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2021年3月12日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/90938
ドイツ北部の町ゴアレーベンに原発はない。だが、長らく反原発運動の象徴とされてきた。西独時代の1977年に使用済み核燃料など、いわゆる「核のごみ」の最終処分場候補地に選定され、数十年にわたって地元住民の激しい反対運動が続いたからだ。
「政府は間違った仮定に基づいて候補地を決め、時には力ずくで計画を守ろうとした」。地元環境保護団体の元代表、ケレスティン・ルデックさん(53)は、政府の強行が対立の長期化を招いたと指摘する。
ゴアレーベンは、地下の岩塩層が高レベル放射性廃棄物の地層処分に適切とされたが、明確な選定基準が示されず、東独との国境に近い過疎地に負担を押しつけていると、不信感を招いた。反対運動の末、2013年になって計画は白紙撤回され、候補地選びは振り出しに戻った。
17年に改正された処分地選定法では選定基準を明確化。選定過程を監視するため、識者や環境団体に加え、無作為抽出された市民が参加する委員会などが設けられた。放射性廃棄物処分安全庁(BASE)のケーニヒ長官は「私たちは失敗から学んだ。ゴアレーベンの経験が繰り返されることはない」と強調する。
政府の機関は昨年9月、処分場の選定条件を満たすとする90の地域を発表。ゴアレーベンが除外された一方、国土の54%が対象とされた。今後、地表調査の候補地を絞り込み、地下調査を経て31年に最終候補地を決定する計画だ。
処分場問題に詳しいベルリン自由大学のアヒム・ブルネングレーバー私講師は「市民参画は非常に野心的だが、問題は社会との対話がどれだけ生産的なものになるかだ」と指摘する。
だが、最終的には政府側が提案した候補地を上下両院が承認し、住民側に拒否権はない。ゴアレーベンの環境保護団体代表、マルティン・ドナートさん(57)は「科学的根拠に基づき、比較的安全だと透明性をもって証明されなければ、地域住民は受け入れられない」と話す。
31年までの候補地選定は困難との見方が多く、稼働開始は50年以降とも指摘される。40年代後半までにゴアレーベンを含め16ある全ての中間貯蔵施設が使用期限を迎えるという問題もある。脱原発を実現しても核廃棄物の問題は避けては通れない。
日本を含め世界で稼働中の原発は400基を超えるが、最終処分場の建設にこぎつけた国はフィンランドだけだ。ゴアレーベンで反対運動を続けてきたルデックさんの言葉は重い。
「私たちは、ほとんど解決できない問題をつくってしまったことを理解する必要がある。これ以上、新たな核のごみを増やさないことだ」 (ベルリン・近藤晶)
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