていた知事が「切り離し」に態度を変えたことを、議会側は疑問視。3月、同意は得られないまま議会は終わった。
4月6日、杉本知事は畑孝幸議長と面談した。そこで知事が説明したのが国からの新たな交付金だった。老朽原発が再稼働する際に立地県に1原発あたり25億円を支払う内容だった。県の担当者は「マックスでつけてきた」と言った。議論は加速した。
福井県選出の国会議員は、年明け以降の動きを「国と県のあうんの呼吸だ」と評する。ただ、むつ市は28日も「関心のない事項」と突き放した。この国会議員は「中間貯蔵施設についてスキームを考えるのはエネ庁であり、もっと言えば国のトップの総理だ」と話す。(小田健司、佐藤孝之)
政府 |
業界 |
「再稼働への理解が示されたことは非常に重要」。梶山弘志・経済産業相は28日、こう話した。
40年超原発の再稼働は、2050年に二酸化炭素(CO2)排出ゼロを掲げる政府には重要だ。菅政権は今月、30年度に温室効果ガスを13年度比で46%削減する目標を発表したばかり。原発はほかの発電方法に比べて高出力でCO2を排出しないため、脱炭素には近道と見える。
経産省は原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、30年度には国内総発電量の2割程度を原発でまかなう方針。だが、国際エネルギー機関(IEA)によると、日本の20年の発電量に占める原発割合は4・4%だ。
政府は再稼働をめざす関電をバックアップしてきた。中間貯蔵施設の共同利用案について関電が杉本知事に伝えた際は、資源エネルギー庁長官も同席した。
大手電力10社でつくる電気事業連合会も協力体制を敷く。池辺和弘会長(九州電力社長)は「再稼働に向けた努力を業界全体で支援する」と言及した。九電は28日、鹿児島県薩摩川内市にある川内原発1、2号機の40年超運転に向けた検討に入ったと発表。関電に「先例」をつくってもらわなければ、影響が生じかねない。
一方の関電は7基あるうちの4基が再稼働済みだが、一部は定期検査が長期化。運転実績の指標の一つ「設備利用率」は、20年度は約28%にとどまる。11年以降、安全対策費は累計1兆円超。「動かせるものは動かしたい」(幹部)
ただ高浜1、2号機はテロ対策施設の設置が期限に間に合わない。営業運転まではたどりつけない可能性も。関電幹部の一人は「原発は従来のように予定通りにいくものではなくなった」と漏らす。(加茂謙吾、栗林史子、北川慧一)
原則40年 例外のはずの延長
東京電力福島第一原発事故後に改正された原子炉等規制法では、運転期間を原則40年と定めた。その上で、新規制基準への適合を保てる場合に限り、最長20年の延長を認めてきた。
改正時の国会での議論では、政府が延長について「極めて例外的なケースに限られる」などと説明。与野党の合意で決まった40年ルールについて、原子力規制委員会は「政策判断であり、意見を述べるべき事柄ではない」との立場だ。
一方、電力会社側は、経済産業省の会議などで、運転停止中の期間を40年からのぞく検討を要求。米国で80年運転が認められたことなどを引き合いに、さらなる延長をうかがう。
ただ、劣化した設備や装置は修理や新型への交換ができても、原子炉そのものは換えられない。福島第一原発では、古い炉型だった1〜3号機で炉心溶融が発生。国会事故調査委員会の報告書は、格納容器が小型で、事故時の圧力上昇が早いなどの課題を指摘した。
老朽原発の再稼働は、福島第一原発事故を教訓に設計や設備が古い原発を順次廃止し、少しでも危険性を減らそうとした40年ルール導入の狙いに反することにもなる。延長が認可された3原発4基が運転を始めたのは1970年代で、79年の米スリーマイル島原発事故や86年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故の起きる前のことだ。
老朽原発の評価について、規制委の更田豊志・委員長は「厳正かつ慎重に審査をしており、結果には自信を持っている」としつつ、設計の古さについては「どう補うのかというのは、非常に難しいし、大きな技術的課題だ」と話す。(小坪遊)
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