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NATO対ロシア:次に起きること
2022年5月24日
The Saker
ダボスとそれ以後、NATOの楽観的な言説は壊れたレコードのように鳴っているが、他方現場では、ロシアは、大西洋同盟体制を沈没できるほど勝利を積み重ねている。
著者ペペ・エスコバールの許可を得て掲載。Cradleにも重複投稿。
ウクライナにおけるロシアのZ作戦開始から三ヶ月、欧米(12パーセント)対それ以外(88パーセント)の戦いは転移し続けている。だが言説は奇妙なことに変わらない。
月曜、ダボスで世界経済フォーラム会長のクラウス・シュワブは、武器懇願歴訪の最後の行程にあるウクライナ大統領兼コメディアン、ウォロディミル・ゼレンスキーを熱烈な賛辞で紹介した。ネオ・ナチを守りながら大統領を演じている俳優は「ヨーロッパと国際秩序の全て」に支持されているとシュワブ会長は強調した。
彼は、もちろん、法の支配を支持する世界の88パーセント以外の、欧米が「規則に基づく国際秩序」と呼ぶエセ概念を支持する連中のことを言っているのだ。
実世界に戻ると、ロシアは、ゆっくりと、しかし着実に、ハイブリッド戦争の技を書き直している。それでもNATO心理作戦カーニバルや攻撃的な認知潜入や衝撃的メディア忖度の中、ウクライナへの新たな400億ドル「支援」パッケージは、この戦争の形勢を一変させるとみなされている。
だが、この「形勢を一変させる」言説は、アフガニスタンとイラクを確保すべく何兆ドルも燃やした同じ連中の厚意によるものだ。我々はそれが一体どうなったか見ている。
ウクライナは国際的腐敗の聖杯だ。400億ドルは、二種類の人々にとってしか形勢を一変させるものであり得ない。第一に、アメリカの軍産複合体、第二に、兵器と人道的援助のため闇市場を独占して、更にカイマン諸島で儲けを洗浄する、一群のウクライナ人オリガルヒとネオコンNGOだ。
400億ドルを大雑把に分けよう。87億ドルがアメリカ武器備蓄を補充するため使われるのは明らかだ(だからウクライナには全く行かない)。アメリカ欧州軍USEUCOM(キエフに軍事戦術を指令する「司令部」)に39億ドル。曖昧な特定されない「グローバル食糧サプライチェーン」に50億ドル。ウクライナへの実際の武器と「訓練」に60億ドル。(誰かの懐に消える)「経済援助」に90億ドル。難民のために9億ドル。
アメリカのリスク評価機関が、キエフを、非返済ローン組織というごみ箱に格下げしたので、アメリカ大手投資信託は、欧州連合(EU)と加盟国をウクライナの唯一の選択肢として残して、ウクライナを見限っているのだ。
ポーランドのようなロシア憎悪国を別として、そうした国のわずかしか、破綻国家に莫大な金額の直接支援金を送るのを自国民に弁明できない。だから、加盟諸国や組織からの、どのような流入からも独立して、ウクライナを経済昏睡状態に維持するのはブリュッセルを本拠とするEU機構の任務になるだろう。
主に武器出荷のかたちの、これらEU「融資」は、常にキエフの小麦輸出によって返済することができる。これはウクライナ麦が、ダニューブ河から、はしけで到着し、ルーマニアのコンスタンツァ港で毎日多数の貨物船に積むことが既に小規模で行われている。あるいは「小麦のための武器」不正商売で回転するトラック軍用車列によって。だがウクライナ小麦は、貧困に陥っているウクライナ人ではなく裕福な欧米を食べさせ続けるだろう。
さらに、この夏、小麦を輸送するウクライナ船舶を護衛するため黒海に軍艦で入る(法的ではなく)神権を擁護するため、NATOがもう一つの怪物心理作戦を始めると予想される。NATO擁護メディアは、それを欧米が直接、連続的でヒステリックな欧米制裁パッケージで引き起こされているグローバル食物危機から「救われる」と好意的に歪曲するのだ。
ソフトな併合を目指すポーランド
NATOはポーランドとの西国境を経由して、ウクライナに実際大規模に「支援」を強化している。それはワシントンの二つの包括的目標と同期している。第一に、1980年代のアフガニスタンと全く同様、ジハード戦士を傭兵とネオ・ナチに置き換えた反乱の「長い戦争」。第二に、ロシアを「弱める」ため、軍事的、経済的手段として使われる制裁。
他の目標は変わらないが上記二つに従属する。(起きないだろう)中間選挙での民主党再選の確保。リベート(すでに起きている)として還流される資金で軍産複合体を潤す。あらゆる手段で米ドル覇権を維持する(難しい。多極世界はきちんと行動している)。
