http://www.asyura2.com/20/genpatu53/msg/358.html
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「福島からは「逃げる勇気」が必要だったか
『美味しんぼ』「福島の真実」編に見るデマ・偏見・差別
野口邦和 元日本大学准教授・元福島大学客員教授」 (論座 2021/3/9)
https://webronza.asahi.com/national/articles/2021030500006.html
2014年、漫画『美味しんぼ』「福島の真実」編で描写された鼻血は一過性で、他の出血症状や急性症状がない。『美味しんぼ』の原作者が福島県内で受けた被ばく線量は、出血症状が起こる線量より桁違いに低い。鼻血の原因が被ばくであるはずはないが、原作者はさも被ばくとの因果関係があるかのごとく執拗に描写する。福島県内で行われている除染を無駄で危険と強く否定し、危ないところから逃げる勇気を持てと全県民に呼びかけてもいた。福島第一原発事故から10年を経ようとする今、本稿を通して私は、「福島の真実」編にひそむデマ、偏見、差別の実態をあばこうと思う。
■ オルポートとポストマンの法則
チェルノブイリ原発事故発生の2週間後、事故現場から130キロ南にある人口250万人のキエフ市で「市民の多くが脱毛」という報道が伝わってきた。2週間後に脱毛したとすれば、全身が5〜10グレイの被ばくをした可能性がある。人の50%致死線量(短期間に全身が被ばくした集団の中で50%が死亡する線量)が4グレイと推定されていることを考えると、脱毛だけで済むはずはなく、多くの市民が急性放射線障害により死亡してもおかしくない。
にわかには信じがたい報道だったが、私の周りにいる研究者の間ではちょっとした話題になった。関連する続報はその後なく結局デマだったが、大きな災害時にはデマが飛び交うものであることを改めて思い知らされた。
その当時、デマの飛び交う量は事柄の重大性と状況の曖昧性の積に比例する、という法則があるのを知った。社会心理学者G.W.オルポートとL.ポストマンが1950年代に見出したものだという。これに従えば、事柄の重大性か状況の曖昧性のどちらかをゼロにできれば、デマの発生は防止できる。
世界に例のない3基同時炉心溶融(メルトダウン)という住民の生命と暮らしに直結するような原発の大事故が起こった場合、大変不幸なことだが事柄の重大性は申し分ない。ならばなおさら福島第一原発事故の際に政府(原子力災害対策本部)は、事故の状況や講じた措置などに関する情報をその都度的確に公表し、状況の曖昧性を可能な限り低く抑える必要があった。
しかし、政府の対応が拙劣だったため、とりわけ放射線・放射能に関連するデマが飛び交った。狭い国土に54基もの原発が稼働していながら、学校教育の現場で放射線・放射能についての教育がほとんど行われてこなかったことも、放射線・放射能に関連するデマの拡散を助長させた。知らずに善意でデマを流した人もいたし、情けないことに意図的にデマを流した文化人・知識人や専門家もいた。
■ 大騒ぎになった「福島の真実」編の鼻血描写
7年前の2014年4〜5月、大騒ぎになったのが週刊ビッグコミックスピリッツ掲載の漫画『美味しんぼ』「福島の真実」編の鼻血描写である。
福島第一原発の敷地内をバスで視察した主人公が福島から戻ってから突如鼻血が起こる。同行した他の登場人物も「僕も鼻血が止まらなくなった」「私も鼻血が出た」と合いの手を入れる。また、主人公は「福島に行くようになってからひどく疲れやすくなった」と話す。さらに、前双葉町長が実名で登場し、「私も鼻血が出ます」「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです」などと、さも意味ありげに話す。
前双葉町長は翌週号に再び登場し、「福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは被ばくしたからですよ」と明言する。そして「私は前双葉町長として双葉町の町民に福島県内には住むなと言っているんです」「私はとにかく、今の福島に住んではいけないと言いたい」と、被ばくと鼻血やひどい疲労感との因果関係を強く印象操作する。これは「福島の真実」編で実際に出てくる鼻血描写の一端である。
さて、短期間に全身が0.5〜1グレイを超える高線量の被ばくをすると、急性症状として吐き気、嘔吐、下痢、脱毛、脱力感、倦怠、吐血、下血、血尿、鼻出血(鼻血)、歯肉出血、生殖器出血、皮下出血、発熱、咽頭痛、口内炎、白血球減少、赤血球減少、血小板減少などが起こる可能性がある。これは教科書にも記載されている事柄である。血小板は血液を凝固させて出血を止める役割を担っており、上記の出血症状はすべて血小板減少に由来する。鼻血は出血症状の一つに過ぎず、血小板減少に由来する出血は全身に起こる。被ばくが原因で鼻血が起こり、他の部位の出血やその他の急性症状がないということはあり得ない。
鼻血は、鼻の粘膜や血管が傷つくことによっても起こる。被ばくが原因でないなら、普通に考えれば原因は物理的刺激だろう。例えば転んだり何かにぶつかったり、あるいは鼻をよくほじる人も鼻血が出やすい。風邪を引いたりアレルギー性鼻炎などの場合も鼻血が出やすい。
疲労感についていえば、福島第一原発の敷地内をバスで視察中、おそらく相当に緊張しストレスも大きかったと考えられるので、視察後に疲労感が残ったであろうことは容易に想像できる。
私も福島第一原発の敷地内をバスで視察した体験があるが、1回の視察で受ける線量は0.01〜0.02ミリシーベルトほどであった(ここでは1グレイ=1シーベルトと考えてよい)。『美味しんぼ』の原作者一行の視察時の線量も同程度だろう。この程度の線量で血小板減少が起こるはずはなく、被ばくを原因とする鼻血も起こらない。被ばくと鼻血との因果関係を強く印象づける『美味しんぼ』「福島の真実」編の描写はデマであり、放射線医学的には最初から議論にもならない低俗な代物だった。