驚くほど易々と実現されている重要目標は、ドイツの、従ってEU経済の破壊、生き残った企業の大半は最終的に、アメリカの権益のために売り払われる。
例えば、ロシア・ガス供給がなければ沈む「我々の産業がドイツの天然ガス消費量の約37パーセントを占める」とロイターに言うBMW取締役ミラン・ネデリコビッチがいる。
ワシントンの計画は、新しい「長い戦争」を余り強烈ではない水準で維持することだ。傭兵連中に拍車をかけられ、ポーランドやバルト小国からドイツに至るまで、どこかの国の定期的NATOエスカレーションを特徴にした、2010年代のシリアを想起願いたい。
先週、欧州連合外務・安全保障政策上級代表(外相相当)を装う痛ましいEU官僚ジョセップ・ボレルは、EU外交問題評議会の来たる会議を予告した際、馬脚を表した。
「紛争は長く続き」ウクライナに対する「EU加盟諸国の優先事項」は「重火器供給」だとボレルは認めたのだ。
それからポーランドのアンドレ・ドゥダ大統領は、キエフでゼレンスキーと会った。二人が署名した多数の協定は、この戦争で、ワルシャワが、西ウクライナにおける政治的、軍事的、経済的、文化的影響力を大幅強化する恩恵を得るつもりであることを示している。ポーランド人がウクライナ行政組織に選出されたり判事を目指すことさえ可能になる。
実際、これは、キエフがウクライナ破綻国家の運営をポーランドに移していることを意味する。ワルシャワは兵隊さえ送らなくともよいのだ。ソフトな併合と呼ぼう。
蒸気ローラー稼働中
今の戦場状況は、この地図で検討できる。盗聴したウクライナ司令部通信で、ポルタヴァからドニエプロペトロフスク、ザポリージャ、クルィヴィーイ・リーフとニコラエフを通る層状防衛を構築する狙いがわかるが、それは、たまたま既に強化されているオデッサ防衛でもある。だが、そのどれもロシアによる猛攻撃に対する成功を保証しない。
Z作戦が、2月24日、約150,000人の兵士で始まったが、決してロシア精鋭軍でないことを想起するのは重要だ。それにも拘わらず、彼らは、わずか50日間でマリウポリを解放し、エリート・ネオ・ナチ・アゾフ連隊を打倒し、最小の犠牲者で人口400,000人の都市を浄化したのだ。
現地で実際の戦闘を行ないながら、空からの無差別アメリカ風爆撃ではなく、広大な国の大きな軍隊に対して、複数の技術的、財政的、兵站上の難題に会いながらも、ロシアはヘルソン、ザポリージャと、事実上「双子の赤ん坊」地域全体、ドネツクとルガンスク人民共和国を解放に成功した。
ロシア地上部隊指揮官アレクサンドル・ドヴォルニコフ大将は、ターボチャージャー付きミサイル、大砲や空爆で、Z作戦最初の段階より5倍速い勢いだが、他方ウクライナは、全体的に、燃料、砲兵隊弾薬、熟練専門家、ドローンやレーダーが乏しいか極めて乏しい。
アメリカの肘掛け椅子・TV大将が理解できないのは、この戦争に対するロシアの見方だ。専門家アンドレイ・マルチャノフが「軍と警察の複合作戦」と定義するもので、二大目標は、自軍兵士の命を保持しながら、敵の全ての軍事資産の破壊だ。
だから、戦車を失うのはモスクワにとって大問題ではないが、命を失うのは大問題なのだ。それは大規模なロシア爆撃を説明している。それぞれの軍事目標が決定的に破壊されなければならない。高精度攻撃は重要だ。
国防省がなぜ速い戦略的勝利を目指さないのかについてロシア軍事専門家の間で討論が過熱している。彼らはアメリカ風に、直ちにウクライナを瓦礫の山と化すことができたはずだ。そうはならないだろう。ロシア人は、ゆっくり確実に、一種の蒸気ローラー風に前進するのを好んでいる。地雷工兵が完全に地形を偵察した後、進むのだ。結局、いたるところに地雷があるのだ。
の
NATOの歪曲報道連発が何であれ、全体パターンは紛れもない。ウクライナの損失は指数指数関数的で、毎日1,500人が死亡するか、負傷している。いくつかのドンバス大がまに、50,000人のウクライナ人がいるとすれば、6月末までには、いなくなるだろう。
ウクライナはマリウポリ内や、その周囲だけで、約20,000人の兵士を失ったに違いない。それは、2015年のデバリツェベ、2014年のイロヴァイシクを上回る大規模な軍事的敗北だ。イジューム付近での損失はマリウポリより大きいかもしれない。そして今セヴェロドネツィク地区の敗北が近い。
我々はここで最良のウクライナ戦力について話している。今までNATOに送られた欧米兵器の70パーセントしか戦場に届かないことは重要でさえない。重大問題は最良の兵士たちが行き亡くなるが置き換えられないことだ。アゾフ・ネオ・ナチ、第24旅団、第36旅団、様々な航空攻撃部隊、彼らは全て60パーセント以上の損失を被ったか完全に破壊された。
それで何人かのロシアの軍事専門家が強調したように、鍵となる疑問はキエフが後戻りできない所に至って「負ける」時ではない。この地点に達するため、モスクワはどれだけの兵士を失う用意があるかだ。
ウクライナの防衛は大砲に基づいている。だから今後の重要な戦いには、長距離砲兵隊が関与する。アメリカが、遙か最高70キロかそれ以上の標的を射止めることができる高精度誘導弾のM270MLRSシステムを配備しようとしているのは、問題だろう。
だが゜ロシアにはカウンターパンチがある。高精度な砲弾を使用し、レーザー誘導で100キロ以上の射程距離範囲のヘルメス小型作戦-戦術的コンプレックスだ。しかも、それは既に大量生産されているパーンツィリ対空防御システムと連動して働ける。
沈みゆく船
現国境のウクライナは既に過去のものだ。ロシア大統領のクリミア駐在代表で、クリミア副首相のゲオルギー・ムラドフは譲らない。「かつて、そうだった形のウクライナは、もはやないと私は思う。これは既に元ウクライナだ。」
ムラドフが確認するように、アゾフ海は、今やロシアとドネツク人民共和国(DPR)の「共同利用の海」だ。
マリウポリは修復されるだろう。ロシアはグロズヌイとクリミア半島両方でのこの事業で多くの経験がある。ロシア・クリミア地上回廊は完成している。マリウポリの5つの病院のうち4つが既に再開し、公共輸送機関も3つのガソリンスタンドも再開している。
それはキエフ現政権の終焉の始まりを意味するから、セヴェロドネツィクとリシチャンシクの差し迫った陥落は、ワシントンとブリュッセルで重大な警報を鳴らすだろう。それは、現実上「欧米はあなたとともに立つ」という、あらゆる高尚な言説を越えて、列強諸国が沈みつつある船に賭けるのに気乗りしないことを意味する。
制裁という面では、マクシム・レシェートニコフ経済発展大臣が詳述しているように、モスクワは正確に何を期待すべきか知っている。「ロシアは、制裁がどちらかと言うと長期的なものだという事実と、アジア基軸、東方市場、アジア市場への方向転換の加速が戦略的指針だという事実から進める。我々はアジア諸国と、アラブ諸国と、中南米諸国との、バリュー・チェーンに統合するため、あらゆる努力をする。」
「ロシアを脅迫する」取り組みに関しては、当事者諸国は、ロスコスモスCEOドミトリー・ロゴ−ジンが説明するように、この秋戦闘に準備されている50機のサルマート最先端ミサイルの極超音速音を聞くのが賢明だろう。
今週のダボス会議は、世界全体にわたる一極対多極の戦いで、もう一つの連合に光を当てた。ロシア、双子の赤ん坊、チェチェン共和国やベラルーシのような同盟国が、今や換言すれば、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相のような若干の例外はあるが「ダボスのリーダー」と対抗しているのだ。
ゼレンスキーには問題ないだろう。彼はイギリスとアメリカ特殊部隊に守られている。家族は報道によればイスラエルの800万ドル大邸宅に住んでいる。彼はマイアミビーチに3400万ドルの別荘を、トスカーナにもう一つ所有している。普通のウクライナ人は、彼が取り仕切るキエフ・ギャング、つまり、オリガルヒ、ウクライナ保安庁(SBU)狂信者、ネオ・ナチに、ウソをつかれ、強奪され、多くの場合、殺された。国内に留まるウクライナ人(1000万人が既に脱出した)は消耗品として扱われ続けるだろう。
一方、ロシアのウラジーミル「新ヒトラー」プーチン大統領は、既に芯まで崩れ落ちている欧米を、破壊し腐敗させる、この壮大なドラマを終わらせるのを全く急いでいない。彼が、なぜそうすべきだろう?彼は「我々はなぜうまくやって行けないのか」という面に関して、2007年以来、全てを試みた。プーチンは完全に拒絶された。だから、今は深く座り、くつろいで、西洋の没落を見る頃合いだ。
記事原文のurl:https://thesaker.is/nato-vs-russia-what-happens-next/
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