■ そもそも鼻血が増えたとするデータはない
福島第一原発事故後に何度も福島県に行った者としていえば、鼻血やひどい疲労感を体験したことはない。講演会場でそのような質問や相談をされたこともない。私が放射線健康リスク管理アドバイザーを務める福島県内の自治体の職員からも、そのような話を聞いたことはない。
『美味しんぼ』の原作者が福島第一原発の敷地内をバスで視察後、福島から戻ってから鼻血を出したことや疲労感のあったことまで否定するつもりはないが、同じ症状の人が「大勢います」とは到底信じられない。それに大勢の県民が鼻血やひどい疲労感で苦しんでいるにも拘わらず、「言わないだけ」で黙っているとする描写もはなはだ疑問だ。これは福島県民を侮辱する以外の何物でもない。だからこそ漫画を読んだ多くの県民が批判や抗議を原作者やスピリッツ編集部に寄せたのである。
そもそも福島第一原発事故後、鼻血が増えたというデータはない。
鼻血は増えていないというデータならある。例えば相馬郡医師会が相馬地方4市町村(相馬市、南相馬市、新地町、飯舘村)の66医療機関を
--------(引用ここまで)------------------------------
御用学者・野口邦和教授のデタラメ記事です。
まだこんな安全デマを言っているのことにあきれます。
鼻血の原因は、放射性微粒子、とくにウラン、プルトニウム、ストロンチウムなどの
アルファおよびベータ核種が鼻の粘膜に付着して起きる内部被ばくです。
何グレイ、何シーベルトという外部被ばくの単位で論じても無意味です。
もちろん、白血病などに罹患して血小板が減少し、血が止まりにくくなり、
鼻血が出ることもあります。
その白血病も、ストロンチウム90などによる内部被ばくが原因である可能性大です。
「鼻血が増えたとするデータはない」というのも大ウソです。
2011−12年に、国会で野党・自民党が「鼻血が増えている」と与党・民主党を追及しています。
それが自民党が与党となると、鼻血はなかったと発言を翻すのですからお笑いです。
現在でも、鼻血に悩む人が大勢います。
福島原発事故前にはなかったことです。
放射性微粒子が大量に空気中を舞っている証拠です。
政府はそれを認めたくないので、このような御用学者を使って必死に否定するのです。
(関連情報)
「放射能放出量がはるかに少なかったスリーマイル島事故でも鼻血が出た」 (拙稿 2014/5/6)
http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/809.html
「『美味しんぼ』に抗議した福島県双葉町は町民が鼻血を出したことを把握していた! (byはなゆー)」
(拙稿 2014/5/9)
http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/867.html
「2−3年前の国会で鼻血が出た人が多いことについて議論していた!!」 (拙稿 2014/5/11)
http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/898.html
「福島の鼻血『内部被ばくか』 神戸の医師 学会で発表(とある原発の溶融貫通(メルトスルー))」
(阿修羅・赤かぶ 2014/7/14)
http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/324.html
「有名人 鼻血続出 疑いようのない内部被ばく」 (拙稿 2015/5/22)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/853.html
「ロンブー淳が原発問題について語る『大丈夫じゃないっぽいなと思ってる』
『北茨城に行った翌日布団が鼻血まみれだった』」 (阿修羅・赤かぶ 2016/1/9)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/668.html
「チェルノ強制移住地域の子供も、鼻血、激しい咳、吐血、吐き気、めまい、失神、動悸、
心臓痛、頭痛などに悩んだ」 (拙稿 2016/8/26)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/362.html
「被ばくで鼻血が起きるのは常識だが国民に知られると困る 政府は御用学者、工作員を使って
必死に否定し続ける」 (拙稿 2019/2/5)
http://www.asyura2.com/18/genpatu50/msg/855.html
「相変わらず鼻血、それも大量の鼻血に悩む人が多い 大量の放射性微粒子が舞っている証拠だ」
(拙稿 2019/4/20)
http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/412.html
「[注意喚起] 相変わらず頻繁に鼻血を出す人が多いが、軽視してはいけない」 (拙稿 2020/11/1)
http://www.asyura2.com/20/genpatu53/msg/150.html
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- ”事故の健康影響の可能性低い”(国家放送協会が国連の後ろ盾で患者切り捨て!?) 戦争とはこういう物 2021/3/12 23:22:51
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- UNSCEAR2020年報告公表――「福島の住民の放射線被ばくの健康影響は今後も考えられない」「甲状腺検査による過剰診断を指摘」… 戦争とはこういう物 2021/3/13 00:25:41
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